21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

安倍元首相の「国葬」開催強行に抗議します

「アベ政治」の賛美は許さない。旧統一教会との関係も調査を

多くの国民が反対する安倍元首相の「国葬」が9月27日、東京・武道館で開催されました。国会周辺には1万5千人を超える市民が集まり、国葬反対の声をあげました。長野県内でも政府による弔意の強制に反対する集会や街頭宣伝が開かれ、岸田政権が閣議決定だけで強行した「国葬」への支持・理解は全く広がりませんでした。

「国葬」が終わったからと言って、すべてが解決したわけではありません。岸田政権が閣議決定だけで法的根拠もなく開催を決めた経緯の解明や、反社会的なカルト集団、旧統一教会と結びついていた安倍元首相の活動の調査、「国葬」にかかった国税の総額とその適否、思想・信条の自由を保障する憲法との兼ね合いなど、国会で徹底した議論が必要です。「国葬」開催でさまざまな問題を積み残した「アベ政治」が賛美されることのないように監視を強めましょう。

「国葬」当日、6団体と立憲・共産・社民の3政党代表が街頭宣伝

安倍元首相の「国葬」当日の9月27日、6団体共闘(戦争をさせない1000人委員会、九条の会、県護憲連合、県憲法会議、県労組会議、県労連)は、立憲民主党、日本共産党、社会民主党の代表とともに長野駅前で、「国葬」実施に抗議する街頭宣伝を行いました。約80人の市民が参加しました。

戦争をさせない1000人委員会・信州からは松澤佳子さんが「民主主義を破壊するな」とアピール。県憲法会議からは細尾俊彦さんが訴えました。立憲民主党からは杉尾秀哉・参議院議員が、日本共産党からは武田良介・前参議院議員が、社会民主党からは中川博司・県議会議員がアピールしました。

安倍元首相「国葬」当日に抗議の声をあげましょう!

6団体3野党が朝7時30分から長野駅前で街頭宣伝・スタンディング

プラカードや横断幕をもって集まりましょう!

安倍晋三元首相の銃撃事件で、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と自民党との深い関係性や、安倍元首相と旧統一教会との強いつながりが社会的に明らかになりました。安倍元首相は、選挙などでの旧統一教会の自民党候補への支援体制を差配する立場にありました。また、旧統一教会の教義で「家族・家庭」を絶対視し、介護や子育てを社会化する政策に反対し、選択的夫婦別姓制度も「家庭の崩壊につながる」と強く反対するなど、安倍元首相や自民党保守派の主張と重なる面が多くありました。

このような反社会的な集団と結びついていた安倍元首相を、岸田首相は「国葬」として強行し、国民に弔意を強制しようとしています。法的な根拠もなく、思想・信条の自由にも反する「国葬」の実施は許されません。

9月27日、国葬の当日、6団体共闘の枠組みで、3野党(立憲・共産・社民)と共同街頭宣伝を実施します。

国葬の開催強行に抗議する声をあげましょう。どなたでも参加できます。国葬反対の意思を表すプラカードや横断幕、のぼりなどを持って集まりましょう!

安倍国葬に反対する6団体・3野党 長野駅前街頭宣伝

◆主 催  6団体共闘(戦争をさせない1000人委員会、九条の会、県護憲連合、県憲法会議、県労組会議、県労連)

◆政 党  3政党(立憲、共産、社民)の代表が参加

◆日 時  9月27日(火) 朝7時30分

◆場 所  長野駅前 東急レイホテル前

9月4日にも長野駅前で100人が集まり国葬反対をアピール

旧統一教会問題は政治の責任で解決を

安倍元首相と旧統一教会の結びつきの解明を

入信して脱走した長野市の女性の体験が信濃毎日新聞に掲載

安倍元首相の国葬が9月27日に実施される予定ですが、国民の中止を求める声はますます大きくなっています。その理由の一つに、安倍元首相と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係が挙げられます。反社会的なカルト集団である旧統一教会と安倍元首相の関係は深いものがあり、その事実関係の解明が求められているにもかかわらず、岸田文雄首相は調査さえしようとしていません。

9月16日付の信濃毎日新聞に長野市内に住む女性が大学時代に旧統一教会に入信してしまい、洗脳されたという体験談が掲載されています。女性は「旧統一教会は政治が規制しなればならない」と訴えています。信濃毎日新聞の記事を紹介します。

6団体が3野党とともに安倍「国葬」反対の街頭宣伝を計画

参加して抗議の意思を示そう! 9月4日(日)13時から長野駅前で

岸田政権は国民の強い反対の声を無視し、9月27日に安倍晋三元首相の「国葬」を開こうとしています。

私たちはこの国葬実施に強く反対します。その理由として、①国葬を開く法的な根拠がないこと、②安倍政治に対する国民の評価が分かれている現状で、政府が一方的に安倍政治を賛美し、国税を投入することは許されないこと、③本来個人の自由な意思に委ねられるはずの「弔意」や「追悼」が国によって強制されてしまうことなどです。

戦争をさせない1000人委員会、九条の会、県護憲連合、県憲法会議、県労組会議、県労連の6団体は、安倍国葬に反対する街頭宣伝を立憲民主党、日本共産党、社会民主党の3党とともに9月4日(日)13時から長野駅前で実施します。

誰でもが参加できる行動です。プラカードを持ちよって、安倍国葬に反対する意思を示しましょう。

「国葬反対」6団体・3野党 長野駅前共同街頭宣伝

◆主 催  6団体共闘(戦争をさせない1000人委員会、九条の会、県護憲連合、県憲法会議、県労組会議、県労連)

◆政 党  3政党(立憲、共産、社民)の代表が参加

◆日 時  9月4日(日) 13時

◆場 所  長野駅前 東急レイホテル前

安倍元首相の「国葬」中止を求めるオンライン賛同署名にご協力を!

平和フォーラムが参加する「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、安倍元首相の「国葬」中止を求めるオンライン賛同署名を呼びかけています。

「安倍元首相の『国葬』中止を求めます」
こちらから署名できます→ https://www.change.org/kokusouhantai

7月22日の閣議で政府は、故安倍晋三氏の「国葬」を9月27日に行うことを決定しましたが、これには、多くの皆さんが疑問と反対の声をあげています。

報道各社の世論調査でも、「国葬反対」(47.3%、時事通信社8月)、国葬を行うことを「評価しない」(50%、NHK8月)など、「反対」、「評価しない」が多数です。

このような世論には理由があります。1)個人の葬儀を国が行う根拠法が存在しないこと、2)特定の個人の葬儀費用を税金で執行することが、法の下の平等、思想や良心、信教、表現の自由、財政民主主義を定めた憲法に反すること、3)安倍氏の政治的な業績に対する評価は定まっておらず、むしろ「モリカケ・サクラ疑惑」など行政の私物化や、国会軽視、官僚統制のあり方などに厳しい批判があること、などの点が主なものです。「国葬」が日本国憲法の諸原則と相いれないという指摘も各方面から行われています。

くわえて、連日報道される旧統一教会と政治との癒着の中心に安倍氏が存在していたことは、同氏の評価をさらに厳しいものにしています。

7月12日に行われた安倍氏の家族葬にあたって、全国でいくつかの教育委員会が弔意を示す半旗の掲揚を学校に求めたと報じられています。この事態は国葬にあたり、行政や学校などをつうじて市民に弔意が強要され、基本的人権が侵害されるおそれをいだかせます。

岸田首相は、記者会見などで「世界各国がさまざまな形で弔意を示し、我が国としても弔意を国全体として示すことが適切」などと述べていますが、葬儀の政治利用といえる理由を市民が受け入れていないことは、先の世論調査結果でも明らかです。

むしろ、国会開催を求める野党の要求に背をむけ、説明責任を果たそうともしない姿勢は厳しく批判されるべきです。

すでに多くの市民、団体が「国葬反対」「国葬中止」の声をあげ、行動に立ちあがっています。私たちは、これらの市民の声と運動に連帯し、より多くの市民・労働者の声をみえる形にするために、このアピールへの賛同署名をよびかけます。

9月27日の「国葬」中止の一点で、賛同いただける皆さまのご協力をお願いします。

【呼びかけ】
飯島滋明(名古屋学院大学教授)
石村修(専修大学名誉教授)
稲正樹(元・国際基督教大学教授)
上野千鶴子(東京大学名誉教授)
内田樹(神戸女学院大学名誉教授)
落合恵子(作家)
鎌田慧(ルポライター)
清末愛砂(室蘭工業大学大学院教授)
五野井郁夫(高千穂大学教授)
斎藤美奈子(文芸評論家)
佐高信(評論家)
澤地久枝(作家)
島薗進(東京大学名誉教授)
清水雅彦(日本体育大学教授)
田中優子(法政大学名誉教授・前総長)
中島岳志(東京工業大学教授)
永山茂樹(東海大学教授)
※アイウエオ順

被爆77周年原水爆禁止世界大会・広島大会に初めて参加して

長野県原水禁からは3年ぶりに6名が参加

コロナ禍が続いて早3年目に入り、コロナ前のようには到底戻らないまでも徐々にイベント等は対策をした上で開催するところが多くなっています。昨年も原水禁世界大会は行われましたが、長野県としては中止をしたので3年ぶりの参加となりました。

団は、少しでも接触を減らすため現地集合現地解散とし、夕食会は個室限定の会場を選定するなど、できるだけの対策をしました。

8/4(木)15:30~平和記念公園を出発して折鶴平和行進が行われ、長野県団は広島の暑さにバテそうになりながらも、77年前の原爆投下時に思いを馳せて行進を終えました。その後の県立総合体育館での開会総会は、高校生平和大使の梶原百恵さんの司会で始まりました。福島県平和フォーラムの角田代表の福島からの報告では、汚染水海洋放出の現状についてお話いただきました。被爆者の訴えでは、15歳の時に爆心地から南東およそ2キロの場所で被爆された切明千枝子さんが当時の状況がいかに悲惨だったか、亡くなっていった下級生たちのためにも自分が語っていかなくてはとの思いで今ここにいるとお話してくださいました。私はあまりに無残で悲しく衝撃的な内容に驚くとともに、非常に強く印象に残りました。このお話を訊くために広島に来させてもらったのだなと妙に納得したほどでした。

8/5(金)9:30~各自希望の分科会に参加しました。私は『脱原発Ⅱ 核燃料サイクルと高レベル放射性廃棄物』に参加し、核のごみ最終処分場の問題について、主に寿都町と神恵内村の現状とこれまでの経過について学びました。これは米軍基地と同じように沖縄や北海道だけの問題ではなく、日本全体の問題と認識することが重要だとあらためて感じました。午後は、原爆資料館を時間をかけて見ることができました。

8/6(土)8:00~例年通り、平和記念公園では式典が行われていますが、ここ数年はコロナ禍により一般の入園は制限されているため、私たち長野県団は原爆ドーム前に向かいました。そこにはたくさんの人が集まっていて、合唱をしているグループがいたり、メディアも多かったです。8:15に鐘の音が鳴ると、そこにいた人たちのほぼ全員が静かに黙とうを捧げました。不思議なことにあれほど数分前までにぎやかだった場所が、その時間だけ77年前にタイムスリップしたかのように当時の様子を思い起こさせる暑い夏の蝉の音だけが鳴り響くひとときでした。前日の切明さんの「どんな思いで亡くなっていったか・・・」その言葉が脳裏に浮かび、もう二度と戦争はしてはならない、そう強く思いました。

全体のまとめ集会には約450名が参加し、大会共同実行委員長からは今大会の参加に際して、被爆の実相を持ち帰って周りの人に伝えて欲しいとのお話でした。私にできることは小さいかもしれないけど、自分が見て聞いて感じたことを伝えることなのだと感じました。帰ったら、身近な人に広島での経験を伝えていきたいと思い帰路につきました。

広島で15歳の時に被爆した切明千枝子さん

第23代高校生平和大使の皆さん

毎年8月6日8:15~、原爆ドーム前には大勢の人が集まる

原爆ドームの様子

広島に原爆が投下された8時15分に黙とう

長野県団の集合写真

被爆77周年原水爆禁止世界大会・広島大会 まとめ集会の様子

77回目のヒロシマの日に核兵器も原発もない社会をめざす誓い

県原水禁大会に会場・Zoomで約40人が参加

被爆77周年となる8月6日当日、早朝8時前から長野市の県労働会館に、会場参加とオンライン視聴含めて約40人が集まり、原水爆禁止長野県大会が開かれました。新型コロナの感染が急拡大するなかで、感染防止を徹底しての開催となりました。

宇佐美正信・県原水禁代表委員の主催者あいさつに続き、広島市で行われている平和記念式典をテレビで同時中継、原爆が投下された午前8時15分を期して全員で黙祷を捧げました。

その後、映画『にんげんをかえせ』を視聴しました。映画は1982年、アメリカ軍が撮影した原爆投下後の映像を買い取る「10フィート運動」で製作されました。広島、長崎の被爆直後の状況や被爆者の証言が収められています。女優の大竹しのぶさんがナレーションを務めています。

続いて、県原爆被害者の会から副会長の前座明司さん(松本市)が被爆二世としての体験や思いを語ってくれました。前座さんは「被爆者であった父は『今日の聞き手は明日の語り手』と何度も言っていた。被爆者が被爆体験、自らの思いを語れなくなる日が近付いている。今がとても大事な時期だ」と強調。

5歳の時、広島で被爆した今井和子さん(長野市)は、「(被爆した祖父は)どこでどのような亡くなり方をしたのか、遺品も遺体も何もない状態だった」と原爆投下の日の体験を語りました。

大会では「核兵器のない社会を目指して運動を続ける」などとする大会アピールを採択しました。

広島に原爆が投下された8時15分に黙とう

被爆二世として体験を語る前座明司さん(長野朝日放送のニュースから)

広島で5歳の時に被爆した今井和子さん

県大会で採択したアピール文

信濃毎日新聞(2020年8月7日)より

長野朝鮮初中級学校の生徒が松代大本営象山地下壕を見学

地下壕入口で自らの学習発表も - 追悼碑を守る会が案内

長野朝鮮初中級学校(松本市)中級部(中学校)の1年生から3年生までの生徒14人は7月23日、松代大本営象山地下壕の見学と学習発表を行いました。

追悼碑の建設の目的や経緯、長野市が朝鮮人強制連行の歴史的事実をあいまいにした説明看板の問題などについて、守る会役員が説明しました。また、実際に地下壕内に入り、過酷な掘削工事の実態を見学しました。

生徒たちは、地下壕見学の前に、市民団体が運営する「もうひとつの歴史館・松代展示室」も訪問。スタッフの説明を聞くとともに、当時の作業を体で感じられるズリ(砕いた岩石)を運ぶ体験もしました。

また、生徒たちが事前に松代大本営について学んできたことを模造紙に書いて、地下壕入口の前で学習発表も行いました。生徒たちは在日朝鮮人として日本社会で生きていくための決意もアピールしました。

アスベストによる健康被害が深刻さを増している

県アスベスト対策センターが松本市で相談会を開設

面談・電話で8件の相談-多くが建設業で働く人から

2005年のクボタショック以降、アスベスト(石綿)問題が、労働現場でのアスベスト使用や解体に伴うばく露、中皮腫・肺がん発症など労働災害問題にとどまらず、一般市民にも健康被害を及ぼす危険性が明らかになり、重大な社会問題として認識されるようになりました。

アスベストによる健康被害は、40年と言われる長期間にわたる潜伏期間ののちに中皮腫、肺がんなどが発症するため、アスベスト大量使用時代に現役であった労働者や関連工場の周辺住民の健康被害が現代の問題として浮上しています。また、アスベストの吹付、建材に使用された建築物の解体時期を迎える問題も地域社会にとっては重要な課題です。高度経済成長時代の効率のみを追い求める社会風潮が生み出したアスベスト問題は、経済優先の「負の遺産」です。これからの時代は、何よりも人の命や健康を優先させる社会が求められています。

長野県内でもアスベストを扱う事業所での労働者のばく露問題や建築物に使用されるアスベストの解体・補修時の飛散問題など、大きな社会問題となっています。JR東日本では現役の社員がアスベストばく露により悪性胸膜中皮腫を発症、闘病のすえ死亡するという労働災害も注目を集めました。

また、2019年10月の台風19号では、東北信地域を中心に甚大な被害がでましたが、被災地に多くのボランティアが支援に駆け付けてくれました。アスベストが含有される建材をボランティアが扱う場面も見られ、長野市は、注意を喚起するチラシの作成やマスクを配布するなど、安全を確保するための対策を講じました。

「長野県アスベスト対策センター」は2018年4月に結成しましたが、「NPOじん肺・アスベスト被災者救済基金」(神奈川県)の協力により、長野県内の県民・労働者、関係事業者などを対象に7月17日、松本市勤労会館で面談・電話相談会を開設しました。相談会を通じて、アスベスト被害の実態を掘り起こすとともに、少しでも悩みや疑問がある人からの相談への対応や、健康被害で苦しんでいる人への救済制度の説明など、身近な相談センターとしての社会的役割を果たす目的で、今回が9回目となります。


建築物の解体工事や屋根をふく作業に従事した人から相談

相談会は10時から16時まで開設しました。相談は面談で4件、電話で4件(事前相談含む)あり、5件が建設業に携わる方からの相談でした。「屋根をふく作業をして、アスベストを含む建材を切断した」「内装業でアスベストが含有している壁ボードを張る作業をした」「昔、左官業をやっていて、壁塗り材にアスベストを混合する作業をした」「亡くなった父は鉄骨組みをしていて、アスベストの吹付作業もやったと言っていた」など、とりわけ建設業で働く人からの健康被害の相談が多くを占めました。

現在、アスベスト材の吹き付けや、アスベストを含む建材の製造は禁止されていますが、1960年代からの高度経済成長期にはビルの建築現場でのアスベストの吹き付けや、壁や天井に使用されるボードにアスベストが混合されていました。そのような建築物がこれから2020年代の後半にかけて、解体のピーク期に入ります。

アスベストの健康被害は、過去に終わった問題ではなく、これからの問題だと改めて実感した相談会でした。

面談相談は新型コロナ感染防止対策を取って実施。Zoomで神奈川県の相談員とつないで対応した。

相談会を事前に報じるNHK長野放送局のニュース(ホームページより)

労働組合があったから働き続けられた

権力弾圧に抗する全日建関西生コン支部が県内オルグ

県労組会議は7月15日~16日の2日間、全日建関西生コン支部第3次オルグを行いました。全日建連帯労組本部からは小谷野毅書記長、関西生コン支部からは組合員の松尾聖子さんが来県しました。初日は長野、須高地区を中心に各単組へのオルグ、夕方には報告集会、翌日は午前中松本地区の単組の仲間との意見交換会、午後は「21世紀の労働運動研究会」での講演と報告とハードな日程でしたが、熱い思いが伝わる2日間でした。

YouTubeのヘイト動画により、関西生コン支部は「反社会的」な労働組合であるような印象を持っている仲間もいましたが、オルグを重ねるごとにそのイメージは払拭されているように思います。

特に、松尾聖子さんが「シングルマザーとして3人の子どもを育て上げられたのは、男女同一の賃金が保障されたいたからであり、盆や正月など勤務日数が少ないと賃金が減ってしまうことを労働組合が交渉で解決してくれた。生コンは90分以内に運ばないと固まってしまうので、生理のときはズボンをよごしてしまうこともあり、2日間の有給の生理休暇を獲得したことは本当にありがたかった。労働組合があったから働き続けられた」「義兄が保育所入所のための就労証明をめぐって逮捕された際に関西生コン支部の組合員であるというだけで自分のところにも捜査令状なしで警察の組織対策課が『ガサ入れ』に入った。エアコンの室外機の下を探られ、下着までかき回された。悔しい思いをした。自分は何も悪いことはしていない。泣き寝入りはできない」と悔し涙で訴え、私自身も胸が詰まりました。

私鉄の女性組合員は「厳しい状況下で闘っているからこそ共感する」と話し、自治労の仲間も「自分たちがもっとしっかり運動をしていくことで支えていきたい」、国労の仲間からは「自分たちも攻撃を受けて全国の仲間に支えてもらった。共に闘いたい」など支援していく決意が述べられました。今回のオルグには映画監督の土屋トカチさんも同行され、この秋には松尾聖子さん主演のドキュメンタリーが公開されることを聞き、多くの仲間からぜひ地区や単組で上映会をやりたいという声もあがりました。

小谷野書記長は講演で「延べ81人の組合員逮捕、弾圧による脱退者が500人を超える厳しい状況にあるが、裁判の過程で弾圧の狙いは明らかに不当な、組合つぶしであることが明白になっており、『無罪』判決も出ている。潮目は変わっている」と話しました。

思い返せば、国労をはじめ、これまでも資本の側に都合の悪い労働組合への熾烈な弾圧は繰り返し行われ、人格や尊厳がふみにじられてきました。どんな人でも人格を否定されたとき、傷つき心が折れそうになります。それでも、闘いの中で、松尾聖子さんのように不屈の精神を持った仲間も生まれます。見て見ぬふりをして弾圧に加担するのか、立ち上がって闘う仲間を支えて労働者の尊厳を守るのか、問われています。

長野県平和・人権・環境労働組合会議 議長 松澤佳子

関西生コン支部の松尾聖子さん

全日建連帯労組本部の小谷野毅書記長

映画監督の土屋トカチさん

 

 

長野電鉄労組

アルピコ労組川中島バス支部

国労車両所支部

国労長野地方本部

長野市職員労組

支援集会で松尾聖子さんと

自治労県本部

松本市での懇談会