21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

裏金・統一教会に頼り、国民生活と平和を壊す自公政権は退場を

立憲野党の躍進で国民・労働者のための政治、政権交代を実現しよう

総選挙投票日は10月27日(日) 期日前投票の活用も

石破政権が発足しましたが、国会で十分な議論も行わず、10月9日解散、15日公示、27日投開票の総選挙を強行しました。

石破首相は自民党総裁選の中で掲げた「裏金議員の選挙での厳しい処遇」「日米地位協定の改定」「選択的夫婦別姓制の導入」などは、首相就任後に態度を一変させ、発言を修正したり封印したり、発言と行動が一致しないブレた対応に終始しています。また、衆議院の解散についても総裁選では、国会で十分に議論してからなどと発言したにもかかわらず、早期解散を強行するなど、すでに国民からの信頼感を失いつつあります。

投票日は10月27日(日)。国民生活と平和、民主主義の将来のために何としても自公政権の過半数割れ、政権交代への道すじをつけましょう。

県労組会議総選挙推薦候補

長野1区 しのはら孝  長野2区 下条みつ

長野3区 神津たけし   長野5区 福田じゅんた

県労組会議が4候補に「政策要望書」を提出

県労組会議は各選挙区の推薦候補者あてに「政策要望書」を提出し、その内容を尊重して国政にのぞむように求めました。

公示日の15日、16日に4人の候補者事務所を訪問して要望しました。政策要望書の内容は下記の通りです。

政 策 要 望 書

 第50回衆議院総選挙に向け、長野県平和・人権・労働組合会議、各地区労組会議は、下記の通りの政策要望を提出します。貴殿におかれては、私たちの政策要望を尊重していただき、当選後の国会活動に反映していただけるように要請いたします。

1.立憲主義に基づき、憲法9条の改悪に反対し、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権を掲げる日本国憲法の原則を徹底して守ります。

2.核兵器禁止条約を批准し、脱原発と再生可能エネルギーへの転換を積極的に進めます。

3.沖縄県の米軍辺野古基地建設に反対し、日米地位協定の改定を求めます。

4.勤労者の生活を直撃している物価高に対し、家計への直接的補助の拡充、中小零細事業者の雇用と事業を守るための支援策を拡充します。

5.労働基本権を擁護し、労働者全体の賃金引き上げと解雇規制の自由化に反対するなど労働者保護ルールの堅持、官民の非正規雇用の待遇改善を図り、正規雇用化をめざします。

6.男女の賃金格差、雇用格差をなくし、女性が安心して働き続けられる権利確立に取り組みます。また、LGBTsなどすべての差別の解消に取り組みます。

7.真の地方自治を実現するための財政を確立し、人員確保を進めます。病院、保健所、保育所、水道など市民の健康と生命にかかわる公共部門の充実をはかります。

8.中小零細企業、地場企業への支援を拡充し、下請け企業の価格転嫁や適正価格での雇用保障、労働条件の維持・向上に取り組みます。

9.公共交通の人手不足への対策を徹底し、ライドシェアなどタクシーの規制自由化に反対し、地域公共交通の維持、活性化対策を強化します。

10.国有林は「国民の共有財産」であり、地球温暖化防止の観点からも十分な予算を投入します。

11.食料自給率の向上や食の安全を確保し、地域における農林水産業を再建します。

311 子ども甲状腺がん裁判第10回口頭弁論を傍聴して

東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた男女7人が東京電力に損害賠償を求めている「311子ども甲状腺がん裁判」の第10回口頭弁論が6月12日、東京地裁で開かれた。 

弁護団長の井戸弁護士

この日は、大法廷の一般傍聴席が86席に対し、191人が傍聴券の抽選に並んだ。地裁前の裁判前集会には平日であるにも関わらず160人が集まった。この裁判の注目の高さがうかがえる。

今回も多くの支援者が東京地裁前に集まった。

裁判の行方について話す副弁護団長の杉浦ひとみ弁護士

京都訴訟で闘う若き原告

前回の期日前から、順次提出する予定だった原告一人ひとりの陳述書と精神科医による意見書。その提出が再び留保となった。理由は、原告本人が法廷でこの主張の内容を説明することを求めていたが、裁判所が認めなかったとのこと。

弁護団によると、原告側は、口頭弁論に先駆けて開かれた進行協議で、原告の弁論を認めない裁判所の対応は法律に反すると指摘。原告本人による陳述を認めない理由を、法廷の場で説明するよう裁判所に求めたところ、裁判所が態度を軟化させ、書面内容から逸脱しないことを前提条件に、次回期日以降、原告による陳述を認める可能性を示したという。このことから、弁護団は原告の個別の書面提出を次回に延期し、次回の期日で原告による意見陳述を行なっていきたい考え。

原告側は今回、UNSCEAR(国連科学委員会)を批判する書面4つを提出。一方、東電は反論の書面1つを提出した。裁判所の方針で、原告は次回の期日で、因果関係などに関する主張は全て出し切る予定だという。なお、原告の一人が提訴を取り下げ、原告は6人となった。

ずっと縁の下の力持ちでこの集会を支えてくれている笠原さん。原告とは同世代。

女優の斉藤とも子さんも応援にかけつけた。

環境広告サステナ代表のマエキタミヤコさん

 

次回の第11回口頭弁論期日は9月11日(水)に予定されている。今後も311子ども甲状腺がん裁判を引き続き注目し、応援していきたい。

最後に、長野県国労家族会さんからのカンパ金をお預かりし、お渡ししてきた。井戸弁護団長のお父様がなんと国労組合員だったとのことで、「私自身が国労家族会のメンバーみたいなもの。大阪の宮原電車区で、当時の国労の集会で講演をしたことがある。父親のこともあり懐かしく話をした。こうしてご縁がつながり、とても嬉しく思う。大切に使わせていただきます。」という御礼の言葉をいただいた。

不思議な巡り合わせに、また勇気をもらった。団結してガンバロウ!

国労家族会さんからのカンパ金を井戸弁護団長にお渡ししてきた。

 

 

 

 

信州市民連合と立憲・共産・社民の県内3野党が政策合意

自公過半数割れめざし総選挙で共同して戦う方針も確認

候補者調整・一本化に向けて努力する方向性も打ち出す

共同のテーブルには約40人の関係者が参加した

記者会見の最後に4人が固く握手

違憲の安保法制の廃止や岸田政権の軍拡政策に反対する活動を進めている信州市民連合は7月31日、長野市生涯学習センターで約40人の参加者を集めて、「信州市民連合と3野党との『共同のテーブル』」を開きました。

信州市民連合は昨年夏以降、立憲民主党、日本共産党、社会民主党の県内3野党と総選挙において市民と野党が共同で掲げる政策について意見交換を重ねてきました。政策内容について3野党と合意ができて「共同のテーブル」を開く運びとなりました。

「共同のテーブル」には、立憲民主党県連代表の杉尾秀哉氏(参議院議員)、日本共産党県委員会委員長の鮎沢聡氏、社会民主党県連合代表の中川博司氏(県議会議員)が参加しました。

まず、主催者を代表して又坂常人・信州市民連合共同代表(信州大学名誉教授)があいさつ。又坂氏は「岸田政権は、米軍と自衛隊の一体化、自衛隊の米軍の下請け化をいっそう進めている。この国会では、地方自治体への国の指示権を認める地方自治法の改悪を強行した。中央集権的な国家の介入を容認する改悪法だ。ダッチロール状態の岸田政権に一刻も早く終止符を打ち、本当に国民の意思を代表し 新しい未来をひらく政権をつくろう」と強調しました。そして又坂氏は「そのために総選挙で与党の議席を1つでも2つでも3つでも減らす必要がある。少なくとも与野党が拮抗する状態に持っていって、最終的には政権交代をするという戦略的な考えをぜひ野党には持ってもらいたい。そして、手始めとして小選挙区で候補者の一本化を図っていただきたい」と市民と野党の共闘で戦う方向性を求めました。さらに又坂氏は「候補者調整と同時に、政策の一致が求められる。今日の共同のテーブルで3野党に手渡す政策要望書を尊重して活動してもらいたい」と述べました。

その後、3野党にそれぞれ信州市民連合の「政策要望書」と「基本政策」が手渡されました。

杉尾秀哉・立憲民主党県連代表

あいさつに立った杉尾秀哉・立憲民主党県連代表は、「信州市民連合より受け取った政策要望書については、最大限私たちの要望も聞いていただき、納得できる内容にまとめてもらって感謝する。これからの解散総選挙、国政での活動ではこの政策要望書の内容を尊重して行動していく。長野県では、私も2016年に最初に市民と野党の共闘で一本化をしていただき国政に送り出していただいた。それから参議院では4回の選挙で連勝をした。『長野モデル』の勝利だった。残念ながら衆議院の2021年の総選挙では、長野モデルが県民に十分な理解を得られず勝利することはできなかった。その反省の上に立って、今回、 政策要望書で次の解散総選挙で立憲野党の候補者一本化と市民と野党の共同を進めて当選を目指すことを要望されている。候補の調整、一本化を心から期待したい」などと述べました。

鮎沢聡・日本共産党県委員会委員長

日本共産党県委員会の鮎沢聡委員長は「信州市民連合の皆さんが、市民と野党の共闘で政治を変えるために、 共闘の旗印となる政策要望書にまとめていただき敬意を表する。裏金問題はじめ政治腐敗、国民の暮らしの破壊と平和の破壊が一体で進められている自民党政治はもう完全に行き詰まっている。国民は自民党政治を見限り、政権に退場を突きつけている。今声を上げれば自民党政治を変えられる歴史的なチャンスだ。今回の政策要望書は、その希望の方向を示している。市民と野党の共闘を本気の共闘にしていこう」などとあいさつしました。

中川博司・社民党県連合代表

社会民主党県連合の中川博司代表は「今日の政策要望書を社民党も全力を挙げて実現に向けて努力をしていく決意だ。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻を目の前にして、私たちは 無力感を感じざるを得ない。今起きている戦争を私たちが止められない。本当に毎日幼い命が奪われていくことに心が痛む。しかし、私たちには力も金も名前もないが、手を繋ぎ声を出していくことはできるはずだ。今の自民党政治を一刻も早く変えるために全力を尽くしてまいりたい。信州市民連合が作ってくれたこの共同のテーブルを前に動かして、一刻も早く候補者の一本化、戦う体制を作っていこう」と強調しました。

共同のテーブルではこのあと参加者と意見交換を行いました。また、多くのマスコミ関係者が取材していましたので、共同のテーブル終了後には、信州市民連合と3野党が共同記者会見を開きました。

信州市民連合が3野党に提出した「政策要望書」「基本政策」/信濃毎日新聞記事(2024年8月1日)

今を変えよう 私たちの声で ― くらし、平和、政治 

松本駅前での集会・市民アクションin信州に700人が参加

立憲民主党・日本共産党・社会民主党の3野党からの訴えも

市民運動家の菱山南帆子さんが「政治をchangeしよう」とアピール

43人の呼びかけ人と信州市民連合、中信市民連合などでつくる実行委員会は、「Change Now by Our Voice(今を変えよう 私たちの声で)―くらし、平和、政治 6・2市民アクションin信州」を6月2日、松本駅前に約700人の市民を集めて集会と市街地のパレードを行いました。当日は、雷雨も予報されていましたが、幸いに集会中は太陽も顔をのぞかせ、パレードの際にも小雨にとどまり、予定通り実施することができました。

集会では、呼びかけ人の又坂常人さん(信州大学名誉教授)が主催者として「岸田政権は末期症状だ。政権交代を実現してよりましな政治をつくろう」などとあいさつしました。そのあと、立憲民主党から杉尾秀哉さん(県連代表/参議院議員)、日本共産党から武田良介さん(前参議院議員)、社会民主党から大椿裕子さん(副党首/参議院議員)の3人から裏金問題が発覚し、大軍拡・防衛増税をすすめ、国民が苦しむ物価高による生活苦を放置している自民党政治を変えようという訴えがありました。地元(長野2区)の衆議院議員、下条みつさん(立憲民主党)も駆けつけてあいさつしました。

特別ゲストの市民運動家の菱山南帆子さんは、「まさに今、市民の声をあげて政治をchangeしていこう」とアピールしました。

集会では「今こそきちんと怒らなければなりません。仲間を増やし、史上最悪の岸田政権を退陣、政権交代を実現させましょう」というアピール文を採択しました。

集会後には、松本市街地をパレードし「政治をchangeしよう」と市民にアピールしました。

なお、集会の運営費をねん出するため参加者にカンパをお願いしたところ177,664円もの現金が集まりました。あたたかいご協力に感謝申し上げます。

3野党代表と又坂さん、菱山さんが並んで

小雨の中の集会に多くの市民が

アピールする菱山南帆子さん

松本駅前に菱山さんのアピールが響く

参加者がプラカードを掲げてアピール

呼びかけ人が壇上で3野党代表などと一緒にプラカードパフォーマンス

松本市街地をパレードして市民にアピール

集会を報じる信濃毎日新聞(2024年6月3日)

2024 フクシマ連帯キャラバンに参加して

 

全港湾などの若い世代の組合員が中心となって活動

長野県原水禁 草野麻理子

今年で13年になる東日本大震災と福島原発事故。3月16日の「原発のない福島を!県民大集会」と20日の「さようなら原発全国集会」に合わせて、今回で8回目となる「フクシマ連帯キャラバン」が開催された。私は、そのうちの17、18日に参加した。

いわき市小名浜のホテルで集合

16日、福島市での集会を終えたキャラバン隊は、宿泊先のいわき市小名浜で夕食懇親会を行い交流を深め、私を含めた二名が翌17日朝、ホテルで合流した。

参加者総勢72人がキャラバン数台でいわき駅前の会議室での学習会に向けて出発。同乗したキャラバンには、部落解放同盟や兵庫県からの参加者らがいて、昨日の様子などを聞いたりこちらの活動を話しながらの道中となった。

学習会では、これまでのキャラバン隊について全港湾東北小名浜支部の矢内誠也さんからお話していただいた。課題として、2011年の福島原発事故を知らない世代にどうつなげていくか、また、能登地震による志賀原発のトラブル、避難経路は土砂崩れで通行不可、日本海側には福井の原発銀座もあり地震も多い地域であること、汚染水の海洋放出がもう既に計4回も行われ、1回あたり7800トンという量であること、作業員のトラブルも散見され、13年経っても廃炉作業が進んでいないことや燃料デブリが1グラムたりとも取り出せていないことを、地元に戻ったら拡げてほしいと話した。

これまでのキャラバンの活動を話す全港湾東北小名浜支部の矢内誠也さん

いわき駅前ラトブにて学習会

いわき市内郷の白土屋菓子店の超特大ジャンボシュークリームがふるまわれた

 

昼食後、一路被災地へ。

この企画は、一人ひとりが必ず福島原発事故を風化させないこと、被害を受けた地域の現状を自分の目で見て、「原発って必要なの?本当の復興とは何か?」を肌で感じ、これからも続く脱原発運動に活かしていくためのフィールドワークという趣旨を聞き、被災地へ向かう車内で身が引き締まる思いだった。

13年が経ち、風化してしまった家

一か所に集められたフレコンバッグ。一部ビニールシートで隠されていた。

人が戻らない中で立派すぎる双葉町役場。隣接する施設も有。

 

震災遺構・請戸小学校

津波の高さを明示している校舎の様子

津波による大きな被害があった請戸小学校が震災遺構として整備され、外観~内部を見学。当時の状況に思いを馳せた。小学校の周りは何もなく、ここだけがポツンと残っているのが印象的。たくさんの住宅や建物があったというのに・・・。小学校の児童と職員は全員無事だったことがせめてもの救いだった。

唯一の鉄筋コンクリート造だったことで、残った。

校舎の全体像。津波により窓ガラスが割れているのがわかる。

津波の影響で折れ曲がったプールの手すり。

慰霊碑(大平山霊園)

 

東日本大震災・原子力伝承館を見学

 

津島訴訟原告団・武藤晴男さんの自宅を見学

津島訴訟原告団の武藤さん、今野千代さん(診療所の元看護師)、馬場さんの案内で、津島小学校、診療所、ご自宅を見学した。避難所となった津島小学校は、津島の人口1,400人のところ、8,000~10,000人が4日間ここに滞在したそう。

武藤さんと今野チヨさんとキャラバン隊の渡辺団長

グランドは隙間がないぐらい車が停まっていて、一番の被害者は子どもだった。何もわからず連れてこられたという感じ。水洗トイレが詰まってしまって、大変困った。畜産農家がバキュームカーで吸い上げようとしたがホースが入らず、結局、青空トイレで済ませた。その後は原発事故避難となり、想定外が連続して起こった。

当時、線量が高いことも知らずにここ津島小学校に避難してきた。

置いてきぼりの軽自動車

モニタリングポストの数字は0.378を示している

当時、浪江町町議だった馬場さん

 

 

<今野千代さん談>

3月11日当日は先生(医師)と事務受付と後輩看護師2人で昼食にカレーを食べた。地震が起きて大変だったため22:00にようやく帰宅。翌12日一斉避難し、診療所に人がたくさん並んでいると聞き、急いで診療所へ。しかし、そんなにたくさんの薬は置いていないので、製薬会社に電話するも電話が通じない。13日になって、福島市から薬を持ってくることになった。チヨさんは原発事故のことをその時まったく知らなかった。浪江の開業医もかけつけた。15日に避難指示が出たが、患者さんを置いていけず、先生とチヨさんともう一人の3人が残った。14日、持病を抱えた避難者の700~800人が診療所の前に並んだが、お薬手帳もなく、何を処方すればいいかもわからず困った。

レントゲン室があったため、線量をガラスバッチで確認したところ、3~4日間で800ベクレル以上(建物内)。事故前は毎回測ると0だった。

自宅は築65年。除染は宅地から20メートルまでと決まっている。ここでの線量は1.3マイクロシーベルト。畑は竹藪と化し、除染はされていない。武藤さんは2つのお願いがあると話す。

①13年経った今になっても、こういうものだと伝えてほしい。

②10万筆の署名活動にご協力を。

屋内の様子

動物の荒らされた中の様子

この後、キャラバン隊は原告団との意見交換、茨城県で東海第二原発の周囲30キロ圏内にある15自治体へ避難計画及び老朽原発20年延長問題を記した要請書を首長へ直接提出する要請行動を行ったあと、東京代々木公園での「さようなら原発」全国集会へ向かった。

311 子ども甲状腺がん裁判第9回口頭弁論を傍聴して

東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた男女7人が東京電力に損害賠償を求めている「311子ども甲状腺がん裁判」の第9回口頭弁論が3月6日、東京地裁で開かれました。 

名古屋から参加してくれた大学生の皆さん

この日は、大法廷の一般傍聴席が83席に対し、199人もの方が傍聴券の抽選に並びました。地裁前の裁判前集会には平日であるにも関わらず136人の方が集まり、この裁判の注目の高さがうかがえます。

支援者集会の様子

311のキャンドルナイトについてお知らせするアイリーンさん

今回からサポーターズカードを配布することになり、オリジナルグッズもあるそうです。

サポーターズカード

ポイントやグッズプレゼントについて話す進行の阿部さん

次回の第10回口頭弁論期日は6月12日(水)に予定されています。今後も311子ども甲状腺がん裁判を引き続き注目していただき、応援をよろしくお願いいたします。

 

第9回口頭弁論・第19準備書面プレゼン動画

 

第9回口頭弁論・第20準備書面プレゼン動画

 

支援者集会

県労組会議のロゴマークをつくりました

組織と運動を表現するダブルロゴマークを採用しました

県労組会議のロゴマークをつくりました。組織本体を表すロゴマークと、平和運動などを表現するロゴマークのダブルロゴマークです。必要に応じて2種類のロゴマークを使うこととなります。

ロゴマークの色として、緑が環境、ピンクが人権、黄色が平和のカラーイメージが組み合わさることで、憲法の3原則「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」を表しています。

また、組織本体ロゴは、人と人が組み合わさって地域をつくる運動を表現。運動ロゴは、平和の象徴である鳩をイメージしています。

いろんな場面で使用して広げていきたいと思います。

組織を表現する本体ロゴマーク

平和運動などを表す運動ロゴマーク

 

 

 

労働組合とは車の両輪、協同組合の源流~長野県労福協ヤングリーダー塾~

長野県労働者福祉協議会は、2月17日、長野市のJAビルで若い世代の組合役員や組合員を対象にした「ヤングリーダー塾」を開催し、県内各地から若い世代の組合員約30人が参加しました。

講演する田中夏子氏

協同組合とは

労福協の理念、2030年に向けてのビジョンを学んだあと、基調講演として、日本協同組合学会元会長の田中夏子氏に「福祉事業団体と労働組合、協同組合の関係」「SDGs達成に向けての協同組合の役割」というテーマでお話いただきました。

講師の田中夏子氏は、イタリアの社会的協同組合、コミュニティ協同組合、ワーカーズ・バイアウトによる事業再生を研究され、長野大学、都留文科大学などで教鞭をとり、2013年から農ある暮らしを志して、現在は長野県佐久市の農園「Vento e Terra」の園主も務めらているそうです。

自営的な暮らしを求め長野県へ

SDGsの「誰一人取り残さない」という言葉

田中氏からは、現在の国際情勢のなかで協同組合運動がどのようなアクションをおこなっているか、労働組合運動と協同組合運動の深いつながり、SDGsの「誰も取り残さない」の本当の意味、協同組合のアイデンティティの探求をめぐる国際的議論などについて解説いただきました。

ロシアによるウクライナ侵攻後のヨーロッパの協同組合の難民支援のとりくみの紹介のなかで、「日本国憲法前文にうたう『全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する』に照らせば、ヨーロッパ協同組合の課題意識も、私たち自身の課題として深く共感できる」と述べられ、さまざまな社会課題を自分事として捉え行動していくことの大切さを伝えていただきました。

また日本で安易に多用されているSDGsの「誰一人取り残さない」という言葉の切実な意味についても知る機会になりました。

産別をこえてグループワークで交流

講演後には、「労働組合・労働事業団体の役割とは?」というテーマでグループワークを行いました。普段かかわることの少ない産別を超えて交流を深めることができました。

参加者が書いたポストイットから

【伝える】
・賃上げ要求・福利厚生、職場環境の改善について経営者へ要求する
・若手から出る意見を集約(仕事以外でも)して上に伝える
・会社のルール(福利厚生)などを伝える

【歴史】
・労働組合の歴史
・自分の状況を測る基準
・政治への関心・知る、学ぶ、きっかけの場、関係
・平和について考えるきっかけの提供
・協同組合の利用推進

【コミュニケーション】
・職場で話しにくい話を聞いて相談相手になる
・おかしいと思ったことについて、みんなで声を上げる
・重い荷物を持ってあげる
・組合員の親睦会
・相談できる場

【明日から自分は何ができる?】
・労働組合の繋がりを大切にする(産別を超えて)
・どんな人とでもコミュニケーションを大切に
・ボランティアや募金活動の情報をつなぐ
・ジェンダーの視点を!
・女性も誰もが発言しやすい職場、関係づくり

【田中夏子氏による基調講演の概要】

1 難民と協同組合?どう関係?

■協同組合の国際組織である国際協同組合同盟(ICA)欧州がウクライナへのロシアの侵攻後に声明

■従来から取り組まれてきた協同組合による難民支援

従来から、イタリアでは、社会的協同組合、住宅協同組合連合が連携して、紛争地域からの難民、女性、子どもたちに宿泊施設、生活環境、仕事などを提供してきた実績があった。難民支援と協同組合というと、意外な取り合わせに思われるかも知れないが、実はこの領域と協同組合運動には深い関係がある。

ロッサナ・ザッカリアさんのメッセージ(2022年3月15日発信)
住宅協同組合レガコープ・アビタンティ代表
「戦争から逃れてきた人びとは、故郷をはじめ、アイデンティティの深い部分を放棄させられています。暖をとり、自らを守る多くの場が必要です。しかし、同時に新しい住まい(生きる場[田中注])を探すという複雑な旅に、協同組合として同行する必要があるのです。(…略…)
住宅協同組合と社会的協同組合が一緒になって、さらに多くの市民セクターと行政も含め、多様な解決策を構築できるように取り組んでいきます」

■ヨーロッパの協同組合の取組みから

・2022年5月には、シチリア州カターニャ市をはじめ、各地で難民の受入活動が活発化。
・2022年6月には、パドバ市で、LGBTQの難民を受入れるグループホームが、自治体、当事者団体、社会的協同組合Levanteの協同事業として開設。

1400万人の人びとが、故郷を破壊され、見通しの立たない避難を強いられる。協同組合が、戦争や紛争によって生みだされる数々の困難に、正面から取り組むとする姿は私たちにとって示唆的。
一見、協同組合と難民という組合せに、唐突の感を持たれる方もあると思うが、日本国憲法前文にうたう「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」に照らせば、ヨーロッパ協同組合のこうした課題意識も、私たち自身の課題として深く共感できると考える。

※2023年1月現在のウクライナ国内避難民は600万人、EUの国々へ逃れた難民の数は800万人

■難民とともに生きる地域創造をめざすRUAH社会的協同組合
・設立2009年1月。前身のアソシエーション(共通の目的や関心をもつ人々が、自発的に作る集団や組織)としての活動は、1991年に開始。
・1980年代末、受入先を求めてベルガモ(イタリアの都市)を訪れた移民や難民との出会いが契機。

RUAH設立者の思い、難民受入側の思い(RUAHのサイトから)
「非人間的な旅を経て、疲れ果ててようやくイタリアの港に辿りついた彼ら・彼女らの顔には、戦火の悲惨、空腹、搾取されてきた悲劇の歴史がはっきりと刻まれていた。私たち(RUAH協同組合の前身グループ)は、彼ら・彼女らに尊厳ある生活を提供すべく(居住や生活全般ににかかわる諸サービス)支援することはもとより、個々人の人生を、自律(オートノミー)をもって歩めるようなプロジェクトを模索した。分かち合いと共生のルールづくり、言葉の習得、仕事探し等の支援だ」

「『異邦の人』の声に耳を傾けるという行為は、単に話されていることの内容を理解するにとどまらない。また単純な好奇心を喚起するだけにもとどまらない。『異邦の者どうし』が共に創造的な活動を構築することであると私たちは学んだ。それぞれの人生の歴史を語り合い、それを分かち合う力が求められ、そのことはまた受入れる私たち自身の中に、別の世界を作り出す態度が必要とされる」

※RUAHはヘブライ語で「魂の風のそよぎ」を意味する。

■日本の生協と平和運動の深い関係

■世界の協同組合数

■日本の協同組合

2 協同組合の源流

■協同組合=cooperative

3 国際社会における協同組合運動

■協同組合原則の時代的な変遷

◎ここまでのポイント

◆世界の協同組合は、18世紀以降、資本主義化の波の中で、各地における地域に根付いた反貧困の社会運動の中で、労働運動とは車の両輪関係を形成しつつ、生み出されてきた。そうした一般性ゆえ、世界各地で協同組合が出現。日本でも同時期に発祥。

◆世界の協同組合は、必然的に独自の成り立ちを持つとはいえ、バラバラな存在に留まらず、19世紀末に、国際的なネットワークICAを形成し、知見を共有しながら釈迦への影響力を高め、国連機関、ILO(国際労働機関)とパートナー関係を深化させてきた。

◆ICAは、協同組合原則や協同組合としてのアイデンティティを、時代の要請とともに再検討し、協同組合が今日的な課題に応え得る質を備えるよう指針提起(ガイダンスノート)をした上で、刷新を、各国の協同組合の参加のもと、議論が続いている。

4 世界の協同組合の今日的課題→SDGs

■SDGsと協同組合~なぜ「重要なパートナー」なのか?

■SDGsのそもそも論~協同組合・労働運動が前線に立つ必然性

■「誰一人取り残さない」というSDGs運動で最も引用される言葉の意味

■協同組合運動と労働運動の連携の意義が試される時代

5 協同組合のアイデンティティ議論

■協同組合と労働運動が牽引した平和産業

■参考資料

被災70周年3.1ビキニ・デー全国集会

原水禁は3月1日、静岡市で「被災70周年3.1ビキニ・デー全国集会」を開催し、全国から約180人が参加しました。
集会では、長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNAの中村桂子准教授に、「核兵器廃絶に向けた世界の動きと私たちの課題」というテーマで講演をいただきました。
また、Connect Hiroshimaの大内由紀子さんからTPNW(核兵器禁止条約)第2会締約国会議派遣報告、静岡選出の高校生平和大使から核兵器廃絶への思いを語っていただきました。

中村桂子氏(長崎大学核兵器廃絶研究センター)

中村さんの講演では、はじめに長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNAは核兵器廃絶を掲げるオンリーワンの研究センターであることが紹介されました。

RECNA 長崎大学核兵器廃絶研究センター

RECNAとは

核兵器の近代化をすすめる米ロなどの核保有国

世界に核弾頭は1万2520発存在(2023年6月現在)しており、冷戦期以降、核弾頭の総数は減少してきたものの、退役・解体待ち弾頭を除いた「現役核弾頭」の数でみれば軍拡がすすみ、また核兵器の近代化や新型核兵器の開発などの高性能化がすすむなど、核軍拡の状況を呈している。核兵器も家電と同じように老朽化は減らすチャンスだが、最先端の弾頭へアップデートしようとしている現状が示されました。

『世界の核弾頭データ』2023年版 を公開しました!

核軍縮をめざす「あたらしい風」

膠着した現状があるいっぽうで、核軍縮をめざす「あたらしい風」のきざしがあり、その大きな原動力としての核兵器禁止条約(TPNW)が持つ意味について解説いただきました。

核兵器禁止条約は、これまでの条約と異なり、核保有国ではなく、マーシャルなどこれまで議論から見えないところにいた国々が主役交代のように非核保有国の国と市民社会が主導してきたことに特徴があり、核兵器そのものと核兵器への依存を「悪」として、世界の常識そのものを塗り替えていくことを構想しているものである。

表に出てこなかった「非人道性」が前面に

国連で採択されたときの議場は、熱気にあふれ、スタンディングオーベーションがつづいたそうです。苦難に耐えてきた広島、長崎をはじめとする被ばく者の声が世界を動かしてきたことが条約の土台になっているそうです。

被害者の救済が明記

これまで注目されてこなかったコミュニティ、文化、伝統の破壊、ずっと続いてきた農漁業の営みが奪われ、支給された食べ物によって引き起こされた肥満や糖尿病などの健康の問題などについても、被害のレポートなどをまとめ基金をつくっていくことが決まっており、どれだけ具体化できていくかが議論されている現状が紹介されました。オブザーバー参加しているドイツからもフェミニストの観点からの被害者援助、女性女児への放射線の影響の調査などへの協力の申し出などがあり未批准国であってもさまざまな協力ができることが示されました。

これまで見過ごされてきた被害者の救済、環境の修復

存在感を示すオブザーバー参加するドイツとためらう日本

核兵器禁止条約を育てていくことが大切

中村さんは核兵器禁止条約を漢方薬に例え、即効性はないがじわじわと効果を発揮すると述べ、核兵器製造企業への銀行融資にも影響していることや、国際的な議論の場でも、賛成反対を越えて人類的な問題として、人権、環境、ジェンダー、SDGsの考えがあたり前になってきている変化についても触れられました。

ジェンダーの考え方がさまざまな議論で当たり前になってきている

最後に中村さんは、核兵器禁止条約を手塩に育てていき一人前にみんなで育てていくことが大切、日々何度も落ち込むことも多いが核廃絶に向けて新しい変化は着実に起きていることを知ってほしいと訴えました。

広島長崎出身の大学生でつくる「Connect Hiroshima」

現在大学生の大内由紀子さんからは、被爆地広島、長崎出身の大学生でつくる市民団体「Connect Hiroshima」(コネクト・ヒロシマ)のとりくみ、

TPNW(核兵器禁止条約)第2会締約国会議への参加などについて報告いただきました。

大内由紀子さん(Connect Hiroshima)

広島出身で元高校生平和大使として核兵器廃絶にとりくんできた経過、第1回締約国会議にも参加するなかで交流した海外の人びとからも刺激を受け、日本政府がTPNWへのオブザーバー参加を求める署名を展開し4万3288筆を外務省へ提出してきたこと、昨年ニューヨークで開催された第2回締約国会議では市民社会の枠で発言したほか、現地での若い世代の交流イベントやさまざまな集会に参加したことが報告されました。さらに第3回締約国会議(2025年3月開催予定)に向けて日本政府への働きかけを準備していることが報告されました。

中満泉さん(国際連合事務次長・軍縮担当上級代表)から伝えられたことが紹介された

「未来は女の一票で!」「金権マッチョ自民にNO!」

女性だけの行動-長野駅前で第2回フェミブリッジ・アクション

信州市民連合の女性のみなさんが中心となって3月17日、長野駅前で13時から14時までの間、第2回フェミブリッジアクションが行われました。女性議員や市民団体関係者など女性だけで約20人が参加しました。

街頭宣伝では、日音協県支部の音楽サークル「ジグソーパズル」の2人が「花はどこへ行った」「翼をください」の2曲を歌い、参加者にもマイクがまわされ一緒に合唱しました。

司会進行は、松澤佳子・信州市民連合共同代表と中村雅代・小布施町議会議員、主催者あいさつは、堰免久美・信州市民連合共同代表が行いました。

参加してアピールしていただいた議員は以下の通りです。

和田明子・県議会議員、竹村直子・県議会議員、丸山寿子・県議会議員、野々村博美・長野市議会議員、原洋子・長野市議会議員、清水みき枝・小諸市議会議員、中村雅代・小布施町議会議員。

アクション終了後、参加者で記念撮影

参加者はプラカードをもって市民にアピール

堰免久美・信州市民連合共同代表

和田明子・県議会議員

竹村直子・県議会議員

丸山寿子・県議会議員

野々村博美・長野市議会議員

原洋子・長野市議会議員

清水みき枝・小諸市議会議

中村雅代・小布施町議会議員

日音協サークル「ジグソーパズル」