21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

会社破産で全員解雇された蔦友印刷労組組合員に支援を

労働債権の確保、再就職の実現を 対策会議を設置して支援活動

蔦友印刷株式会社本社

長野市の蔦友印刷株式会社が約12億4千万円の負債を抱えて長野地裁に破産を申請し、4月3日、裁判所が破産手続きの開始を告知しました。

労働者は3月30日付で全員解雇されました。今後、労働債権である未払いの退職金支払い、労働者の再就職が焦点となっています。長野地裁が選任した破産管財人が会社資産を管理し現金化、清算して債権者に支払うこととなります。退職金を含む労働債権は、優先的な債権です。

蔦友印刷労働組合の組合員は23人。解雇された組合員の退職金を何としても確保し、組合員が希望する再就職を実現するために、県労組会議、長野地区労組会議、印刷フォーラムながのは、対策会議を設置して支援活動を展開しています。

現在、解雇された組合員の当面する生活資金の一助になるように支援カンパ活動に取り組んでいます。ぜひ多くのみなさんから、あたたかいカンパをよろしくお願いします。

◆支援カンパをお寄せいただける方は県労組会議事務局までご連絡を

信州安保法制違憲訴訟 5月25日に東京高裁が判決言い渡し

新安保法制は「平和的生存権を侵害し憲法違反」と明確に判断を

東京高裁での口頭弁論終了後の原告団会議

集団的自衛権などを認めた新安保法制が、憲法が規定する平和的生存権を侵害すると、県内の原告が長野地裁の判決を不服として控訴した国家賠償請求事件は、東京高裁での口頭弁論で昨年10月4日、裁判官が原告側が申請した3人の証人申請を却下するという不当な判断を示しました。原告・弁護団は直ちに裁判官の忌避申し立てを行いました。しかし、東京高裁で忌避は却下され、特別抗告した最高裁でも棄却されるという不当な訴訟指揮がまかり通りました。

この裁判所の決定で信州安保法制違憲訴訟の東京高裁での控訴審は2月21日に結審しました。東京高裁の法廷で開かれた最後の口頭弁論では、原告から成澤孝人・信州大学教授、松澤佳子・前県労組会議議長が意見陳述をしました。また、代理人の最終意見陳述として、安藤雅樹・弁護士が裁判官に語り掛けるように意見を述べました。

判決は5月25日に東京高裁で言い渡されることとなりました。長野地裁では、新安保法制に対する憲法判断が回避され、「平和的生存権は国家賠償を請求できる具体的な権利ではない」などという国側の主張がほぼ100%採用されました。国民の生命や平和を維持しようとする裁判所の姿勢は微塵もありませんでした。東京高裁では、正面から新安保法制が日本国憲法前文や9条に照らし合わせて、違憲か合憲か、明確に判断するように求めます。

以下には、原告の松澤佳子さんの意見陳述、代理人の安藤雅樹弁護士の最終意見陳述を掲載します。画像をクリックすると拡大版で読むことができます。

朝鮮初中級学校の卒業式に参加しました

3月18日(土)、長野朝鮮初中級学校(松本市)の卒業式にオンライン配信スタッフとして参加してきました。昨年末に学校側から、県外の病院に入院している生徒さんが同級生たちと一緒に卒業式に参加できないかとご相談をいただいたことがきっかけでした。

県外にいる生徒さんと卒業式会場をリモートでつなぐ

卒業式当日は、朝から雪が降るなかで迎えましたが、初級部の6年生、中級部の3年生の子どもたちの門出を祝うために集った保護者や親族、卒業生、学校関係者の方々で会場は賑わいあたたかな雰囲気に包まれた式典になりました。

式典の前後には、リモートで参加する生徒さんの姿が映し出された舞台横のスクリーンの前に、同級生や親族、保護者の方々が代わる代わる訪れ、「久しぶり」、「元気?」と言葉を交わし久々の再会を喜び合っていました。

コロナ禍の3年間の学校生活

今回、卒業した子どもたちの学校生活は、ちょうどコロナ禍と重なり、本来なら経験できたこともできず、たくさんの我慢を強いられてきた3年間だったそうです。それでも勉強や学校行事などに一生懸命取り組んできたことが、卒業式後の音楽や劇の発表、上映された映像から伝わってきました。朝鮮語を理解することはできませんでしたが、ステージで歌やダンスを披露しながら涙する子どもたちの姿から、かけがえのない瞬間に立ち会えたのだと感じました。

コロナ禍のなかリモート会議などが増えて、人と人の繋がりが希薄になったのではないかと危惧されていますが、このような形で、はなればなれになっていた子どもたちの大切な日に関わることができよかったです。

誰よりも大きな「예!(はい)」

卒業証書授与の際には、リモートで参加した生徒さんも、校長先生から名前を呼ばれると、「예[ ye] (はい)」と大きな声で返事をして、スクリーン越しにしっかりと卒業証書を受け取る姿に、参列者からもひときわ大きな祝福が寄せられていました。

大切な子どもたちの未来

卒業する子どもたちの笑顔、画面越しに涙を流す先生と生徒さんの姿を見て、子どもたちはこの学校で大切に見守られてきたのだと思いました。そして対立や疎外ではなく、互いに知恵を出し合い、思いやりをもって、友好を深めていくことが大切だと感じました。

卒業生のみなさんおめでとう!

県外にいる生徒さんを囲んで卒業する同級生全員で記念撮影

ロシアのウクライナ侵略から1年-長野駅前スタンディング

2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻から1年となる2月24日(金)、長野駅前で、戦争をさせない1000人委員会、憲法9条を守る長野県連絡会など6団体と長野県社会保障協議会が合同で、武力攻撃の即時停止、停戦の実現を求める抗議行動を行いました。約60人が参加しました。

長野駅前でプラカードや横断幕を掲げてアピール 

ヨーロッパへ避難したウクライナ難民は816万人以上

ロシアによるウクライナ侵攻によって、ウクライナに住む人々の日常は一変しました。多くの女性や子どもが犠牲になり、国内・国外へ多くの難民が生じています。
この1年の間に、ウクライナからヨーロッパへ避難した難民は816万人以上(2023年4月時点UNHCR[国連難民高等弁務官事務所])に上ります。
また民間人の死者は8490人、負傷者は1万4244人確認されたと発表されています(2023年4月9日時点OHCHR[国連人権高等弁務官事務所])。
しかし、国際機関も戦闘地域に近づけないため、集計値は氷山の一角に過ぎず、実際の死者数・負傷者数はさらに多いとしています。

核兵器の恐ろしさを知る日本国民として

どんな理由があっても、主権国家への一方的な武力行使、軍事侵攻は、国際法違反・国連憲章違反であり認めることはできません。ロシアは国連安保理の常任理事国でもあり、責任ある行動が求められています。
また繰り返し核兵器使用をほのめかす発言や、核兵器搭載可能なミサイルを使用した軍事演習など、核による威嚇を繰り返していることも、核兵器の恐ろしさを知る日本国民として決して許すことはできません。
さらにロシア軍はヨーロッパ最大規模のザポリージャ(ザポロジエ)原発の占拠を続けており危機的な状況が続いています。原発事故の恐ろしさを知るロシア・ウクライナでこのような危機が起きている現状は恐ろしいことです。ロシアはただちに軍事侵攻を中止し、ウクライナや関係諸国と平和的な解決を図るべきです。そして平和国家として歩んできた日本にも大きな役割があるはずです。

武力より対話を

今回の抗議行動では、参加者一人ひとりが、「NO WAR」、「和平実現」などと書かれたプラカードを掲げ、「ロシアのウクライナへの軍事侵攻に抗議します」、「即時停戦」などと書かれた横断幕を広げてスタンディングを行いました。
主催者を代表して、長野県憲法会議の細尾俊彦さん、長野県護憲連合の松澤佳子さん、長野県社会保障協議会の原健さんが挨拶しました。また私鉄長野県連の若林茂さん、長野県教職員組合青年部の近藤拓也さん、憲法9条を守る長野県民会議の山口光昭さんがアピールを行い、それぞれの反戦・平和への思いを訴えました。

市民にアピールする若林私鉄県連委員長

街頭で掲げたプラカード

「平和が大事」という子どもの声

通りがかった高校生の男の子たちからは「平和が大事だよね」などという声も聞かれました。
どこの国であろうと未来ある世代が戦争に巻き込まれることは悲惨なことです。
大人たちの責任として今後も平和を守るための行動を行っていきます。

福島原発事故から12年の3.11脱原発長野大行動

東日本大震災から12年が経ちました。同時に福島原発事故からも12年という年月が経ってしまいました。

今や、岸田首相の進める原発回帰の政策、再稼働に新増設、老朽原発の運転延長、原発事故が起きた2011年とは真逆の状況が今の日本にあります。

市民団体や県原水禁などでつくる3.11脱原発長野行動実行委員会では、そんな状況を一掃するために今年も集会とデモ行進を行いました。

       

 

温かな日差しの中で約200名が参加

ここ数年のコロナ禍による制限も緩和され、今年は音楽ひろばも再開されました。会場も、例年の南千歳公園から、ながの表参道セントラルスクウェアに変わりました。新たな会場に不安もありましたが、音響設備も充実していたり、通り沿いのため歩いている人から目につくこと、公園を利用している家族連れの方たちへのアピールにもなったことなど、とてもよい会場でした。

 

音楽ひろばで2団体が演奏

集会前段の音楽ひろばは、まずは日本音楽協議会長野県支部の皆さんによる歌と演奏でした。透き通った声が会場いっぱいに広がり、爽やかな歌が周りで遊んでいた親子の皆さんの耳にも届いていたことでしょう。

コロナ前まで例年参加していた長野合唱団の日程調整がつかず、急遽参加してくれた「アコースティック・デュオ 和久島(わくじま)」のお二人も、ギターのセッションで大いに盛り上げてくれました。

日本音楽協議会長野県支部の皆さん

アコースティック・デュオ 和久島のおふたり

 

 

 

 

 

 

 

 

共同代表のあいさつ

あいさつする青山 正さん

3人の共同代表・脱原発共同学習会の

青山 正さん、”原発に頼らない未来をつく

ろうプロジェクト” の田澤 洋子さん、

圓光寺住職 中島 清さんがそれぞれあいさつ

されました。

 

特別アピール、3.11福島子ども甲状腺がん裁判の報告

報告する間宮書記(右)と草野書記

現在、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時子どもだった7人が東京電力に賠償を求める裁判が行われています。
福島の子ども甲状腺がんの現状について、福島の子どもたちへの保養支援の経験をもつ間宮正博書記から、原発事故の自主避難者で自身の子も甲状腺検査を受けている草野麻理子書記から、事故当時の経験と裁判傍聴の報告がされました。

 

報告の終盤では、録音されたそれぞれの原告の声を流し、今現在彼女たちが何を思い、どんな経験をしてきたのか、リアルな言葉を聴くことができました。会場にいた皆さんの胸に響いたのではないかと思います。

☟原告の声はこちら

 

右翼の妨害にも負けずにパレードやり切りました

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集会終了間際に右翼の街宣車2台が現れ、大音量のスピーカーで演説と音楽が流されました。かなり長い時間会場前の道路に居座り、私たちへの妨害を続けました。その後予定時間をだいぶ過ぎてようやくパレードに出発しましたが、右翼の妨害は繰り返されました。街宣車は一旦去っても何度も後ろから現れ、パレード参加者だけではなく周辺の通行人に対しても威圧するような罵声を浴びせ続けました。

それでも脅しに負けず、最後まで「原発止めよう!」とシュプレヒコールを上げながらパレードをやりきることができました。

原発と右翼、こんなとこでつながっているとは・・・あらためて原発がいかに暴力的なものに守られているかをまざまざと見せつけられました。
これからも長野の地で妨害に屈せず脱原発の声を上げ続けていきます。

パレード出発を阻む右翼の街宣車

警察官は話しかけてはいたものの何ら実質的な制止行動をとらず。

 

県議選で推薦・支持候補7人が当選

労働者の声が届くリベラルな県政をめざそう

4月9日、投票が行われた長野県議会議員選挙では、県労組会議が推薦・支持する7人が当選を果たしました。

県労組会議は昨年8月に行われた県知事選で阿部守一知事を推薦しました。これは、阿部知事の12年間の県政運営を総合的に評価すると、私たちが掲げる理念・政策とおおむね方向性を共有していると判断したからです。ただ、県議会を構成するほとんどの県議が阿部知事を支持する状況のなかで、県政のスタンスがどちらかというと産業界や保守政党に向き、勤労者の声はかき消されがちになっています。県労組会議は、労働者・勤労者の声を代弁し、暮らしや平和、民主主義、人権を最優先するリベラルな県議会議員の存在が必要だと考えています。

今回当選した7人の推薦・支持議員と一緒になって、労働者の声が届く県政をつくっていきましょう。