「ミャンマー民主化を支援する信州の会」(代表=若麻績敏隆・白蓮坊住職)は、1月29日、長野市内でミャンマーでの軍事クーデターから2年になるのを前に報告集会「ミャンマーに平和と自由を」を開催しました。オンラインを含め42人が参加しました。

オンラインをあわせて42人が参加した

若麻績敏隆代表

ミャンマーの軍事クーデターから2年

2021年2月1日の軍事クーデターから2年が経過しましたが、ミャンマーの情勢は悪化の一途を辿っています。反軍政の活動をした大学生4人への死刑判決や学校への空爆など自国民への暴力はエスカレートしています。軍・警察の弾圧による死者は約2900人に上り、いまだ1万7000人の拘束が続いています。

報告集会ではミャンマー出身の同窓生たちと支援に取り組んでいる信州大学の佐藤友則教授にコーディネーターを務めていただき、日本で暮らすミャンマー人民主化活動家のウィンチョウさん、Justice Myanmarのミャンマー人Tさん、ミャンマーのヤンゴン市在住の映像プロデューサーの新町智哉さんらから、現在のミャンマーの状況について報告していただきました。

集会当日に使用されたスライド資料

ミャンマー現状報告(PDF)

 

軍による放火・虐殺、増え続ける死者

Justice MyanmarのTさん

集会のなかでは、クーデター当初よりも軍による放火や虐殺が増えていることが示され、政治犯支援協会(AAPP)のデータなどからも死者数が増え続けていることが報告されました。またさまざまなビジネスを行うミャンマー国軍が持つ利権の構造や、国軍とのビジネスに出資してきた日本政府・企業の問題点にも触れられました。日本政府は、国軍とのパイプを重視して、ODA=政府開発援助も全面停止には至っていません。

大勢の市民が殺害されていることがわかる

子どもたちが通う学校も攻撃されている

平和的な民主化活動の現状(デモ・CDM[市民的不服従運動])

市民によるデモが続けられている

反軍政の意思表示として公務員や軍人などもCDM(職場放棄)に参加している

ヤンゴン在住の新町智哉さんからの報告

ヤンゴンからオンラインで報告する新町智哉さん

現地からオンラインで参加した新町智哉さんは「現在のミャンマーをまともな法治国家として認めないという意思を力強く出しているのが、ヨーロッパやアメリカ」と指摘し、危険レベル2「不要不急の渡航中止」として、欧米諸国(危険レベル4)より甘くしている日本政府の対応を批判しました。また、現地在住の日本人の間では、拘束された日本人ジャーナリストや軍政の問題に沈黙する空気が漂っていると報告されました。

ミャンマー危険情報レベル(外務省・海外安全ホームページ)

ロヒンギャ問題で揺れるラカイン州などを除きほとんどの地域が危険レベル2とされている

長野県内で働くミャンマー人青年の訴え

現地から送られた避難生活を続けるミャンマー人の難民キャンプの映像などを交えて報告したウィンチョウさんは「いちばん怖いのはビルマ(ミャンマー)のことが忘れられること」と訴えました。

80年代から民主化運動に参加してきたウィンチョウ夫妻

集会の最後には、故郷ミャンマーから遠く離れた信州で農業を支えるミャンマー人青年4人が登壇して民主化への思いを語っていただきました。軍とPDF(国民防衛隊)との戦争が続いて、死者が増え続けていることに苦しんでいること。ミャンマーに平和が訪れてほしいという願い。そのためにできることをするという強い決意が示されました。

急遽、登壇してくれた県内在住のミャンマー人青年たち

ミャンマー民主化を支援する信州の会は、今後も学習会のほかミャンマーの文化に触れる場や写真展などを企画していきます。日本在住・県内在住のミャンマー人の方々とも連携しながら粘り強い支援を続けていきます。

ご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

信濃毎日新聞(1月30日朝刊)に記事が掲載されました

信濃毎日新聞(1/30)