21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

2023年もよろしくお願いいたします

平和と民主主義、人権、労働者の生活と権利を守るために

2023年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年1年間は、2年間にわたるコロナ禍により、非正規雇用労働者や女性、ひとり親家庭、在日外国人労働者など、社会的に弱い立場の人々の生活や仕事へのダメージが長く続き、生活に困窮する人たちがさらに増加しました。一方で、コロナ下でも大企業や富裕層は富を蓄え、社会的・経済的な格差はさらに広がったというのが実感です。

また、岸田文雄政権は、ハト派の宏池会に所属し、被爆地・広島の出身を前面に押し出し、「聞く力」を強調してきましたが、その反動的な本性が明らかになった1年でもありました。法的根拠のない安倍元首相の「国葬」の強行、戦後日本の専守防衛を基本とする防衛政策を大転換させる「敵基地攻撃能力」の保有や防衛費の倍増方針の策定、3・11以降、政府がエネルギー基本計画に掲げた「原発依存度の低減」を空文化する原発政策の大転換による原発再稼働の推進、老朽原発の運転延長、新増設と建て替えの推進などを決めてしまいました。このような重要政策の転換が、国会でも十分議論されす、主権者たる国民に問いかけもしない手法で強行されました。とても容認できるものではありません。岸田政権は、もはや「ハト派」の仮面をかぶった超タカ派政権と断定せざるをえません。

私たち県労組会議は、このような岸田政権と対峙し、この1年間、労働者・市民とともに運動を進めていく決意です。

県労働会館入居団体が一堂に会し新年会

県労組会議も入居する長野県労働会館に専従する役職員が一堂に会する恒例の新年会が1月4日、行われました。

多くの来賓の方にもご出席いただき、2023年年頭にお互いが元気に活動を進めていくことを誓い合いました。

出席いただいた来賓のみなさまは以下の通りです(敬称略/順不同)。

◇篠原孝(衆議院議員/立憲民主党)、◇杉尾秀哉(参議院議員/立憲民主党)、◇埋橋茂人(県議会議員/立憲民主党)、◇望月義寿(県議会議員/立憲民主党)、◇池田清(県議会議員/立憲民主党)、◇布目裕喜雄(長野市議会議員/社会民主党)、◇中山千弘(県労福協理事長)、◇小池政和(県労働金庫理事長)、◇村山智彦(こくみん共済coop長野推進本部本部長)、◇浅田道憲(県住宅生協専務理事)

市民集会・脱原発2022 in 信州「誰にも言えず、苦しんできた~福島甲状腺がん患者の現実~」白石草(OurPlanet-TV)講演会

■市民集会・脱原発2022in信州

市民集会・脱原発2022in信州実行委員会が主催する「市民集会・脱原発2022in信州」が11月19日(土)、長野県教育会館ホール(長野市)で開催されました。

今年は「誰にも言えず、苦しんできた~福島甲状腺がん患者の現実~」というテーマで、特定非営利活動法人〈OurPlanet-TV〉の白石草代表が講演をされました。県内の脱原発運動にかかわる市民を中心に、Zoom参加・会場参加あわせて約40人が参加しました。

OurPlanet-TVの取り組みについて説明する白石草さん

会場の様子

採択された集会アピール

■311子ども甲状腺がん裁判はじまる

今年1月27日、これまで固く口を閉ざしていた原発事故当時の幼稚園生から高校生だった甲状腺がんの当事者、17歳から27歳の男女6人(現在は7人)が原発事故による放射線被曝によって甲状腺がんを発症したとして、東京電力に6億1600万円の損害賠償をもとめる訴訟を提起しました。白石さんがかかわってきた若い当事者も原告として参加しています。現在、勇気をもって立ち上がった原告を支援するための輪が広がってきています。

311子ども甲状腺がん裁判の弁護団と支援者

 

「誰にも言えず10年を過ごした」〜原告6人の声

裁判に臨む若い原告たちの声をOurPlanet-TVが報じている

 

■甲状腺がん裁判に立ちあがった若い原告たち

白石さんは、2013年からの3回にわたるチェルノブイリ取材を重ねるなかで、原発事故による健康影響について調べるためには、小児甲状腺がんの全容を知ることが欠かせないと感じたそうです。今回の講演では、はじめに福島県内で多発している子どもの甲状腺がんが、専門家たちにどのように扱われてきたか、その問題点と現在の状況について解説いただきました。後半では、小児甲状腺がんの問題を追うなかで出会った患者とその家族とのかかわりのなかから見えてきたもの、福島県立医大でのアイソトープ治療の過酷さ、若い当事者たちの苦悩、甲状腺がん裁判に臨む原告たちの声を伝えていただきました。

福島県立医大で甲状腺がん手術を執刀してきた鈴木眞一教授は「過剰診断」を否定する

※アイソトープ治療(RI)治療:甲状腺がヨウ素を取りこむ性質を利用し、甲状腺がん細胞が肺などの遠隔組織に転移した場合や、甲状腺全摘出後に、再発を防ぐ目的で「放射性ヨウ素」を内服してがん組織を破壊する治療法

 

■若い原告たちの声「将来が考えられない」

 

「死んだ方が楽かもしれない」

6時間半に及ぶ手術のあと、朦朧とした意識のなかでそんな思いがよぎった。

― 25歳・男性・福島県浜通り

恋愛や結婚は「自分とは関係ないもの」

手術を受けてから「普通」に生活する将来が考えられない。

― 17歳・女性・福島県浜通り

憧れはバリバリ働くキャリアウーマン。

手術後体調がすぐれず、希望して入った会社も2年で退職。

― 26歳・女性・福島県中通り

会場配布資料『原発事故後、福島県では「甲状腺がん」になり人生を変えざるをえなかった子どもたちがいるのです。』(通販生活2022年夏号掲載)より

 

 

【OurPlanet-TV】「子ども甲状腺がん裁判」 始まる~20代女性陳述「大学行きたかった」

「子ども甲状腺がん裁判」 始まる~20代女性陳述「大学行きたかった」

 

■10年間、孤立してきた甲状腺がん患者と家族

「甲状腺がんが増えている」という報道には苦情やバッシングが殺到する社会状況、復興一色の福島県のなかで、誰かに相談することも助けを求めることもできずに孤立していた患者とその家族。小さな手がかりから白石さんは甲状腺がん患者家族と出会い、かかわりを深めていきました。当初は、その深い絶望と孤独感、封じ込められてきた言葉に接するたびに、眠れない日々がつづいたそうです。白石さんは、診療に不安を抱く母親からの要望で、福島県立医大への通院に同伴するなど、若い当事者のすぐそばで彼ら・彼女らの苦悩に寄り添いながら取材・支援をつづけています。若い年齢でがんと診断されることは本人や家族の精神的・肉体的な苦痛、治療費など経済面を含めた日常生活への影響など当事者以外には想像できない大変さがあります。大学入学や就労などの人生の節目で希望が叶わず我慢を強いられること、また結婚・妊娠・出産などへの不安、そもそも恋愛にすら億劫になってしまっている当事者たちの気持ちを伝えていただきました。

結婚、治療費、学業、就職、出産などさまざまな心配がある

甲状腺がん発症の原因を患者たちは知りたいと思っている

親しい友人、親戚にさえ話せないでいる患者もいる

甲状腺がんの発症は若い患者たちの人生に大きく影響する

甲状腺がんによってさまざまな我慢を強いられる若い患者たち

 

■3・11甲状腺がん子ども基金が実施したアンケート「甲状腺がん当事者の声 2022」

「3・11甲状腺がん子ども基金」は、2011年の東京電力福島第一原発事故以降に甲状腺がんと診断された子どもとそのご家族を多方面で支えるために2016年に設立された特定非営利活動法人。

【アンケートから】

・現在の体調には問題はないが、年齢的に結婚や出産を考えるようになり、がんになって薬を飲み続けている私でも、健康に赤ちゃんを産めるのか心配になり、将来を考えると不安。(26歳・女性)

・手術をした後からずっとヨウ素制限を続けており、ワカメや昆布などヨウ素が高いものは食べられない。ずっと続くのかと不安。薬を飲めばよいのだが、一生続けなければならないかと思うと、なかなか決断ができない。(25歳・男性)

・転職直後のタイミングで福島に帰れず、経過観察のための県立医大への通院ができなかった。それから2年ほど受診していないため、今の状態が気になってはいる。(27歳・女性)

・夜勤勤務が体の負担になってきたため、転職を考えている。(25歳・女性)

・子ども医療費受給資格がなくなったあと、一生内服しなければいけない薬代、診察、検査代がかかり、大人になってからの本人の負担が大きいのではと心配している。(16歳・男性)

・現在、奨学金を借りて大学へ通学しているので、将来、身体的に健康に働いて返済できるのか不安。(18歳・男性)

・昨年夏に結婚。心配なことがあるとすれば、今後も病気とつきあっていかなければならないことです。(28歳・女性)

・大学3年生。このまま何もなく、普通に元気に生活していければいいと願っています。(20歳・女性)

 

「手のひらサポート」アンケート-甲状腺がん当事者の声 2022

https://www.311kikin.org/wp-311kikin/asset/images/pdf/questionnaire2022.pdf

白石さんも調査に協力したアンケート(リンク先からダウンロード可)

 

■大手メディアで報道されない子ども甲状腺がん裁判

講演の終盤、白石さんがインタビューした原告の子どもたちの音声が流され、「2人以上の方に今日の話を伝えてください」というスライドが映されました。NHKなど大手メディアで甲状腺がん裁判のニュースが報道されない問題に触れて、今日の講演に参加していただいた一人一人が少しでも伝えていってほしいと求め、最後に裁判の原告の子どもたちへの支援を呼びかけました。会場では、裁判を支援するカンパが呼びかけられ、参加者から約26,000円が集まり、青山実行委員長から白石さんにカンパが手渡されました。

講演の最後に映された白石さんからのお願い

若い当事者の声が会場に流された

青山実行委員長から白石さんへ裁判へのカンパが手渡された

■参加者アンケートから

・日本は福島を切り捨て、若者を切り捨てた。福島のリアルを日本政府は見せないようにしている。その中で、将来のある若者が必死に生きている。なんとか希望を持たせてあげたい。自分たちの子どもや孫を見ているようだ。OurPlanet-TVはこのまま独自路線をつづけてほしい。協力したい。

・言葉にならないです。でも眼を背けることはできません。甲状腺がんの情報が少なく実態が見えにくいですが、現状がよくわかりました。原告の皆さんは私の子どもと同世代で、ひとごとではありません。しっかりこの裁判を見つめていきます。皆さんはひとりではありません。一緒にがんばろう。

・現実を知ってちょっと唖然としました。一人でも多くの国民に知ってもらいたいです。

・福島原発事故の結果に苦しんでいる人の存在を事実上隠ぺいされている現状に怒りを感じます。

・甲状腺がんが原発事故のせいだと認められていないことに驚きました。認めないように歪めていた調査委員会の長が国会議員になったことに怒りさえ覚えました。

・白石さんのお話たいへんわかりやすかったです。子どもたちへの影響は極力くいとめ止めなければならないのに、見えない形にしようとする大きな力が動いていると感じました。これからも地道な取材をつづけてください。

 

【各団体リンク】

311甲状腺がん子どもネットワーク

https://www.311support.net/

 

3・11甲状腺がん子ども基金

https://www.311kikin.org/

 

OurPlanet-TV

https://www.ourplanet-tv.org/

 

【講師プロフィール】

白石草(しらいし・はじめ)

ビデオ・ジャーナリスト

早稲田大学卒業後、テレビ局勤務などを経て、2001年に非営利のインターネット放送局「OurPlanet-TV」を設立(現在、代表理事)。マスメディアでは扱いにくいテーマを中心に番組を制作配信する一方、映像ワークショップを展開し、メディアの担い手作りに取り組む。一橋大学大学院地球社会研究科客員准教授。
3.11以降の原発報道などを評価され、2012年「放送ウーマン賞」「JCJ日本ジャーナリスト会議賞」「やよりジャーナリズム賞奨励賞」、2014年「科学ジャーナリスト大賞」を受賞。
著書:『ルポ チェルノブイリ 28年目の子どもたち~ウクライナの取り組みに学ぶ』(岩波ブックレット) 、『メディアをつくる 「小さな声」を伝えるために』(岩波ブックレット)、『ビデオカメラでいこう』(七つ森書館)

 

子どもが生まれ、平和で生きやすい社会を残したい思いが強くなった

「敵基地攻撃能力」など安保関連3文書の閣議決定に抗議

長野駅前での街頭宣伝で中村宏典さんがアピール

戦争をさせない1000人委員会・信州や県憲法9条を守る会連絡会など6団体、北信市民連合は12月16日、長野駅前で岸田政権が「敵基地攻撃能力」保有や防衛費の倍増をめざす安全保障関連3文書(国家安全保障戦略/国家防衛戦略/防衛力整備計画)の閣議決定に反対する街頭宣伝を行いました。参加者は約50人。宣伝カーを使って街頭アピールを行いました。

県労組会議青年女性連絡会事務局長の中村宏典さん(自治労)のアピールを掲載します。

アピールする中村宏典さん

参加者は横断幕、プラカードをもって抗議の意思を表した

 

「必要なのは、私たちの日々の暮らし、今日、明日を生きることに歯を食いしばっている人たちへの生活支援であって、軍拡にお金を使っている場合ではありません」

中村宏典さん(県労組会議青年女性連絡会事務局長)

私事ですが、先日、子どもが生まれました。この子が大きくなった時、平和で生きやすい社会であってほしいと願うばかりです。

いま、この国は平和と言えるのでしょうか。

ロシア政府によるウクライナ軍事侵攻を利用し、不安をあおって、軍拡が進んでいます。長距離巡航ミサイルの購入や護衛艦の改修による空母化、そして敵基地攻撃能力の保有。「戦争のできる国」へと変わろうとしています。軍事力が強まれば強まるほど、周辺諸国を刺激し、緊張関係が高まることは目に見えています。

子どもが大きくなったときにこの問題をどうやって説明してあげたらいいか、考えてみました。

今年、引越しをしました。隣近所への挨拶にいくとき、隣人はどんな人なのか、とても不安でした。今はあんまり挨拶に行かない人も多いし。

例えば、自分の隣の家に、昔からあまり話もしたことない、よく知らないAさんがいて、物騒な武器を持っていて、普段から庭で武器を使う練習をしている(この時点で通報ですが)って知ったら、じゃあ我が家も負けない武器を準備しなきゃ・・ってなりますかね、なるかもしれませんね。

じゃあ、Aさんの立場に立ってみます。

Aさんは元々、隣のBさんと昔から仲が良くない、今は落ち着いているようだけど。Bさんは向かいの大きな家に住むお金持ちのCさんと親しく、定期的に一緒に訓練している、お金もあるから色んな最新鋭の武器を準備している。Aさんを攻撃するとは言っていないけど、「敵を攻撃、排除するためだ」と、この敵って誰のこと?

そんな時、今までは先祖代々の家訓で「争いごとはしません、武器も持ちません」って宣言していたはずの私の家が、「今日から”敵”を攻撃するための武器を持ちます。それを仲良しでお金持ちのCさんから買います」となったら、Aさんはどう思う?

この話のハッピーエンドはありますか?

決して、核兵器を持つことを肯定しているわけではありませんが、守るためと言って、武器を買い揃えることが、解決に繋がるとは私は思えません。仮想の敵を作って、世論をあおりにあおり、ワールドカップの裏で国民にたいした説明もせずに、こんな物騒なことを決定しようとしている。反対の声をあげずにいられません。

そして、防衛費のことにしてもそうです。毎年どんどん上がっています。何兆円、GDPの何%といわれても、莫大すぎてよく分かりません。

子どもが生まれて、もうすでにお金が凄くかかっています。出産一時金で賄えない入院費が11万3000円、服やおむつやベッド、チャイルドシートなど最低限そろえるだけでもバカになりません。出産一時金を10万円増額する、じゃあいいかとなりません。騙されません。

格差社会で、6人に1人が貧困、特に若い人の貧困が増えています。子どもを持たない理由の第一位が、圧倒的に経済的負担で、「今以上の生活費や教育にかかる経済的負担にたえられない」が理由。しかも、20代30代では特に顕著、自分ひとり、夫婦だけでも余裕がないのに、結婚も出産も考えられない、こんな国で本当によいのでしょうか?

限りある財源で、本当に今、防衛費にお金が必要ですか?それが本当に私たちのためなんでしょうか。それとも!国家を守るためには国民は犠牲になってもいいのか?贅沢は敵ですか?

子どもをもつ、持たないの選択が、お金に余裕のあるなしで決まってほしくない、決して贅沢な望みではないと思います。

いま、必要なのは、私たちの日々の暮らし、今日を明日を生きることに歯を食いしばっている私たちの生活への支援であって、軍拡にお金を使っている場合ではありません!

このことを声を大にして訴えたくて、今日、この場に来ました。ありがとうございました。

平和フォーラムが閣議決定に抗議の声明を発表

平和フォーラムが3年ぶりに「ピーススクール」開く

若手組合員約40人が3日間、平和や憲法、人権、環境問題を学ぶ

長野県からは青木雅裕・私鉄県連書記長が参加

フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)は11月18日から20日までの3日間、東京都内に全国から約40人の40歳程度までの若手組合員を集めて「2022ピーススクール」を開きました。労働組合の活動で平和や人権、民主主義の意義を広げていく取り組みが重要性を増しているなか、次代を担う人材の育成が求められています。ピーススクールでは、平和・人権・環境・民主主義などに関するテーマで6人の講師が講演、フィールドワークとして参加者は、国会前での宣伝行動にも参加しました。

長野県からは、私鉄県連書記長(アルピコ労組川中島バス支部)の青木雅裕さんが参加しました。青木さんの報告・感想を掲載します。

「改めて活動の原点に触れたスクールだった」

青木雅裕(私鉄長野県連書記長)

誠に恥ずかしながら会社に入社してから今まで労働組合の活動には参加してきた方だと思っていました、「平和」や「護憲」に関わる集会や春闘に伴う集会など活動などです。今では自分が伝えなくてはならない立場になって、改めて活動の原点にふれ、日々変わる情勢に目を向けながら学習はいくらやってもいいのだと思った次第です。

全国から集まった参加者が3日間みっちりと学習

スクールでは班に分かれて「ディベート」も体験した

第1講座 原水禁運動の歴史と課題  金子哲夫氏(広島原水爆代表委員)

今年の原水禁世界大会(広島)にも参加し、日本の被爆者の多くが高齢化していて自分たちの世代が伝える役割持たなくてはと思っていましたが、原水禁運動はウラン採掘者やマーシャル諸島の住民までと聞いて、自分が日本のことしか考えていなかったと思い知らされました。

第2講座 立憲民主党前代表が語る  枝野幸男氏(立憲民主党前代表)

枝野幸男・立憲民主党前代表

労働組合で役員をやっていて民主主義が最善だと思いの方も多いと思われますが、枝野元代表の「民主主義は間違えるときも在る」とのお話しを聞いて、過去に自分の組合で意見が割れた案件などで、多数決で採決した事がありました、枝野議員は国民や組合員がしっかりと監視をしていないと民主主義は間違った方向に向かう時がある。例えば「ヒトラー」や「ムッソリーニ」など、圧倒的な支持を受けて誕生した政権が独裁指導体制となりホロコーストを引き起こし多くの人命を奪うことに繋がるなど同じ過ちを犯さぬようにしてなくてはならないと強調しました。

第3講座 在留外国人の人権課題  鳥居一平氏(移住連代表理事)

外国人労働者の実態を聞いたのは初めてでした。長野県にも労働人口の減少により、海外からの技能実習生が多くいます。働く姿を目にしても何気なく過ごしていましたが、働く外国人の方々の労働実態には大変興味を持ちました。雇用主が思うがまま過酷な条件を突きつけて働かせ、実習生が意見をすれば契約を打ち切り強制帰国になることもあると言います。鳥井氏の元に救済を求めた技能実習生は所定の労働時間に260時間にも及ぶ時間外労働を強いられたり、2年間も休みもなく働かせたり、日本に実習で来た際に生活用品は付与されますが、寝具や家電など用意はあっても高額なリース代を毎月請求されたりと、雇用主からの「ピンハネ」が酷い実態である事も聞かせていただきました。日本では賃金を抑えて利益を追求する風潮が長く続いています。このままでは日本はダメになると強く感じました。

第4講座 憲法を考えるワークショップ   本庄未佳氏(岩手大学准教授)

本庄未佳・岩手大学准教授

日本国憲法前文の作成過程で前文を作成した「ハッシー」氏の描いた日本国憲法は平和憲法に道徳的な表現を用いるべきではないと主張しましたが、GHQを率いる米国(マッカーサー)の思惑と違っていました。GHQは敗戦国である日本の武力を奪い、その無防備な日本を米国が守る、沖縄を要塞化する事で他国の侵略に備えたのだと話されました。

憲法では戦力の不保持・交戦権は否認するが、自衛権を否定するものではないと規定しています。自民党が進めるのは集団的自衛権を行使するために「憲法」を改憲したいのではなく「日米安全保障条約」を改悪したいだけだとのお話しを聞かせてもらいました。

第5講座 近代沖縄の歴史と文化  大里知子氏(法政大学沖縄文化研准教授)

大里知子・法政大学沖縄文化研究所准教授

沖縄の歴史を知るには琉球王朝の時代に遡らないと今の沖縄のアイデンティティーは伝わらないとのお話しでした。日本人の多くの方々は沖縄の戦中・戦後の話ししか知らなくて、日米地位協定がある事で、基地周辺で様々な事件が起こるたびに泣いてきた沖縄県民、自分たちの生活を守る為に祖国復帰を果たし「日本国憲法」が適用されることを望む人が多くいたと、沖縄県の参加者の声を聞き気付かされました。

 

第6講座 環境課題と原発  松久保肇氏(原子力資料情報室事務局長)

日本政府の進めるCO2排出削減や電力需給の問題など、昨今電力供給不足のために節電を要請する電力会社の報道が時々あります。この逼迫した状況を打開するために、原発を稼働させようとする世の中の動きもありますが、原発を稼働させたとしても、火力発電所を止めるので逼迫状況は変わらないとのお話しでした。原発を稼働させればCO2は排出しませんが、燃料となる核燃料を作成する際には大量のCO2を排出すること、今後新たな原発を建設することは難しいので、いまある原発の対応年数の40年を延長させたい経済界の思惑が見え隠れします。日本は海外から輸入する化石燃料を購入しなくてはならない国なので全ての原発に反対するというのも難しい判断だと思いますが、「核のゴミ」問題も解決の糸口すらまだなく、最終処分場の予定地である北海道の問題も自分の住む街じゃないからと目を伏せていてはダメだと思いました。

後世に押し付けることなく「自然エネルギー」の技術がもっと発展するために自分への問題意識にしなくてなりません。

フィールドワークは国会前での宣伝行動

国会議事堂の前で

国会前行動であいさつする勝島一博・平和フォーラム共同代表

発言する青木雅裕さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース・スクールを終えて

コロナ感染症が拡大する中で、当初予定していた懇親会などがなくなり、黙食で夕飯を食べるなど、全国から集まった仲間との交流は行えず少し寂しく感じましたが、主催者のリスク管理を思えば仕方ない判断なのだと思いました。事務局の方々は「平和」「軍事」「憲法」など多岐にわたる日本の問題の捉え方を押し付ける集会をしているのではなく、すべての物事を自分たちで考える機会を与えてくださったと思っています。

集会の締めに、三つのテーマを各班ごと分けて討論する場「ディベート」を行いました。

・原発の再稼働は「1必要」「2不必要」

・防衛力の増強は「3必要」「4不必要」

・労働組合の積極的な政治への関与と平和運動「5必要」「6不必要」

6班に分けられたグループがそれぞれの立場を選び肯定派と反対派に分かれて討論しました。

日頃から組合では反対派の声を聞く機会があります。組合の役員を担っていると、不満を言う組合員の声を聞くと思いますが、頭ごなしに否定するのではなく、相手の主張をしっかり聞いて答えなくはならない、責任感を改めて持ったいい機会になりました。

長野県内の仲間の皆様、参加させて頂きありがとうございました。

留学同東海の皆さんと松代大本営地下壕を見学し、交流しました

 秋の気配が漂い始めた去る10月22日(土)、松代大本営追悼碑を守る会では、留学同東海の皆さん(主に愛知、岐阜、三重、長野、静岡で活動している朝鮮半島にルーツを持つ大学生、専門学校学生)と県労組会議青年女性連絡会が集い、限られた時間のなか、交流会を催しました。

 初めに、松代大本営地下壕隣の『もう一つの歴史館・松代』のガイド・宮島さんから説明を受けながら見学、次に追悼碑を守る会・喜多事務局長から長野市の案内看板について解説、壕の中を石合上田市議の案内のもと、見学しました。留学同東海の皆さんは、到着すると明るい笑顔で挨拶をしてくれましたが、案内が始まるとメモを取り、終始真剣な表情で聴いていて、その様子がとても印象的でした。

 見学後は、長野市の有形文化財・寺町商家(旧金箱家住宅)に場所を移して、それぞれの活動の紹介を聴き、5班に分かれて松代大本営を見学した感想などを話し合いました。短い時間での交流となったこともあり、参加者からは、初対面であることとそれぞれの歴史認識の相違などの心配もあり少々不安な気持ちがあったようで、想像以上に学びの大きい楽しい交流となり、また次回もこのような会を開いてほしいという声をいただきました。この出逢いをきっかけに今後もつながっていくことを約束して解散しました。

追悼碑について説明する喜多事務局長

真剣なまなざしで聴く参加者の皆さん

喜多事務局長から長野市の案内看板についての話を聴く参加者たち

追悼碑の前で集合写真

石合市議が壕の中を案内

壕の中での参加者の様子

寺町商家での様子

留学同東海の活動について報告

県労組会議青年女性連絡会の活動報告

B班で話し合ったことを発表

C班で話し合ったことを発表

喜多事務局長によるまとめ

 ※留学同とは

正式名称は在日本朝鮮留学生同盟といい、1945年9月14日に結成されました。在日同胞団体の中でも旧い歴史と伝統を持つ留学同は、日本の各大学・短大・専門学校で学ぶたくさんの同胞学生が集う学生団体です。留学同は、各自の個性を大切にし、大衆的で、開かれた運営をモットーにしています。

留学同は結成以来、同胞学生を祖国のもとに固く結集させ、祖国の平和・統一・発展、同胞社会の繁栄に少なからず貢献してきた祖国愛、民族愛を大事にする団体です。留学同は、祖国の北・南・海外の同胞青年学生との団結と交流を強める一方、日本と世界各国の学生との友好・親善を深める活動を活発に行っています。21世紀、同胞学生のより豊かで充実した明るい未来のために留学同は日々邁進しています。(留学同中央ホームページより)

 

格差と貧困、戦争を生みだす新自由主義政策の転換を

「自助」よりも「公助」、「自己責任」より「共生」、

労働者・国民の暮らしと平和を最優先する政策へ

県労組会議が定期総会開く-新議長に宇佐美正信氏(国労長野)

長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月21日、代議員・役員など約50人を集め、長野市内で第27回定期総会を開きました。

主催者あいさつで、松澤佳子議長は「今日は10月21日。私の年代では、10.21国際反戦デー集会をやった記憶がある。ベトナム戦争反対デモが行われていた。今、ウクライナ戦争の即時停戦を求めてウクライナ市民の声に耳を傾けなければならない。ウクライナに暮らす女性の言葉に『何かを組織できる団体が存在していることが大事だ。一人の人間は小さくてもどこかの団体に所属していることで、自分だけじゃないと思うことができる』とある。労働組合の意義はここにある。平和を求める運動を職場・地域から、労働組合が組織として、団体として声をあげていく必要がある。ある社会福祉法人の労働者が、新たな労働組合を立ち上げた。本当に勇気のいることだったと思う。パワハラやセクハラやさまざまな問題を抱え、労働基準監督署に相談したりしてきたが、最後に労働組合として闘わなければだめなんだと、一生懸命に組合員を募り、パート労働者にも声をかけて、過半数を超える労働組合を結成できた。職場集会でパート組合員の方の『私たちにも声をかけてくれて本当にうれしい』という発言に目が覚める思いだった。自分の置かれている実態を素直に話せる職場での集会がすべての労働組合でできたら、どんなにか労働組合は素晴らしいものになるか、実感した。正しいことを言えば攻撃をされる、こんな世の中じゃいけない。変えていかないといけない。自分は労働組合での任務は終わるが、引き続き一人の市民として、一人の女性として、しっかり声をあげていく決意だ」と訴えました。

討論では「7月から8月にかけて青年女性で77市町村を走り抜ける反核平和の火リレーに取り組んだ。ウクライナ戦争が続くなか、改めて平和の大切さを実感した。私鉄の仲間からの『私鉄は平和産業』という言葉が印象的だった」(自治労)、「アスベスト被害で仲間を亡くした。JR総合車両センターでは、建物や車両にアスベストが使用されていて、解体時などに飛散する危険性がある。会社に責任ある対応を求めている」(国労長野)、「コロナ禍により私鉄は厳しい状況に置かれている。高速バスはピークで利用者が8割減、貸切バスはほぼゼロになった。収入が減り生活できないので退職者も相次いでいる。県労組会議から私鉄県連、単組に支援金をいただき感謝している」(私鉄県連)、「松澤佳子議長が退任するが、4年間、みなさんにお世話になり感謝したい。現在の経済・政治状況でまさに労働組合の社会的役割が問われている。共生や連帯という労働組合の価値観を大切にして活動しよう」(自治労)などの発言がありました。

特別決議として「岸田自公政権の軍拡・改憲を阻止する決議」が採択されました。総会は最後に「組合員はもちろんですが、組織されていない労働者・国民にも共感が広がる労働運動が今こそ必要とされています。コロナ後を見据えて、地域社会において労働者の新たな団結と連帯を再構築しましょう」とする「総会宣言」を採択しました。

なお、総会では任期満了に伴う役員改選が行われ、4年間にわたり議長を務めた松澤佳子氏(自治労)が退任し、新たに宇佐美正信氏(国労長野)が議長に就任しました。選出された三役は次の通りです。◇議長=宇佐美正信(国労長野)、◇副議長=伊藤浩二(自治労)、同=若林茂(私鉄県連)、同=大橋孝宏(森林労連)◇事務局長=喜多英之(自治労)

議長退任あいさつをする松澤佳子氏

議長就任あいさつをする宇佐美正信氏

総会会場では、JAL争議団の鈴木圭子さんが物資販売

総会の最後には、全員で団結ガンバロー

採択された特別決議

採択された総会決議

 

コロナ禍での若年・非正規・外国人労働者問題を学ぶ

労働運動研究会でPOSSE事務局長の渡辺寛人氏が講演

県労組会議は9月17日、上田市丸子解放センターで「21世紀の労働運動研究会」第3回講座を開き、コロナ禍における若年・非正規・外国人労働者の問題をテーマに学習しました。

講座の講師は、20~30歳代の若い人でつくるNPO法人・POSSE(ポッセ)事務局長で「ブラックバイトユニオン」を運営している渡辺寛人さん。POSSEが取り組んでいるブラック企業の告発活動の紹介とその実態、コロナ禍が広がる中で見えてきた日本のいびつな労働構造などについて、具体的な活動報告も交えて講演していただきました。低賃金、権利侵害が横行する技能実習生などの外国人労働者問題についても問題提起を受けました。

講演で渡辺氏は「コロナ禍での労働相談は女性、非正規労働者からの相談が多い。 女性からの相談が61%を占めている。また、 非正規雇用者からの相談が多く、全体の約68%に当たる」と報告。雇用の調整弁と位置付けられている矛盾がコロナ禍で噴出した実態を指摘しました。コロナ禍で女性への影響を増幅させた背景として、1) 平時のジェンダー視点が欠如した社会・経済構造、2)女性を労働力とするサービス経済化の進展、3)非正規雇用者の社会的保護からの排除などがあると強調しました。また渡辺氏は、女性は「男性稼ぎ主モデル」のもとで、家庭内で無償の家事労働を担わされ、労働市場においては家計補助的な労働力として活用されてきたこと、女性差別は、正規・非正規の雇用形態差別に形式を変えて継続していること、男性稼ぎの主モデルが崩壊し、産業構造が転換している現在、女性労働の位置づけが大きく変化しているが「周辺化」され続けている実態など、構造的な問題点を指摘しました。

渡辺氏は講演の最後に「労働運動のパラダイムチェンジ=根本的転換」が求められていると強調。「サービス経済化が進むなかで、女性の活動とされてきたものが産業の中心に移動しつつある。にもかかわらず、労働運動は男性中心的なものとしてイメージされている。女性やマイノリティが中心となれるような組織化をすすめよう」とまとめました。

 

渡辺寛人氏の講演資料

 

長野朝鮮初中級学校の生徒が松代大本営象山地下壕を見学

地下壕入口で自らの学習発表も - 追悼碑を守る会が案内

長野朝鮮初中級学校(松本市)中級部(中学校)の1年生から3年生までの生徒14人は7月23日、松代大本営象山地下壕の見学と学習発表を行いました。

追悼碑の建設の目的や経緯、長野市が朝鮮人強制連行の歴史的事実をあいまいにした説明看板の問題などについて、守る会役員が説明しました。また、実際に地下壕内に入り、過酷な掘削工事の実態を見学しました。

生徒たちは、地下壕見学の前に、市民団体が運営する「もうひとつの歴史館・松代展示室」も訪問。スタッフの説明を聞くとともに、当時の作業を体で感じられるズリ(砕いた岩石)を運ぶ体験もしました。

また、生徒たちが事前に松代大本営について学んできたことを模造紙に書いて、地下壕入口の前で学習発表も行いました。生徒たちは在日朝鮮人として日本社会で生きていくための決意もアピールしました。

若者がヒロシマの火をもって県内を疾走

8月10日まで反核平和の火のリレーを実施中

県労組会議青年女性連絡会や民主団体でつくる県平和友好祭実行委員会は、核廃絶や平和の大切さを訴えてランナーが県内を回る「反核平和の火リレー」を実施中です。

7月13日には、松本市役所で出発式が行われ、火が燃えるトーチを持ったランナーが走り出しました。トーチに灯した火は、広島の平和記念公園で燃え続ける「平和の灯」から採火したものです。県平和友好祭実行委員会の高頭千江子委員長 は「ロシアのウクライナ侵攻があり世界平和を願う声が上がっているので、それを胸にゴールまで走り継いでいきたい」と話しています。今年は約600人のランナーが交代で走り、県内77市町村すべてを回って、ゴールの辰野町(8月10日)をめざします。

トーチを持った青年・女性を見かけたときは、声援をお願いします。

松本市役所での出発式

県庁に入るランナー

参院選 大激戦!最後の4日間で勝敗が決する

立憲野党・リベラルな議席を何としても守り抜こう!

杉尾ひでやさんへ最後の支援を!

参院選長野県選挙区の最終盤の情勢は、市民と野党の統一候補・杉尾ひでやさんと自民候補がまさに横一線。大激戦です。

残る4日間の行動次第で、勝敗が決することになります。

信州市民連合は、共同代表の又坂常人さんからの終盤アピールを発表しました。