21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

ミャンマー民主化を支援する学習交流会と街頭募金を実施

長野・松本2日間で12万5千円の温かい募金集まる

県内市民有志、労組関係者、県内に在住するミャンマー人などでつくる「ミャンマー民主化を支援する信州の会」は10月23日、24日、長野駅、松本駅前で民主化支援を戦うミャンマー人や国軍の脱圧によって職を失ったり、生活がひっ迫しているミャンマーの人々を支援する募金活動を行いました。また、24日には、松本市内で学習交流会を開き、信州大学の佐藤友則先生のミャンマーの現状に関する講演を聴き、意見交換を行いました。長野駅での街頭募金の活動には約35人、松本での集会・街頭募金には約40人、Zoomでの集会参加者は約10人でした。長野県内に住む約10人のミャンマー人も参加してくれました。

駅前を通る多くの市民のみなさんがミャンマー問題に関心を寄せていただき、2日間で約2時間の募金活動でしたが、約12万5千円のカンパが集まりました。このカンパは、信州の会が責任をもって、ミャンマー国内で民主化を求めて闘う人々や日本国内に住むミャンマー人にお届けします。

長野駅前で若麻績敏隆代表とミャンマー人が募金を訴える

松本駅前での募金活動には東京からミャンマー人が参加

松本駅前での募金活動の後、反独裁の「三本指」のポーズで

信濃毎日新聞の記事(10月24日)

〈第15期〉21世紀の労働運動研究会 第2回 渡辺寛人氏(NPO法人POSSE事務局長)講演「パンデミックと労働運動」

講演「パンデミックと労働運動」渡辺寛人氏

「〈第15期〉21世紀の労働運動研究会」が、10月9日(土)、いなっせ(伊那市)で開かれ、第2回講座として「パンデミックと労働運動 POSSE・総合サポートユニオンの取り組みから」というテーマで渡辺寛人氏(NPO法人POSSE事務局長)にリモートで講演いただきました。Zoom視聴と会場参加あわせて、約30人の方が参加されました。

渡辺寛人氏には事務局長を務めるPOSSEでの若者の労働・貧困問題への取り組みを中心に、コロナ禍に急増した若者・女性・外国人からの相談や、その背景にある日本社会の構造的問題についてお話いただき、パンデミックのなかでの労働運動について伺いました。講演後には、渡辺氏も参加して分散交流会を実施しました。

リモートで講演する渡辺寛人氏

【講演概要】

NPO法人POSSEとは?

POSSEは、2006年に若者の労働・貧困問題に取り組むNPOとして発足。英語で「仲間」のこと。ブラック企業と闘い、労働環境を改善するため、働く仲間が力を合わせるという意味を込めた。メンバーは20代を中心とした若者で、労働・生活相談、労働法教育、調査研究、雑誌発行、社会発信などに取り組んでいる。

 

2014年からは、「総合サポートユニオン」を立ち上げ労働組合運動を展開。2019年にはPOSSE外国人労働サポートセンターを立ち上げ、外国人労働者の支援も開始。

 

NPO法人POSSE

https://www.npoposse.jp/

総合サポートユニオン

https://sougou-u.jp/

POSSE外国人労働サポートセンター

https://foreignworkersupport.wixsite.com/mysite

 

パンデミックの影響 女性・学生・外国人

コロナ禍において相談が急増している。コロナ以前は2500件/年でしたが、2020年度は労働相談が3675件、生活相談が379件、外国人相談が342件。

女性からの相談が61%。コロナの影響が人と接するサービス業中心の職種に広がっていること。また学校の休校などにより、子育てが女性に押し付けられていることがわかる。

非正規雇用者からの相談が多く、全体の68%(計872件)。雇用の調整弁としての非正規。そもそも雇調金の対象にされず、テレワークや休業補償においても差別されている。

 

一番多い相談は休業に関するもの

もともと低賃金水準で労基法26条の休業手当(平均賃金の6割)では手取りは10万円前後になり生活苦に陥る。まったく休業補償がないという相談も多数あった。3月ごろから新型コロナの影響が色濃くなりはじめ、二カ月連続で収入がない、という人も出てきた。休業補償の不払いの相談も多く、IT関係の方からは、人事に「アルバイトだから出せない」「アルバイトには支払う義務がない」と言われ休業補償が支払われないケース。また飲食関係では、緊急事態宣言後シフトが減って、週2日勤務になり3時間で帰らされた日もあった。試食販売の方からは、コロナで試食の仕事が一切なくなったが会社は「日々雇用のため、継続して雇っている認識はない」と主張し、休業補償は支払われなかったケースもあった。

休業手当が全く支払われなかった事例や、平均賃金の6割しか支払われなかった事例が多数あり、制度の活用を求めても拒否されてしまう。

 

新型コロナとブラックバイト

コロナ禍でのアルバイト相談

 

20代前半女性(アルバイト・居酒屋)

「仕送りはもらっておらず、生活費として月13万~15万稼いでいた。それが3~4万にまで減少。奨学金を借りて学費を払っている。緊急事態宣言以前から店が休業になった。休業補償がでるかわからない。

 

19歳女性(アルバイト・塾講師)

「3~4月、生徒が来れないという理由で、シフトが完全になくなった。その間の補償に関する連絡は一切なかった。母子家庭で生活に余裕がない」

 

新型コロナウイルスの影響でアルバイトや親の収入が減って学費を払えない大学生らが増えています。学生アルバイトからは、休業補償が支払われていないという相談が多数寄せられました。約2割の大学生が退学を検討しています(学生団体FREEの調査)。学生アルバイトは「基幹的な労働力」として組み込まれながら、「雇用の調整弁」として都合よく扱われてしまっています。

 

補償なき休業と解雇が貧困を拡大

補償なき休業と解雇が貧困を拡大

 

外国人労働者の生活困窮の深刻化

外国人労働者からも計524件の相談が寄せられました。

 

20代のスリランカ人留学生

「都内のファミリーレストランチェーンで、通常時は週25時間働き、月12万円ほど稼いでいました。緊急事態宣言の発令後ファミレス事態が休業になりシフトがゼロになりました」「休業補償について店長に聞いたところ、本部に問い合わせるという返答でしたが、その後音沙汰なし。結局、労働基準法で定められている休業手当の支払いがなく、学費や家賃などの支払いが困難になりました」

 

なぜ矛盾が非正規(女性、学生、外国人が多い)に集中したのか?

日本型雇用システムの変容と貧困の拡大の背景には、終身雇用や年功賃金が得られない労働者の増加(非正規雇用、ブラック企業)や、女性の異常な低賃金構造の維持があります。その結果、生活が困難になり、ケア需要の増大によって貧困が拡大しています。

日本型雇用システムの変容と貧困の拡大

 

賃金の低下と共働き世帯の増加

 

大学進学率の増加と学歴による格差の拡大

背景には、①国公立大学の学費の増加、②親世代の収入の減少、③不十分な奨学金が考えられる。大学に通うのに必要な年間費用の平均188万円、私立大学4年生・自宅外だと平均250万円もの費用がかかるためアルバイトをしなければならない学生が増加している。

 

非正規雇用の基幹化(ブラックバイトの構図)

正社員を非正規雇用で代替したことでアルバイトが職場の中で重要な責任を担うようになって、アルバイトがいないと回らない職場になっている。また徹底的な低コストで最低賃金すれすれの給料でありながら辞めることもできない。

 

周辺化されてきた女性労働

女性は、「男性稼ぎ主モデル」のもとで、家庭内で無償の家事労働を担わされ、労働市場においては家計補助的な労働力として活用されてきた。女性差別は、正規/非正規の雇用形態差別に形式を変えて継続。「男性稼ぎ主モデル」が崩壊し、産業構造が転換している現在、女性労働の位置づけをが大きく変化しているが、周辺化され続けている。

 

「人出不足」を埋めるための外国人労働者

・深刻な人手不足(地方では農業や漁業など、都市部ではコンビニなどのサービス業)の穴埋めとして外国人が活用されている。そもそも「人出不足」自体が、その仕事に従事しても再生産できる賃金を得ていないことに起因。その結果、日本人相手にも「求人詐欺」で騙して雇い入れる手法が横行。ブラック企業は固定残業代を用いて給料をかさ増しする。

・外国人に対してはさらに離職を防ぐために物理的な暴力を行使している。パスポートや通帳の会社管理、労働条件の改善を要求した労働者の「強制帰国」といった手段を用いる。

・技能実習生は、そもそも法的に転職可能性が制限されている。外国人技能実習生は約40万人。多くが「エッセンシャル」な産業のサプライチェーンの末端に組み込まれてきた。ファストファッションや外食チェーン、建設産業など。

 

エッセンシャルな仕事。しかし低賃金

この20年間で日本社会は、製造業を中心としら産業構造から、ケアやサービス経済を軸とした産業構造に転換してきた。

しかしサービス産業では生産性を上げることに限界があり、利益を上げるためには人件費を極限まで切り縮める必要がある。企業は労働条件を低いままに、非正規雇用を基幹労働力として組み込んできた。結果的にそこに充当されてきたのが、女性、学生、外国人だった。

コロナ禍はこの矛盾を顕在化させた。

 

POSSE/総合サポートユニオンの取り組み

さまざまなアクション

《一部紹介》

自販機産業ユニオンの気候変動ストライキ

  ストライキの要求事項

1 業界で協力して無駄な自販機の削減とCO2排出を削減してください

2 8時間労働で生活できる賃金を設定してください

3 自販機業界と自販機産業ユニオンでの、気候危機に関する議論の場を設けてください

2021年6月25日にストライキを実施

 

・自販機産業では、各社が利益のために街中に自販機を設置し、大量の自販機を労働者の長時間労働によって機能。長時間労働、過労死の温床に。

・環境負荷の視点から自販機産業を考えると、街中にあふれている24時間稼働の自販機それ自体の電力消費、さらに、多くの自販機を巡回する際のトラックでの移動や賞味期限切れの飲料などの食品ロスの問題も。

・産業構造そのものが環境と労働者への高い負荷を生み出している。24時間稼働し、大量の食品廃棄を出し続けるコンビニ業界など、多くの産業にも共通。

 

ジェネレーションコロナからジェネレーションレフトへ

ジェネレーションレフトとは?

資本主義を否定し、社会主義を支持する世代の台頭。ミレニアル世代やZ世代が中心。アメリカ民主党で「社会主義者」を自称するバーニー・サンダーズやイギリス労働党のジェレミー・子―ビンを支持していたのは若者だった。

背景:不安定な労働市場、教育ローンなどの債務漬け、家賃やネット等々の使用量などレント負担の重さ、気候危機による将来への不安。にもかかわらず経済成長を掲げ、富裕層を優遇する政治。

 

これまでの経済成長を軸とした資本主義の物語が失効した世代

 

ジェネレーションレフトの条件

2008年 出来事としてのリーマンショック

2011年 オキュパイウォールストリートなど、一連の抗議行動

 

2008年の受動的出来事と2011年の政治的出来事が補完し、新自由主義の物語を失効させ、新たな社会を求める能動的出来事として捉えなおす契機に。日本では、若い世代に魅力的なビジョンもなければ組織化も行われていない。したがって2008年以降、停滞・保守化が進行。

 

ジェネレーション・コロナ

・コロナ世代は「気の毒」か?

・2020年以降、ボランティア応募が飛躍的に増大。250名以上が参加し、そのうち女性が8割。「ダブル」など海外ルーツを持つ人やクィアなど、マイノリティが多い。

・感染対策に伴う大学の規律の低下、海外留学の中断、断念。相対的に自由な時間の出現。社会的関心の高まり。

・入管問題、外国人技能実習生、難民問題、女性の貧困への関心が高い。

 

なぜ女性やマイノリティが多い?

・コロナ危機=ケアの危機。日本社会では、再生産の領域は女性や外国人労働者に外部化されてきた。家庭および労働市場において、外部に周辺化されているがゆえに、外国人労働者への共感や想像力が働きやすい。

・日本社会での閉塞感が強い。女性は男性的な競争社会に入るか、ケアの担い手として男性に従属することが求められる。そのどちらも魅力的ではない。

・日本で求められる生き方の拒絶の裏返しとして海外志向が強かったが、コロナ禍で国内の外国人労働者の問題へと関心が向いた。

 

〝運動とは、何らかの形で社会から取り残されてきた人々を受け入れ、こうした人々を社会の片隅から中央へと動かす。運動が目指す変化とは、今まで目立たなかった人々の存在に光を照らし、社会や経済や政府から全く重要でないとみなされている人々を可視化することだ。″アリシア・カーザ『世界を動かす変革の力』

 

Z世代をめぐる攻防、組織化の重要性

労働運動のパラダイムチェンジが必要

・サービス経済化が進むなかで、女性の活動とされてきたものが産業の中心に移動しつつある。にもかかわらず、労働運動は男性中心的なものとしてイメージされている。

・コロナ禍は、日本社会の矛盾を可視化させた。労働組合がこの状況に対応していくために最も重要なのは、Z世代の女性やマイノリティが中心となれるような組織化を行い、組織のあり方を変えていくこと。

・若い世代に魅力的なビジョンの提示や組織化をつうじて、ジェネレーションコロナからジェネレーションレフトへ!

書籍紹介『ジェネレーションレフト』(キア・ミルバーン)『POSSE vol.48 特集 ジェネレーション・レフトの衝撃』

『POSSE vol.48 特集 ジェネレーション・レフトの衝撃』

POSSE vol.48 特集 ジェネレーション・レフトの衝撃|雑誌『POSSE』ホームページ|NPO法人POSSE (npoposse.jp)

信州市民連合と3野党が総選挙最終盤に「共同アピール」を発表

市民と野党の統一候補の全選挙区での勝利をめざして

憲法改悪に反対し、野党共闘を推進する市民団体「信州市民連合」は、総選挙において、1区から5区まで「市民と野党の統一候補」を推薦し勝利をめざして3野党と共に戦っています。

選挙戦も残すところあと3日、最終盤となりました。信州市民連合と立憲民主党、日本共産党、社会民主党の3党は、市民と野党の共闘で何としても全選挙区で勝利しようと訴える「共同アピール」を発表しました。

各選挙区で市民と野党の共闘を担っている関係者や、支持してもらっている有権者、県民のみなさんにあてたメッセージです。

☞ ここをクリック 信州市民連合と3野党の「共同アピール」

 1区 しのはら孝    2区 下条みつ   3区 神津たけし

 4区 ながせ由希子   5区 そが逸郎

 

県労組会議が総選挙に向け野党5人の予定候補を推薦

公助、共生、暮らし優先の政治をめざそう

県労組会議は、10月31日投票で行われる衆議院総選挙で、市民と野党の統一候補の5人を推薦しました。コロナ対策に行き詰った菅義偉首相が政権を投げ出し、岸田文雄政権が発足しました。安倍晋三元首相、菅義偉前首相と9年間続いた「アベ・スガ政治」は、国民・労働者の暮らしと仕事に、大きな“負の遺産”を残しました。岸田首相がアベ・スガ政治を清算しない限り、表紙を変えただけの政権に終わります。

総選挙では、市民・労働者と野党の共闘で、自助よりも公助、自己責任より共生、大企業や富裕層の利益よりも国民・労働者の暮らしを優先する政治へ転換を図りましょう。

なお、県労組会議および関係する地区労組会議は、総選挙の推薦候補5人に「政策要望書」を提出して、当選後には、労働者の労働や生活、平和や民主主義に関する課題について国政の場に反映するように要請しました。予定候補は全員、「要望された政策課題を受け止め、国政に反映させたい」などと答えました。

☞ ここをクリック 県労組会議ニュース・総選挙版

市民と野党の共闘で政治を変える~信州市民連合キックオフ集会

「市民と野党の共闘で政治を変える~信州市民連合キックオフ集会」が、9月24日に、ホテル信濃路において開催されました。

9月17日に、信州市民連合と3野党、選挙区市民連合のあいだで共通政策を掲げる「確認書」が締結されたことを踏まえ、5選挙区予定候補者と3野党代表、新政信州代表、市民連合関係者が一堂に会し、市民と野党の共闘で総選挙においてすべての選挙区で勝利し、政治を国民の手に取り戻す決意を確認しました。

キックオフ集会の最後に

 

集会の冒頭で茅野實さんに黙とうを捧げました

 

以下、発言要旨

又坂常人氏

又坂常人 信州市民連合共同代表:

本日、全国に先駆けて、衆議院総選挙勝利に向けたキックオフ集会に多くの皆様にお集まりいただきました。また野党の代表の方々にもご参集いただきました。主催者を代表し心より御礼を申し上げ、あわせて全体の挨拶を一言述べさせていただきます。

すでにご存じの通り、9月8日の中央の市民連合と立憲4野党、立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の代表が一堂に会して、総選挙に向けた共通政策の合意文書が締結されました。

そして長野県においても、9月17日に全国に先駆けて、3野党、立憲民主党、日本共産党、社民党、さらに新政信州と信州市民連合とのあいだで、政権交代を見据えた共通の政策を確認する文書に署名がなされました。本日までに、これを受けて県内5選挙区すべてにおいて、今回の総選挙における立候補予定者と同一の内容の確認書が、各選挙区の市民連合と信州市民連合とのあいだで締結されました。

ここにいたるまで、関係する方々の払った多大な労苦に深い敬意を払うものであります。

この政策合意、かたちの上では、信州市民連合と各政党とのあいだの合意ということになっておりますけど、実質的には政党間の共通の政策、総選挙に向けた有権者に対する公約の提示という性質を持つものであります。

そしてこの政策合意は、9年間に及ぶ安倍・菅の悪政、すなわち出鱈目なアベノミクスと称する経済社会政策による格差の拡大と公共部門の弱体化、法の支配の破壊による行政機構の底なしの堕落、そして立法府たる国会の形骸化に終止符を打つための歴史的な戦いの戦略的な方向を指し示すものであり、安倍・菅政治への明確な対抗軸を設定するものであります。

今、自民党は国政をほったらかしにして、菅の自爆によって降ってわいた総裁選挙にうつつを抜かしています。今日もテレビでやっていました。マスコミはまるで競馬の勝ち馬を予想するように面白おかしく盛り立てている。しかし誰が総裁になっても、今の自民党が新自由主義と立憲主義の破壊という安倍・菅政治を引き継ぐかぎりは、法の支配の空洞化が一層すすみ、そして貧富の格差が拡大しつづけ、公共部門が衰退する。このことは明白であります。

そして人が人として尊厳を取り戻し、そして平和の裡に健康で文化的な生活をする権利を実現する、そのためには自公支配に終止符を打つ政権交代しかありません。

これまでに署名された政策協定は、そのための大きな道標になることを確信しております。このような協定は戦後政治史上初めてのことであります。野党が政権選択選挙において、選挙前に、あらかじめ一定の実現されるべき政策の内容を国民の皆様にお約束するというようなことを結んだというのは戦後初めてであります。

その歴史的な意義を改めて私たちは再確認するべきだと思っております。そして全国に先駆けて、信州でこの合意が制定された。これが全国に及んで、今回の総選挙でなんとしても政権交代を実現する。そういった方向へ向けて改めて皆様と共にたたかっていこうではありませんか。

 

杉尾秀哉氏

杉尾秀哉 立憲民主党県連代表代行:

厳しい状況にもかかわらず、信州市民連合、今日お集まりの皆さん、そして、3野党県連代表、新政信州の北澤俊美代表ふくめて、小異を残して大同につくという大きな精神のもとに今回の確認書の締結と選挙区ごとのサインが実現したということでございます。

本当にここまで粘り強く交渉していただいた関係者すべての皆さんに深く深く御礼申し上げたいと思います。

どうすれば大きな塊をつくって、巨大与党に対峙できるか。市民と野党の統一ができれば選挙に勝てるということではございません。これはあくまで必要条件であって十分条件ではございません。

ここからが本当の勝負です。自民党の総裁選で耳当たりのいいことばかり言っていますが自民党で実現されっこありません。我々は今の自民党では絶対にできない政策を掲げさせていただいております。これを実現しなければ、日本の明日も、信州長野県の明日もありません。それぐらいの覚悟で、五つのすべての選挙区で勝利します。

茅野さんの思いにこたえ、そして旧民主党勢力として羽田孜元総理大臣、そして去年の12月27日に新型コロナに倒れた羽田雄一郎さん、みんなの思いを受けて、政権交代可能な政治制度を日本に根付かせるための大きな第一歩、キックオフの集会にしたいと思います。

共に皆さんと全力で戦いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 

鮎沢聡氏

鮎沢聡 日本共産党県委員会委員長:

私は今日ほんとうにわくわくした気持ちでここへ駆けつけました。だって皆さん、5人の小選挙区の予定候補者がこうやって勢ぞろいした瞬間をこの目で見ることが、つい数か月前はなかなか考えられませんでした。

いよいよ総選挙に向けて、市民と野党のあらたしい体制で、スタートをする確認書ができました。秋までには必ず総選挙になります。必ずこの選挙勝ち抜こうではありませんか。

確認書には、3つの意義があると思います。

一つは、政策面で共通の旗印を打ち立てることができたということです。安倍・菅政治にかわる希望を有権者に示すことができました。ぜひこの確認書と9月8日の中央レベルの政策協定を一体的に大いに有権者に語っていきましょう。

二つ目の意義は、1区から5区まで市民と野党で戦う体制が整ったということです。それぞれの選挙区で構図が鮮明になりました。自民公明・安倍菅政治の延命か、それとも市民と野党の統一で命を守る政治へ転換するのか。1区から5区までさらに体制を強化して必ず勝ち抜きたいと思います。

三点目は、確認書を結んだからには勝たないといけないということです。コロナ失政で、多くの国民が苦しんでいます。日本の命運がかかった選挙になります。国民の命を守る選挙、あたらしい日本、希望を示す選挙、なによりも政権交代に挑戦する選挙です。

1区から5区まですべてで勝利して、自民党を信州から一掃して政権交代への一歩を踏み出そうではありませんか。共にがんばりましょう。

 

中川博司氏

中川博司 社民党県連合代表:

まず信州市民連合の皆さんに心より感謝を申し上げます。今般の衆議院選挙に向けて、各市民連合、信州市民連合の皆さんと議論を積み上げてきた結果として政策協定を結ぶに至り、今度の衆議院選挙を市民と野党の共闘で一対一の構図に持ち込んで戦うことができることに希望の光が見えてきています。その条件をつくっていただいたことに感謝いたします。

「市民と野党の共闘で信州から政権交代を」というメッセージを日本中に広げていこうではありませんか。社民党は5人の予定候補者を全力で応援していきます。

 

北澤俊美氏

北澤俊美 新政信州代表:

1区から5区まで候補者がしっかり整いました。あとは選挙で勝つだけです。

安倍政権になってからの日本は完全におかしくなってきています。国家の中心である憲法をないがしろにするという政治が平然として行われています。安保法制がそうです。そして憲法53条を無視して国会を開かない。野党の声を聞かず、国民の声を聞かずに都合のいいことだけする政治です。これに不満を持つ人は全国に与党支持者よりはるか多くの人たちがいます。市民連合が全国で野党共闘を展開するなかで啓蒙活動をしていけば必ず選挙で勝つと信じております。それは長野県で実証済みだからです。16年、19年の選挙、そして羽田次郎さん当選の補欠選挙で見事に大同して勝利しています。これが全国に伝わらないわけがない。

中国の軍事・経済活動に対して大きな懸念が示されています。しかし中国に合わせて日本も軍事力を強化するというのは大間違いです。国力その他を比較して戦をして勝つの勝たないのという論議自体が間違いです。外交力を強くして、外交の力で、邪な考えは世界に通用しないことを知らしめることが大切です。日本は戦後76年間、一度も戦争をしないで、戦争によって一人の自衛隊員の命を落とすことがなかった。これは日本の大きな力です。

 

篠原孝氏

篠原孝 1区予定候補者:

自民党は総裁選をやっていますが、選挙の顔になるような人ばかり選んできて、組織運営のできない、マネジメント能力のない人ばかりを選んできた。今回も表紙を変えようとしているだけです。かつてリクルート事件の頃に伊藤正義さんという人に白羽の矢が立った時に「表紙変えても自民党の中身を変えなければ同じじゃないか」と言って引きうけなかった。今回も同じことが言えるのではないか。表紙を変えてもだめです。

やはり羽田孜さんが目指された軽やかに政権交代できる政治です。政官財の癒着がずっとつづいている。政権交代以外ないと思います。野党がバラバラではだめです。本当は別々の野党ではなく、一つのほうがいいんです。私は野党と市民の統一候補というのは今回限りにして頂きたいと思います。今回の野党と市民の統一候補を絶対成功させて全国にその成果を示したいと思います。5人一丸となって戦いたいと思います。よろしくお願いします。

 

下條みつ氏

下條みつ 2区予定候補者:

まずは今日を迎えたことに対して、市民連合の皆さん、各政党、そしてそれを支えて下さっている皆さんに心から感謝申し上げます。私を政治に導いていただいたのは、羽田孜先生です。先生がいつも言っていたのは、「政治は人の言うことに耳を傾けることだ」と。そして「民の声の代弁者だよ」という原点になるような選挙をやっていきたいと思います。これまで参議院選で重ねてきたことを、初めて衆議院選挙でも行っていけることに感激し感謝し感動しております。

ただこれからが一番大事な時間です。ぜひ一丸となって、本当の民の声、そして強さを長野県から発信できるような結果を導くようにがんばりますので、これからも皆さんのお力添えをいただくこと、心からお願い申し上げ、感謝を申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。

 

神津たけし氏

神津たけし 3区予定候補者:

市民と野党の共闘の候補として、この会議に参加でき、非常に光栄で身の引き締まる思いです。今回の選挙は、自公政権の政治を変える大切なチャンスです。格差がどんどん広がっていく状況を変えなければならないという思いで選挙に立つことにいたしました。

市民と野党の共闘は、細かい違いを乗り越えて、お互いが手に手を取り合って、共通の目標を達成するために、一緒に戦っていくという理解でいます。

私たちがそれぞれ分裂したままでは、自公政権に立ち向かうことはできません。今回の選挙は、一緒にたたかっていくことでようやく相手の背中が見えるたたかいだと思います。

長野3区は激戦と伝えられています。一人で戦い抜くには難しい選挙です。立憲民主党単独でも勝ち抜くのは難しい選挙です。市民の皆さま、野党の皆さま、一緒に力を合わせてたたかうことで、ようやく勝ち抜くことができるかもしれない。皆さまのお力をいただきながら御指導いただきながら勝ち抜いてまいりますので、どうぞご協力ご支援よろしくお願いします。

 

ながせ由希子氏

ながせ由希子 4区予定候補者:

信州市民連合の皆さん、各地域の市民連合、そうした市民と野党の共闘をすすめようと草の根で支えていただいたすべての県民の皆さん、そして野党各党の代表の皆さん、様々な話し合い、ご苦労もあったかと思います。本当にご尽力いただきありがとうございました。

私もここに立たせてもらった以上、なんとしても勝ち抜く、5人そろって新しい国会で皆さんの願いを届ける仕事やれるように全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いします。

3つ掲げてたたかってまいります。何よりも目の前にある命を守る。人間の尊厳の根本にあるいのちを守ることを大事にして政治を変えていきたい。その背景にある新自由主義の政治からの転換を目指していきます。

もう一点は、気候危機対策です。子どもたちや若者たちの手の届く将来に、この地球で生きていけるのか、農作物をつくっていけるのか、という気候危機に直面しています。日本政府が世界のなかでしっかり役割を果たす政治に変えなくては思います。

3点目は、すべての人の尊厳が守られる政治です。憲法に記された立憲主義、民主主義、平和主義、そしてすべての国民が個人として尊重される、ここを大切に貫きたいと思います。今日この会場に、女性は7分の1、8分の1くらいでしょうか。やはり社会のさまざまな分野に女性もどんどん進出していく。そしてどんな性を選択したひとたちも、障害のあるなしや経済的な事情、住んでいる地域、さまざまな違いをのりこえて、みんなが平等に人間らしく生きていける社会をつくるための選挙にしていきます。

ジェンダー平等社会の実現のためにも、長野県から女性を国会へ送り出してほしい。他党の皆さんや、多くの県民の皆さんに、心をひとつにたたかおうと思っていただけるようにがんばります。

 

曽我逸郎氏

曽我逸郎 5区予定候補者:

信州市民連合の皆さま方、本当にありがとうございました。ここに至るまでには、大変な御苦労があったと思います。おかげさまで、市民と野党の統一候補予定者となることができました。胸を張って活動ができます。ありがたいことです。

自民党ではダメだという思いを持ってらっしゃる方が大勢いらっしゃると思います。

地方の疲弊は大変な状況にあります。空き家が増え、荒廃農地が増え、お祭りもつづけられないという声、地域の共同作業も大変だという声もあります。

地方を元気にして、若い人が都会で、非正規で仕事をするのではなく、地方でのびのびと暮らせて、所帯をもって子どもたちを育てていける、子どもたちの声がたくさん響く田舎にしたい。長野県内、全国各地で同じ悩みを抱えていると思います。

都会、大企業ばかりを大事にする自民党政権、若い人、地方、農業を切り捨てていく自民党政権から、みんなの暮らしをきちんと支える政権に変えていかなければいけない。

大企業のことばかり考える、仲間の都合ばかり考える政治を続けるのか、地方に住み、ふるさとを守ってきた私たちの暮らしを本当に支えるようにするのか、その大きな方向を変えるチャンスです。

 

羽田次郎氏

羽田次郎 立憲民主党長野県連選挙対策本部長代行・参議院議員:

御指名いただきましたので、今日お集まりの皆様を代表して勝利への誓いを申し上げたいと思います。菅総理は「国民のいのちと暮らしを守るために総裁選には出ない」とおっしゃっていたにもかかわらず、今はワシントン。日本を離れています。国民と約束をしたにもかかわらず。もちろん大事な会議なのだと思います。でも3月にはオンラインで開催された会議。それになんでわざわざいま総理を辞める直前にアメリカまで行くのか。自民党内でも「子どもたちが修学旅行を自粛しているにもかかわらず、総理は卒業旅行に行くのか」と疑念を抱かれている。国民との約束を守らない政権をもうこれ以上つづけてはなりません。

前回の2017年の総選挙においては、野党がバラバラでたたかったことで、自公政権延命につながってしまいました。

昨年暮れ、新型コロナで命を落とした兄の欠員に伴う4月25日の長野県での参議院補欠選挙。当時の信州市民アクションの皆様、県内3野党の皆様と私が結んだ政策協定について、多くのご批判を浴び、私も時おり苦しい場面に立たされました。しかし皆様と共にたたかい抜いたことで、自公が推す候補者に対し、大きな得票差で当選させていただくことができました。

皆様とがっちりと手を組んでたたかった結果で、そのことが今、全国に波及して、政策協定を結び、そして共にたたかっていくという選挙協力の体制ができあがりました。

いま選挙情勢、全国的にはどうなるかわかりません。しかし、今回の政策協定が全国に波及したのと同じように、この次の衆議院選挙、県内の5選挙区において、すべて勝ち抜くことで、全国に向けて政権交代の狼煙をあげなければなりません。

そのために私も皆様と手を組み、しっかりと活動してまいりますので、どうか勝利に向けて、皆様のお力、お貸しいただけますよう心よりお願い申し上げ、私の勝利への誓いとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。がんばりましょう。

 

信州市民連合が3野党と確認書を締結-総選挙へ市民と野党の共闘がスタート

選挙区市民連合も野党候補者と確認書を取り交わし

信州市民連合は9月17日、立憲民主党県連・新政信州、日本共産党県委員会、社会民主党県連合の野党3党・1政治団体と総選挙に向けた「確認書」を取り交わしました。今秋の総選挙に向けて都道府県レベルで政党と政策に関する確認書を取り交わしたのは全国でも数少ないケースです。選挙区市民連合と野党候補者との間でも同様の確認書が取り交わされます。

これにより総選挙に向けた県内の市民と野党の共闘が成立し、市民連合、候補者、3野党が一体となった活動がスタートします。5選挙区すべてで自民候補に勝利し、国民の手に政治を取り戻しましょう。

9月24日には3野党代表、5選挙区候補者が一堂に会して

「信州市民連合キックオフ集会」を計画

信州市民連合と3野党、選挙区市民連合と候補者の間で共通政策を掲げる「確認書」が締結されたことを踏まえ、5選挙区候補者と3野党代表、市民連合関係者が一堂に会し、市民と野党の共闘で総選挙においてすべての選挙区で勝利し、政治を国民の手に取り戻す決意を固める集会を開きます。詳細は、県労組会議事務局までお問い合わせください。

☞ ここをクリック 信州市民連合と3野党・1政治団体確認書

☞ ここをクリック 信州市民連合ニュース(確認書締結)

立憲民主党県連・新政信州と確認書を取り交わし

日本共産党県委員会と確認書を取り交わし

社民党県連合と確認書を取り交わし

 

核兵器禁止条約の批准を求めて - 長野ネットが署名活動を開始

今年1月22日に、核兵器の製造・保有や使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約が発効しました。

しかし、唯一の戦争被爆国である日本政府は、アメリカの「核の傘」の下で「核抑止力論」に固執し続け、条約に反対の立場をとり続けています。現在も1万3000発以上の核弾頭が地球上に存在し、偶発的に核戦争を招くリスクが常にあります。核兵器の保有によって安全保障の均衡が保たれるという考え方は幻想であり、人類の脅威でしかありません。私たちは、日本政府に、一刻も早く核兵器禁止条約を批准し、世界の中で核廃絶の先頭に立つことを要求しています。

日本政府が核兵器禁止条約に参加することを求めて7月18日、市民有志が集まって「~ヒバクシャの願いをつなぐ~核兵器禁止条約をひろげる長野ネット」を結成しました。日本政府あてに条約の批准を求める署名活動に取り組むことや講演会などを開く活動方針を確認しました。

7月31日には、長野駅前に25人が参加して初めての街頭署名活動を行いました。

長野ネットの代表世話人は以下の通りです(敬称略)。
◇窪島 誠一郎(無言館館主/作家)、◇清水 まなぶ(シンガーソングライター)、◇若麻績 敏隆(白蓮坊住職)、◇藤森 俊希(長野県原爆被害者の会会長)、◇前座 明司(長野県原爆被害者の会副会長)、◇菅谷 昭(松本大学学長/前松本市長)、◇今井 和子(長野県原爆被害者の会会員)、◇田沢 洋子(原発に頼らない未来を創ろうプロジェクト)、◇岡田 和枝(弁護士)

戦後76年、松代大本営地下壕工事の労働により犠牲となった朝鮮人の方々を追悼

長野市松代地区に松代大本営という巨大な地下壕があります。

太平洋戦争末期、政府の中枢機能移転のために、極秘で山中(象山、舞鶴山、皆神山の3箇所)に掘られた地下坑道です。

地下壕の工事は、東京大空襲に襲われ、敗戦が色濃くなる中、軍部が本土決戦に備え、天皇をはじめとする皇族や大本営、政府機関など日本の中枢を避難・移転させるため、1944年の11月11日から1945年8月15日の敗戦まで行われました。この建設には、当時の金額で1億円とも2億円ともいわれる巨費が投じられ、掘削には地域の労務報国隊や勤労報国隊、学徒・児童まで動員されましたが、その主力として最も危険な労働に従事させられたのは、その数6千人ともいわれる朝鮮人労働者でした。その多くが強制的に動員されたと言われており、壕は、貴重な戦争遺跡として、1990年から一部を公開しています。

松代大本営追悼碑を守る会は、戦後50年の1995年8月に「松代大本営朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑」(追悼碑)を建立しました。碑は、日本の侵略戦争、朝鮮半島植民地支配の加害の歴史を忘却せず継承するためのモニュメントとして、毎年8月に平和祈念の集いを開き犠牲となった朝鮮人労働者を追悼しています。また、未解明な部分が多い松代大本営工事の真相を掘り起こして、歴史の真実を後世に伝えるために活動しています。

追悼碑建立から26年目となる8月10日、今年も昨年に引き続き、新型コロナウィルス感染症対策を十分とって、平和祈念の集いが象山地下壕前広場で開かれました。守る会の会員をはじめ、在日韓国・朝鮮人の団体など60人余りが参加し黙とうをささげ、追悼の花を手向けました。

黙とうを捧げる参加者たち

参加者は一人ずつ追悼の花を手向けました

 

守る会の表秀隆会長(長野大学名誉教授)は、「日朝・日韓関係に改善の兆しが見られないが、だからこそ、過去の歴史を正視し、学びながらどう行動するかが問われている」とあいさつし、松代大本営地下壕工事を通して、植民地支配や朝鮮人強制連行、強制労働の加害の歴史に向き合い、平和な未来を創っていくことの大切さを強調しました。

碑の前であいさつする表秀隆会長

在日団体を代表して、民団県本部の金龍洙(キム・ヨンス)団長、朝鮮総聯・長野朝鮮初中級学校の河舜昊(ハ・スノ)校長から挨拶をいただきました。

民団県本部の金龍洙(キム・ヨンス)団長

朝鮮総聯・朝鮮初中級学校の河舜昊(ハ・スノ)校長

集いに参加した長野朝鮮初中級学校3年の趙利奈さんは取材に応え「この場所を忘れてはいけないし、歴史がなかったかのようにならないように守っていきたいなと思います」と話していました。

取材に応える長野朝鮮初中級学校3年の趙利奈さん

 地下壕前での祈念の集いに続き、サンホール松代で追悼碑を守る会第27回総会を開き、2021年度の事業計画を確認しました。

事業計画は、見学者向け独自パンフの更新・増刷をすすめ松代大本営地下壕跡の案内活動に取り組むとともに長野市の松代大本営・説明文の修正問題について、史実を正確に記すよう求める活動を継続すること、さらに、在新潟大韓民国総領事からの守る会への支援の申出を受け、朝鮮半島をめぐる歴史認識を共有しあう企画を準備するプロジェクトを発足させることなどが柱です。

総会での会長あいさつ

総会は密を避けて行われた

 

長野朝鮮幼稚園が文科省の「新たな支援策」適用へ

幼保無償化問題の現状

先日、お伝えした日朝問題学習会(7月24日)では、長野朝鮮初中級学校の河舜昊校長先生から「幼保無償化問題の現状」についてご報告いただきました。幼保無償化問題と朝鮮学校の置かれている状況と無償化適用に向けてのさまざまな取り組みについて理解を深めることができました。報告概要をお伝えします。

【報告概要】

2019年10月から実施された幼保無償化

幼保無償化とは、幼児教育・保育の無償化とは幼稚園、保育園、認定こども園の教育費を国が補助する制度です。2019年10月から実施されました。

全国にある40校の朝鮮学校も除外

幼保無償化の目的は、少子化対策・教育機会の均等・消費税の還元(増税分5兆6000億円の15%弱)です。しかし各種学校幼稚園計88校(朝鮮学校40校、インターナショナルスクールなど外国人学校幼稚園48校)が幼保無償化制度から除外されました。各種学校は多種多様な教育を行っていますが、認可外保育施設にも該当しません。

除外された各種学校は全体の0.16%

無償化の適用対象施設は55,000施設ありますが、除外された各種学校幼稚園の数は88校のみで全体の0.16%です。

無償化除外に対する反対運動が全国で

全国各地で無償化除外に対する反対運動が起こっています。

2019年12月から行われてきた「100万人署名運動」は、約1年4か月で署名数が106万9,317筆に達しました。2020年7月7日には、1万4,273筆の署名を日朝長野県民会議の皆さんと一緒に文部科学省へ提出し要請を行いました。

日本政府の対応の変化「新たな支援策」

日本政府の対応に変化があり、2020年3月から「調査事業」※の公募が開始され、無償化実現に向けた大きな一歩となりました。

 ※「地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動への支援の在り方に関する調査事業」

 ・施設の設置基準状況や活動状況の調査

 ・保護者の意識調査アンケート

 ・自治体から補助を受けている15施設(朝鮮幼稚園)

2020年12月21日に、「新たな支援策」※が閣議決定しました。

 ※「地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動事業の利用支援」

 ・無償化の給付を受けていない、本事業の要件を満たす施設に対して保育料を支援する。

 ・地方自治体の手挙げ方式(松本市、安曇野市)

 

手挙げに対する要請活動

2021年3月24日、安曇野市の宮澤宗弘市長、4月9日、松本市の臥雲義尚市長へ日朝松本市民会議の協力のもと手挙げをしてもらえるように要請を行いました。

無償化適用に向けて

現在、在学中の長野朝鮮初中級学校附属幼稚班の園児たち10名には松本市、安曇野市から「新たな支援策」が適用される動きです。日朝長野県民会議、松本市民会議の皆様の多大なる協力があり、ここまで来ることが出来ました。

今後も幼保無償化の実現、高校無償化の適用など、あらゆる差別が解消されるよう、共に手を取り合って頑張っていきましょう。

「忘却に抗う ~中村敦夫 原発への警鐘~」DVD貸出のお知らせ

石川県の北陸朝日放送が制作したドキュメンタリー番組「忘却に抗う~中村敦夫  原発への警鐘~」は、俳優・中村敦夫さんのライフワークともいえる原発問題に鋭くメスを入れる朗読劇「線量計が鳴る」の全国での公演活動を取材した番組です。

2016年の初演以降、全国から上演依頼が相次ぎ、昨年の2020年11月の長野市公演で95回を重ねました。

「線量計が鳴る」長野市公演の実行委員会代表を務めた福島県いわき市からの自主避難者・草野麻理子さんや、原発についての取材を続けているおしどりマコケンさんらの活動を通して、3.11の福島原発事故以降、日本社会や政治がどのように変化したのか、客観的に問い直している作品です。

この作品を通して、中村さんが朗読劇を始めるに至った経緯や、人生をかけて一人で全国行脚する思いなどが、静かにではありますが深く伝わる内容になっています。

県原水禁では、草の根的に少しでも多くの方に観ていただきたいと思い、DVD(60分番組)の無料貸し出しを始めました。

お問合せは以下の通りです。たくさんのお申込みをお待ちしております。

・電 話:026-234-2116

・メール:kenrousokaigi@r-nagano.com