21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

駒ヶ根市社会福祉協議会はAさんの不当解雇の撤回を

労働審判では解雇無効の審判。しかし社協側は裁判へ持ち込む

社会福祉法人駒ヶ根市社会福祉協議会に正規職員として勤務していたAさんは、仕事中に椎間板ヘルニアを発症しました。しばらくは腰に負担がかからない職場で勤務していましたが、駒ヶ根市社協から腰に負担がかかる職場への異動内示がでたため、異動内示の変更と腰痛対策を申し出たところ、「労働契約上の労働債務を提供できない」ことを理由に解雇されました。

Aさんは長野一般労組(本部:松本市)に加入。組合との団体交渉で駒ヶ根市社協は、一旦は異動内示を撤回したものの、突然、債務不履行を理由にAさんに解雇を通告しました。また、団体交渉でも社協側は、解雇は有効であり解雇有効訴訟を起こすという頑な姿勢を崩さなかったため、組合は長野地裁松本支部に労働審判を申し立てました。

2021年1月21日に行われた第3回労働審判で松本地裁は、Aさんの訴えを全面的に認め、解雇無効と地位確認、解雇以降の賃金及び一時金の支払いを命じる審判を下しました。駒ヶ根市社協は審判に応じることなく、地裁松本支部に対し異議を申し立てるとともに、6月14日付で「解雇有効確認訴訟」を長野地裁伊那支部に提訴しました。駒ヶ根市社協から異議が申し立てられたため、労働審判は効力を失い地裁松本支部において本訴に移行することとなりました。

この間、地裁松本支部で口頭弁論が継続的に行われ、今年10月19日には証人尋問が行われました。来年1月11日に判決がくだされる予定です。

コロナ禍での若年・非正規・外国人労働者問題を学ぶ

労働運動研究会でPOSSE事務局長の渡辺寛人氏が講演

県労組会議は9月17日、上田市丸子解放センターで「21世紀の労働運動研究会」第3回講座を開き、コロナ禍における若年・非正規・外国人労働者の問題をテーマに学習しました。

講座の講師は、20~30歳代の若い人でつくるNPO法人・POSSE(ポッセ)事務局長で「ブラックバイトユニオン」を運営している渡辺寛人さん。POSSEが取り組んでいるブラック企業の告発活動の紹介とその実態、コロナ禍が広がる中で見えてきた日本のいびつな労働構造などについて、具体的な活動報告も交えて講演していただきました。低賃金、権利侵害が横行する技能実習生などの外国人労働者問題についても問題提起を受けました。

講演で渡辺氏は「コロナ禍での労働相談は女性、非正規労働者からの相談が多い。 女性からの相談が61%を占めている。また、 非正規雇用者からの相談が多く、全体の約68%に当たる」と報告。雇用の調整弁と位置付けられている矛盾がコロナ禍で噴出した実態を指摘しました。コロナ禍で女性への影響を増幅させた背景として、1) 平時のジェンダー視点が欠如した社会・経済構造、2)女性を労働力とするサービス経済化の進展、3)非正規雇用者の社会的保護からの排除などがあると強調しました。また渡辺氏は、女性は「男性稼ぎ主モデル」のもとで、家庭内で無償の家事労働を担わされ、労働市場においては家計補助的な労働力として活用されてきたこと、女性差別は、正規・非正規の雇用形態差別に形式を変えて継続していること、男性稼ぎの主モデルが崩壊し、産業構造が転換している現在、女性労働の位置づけが大きく変化しているが「周辺化」され続けている実態など、構造的な問題点を指摘しました。

渡辺氏は講演の最後に「労働運動のパラダイムチェンジ=根本的転換」が求められていると強調。「サービス経済化が進むなかで、女性の活動とされてきたものが産業の中心に移動しつつある。にもかかわらず、労働運動は男性中心的なものとしてイメージされている。女性やマイノリティが中心となれるような組織化をすすめよう」とまとめました。

 

渡辺寛人氏の講演資料

 

憲法改悪阻止の運動を各地から展開しよう!               ー労働運動の主体確立と市民運動の共闘強化をー

第42回全国地区労交流会山形集会に参加して

昨年、長野県で行われた全国地区労交流会が、今年は「憲法改悪阻止の運動を各地から展開しよう!—労働運動の主体確立と市民運動の共闘強化を―」をスローガンに、9月10日(土)~11日(日)、山形県天童市・天童ホテルで開かれました。昨年に続くコロナ禍での全国集会でしたが、今年は感染対策を十分とりながらほぼ例年通りの開催となりました。集会には、全国・県内から約80人の参加者が集まり、各地の運動の経験交流や、懇親会は各地から持ち寄った地酒をいただいて大変盛り上がり、学びと癒しの素晴らしい機会となりました。

記念講演は、飯島滋明さん(名古屋学院大学教授、憲法学・平和学)の「憲法の危機と闘いの展望」と題した講演でした。憲法なんて難しい講演だろうと想像していたら、冒頭の「学生には勉強ばかりでは続かない。労働運動も運動ばかりでは続かない。楽しみながらやらないと続かない。」というお話から始まった通り、難しいどころか大変興味深い内容でどんどん講義に引き込まれていきました。

途中、先生がおっしゃっていたように政治に声を上げること、関心を持つということをいかに広げていくか、中間層をいかに取り込むかという課題に対して、①わかりやすく易しい言葉を使う ②SNSを利用する ③若い人に関わってもらうなど、多くのヒントをいただきました。自分に置き換えて考えた時、ごもっとも!と納得しました。

また、スパイ防止法制定の危険性について、ウクライナ侵略と絡めて説明したり、憲法改悪の内容が今まさに大きな問題となっている旧統一教会の教義と同じ内容であるということなど、自分と関連付けて考えられるような興味深い内容でした。

今、政治に関心がないと言われている若い人についても、そうではなく、伝え方の問題とおっしゃっていて、私自身も子どもたちとの話の中で、どう自分と関連付けて伝えればいいのかを考え直してみました。ここには書ききれないほど、盛りだくさんの“目からウロコ”のあっという間の1時間となりました。

また会場の一角には、JAL闘争団の物資販売やシベリア抑留者・澤田精之助(1921-85)の絵巻物の展示がありました。

各地区労や団体からの報告者は以下の通りです。

1)憲法改悪阻止等の運動について  片山 隆司(高松地区労働組合連合会副議長)

2)組織の確立と市民運動等について 園部 公雄(山形県平和センター事務局長)

3)脱原発等の運動について     有田 純也(新潟県平和運動センター事務局長)

4)JAL解雇争議について     鈴木 圭子(JAL被解雇者労働組合)

翌日2日目の分科会と全体会は、以下の通りです。

1.護憲、反戦・反原発・平和運動のとりくみ:担当・三浦半島、長崎
2.地域労働・市民運動等のとりくみ       :担当・江戸川、松本、神戸
3.非正規・ユニオン・最賃等のとりくみ  :担当・市原、栃木、

全体会提起:「最低賃金引上げ闘争と23春闘について」伊藤彰信(労働運動研究討論集会実行委員会事務局長)

 

久しぶりの全国各地の仲間との交流に、これからの運動への刺激とヒントをたくさんいただきました。今後に活かしていきたいと思います。

実行委員会の皆様、有意義な時間を本当にありがとうございました。大変お疲れ様でした。

第42回全国地区労交流会始まりました。

渡部貴之山形県平和センター議長の主催者あいさつ

平和フォーラム・藤本共同代表の来賓あいさつ

運営委員会からの提起・池端章伸事務局長

記念講演・飯島滋明名古屋学院大学教授

夕食・懇親会での山形県団のみなさん

各地の地酒大集合

懇親会での長野県団

集会の総括をする田川地区平和センターの小泉さん

長野市・長沼地区で災害とアスベスト対策を考えるシンポジウムを開催しました

台風19号災害で被災した長沼体育館で開催

長野県アスベスト対策センターは、シンポジウム「令和元年長野市台風19号災害におけるアスベスト対策」(共催:特定NPO法人東京労働安全衛生センター)を台風19号被災地・長野市営長沼体育館で9月3日(土)に開催しました。Zoomと会場をあわせて55人が参加しました。

災害復旧工事を終えた長沼体育館

シンポジウムの報告者

令和元年台風19号災害におけるアスベスト対策の教訓に学び、全国で頻発する災害時のアスベスト対策に活かすため、現地調査及びシンポジウムを開催しました。

長野県アスベスト対策センター代表の鵜飼照善のほか、長野市環境保全温暖化対策課・課長補佐(被災時)の桑原義敬氏、被災当時の令和2年度長沼地区住民自治協議会会長の西澤清文氏、NPO法人東京労働安全衛生センターの外山尚紀氏からそれぞれの取り組みや見えてきた課題について報告をいただきました。

来場者も参加して防塵マスクの装着体験

また体験ワークショップとして、中皮種・じん肺・アスベストセンターの永倉冬史氏から防塵マスクの装着方法やその特徴について解説いただき、来場者の方にも実際にN95マスクなどを体験していただきました。あわせて簡易顕微鏡でアスベストを見ていただく機会をもちました。

被災当時の行政担当者、被災地区の住民自治協議会長、アスベストの専門家が集う有意義なシンポジウムになりました。

今後もアスベストの危険性を多くの方に知っていただき、災害時におけるアスベスト被害を防ぐために活動をすすめていきます。

防じんマスク

【シンポジウム概要】

① 鵜飼照善(長野県アスベスト対策センター代表)
「令和元年長野市台風19号災害におけるアスベスト対策に学ぶ
~台風19号災害における長野県アスベスト対策センターの取り組み・
長野市との交渉経過~」

・長野市との交渉経過。被災直後の長野市への申し入れ(2019年12月23日)、要請書(2020年2月10日)について報告。

長野市との交渉の様子

・被災地のアスベスト対策の課題として、ボランティアセンターを経由しないで支援活動される方々の健康被害の状況を把握することの困難。地域社会の繋がりが強い長野では被災者家族との直接的な知人友人関係に基づいて支援活動に従事するケースが多く考えられる。
・支援活動後の健康管理のために、ボランティア活動の記録と保存のシステムを構築する。例えば「ボランティア台帳」のようなシステムを作り、申告制ではあるが支援活動の記録を市町村で保管することは可能か?

② 長野市環境部
「大規模災害発生時の石綿飛散防止の対策について(令和元年東日本台風災害)」
・発災当時の「吹付アスベスト」建築物の被災状況の確認、災害廃棄物仮置場等でのモニタリング調査、建設業及び解体工事事業者への注意喚起、ボランティアへの情報提供、被災者への情報提供、解体作業現場の立入調査などの取り組みについて報告。
・大規模災害の経験を踏まえた課題として、災害時の石綿飛散防止の手順書の作成、石綿調査に関する協定の締結、防塵マスク等の手配に関する情報の共有、国及び自治体間の連携制度の拡大などの「平常時における準備」が大切。

③ 西澤清文氏(令和2年度長沼地区住民自治協議会会長)
特別報告「災害廃棄物(災害ごみ)対応も、泥縄式はダメ!~赤沼公園実態報告~
・災害廃棄物(災害ごみ)受け入れ先とその経過・実態、大町・穂保・津野・赤沼の「勝手」仮置場について。※私有地の畑や公園などが勝手仮置場とされた。

西澤氏の報告から

・住民向けの「災害ゴミは9種類に分別を!」チラシなどから学ぶ。
・台風19号災害災害廃棄物(災害ごみ)の地元対応の教訓。

西澤氏の報告から

④ 外山尚紀氏(NPO法人東京労働安全衛生センター・労働安全衛生コンサルタント)
「災害時(後)のアスベスト対策の課題」
・阪神淡路大震災から現在までのアスベスト対策の進歩と課題についての報告。

・東日本大震災での厚生労働省の調査(2011年~2013年)では、被災地の石綿除去作業現場80件中、13件で石綿が飛散したことが確認されている。
・東日本大震災では、復興の過程で、対策のできた事例も多くあったが、吹付石綿を残したまま建物解体工事が行われ、石綿含有建材の不適切な取扱いも露呈した。
・熊本地震では、地震発生から一カ月後、行政の調査に専門家が同行し、対象となる建物情報を行政が収集して、基本的にレベル1を対象としたリスクの高いものから対策を実施。

・熊本地震での行政の立入検査

外山氏の報告から

 

【現地調査】

前日には、被災現地でヒアリング

シンポジウム前日の9月2日には、長沼地区を訪れ、長沼住自協の西澤さんに案内をいただきながら、千曲川堤防決壊箇所をはじめ、災害廃棄物の勝手置場・仮置場となった赤沼公園、公費・自費解体後の住家の再建状況を現地調査しました。

守田神社跡地で、浸水の高さを示す

堤防決壊箇所から

復興再建された赤沼公園

妙笑寺の水害水位標

被災現場の視察後は、長沼支所で、長野市環境部の職員、地元住自協の代表、災害ボランティアセンターを運営した市社会福祉協議会の代表らからヒアリングを実施、有意義な意見交換をすることができました。
長野市には、事前にお願いしたヒアリング項目に沿って、丁寧な回答をいただきました。

長沼支所・交流センターでヒアリング

SBC・信越放送の報道より

アスベストによる健康被害が深刻さを増している

県アスベスト対策センターが松本市で相談会を開設

面談・電話で8件の相談-多くが建設業で働く人から

2005年のクボタショック以降、アスベスト(石綿)問題が、労働現場でのアスベスト使用や解体に伴うばく露、中皮腫・肺がん発症など労働災害問題にとどまらず、一般市民にも健康被害を及ぼす危険性が明らかになり、重大な社会問題として認識されるようになりました。

アスベストによる健康被害は、40年と言われる長期間にわたる潜伏期間ののちに中皮腫、肺がんなどが発症するため、アスベスト大量使用時代に現役であった労働者や関連工場の周辺住民の健康被害が現代の問題として浮上しています。また、アスベストの吹付、建材に使用された建築物の解体時期を迎える問題も地域社会にとっては重要な課題です。高度経済成長時代の効率のみを追い求める社会風潮が生み出したアスベスト問題は、経済優先の「負の遺産」です。これからの時代は、何よりも人の命や健康を優先させる社会が求められています。

長野県内でもアスベストを扱う事業所での労働者のばく露問題や建築物に使用されるアスベストの解体・補修時の飛散問題など、大きな社会問題となっています。JR東日本では現役の社員がアスベストばく露により悪性胸膜中皮腫を発症、闘病のすえ死亡するという労働災害も注目を集めました。

また、2019年10月の台風19号では、東北信地域を中心に甚大な被害がでましたが、被災地に多くのボランティアが支援に駆け付けてくれました。アスベストが含有される建材をボランティアが扱う場面も見られ、長野市は、注意を喚起するチラシの作成やマスクを配布するなど、安全を確保するための対策を講じました。

「長野県アスベスト対策センター」は2018年4月に結成しましたが、「NPOじん肺・アスベスト被災者救済基金」(神奈川県)の協力により、長野県内の県民・労働者、関係事業者などを対象に7月17日、松本市勤労会館で面談・電話相談会を開設しました。相談会を通じて、アスベスト被害の実態を掘り起こすとともに、少しでも悩みや疑問がある人からの相談への対応や、健康被害で苦しんでいる人への救済制度の説明など、身近な相談センターとしての社会的役割を果たす目的で、今回が9回目となります。


建築物の解体工事や屋根をふく作業に従事した人から相談

相談会は10時から16時まで開設しました。相談は面談で4件、電話で4件(事前相談含む)あり、5件が建設業に携わる方からの相談でした。「屋根をふく作業をして、アスベストを含む建材を切断した」「内装業でアスベストが含有している壁ボードを張る作業をした」「昔、左官業をやっていて、壁塗り材にアスベストを混合する作業をした」「亡くなった父は鉄骨組みをしていて、アスベストの吹付作業もやったと言っていた」など、とりわけ建設業で働く人からの健康被害の相談が多くを占めました。

現在、アスベスト材の吹き付けや、アスベストを含む建材の製造は禁止されていますが、1960年代からの高度経済成長期にはビルの建築現場でのアスベストの吹き付けや、壁や天井に使用されるボードにアスベストが混合されていました。そのような建築物がこれから2020年代の後半にかけて、解体のピーク期に入ります。

アスベストの健康被害は、過去に終わった問題ではなく、これからの問題だと改めて実感した相談会でした。

面談相談は新型コロナ感染防止対策を取って実施。Zoomで神奈川県の相談員とつないで対応した。

相談会を事前に報じるNHK長野放送局のニュース(ホームページより)

労働組合があったから働き続けられた

権力弾圧に抗する全日建関西生コン支部が県内オルグ

県労組会議は7月15日~16日の2日間、全日建関西生コン支部第3次オルグを行いました。全日建連帯労組本部からは小谷野毅書記長、関西生コン支部からは組合員の松尾聖子さんが来県しました。初日は長野、須高地区を中心に各単組へのオルグ、夕方には報告集会、翌日は午前中松本地区の単組の仲間との意見交換会、午後は「21世紀の労働運動研究会」での講演と報告とハードな日程でしたが、熱い思いが伝わる2日間でした。

YouTubeのヘイト動画により、関西生コン支部は「反社会的」な労働組合であるような印象を持っている仲間もいましたが、オルグを重ねるごとにそのイメージは払拭されているように思います。

特に、松尾聖子さんが「シングルマザーとして3人の子どもを育て上げられたのは、男女同一の賃金が保障されたいたからであり、盆や正月など勤務日数が少ないと賃金が減ってしまうことを労働組合が交渉で解決してくれた。生コンは90分以内に運ばないと固まってしまうので、生理のときはズボンをよごしてしまうこともあり、2日間の有給の生理休暇を獲得したことは本当にありがたかった。労働組合があったから働き続けられた」「義兄が保育所入所のための就労証明をめぐって逮捕された際に関西生コン支部の組合員であるというだけで自分のところにも捜査令状なしで警察の組織対策課が『ガサ入れ』に入った。エアコンの室外機の下を探られ、下着までかき回された。悔しい思いをした。自分は何も悪いことはしていない。泣き寝入りはできない」と悔し涙で訴え、私自身も胸が詰まりました。

私鉄の女性組合員は「厳しい状況下で闘っているからこそ共感する」と話し、自治労の仲間も「自分たちがもっとしっかり運動をしていくことで支えていきたい」、国労の仲間からは「自分たちも攻撃を受けて全国の仲間に支えてもらった。共に闘いたい」など支援していく決意が述べられました。今回のオルグには映画監督の土屋トカチさんも同行され、この秋には松尾聖子さん主演のドキュメンタリーが公開されることを聞き、多くの仲間からぜひ地区や単組で上映会をやりたいという声もあがりました。

小谷野書記長は講演で「延べ81人の組合員逮捕、弾圧による脱退者が500人を超える厳しい状況にあるが、裁判の過程で弾圧の狙いは明らかに不当な、組合つぶしであることが明白になっており、『無罪』判決も出ている。潮目は変わっている」と話しました。

思い返せば、国労をはじめ、これまでも資本の側に都合の悪い労働組合への熾烈な弾圧は繰り返し行われ、人格や尊厳がふみにじられてきました。どんな人でも人格を否定されたとき、傷つき心が折れそうになります。それでも、闘いの中で、松尾聖子さんのように不屈の精神を持った仲間も生まれます。見て見ぬふりをして弾圧に加担するのか、立ち上がって闘う仲間を支えて労働者の尊厳を守るのか、問われています。

長野県平和・人権・環境労働組合会議 議長 松澤佳子

関西生コン支部の松尾聖子さん

全日建連帯労組本部の小谷野毅書記長

映画監督の土屋トカチさん

 

 

長野電鉄労組

アルピコ労組川中島バス支部

国労車両所支部

国労長野地方本部

長野市職員労組

支援集会で松尾聖子さんと

自治労県本部

松本市での懇談会

市民と野党の統一候補・杉尾ひでやさんが再選!

7月10日、参院選の投開票が行われ、市民と野党の統一候補・杉尾ひでやさんが自民党候補に約5万票の差をつけて再選を果たしました。支援をいただいたすべてのみなさまに感謝申し上げます。

しかし、全国的には自民党が圧勝し、参議院での改憲勢力は3分の2を超えました。今後、政治が暴走しないように国民・労働者の監視体制が重要です。信州の地から9条改憲と大軍拡を許さない声を中央政治に届けましょう。

参院選 大激戦!最後の4日間で勝敗が決する

立憲野党・リベラルな議席を何としても守り抜こう!

杉尾ひでやさんへ最後の支援を!

参院選長野県選挙区の最終盤の情勢は、市民と野党の統一候補・杉尾ひでやさんと自民候補がまさに横一線。大激戦です。

残る4日間の行動次第で、勝敗が決することになります。

信州市民連合は、共同代表の又坂常人さんからの終盤アピールを発表しました。

参院選の争点③ 新自由主義政策の転換こそが求められている

岸田「新しい資本主義」はアベノミクスの焼き直し

本当の意味での「再分配」政策を

2年半以上続くコロナ禍は、非正規労働者や女性、ひとり親家庭、外国人労働者など社会的に弱い立場に置かれている人々の労働と生活を直撃しました。社会活動や経済活動が正常に動いているなかでは表面化しなかった事態が、コロナ禍によってあぶりだされています。

このような危機的な事態を生み出した原因は、ここ数十年、日本の基本政策として政府・自民党が続けてきた「新自由主義政策」にあります。社会・経済のあらゆる分野に「競争」と「市場主義」を持ち込み、「公助」を切り捨て「自助」と「自己責任」を強いる政策は、強い者はより強くなり、弱い者はより弱く、富める者はますます富を蓄積し、中間層は解体されていきました。これにより、日本社会には、格差と貧困が広がり、新たな「階級社会」が出現してしまいました。

コロナ禍は、この日本社会の“不都合な真実”を多くの人々の前にさらけ出しました。

岸田政権は「新しい資本主義」を打ち出していますが、この30年間の新自由主義政策の反省、批判的な総括がないなかでは真の意味での政策転換とはなりません。参院選では、格差と貧困を拡大し、大企業や富裕層だけが優遇されてきた新自由主義政策の転換こそが求められています。そして日本社会を公助や共生、格差是正のための再分配、助け合い社会へ転換していく契機にしていく必要があります。

杉尾ひでやさんと岡田和枝さん(弁護士)が対談

子育て問題や働き方改革をテーマに

信州市民連合は、市民と野党の統一候補、杉尾ひでやさんと市民連合のキックオフ集会(5月8日)で報告をいただいた弁護士の岡田和枝さんの対談を行いました。社会問題になっているヤングケアラーの問題や長時間労働と家庭責任の負担の問題などの実情と行き詰った政治をどう変えていくかなどについて、お二人に語っていただきました。