東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた男女7人が東京電力に損害賠償を求めている「311子ども甲状腺がん裁判」の第8回口頭弁論が12月6日、東京地裁で開かれました。
この日は、80席の一般傍聴席に対し、188人の方が抽選に並びました。法廷では、裁判長の交代に伴い、原告2名の2度目の意見陳述が行われました。前回と違い印象的だったのは、証言台に遮蔽措置はなく、裁判長に訴える二人の原告の姿はとても堂々としたもので、内容も含めて原告5番さん、6番さんの大きな成長を感じるものでした。このほか、原告側と被告側の弁護士が弁論更新に伴う陳述をしました。
盛岡レーメン販売の収益金70万円を福島の子どもたちを支援する3団体に寄付しました
長野県原水禁は、東京電力福島第一原発事故による放射能汚染の影響を受けている子どもたちを支援するため、昨年5月から7月にかけて盛岡レーメンの物資販売に取り組みました。2012年から毎年取り組んでいる活動で、収益金はすべて関係する市民団体に寄付しています。県原水禁の地区組織が主体となった取り組みで、今回も70万円の寄付金を捻出することができました。寄付金は、昨年12月、福島の子どもたちを支援する活動に取り組む3団体に直接手渡しました。
◆寄付先
〇NPO法人3・11甲状腺がん子ども基金 20万円
〇認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金 20万円
〇311子ども甲状腺がん支援ネットワーク 30万円
2024年 国民・労働者が安全・安心して平和に過ごせる年に
2024年の新しい年を迎えたと同時に1月1日の元日、石川県能登地方で大地震が発生し甚大な人的・物的被害が出ています。また、2日には、羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の輸送機が激突・炎上するという衝撃的な事件も発生しました。
また、自民党の安倍派を中心とする「裏金」事件では、改めて自民党・保守政治の「政治とカネ」の問題が根深い問題であり、どうしようもなく政治腐敗が進み、国民の不信感は頂点に達しています。自民党政治に国民・労働者の怒りを真正面からぶつけて、政治変革の年にしていきましょう。
1月4日、仕事始めの日に長野県労働会館に入居する労働団体、労働組合の役職員約60人が一堂に会し、合同新年会を実施しました。
冒頭、一般財団法人長野県労働会館理事長の宇佐美正信氏(県労組会議議長)が「能登地震と航空機事故という衝撃的な事件で年が明けた。被災地への支援活動を早急に展開しよう。また、今年こそ岸田政権の退陣を勝ち取り、政治に信頼を取り戻そう」などとあいさつしました。
来賓として出席していただいたのは、政党代表として、立憲民主党県連幹事長の羽田次郎氏(参議院議員)、社会民主党県連合副代表の布目裕喜雄氏。その他、篠原孝・衆議院議員、杉尾秀哉・参議院議員、埋橋茂人・県議会議員、望月義寿・県議会議員があいさつ。労働事業団体からは、県労福協、県住宅生協の中山千弘・理事長、県労働金庫の小池政和・理事長、こくみん共済coop長野推進本部の村山智彦・本部長があいさつしました。
今年も1年、長野県平和・人権・環境労働組合会議が取り組む様々な運動へのご参加、ご指導をお願いします。
将来の平和運動を担う若い世代が2泊3日で学習・交流
4回目の平和フォーラム・ピーススクールを開催
11月17日から19日まで、二泊三日の日程で「平和フォーラム2023ピーススクール」が開催されました。
ピーススクールは、平和運動を担う若い世代を育成することを主な目的として、さまざまな課題を丁寧に伝え、共に考える場として開催されてきました。講演やグループワーク、フィールドワークを通して、平和運動や原水禁運動、人権課題などの現状や課題を学ぶ機会とするものです。
今年は、全国各地から32団体の41人が参加し、職種や世代も異なる6~7人でグループをつくり、課題ごとに意見交換をおこない、同世代の仲間と問題意識を共有しました。
公務職場や公共交通などそれぞれの職場の厳しい状況についても知る機会にもなりました。
辻本清美参議院議員、市田真理氏ら充実の講師陣
一日目の辻本清美議員の講演では、学生時代のピースボートの取組みから政治に至った経験から、運動から政治へのコミットメントの重要性、運動と政治の両輪が必要だと訴えられました。二日目の第五福竜丸展示館学芸員の市田真理さんからは、第五福竜丸を保存するために多くの方々が尽力した経過、被害者たちのその後、第五福竜丸事件を巡って日本政府とアメリカやソ連・中国とのせめぎ合い、見落とされがちなマーシャル諸島の住民たちの存在、さまざまな書式で全国から集まった原水爆禁止署名の運動と多岐にわたる視点からこの問題を考えるヒントを頂けました。午後からは在留外国人の置かれた困難な状況、LGBTQの差別問題についての講演が続き、朝鮮大学学生の李さんの差別に立ち向かう民族教育の意義についての訴えに参加者一同圧倒されました。
憲法から第五福竜丸、LGBTQ、在留外国人の差別問題と多岐に渡る課題を学ぶ
密度の濃い熱量の高い講義がつづきファシリテーターの方が記録してくれたホワイトボードがどんどん埋まっていきました。
フィールドワークで訪れた第五福竜丸展示館
市田さんのお話を伺ったあとは、夢の島公園内の林のなかにひっそりとある第五福竜丸展示館を見学しました。実際に目の前にする第五福竜丸の大きさに参加者の多くが驚いていました。当事者が亡くなっていくなかで、どうやって次世代に伝えていくかという問題があることを考えたあとに、実際にモノとして残っているものをしっかりと保存継承していくとりくみも大切な運動なのだと理解することができました。そして当事者ではない市田さんの伝える力についても改めて学ぶことがあると思いました。
最終日のディベートでの葛藤
最終日には、グループワークの総集編として、「安全保障に関する防衛力の強化」「原発推進政策」「労働組合の政治活動・平和運動積極参加」をテーマに、賛成・反対に分かれ、ディベートを行いました。本来の自分の考えと違う立場で主張を展開することの難しさがありましたが、双方の立場からどう伝えたらいいのか考える時間は貴重な経験になりました。防衛力の強化をテーマにしたディベートでは、全港湾出身の参加者から「海外から武器に変わる原料や資材を港で運ぶのは自分たち。運びたくない」と
また、一部参加者はピーススクール終了後に開催された「19日行動」にも参加し、より実践的に学びを深めました。
三日間の密度の濃い日程から「難しそう」「大変そう」「ついていけるだろうか」といったイメージを抱えて参加した方がほとんどでしたが、「学びが多かった」「貴重な経験になった」「参加できてよかった」などと最後のあいさつで発言している方が多くありました。
コロナ禍を経て、全国各地から集った参加者同士で交流を深められたことで、実際に会って交流する大切さも確認することができました。
今回得た経験を活かし、これからの活動に活かしていきたいと思います。
ミャンマーにあたたかい古着を送る活動に220人が協力
東日本大震災の癒しのイベント「311のキャンドルナイト」が発足しました
東日本大震災からもうすぐ13年になろうとしています。あの日の午後7時3分に発令された「原子力緊急事態宣言」は未だに解除されていません。まだ多くの被災者が県内外で散り散りに暮らしています。
13年が経つ東日本大震災は、被災地が広範囲で被災者も全国に散らばったことから、これまで阪神淡路大震災やチョルノービリ原発事故のような、市民によるメモリアルイベントはありませんでした。落ちたデブリは確保できず、廃炉の日程は延期に次ぐ延期、デブリに触れ核種を帯びた地下水の海洋放出は対話なく強行され、復興キャンペーンや「それは風評被害だ」キャンペーンに大金が投じられ、本当の被災者の支援は足りていません。いま私たちにできることは何だろう。今も傷を負っている人たちに心を寄せる場は作れないのか、そんな思いで3人の女性が立ち上げたイベントです。
2024年3月11日(火)午後7時3分、一斉にろうそくを灯す「311のキャンドルナイト」へのゆるやかな連帯と開催、参加を呼びかけます。
ぜひあなたも「311キャンドルナイト」を呼びかけてください。
「311キャンドルナイト」交流ホームページ http://311candlrnight.org/
★賛同金(ひとくち3,000円)も募集します。
城南信用金庫 経堂支店(028)普通444695
原発事故における国の責任をただす「ノーモア原発公害市民連絡会」が発足しました
原発事故の被災住民らが国に損害賠償を求めた4件の集団訴訟で、最高裁は昨年6月、国の賠償責任を認めない判決を言い渡しました。
記事はコチラ👉https://www.asahi.com/articles/ASQ6K3R5MQ6GUTIL037.html
この判決を受けて、11月17日(金)、あの原発事故は防ぐことができた!国の責任を認めさせるため最高裁6・17判決をただそうと、学者や弁護士らが「ノーモア原発公害市民連絡会」を発足しました。今まさに無責任極まりない「原発回帰」政策を強行する国に対して、原発事故による様々な被害の全面救済や、これからの世代が原発公害などの恐怖にさらされないための社会を目指します。東京・永田町の議員会館での発足総会には、オンラインを含めると約70人が参加しました。
代表世話人は寺西俊一・一橋大名誉教授(環境経済学)や元TBSのジャーナリスト金平茂紀さん、弁護士の小野寺利孝さんら。発足総会では、最高裁判決について「巨大津波が原発を襲う可能性を知りながら何もしなかった国を免責した判断は誤りだ」として、新たな判決を勝ち取る方針を確認しました。
記念シンポジウムでは、元福井地裁裁判長・樋口英明さんによる「原発事故と国の責任 6・17判決をどうただすか」と題した講演後、3人の原発被害者がこれまでの経験を伝えるとともに、裁判の勝利に向けて固い決意を表しました。
<主な活動>
① 福島原発事故を引き起こした国の責任を認めない最高裁の不当判決をただす。
② 被害者への人権侵害や環境破壊がいまなお深刻であり、その全面救済と原状回復を求める。
③ 新たな「原発公害」を広げるALPS処理汚染水海洋放出の中止や、老朽原発再稼働の即時停止を求める。
シンポジウムや学習会の開催、判決の是正を求める署名運動を始め、多くの人にこの「ノーモア原発市民連」による取り組みを知ってもらい、活動が全国各地に広がることを呼びかけています。
12月6日から10日まで伊藤孝司写真展「平壌の人びと」松本展を開催
朝鮮民主主義人民共和国に対する政府やマスコミなどによる「反北朝鮮キャンペーン」により、「悪の帝国」「独裁国家」などという負のイメージが広がっています。しかし、朝鮮国内では普通の人々が普通の暮らしをしているという当たり前の事実が後景に置き去りにされています。
フォトジャーナリストの伊藤孝司さんは、約200回にものぼる海外取材を重ねています。その中で 「空白」 となっている国、朝鮮民主主義人民共和国を初めて訪れたのは1992年でした。実際に見たこの国が、 日本で伝えられている姿とあまりにも異なることに疑問をもち、日本と関わるテーマを精力的に取材しました。2019年10月までに43回にわたり朝鮮を訪問されました。訪問時に撮った膨大な写真から選択した写真展が全国各地で開かれています。写真は朝鮮の人びとをテーマに、約4割は地方都市で撮影されたものです。
日朝県民会議は、日朝松本市民会議などとともに伊藤孝司さんの写真展を12月6日から10日まで松本市美術館市民ギャラリーBで開く計画です。写真展の開催中に伊藤孝司さんの記念講演会も企画いたしました。お誘い合ってご参加いただけるようにお願いします。
労働者・国民に共感が広がる運動を地域からつくろう
約60人参加した県労組会議定期総会で今年度の運動方針を確認
長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月20日、代議員・傍聴者、来賓など約60人を集め、長野市内で第28回定期総会を開きました。
主催者あいさつで、宇佐美正信議長は「暴走する岸田政権を許さない闘いはまだまだ続く状況。多くの政治課題に対して声を上げていく地道な運動が必ず変えていくことができる力になる」(あいさつ別掲)などと強調しました。
討論では「反核平和の火リレーは7月11日から8月4日まで実施し、ランナー総数635人が参加した。要請した77自治体中64自治体で市町村長(もしくは副市町村長)が直接参加してくれた。この運動が組織強化につながっている」(自治労・中村代議員)、「蔦友印刷が会社破産し、全員解雇された事件では、多大なカンパをいただき心から感謝申し上げる。組合員の半数が就職した状況」(印刷フォーラムながの・原田代議員)、「公共交通を維持していくうえで、人員不足、低賃金から抜け出せず、私鉄は厳しい状況におかれている。ライドシェア導入問題には反対運動の取り組みをお願いする」(私鉄県連・飯川代議員)、「上小地区労組会議の地域組織の『依田窪連絡協議会』『東御市連絡協議会』が様々な議論を経て合併した。連協組織を残して、地域運動を大切にしていきたい」(上小地区労組会議・竹内代議員)などの発言がありました。
特別決議として「国民の切実な願いに背を向け、軍拡・改憲をすすめる岸田政権と対峙し、総選挙に勝利する決議」が採択されました。最後に「新自由主義政策を転換し、所得の再分配や富裕層・高収益大企業への課税を強化し、自助よりも公助、自己責任より共生、労働者・国民の暮らしを優先する政策へ転換を」「組合員はもちろんだが、組織されていない労働者・国民にも共感が広がる労働運動、平和運動が必要とされている」などとする「総会宣言」を採択しました。
仲間との信頼関係を深め運動を広げていこう
県労組会議議長 宇佐美正信
昨年10月に行われた県労組会議の大会から早くも一年が経過をしました。少しこの一年間を振り返りたいと思います。
新型コロナは5月に2類から5類へと移行になりました。4年目を数える「コロナ禍」で8月19日に県労組会議として4年ぶりにソフトボール大会を開催しました。大変暑い中、各地区労組会議の精鋭たちが集まり、熱戦が繰り広げられ塩尻地区が優勝しました。終了後、団結会が開催され大変盛り上がりました。未だコロナが終息したわけではありませんが久々の開催ということもあり、一堂に会して話ができたことが大変有意義であったと思っています。普段話ができないことや初めて会う仲間がテーブルを挟み、膝を交えて話すことができたこと、コロナで制限されていたことが少し晴れたのではないかと思っています。各地区、単産の皆さんと会ってお話しすることが改めて重要だと感じました。
私たちを取り巻く情勢は今さら言うまでもありませんが生活も組合活動も労働実態も厳しい状態が続いています。詳しい情勢については後ほど、方針案の提起によりますので割愛させていただきますが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の他、全世界では現在、武力紛争が50以上あります。最近ではイスラエルがハマスを壊滅させようとガザ地区に侵攻を始めています。こうした武力戦争によって民間人、特に女性、子どもが犠牲になっています。人の命を奪ってまで得たい物っていったい何なのでしょうか。「話し合いをしよう」「外交によって解決をしよう」とはならないのでしょうか。
戦争の影響でエネルギー、食糧、原材料上昇によって円安、物価高など、日本国内外ともに不穏・不安定な状況下にあります。
そうした中、岸田内閣は昨年12月安保三文書の改訂によって敵基地攻撃能力を保有することや、先の国会では防衛費増額の財源を確保するための特別措置法や、原発の再稼働、運転延長、東日本大震災から12年たった現在、被災者に寄り添うことなく支援の打ち切りや子供甲状腺がんの発症に対する補償は何もなく、福島原発で発生したトリチウムを含む汚染水を「関係者の理解なしには放出しない」と約束していたことを反故にし、海洋放出を強行してきました。
さらにはマスコミにこぞって放射能を含む汚染水を処理水というように誘導し、まさに戦争に突き進む道、国民生活の安全・安心を脅かす道を突き進んでいます。
武力で解決する平和などは絶対あり得ない、核と人類は共存できないことは多くの犠牲を払ってきた先人たちが教えてくれています。
こうした政治情勢ですから、岸田政権には辞めていただくしかありません。県労組会議としては政治情勢を見極めながら私たちの掲げる運動課題、政策要求に方向性が合致する立憲民主党、社会民主党と連携して運動を展開していきたいと思います。
暴走する岸田政権を許さない闘いはまだまだ続く状況ですが、多くの政治課題に対して声を上げていく地道な運動が必ず変えていくことができる力になると思います。
もう一つ、県内で大変大きな事件が起きました。県労組会議に加盟する印刷フォーラムの蔦友印刷が3月に破産手続きを申し立て、倒産しました。従業員である組合員が解雇されました。解雇によって給与及び退職金が支払われないことから、当面の生活費の補助として長野地区労組会議とで組合員に対する支援カンパを取り組んできました。仲間を助ける支援活動として多くのカンパを取り組んでいただきました。ありがとうございました。支援する側でさえ厳しいにもかかわらず大変多くのカンパをいただきました。取組みにご協力いただいた皆さんに改めてお礼を言いたいと思います。また関西生コンやJAL闘争団などこうした仲間が困っているときに支援をする、各地区や単産、単組の皆さんにまで声をかけられる労働運動ができるのは労組会議だけだと思います。皆さん自身も大変かと思いますがもっと大変な状況で助けを求めている人、労働者がいます。引き続きそうした人たちに寄り添い支援をしていきたいと思います。
最後になりますが、今年4月の統一自治体選挙では私たちが推薦する議員が当選することができました。本当にご協力ありがとうございました。
私たちはこれまで学習や交流によって仲間との信頼関係を築いてきました。その知識を生かし幅広く仲間に危険性や重要性を訴え、今まで以上に反戦、護憲、反核、脱原発を軸に平和と民主主義を守る闘いの運動を進め、労働者の雇用、平和・人権・環境に関わる運動課題について、労働者の立場に立って引き続き運動を進めていきたいと思います。
以上で県労組会議を代表してのあいさつに代えさせていただきたいと思います。
南木曽の国有林で約30人が除伐の林業体験
水道の広域化・民営化問題、水の公共性についても学習
4年ぶりに一泊二日で食とみどり、水を考える集いを実施
林野労組、全農林、全水道などの労働組合でつくる「食とみどり水を守る県民会議」は11月2日と3日、南木曽町で第10回食とみどり、水を考える集いを4年ぶりに一泊二日の泊まり込みで実施しました。参加者は2日間で約30人。
1日目は、南木曽町の国有林に入り、ヒノキ林の「除伐」の体験作業をしました。除伐とは「育てようとする樹木の生育を妨げる他の樹木を刈り払う作業」です。植樹してから22年たつヒノキのなかで、林野庁職員が、伐採した方が他の樹木の成長を助ける木に青いテープを巻いて、それをノコギリを使って切り倒す作業。比較的細いヒノキが多いのですが、20cm程度まで成長したヒノキもあり、切り倒す方向にノコギリで「受け口」を斜めに切り込みを入れて作業を行いました。参加者は、日ごろ、ノコギリを持つ機会がほとんどない人が多く、作業する場所も斜面のため、息を切らしながら作業をしていました。女性参加者の3人が班をつくり、力を合わせて作業する姿が印象的でした。約1時間半の作業を終えてヒノキ林を眺めると、作業前は薄暗かった林に太陽の光が降り注ぎ、残されたヒノキがすくすくと育つ環境が整備されました。
2日目は木曽森林管理署南木曽支署の会議室で、水道の広域化・民営化問題について学習しました。講師は、全水道中央本部副執行委員長の岩倉朋視氏(松本水道労組)。岩倉氏は、改正水道法で水道事業の基盤強化のため、水道の広域連携を推進する方向性が打ち出されたと報告。水道事業の広域化ついて、5つの視点で見ることが大切だと指摘しました。5つの視点とは、①市民のための広域化か、②持続可能な水道に寄与するか、③民営化のための広域化ではないか、④市民に開かれているか、⑤働く者が納得しているか、です。岩倉氏は、「水は『究極の自治』であり、広域化は『地域で決めること』が重要」と強調しました。