21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

横須賀で米軍空母母港化50年に抗議する全国集会に750人

横浜港のど真ん中にある米陸軍基地ノースドックの現地視察も

平和フォーラム全国責任者会議で集会とフィールドワークに参加

平和フォーラムは10月5日~6日、神奈川県横須賀市で約120人を集めて全国責任者会議を開きました。会議の後の夕刻には、会場近くのヴェルニー公園で「米空母母港化50周年抗議!原子力空母ロナルド・レーガンの配備撤回を求める10.5全国集会」を開き、約750人が参加しました。1973年10月に米海軍空母ミッドウェイが横須賀に配備され母校化されて以来、危険な原子力空母も配備され続けて50年。米国の「国益」を守るために配備が継続されている横須賀の実態が集会やデモ行進のなかで改めて告発されました。

集会では、平和フォーラムの藤本泰成代表が、この夏アメリカのキャンプデービッドで行われた日米韓首脳会議で、日米安保を越えて日米韓の軍事同盟ともいえる連携強化が打ち出されたことを批判し、東北アジアでの戦争回避のために憲法9条の平和主義を守り、自民党、日本維新の会などの改憲勢力に台頭を許さない取り組みの強化が必要だと訴えました。平和フォーラム関東ブロック連絡会議の中條貴仁代表(東京平和運動センター議長)は、全国の米軍基地から漏出した有機フッ素化合物の問題に触れ、飲料水の汚染は国が責任を持って早急に対応するように求めました。全国基地問題ネットワークからは代表委員の米村豊さん(長崎県平和運動センター議長)があいさつを行い、G7広島サミットにあわせて長崎県佐世保に入港した原子力空母ニミッツに抗議するとりくみを行ったことを紹介するとともに、九州および南西諸島での日米軍事強化の実態を報告しました。

市民団体からの連帯あいさつでは、非核市民運動ヨコスカの新倉裕史さんが、米空母の母港化に至った過程と湾岸戦争やイラク戦争などで米軍の出撃拠点となった横須賀基地の歴史を振り返りつつ、横須賀の米軍が自衛隊を戦う軍隊へと育て上げた日米軍事一体化の現状に警鐘を鳴らしました。在日米軍の動きを追跡している市民団体リムピースの星野潔さんは、米海兵隊が新たに進めている「海兵沿岸連隊」の輸送拠点として横浜ノースドックの基地機能強化が進められていることを説明し、横浜を戦争の拠点にさせない行動が必要だと訴えました。最後に反核平和の灯リレーに取り組む青年労働者からの決意表明を受け、集会アピールを採択しました。

その後750人の参加者は、デモ行進に移り、在日米海軍司令部前では抗議のシュプレヒコールを行いました。

強風の中約750人が集会に参加

全国からの参加者が横須賀米軍基地に抗議の声を上げた

米軍の空母はアメリカの国益のために配備されている

 

在日米海軍横須賀司令部前で抗議のシュプレヒコール

大都会の横浜市のみなとみらい地区に米陸軍基地が

米陸軍の補給・輸送の拠点、軍事訓練にも使用

米陸軍の横浜ノース・ドックは、米軍の物資の補給、輸送の拠点として大都市・横浜市のみなとみらい地区の真正面にあります。米陸軍の装甲車や戦闘ヘリコプターの陸揚げ・輸送や、米海兵隊の行動の拠点にもなっています。「有事」の際には、米軍部隊を展開させるための拠点となり、そのため真っ先に攻撃対象とみなされる危険性があり、まさに横浜に戦火を呼び込むものです。近隣には100万人を超す住民が生活し働き、横浜港に隣接して神奈川県庁・横浜市役所など県・市の中枢機能が集中しています。また、横浜の貿易や隣接する京浜地帯の工業にも多大な影響を与えることは明らかです。長年、横浜市民、横浜市、横浜市議会は党派を超えて早期全面返還を求め続けています。

今年春ごろからは、米陸軍の小型揚陸艇部隊が新たに配備されました。配備される部隊の役割も台湾有事や南西諸島を念頭に置いた揚陸を任務とするなど、極めて対中戦を意識した実践的な部隊であり、今まで補給・兵站・中継の仕事を中心としていたノース・ドックの役割を大きく変質させるものです。

平和フォーラム全国責任者会議では2日目の10月6日、船をチャーターし横浜港の海上から米陸軍ノースドックを視察しました。参加者は、大都市のど真ん中に米軍基地が存在する違和感を感じながら基地を監視しました。

米軍の音響測定艦が3隻停泊

音響測定艦はソナーシステムを展開して潜水艦の音を収拾する

軍用車両は海岸から見えないように建物の陰に

大都市・横浜みなとみらい地区に米軍基地が存在

17年目の「21世紀の労働運動研究会」 年4回の講座が終了

第3回講座 職場におけるハラスメント及び安全衛生の判例と課題

講師の小川英郎・弁護士

講師は小川英郎氏(弁護士/ウェール法律事務所)

17年目を迎えた「21世紀の労働運動研究会」は今年4回の講座を開きました。

第3回講座は9月30日、上田市丸子解放センターで弁護士の小川英郎氏を講師に「職場におけるハラスメント及び安全衛生の判例と課題」をテーマにした講座でした。講演の内容(要旨)を掲載します。

〇パワーハラスメント

◆改正労働施策総合推進法によってパワハラの法的定義や使用者の義務が明記

推進法には、職場のパワーハラスメント(パワハラ)とは、①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること、②業務の適正な範囲を超えて行われること、③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害することと規定されました。

その定義は、①「職場」とは、「当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、『職場』に含まれ」、「業務を遂行する場所」には、出張先、取引先、会社の懇親会等が含まれます。②「優越的な関係を背景にした」とは「行為者に対して、抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるもの」と定義。③「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動であるかの判断にあたって、「個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係が重要な要素」となります。

◆パワハラに該当する例、該当しない例が例示

「該当する例」として、①身体的な攻撃(・書類を投げつける・相手の身体の近くに物をなげつける・机を叩く、椅子を蹴るなど)、②精神的な攻撃(・人格否定、名誉毀損となる言葉を吐く「ぶち殺そうか」「馬鹿野郎」「給料泥棒」「使えねえな」「アホ」など)、③容姿・外見を卑下する言葉(「フケがベターっとついてる」「デブ」など)、③性別、性的指向・性自認を差別する言葉(「子宮で物を考えている」「ホモ」「オカマ」など)、④退職、解雇、懲戒処分、降格・減給等の不利益取扱いを示唆する脅迫(「辞めろ」「クビだ」「おまえなんかいないほうが会社のためになる」など)、⑤本人の立場、能力を無視した叱責(・仕事を覚えていない新人労働者に教育指導せず、一方的に叱責など)、⑥相手の感じ方や健康状態を無視した叱責、⑦頻回、長時間にわたる指導(・数十分にわたり説教を続けるなど)、⑦他人の前で不名誉な叱責をする(・全労働者が会する朝礼で、懲戒処分を示唆して叱責・不名誉な事柄や人格を否定する言葉を記載したメールを複数の従業員に送信するなど)、⑧人間関係からの切り離し(・仕事から外す、・席の隔離、・別室での隔離、・理由の無い自宅待機/出勤禁止、・無視、・仕事の手伝いをしない、・行事からの隔離など)、⑨過大な要求(・業務上明らかに不要なことを命じること、・職務上の必要性や合理性に乏しい業務・作業を命じて、本来行うべき業務を行う機会を奪うこと、・遂行不可能なことを命じること、・仕事の妨害など)、⑩過小な要求(・能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること、・仕事を与えないことなど)、⑪個の侵害(・私的な交際関係について、交際をやめるよう迫る、・労働者に対し、当該労働者の配偶者は物好きである等と発言する、・業務時間外に電話をかける、SNSのチェック、・労働者が拒否しているにも関わらず、自宅まで行って生活状況を確認したり、退職勧奨をする、・遊びや飲み会に無理矢理つきあわせるなど)。

セクシャルハラスメント

◆職場におけるセクハラ

「職場」において行われる「性的な言動」に対するその雇用する「労働者」の対応により、当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること。使用者は「職場におけるセクハラ」が起こらないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければなりません。

◆「性的な言動」とは

①性的な内容の発言

・性的な事実関係を尋ねる、・性的な内容の情報を意図的に流布する、・性的な冗談・からかい、・食事やデートへの執拗な誘い、・個人的な性的体験談を話すなど。

②性的な言動

・性的な関係を強要する、・必要なく身体に触る、・わいせつなポスターを社内に貼る、・強制わいせつ、強姦(犯罪行為であり、もはやセクハラとは言えない)など


講師の松本耕三氏

第4回講座 全港湾の産業別労働運動と小名浜地区労の経験について

講師は松本耕三氏(全港湾元中央執行委員長/小名浜地区労議長代行)

日本の労働組合は「企業別労働組合」が主流ですが、港湾産業で働く労働者でつくる全港湾は、その他の関連労働組合とともに「全国港湾労働組合連合会」を組織しています。そして、港湾業務を担うほぼ全企業が参加する港湾運送(港湾荷役)業界団体と唯一の労使関係を作り上げ、企業別ではなく、産業別に労働協約を取り交わしています。

◆全国港湾労働組合連合会(全国港湾)とは

7組合21000人が参加する労働組合の横断組織(全港湾、日港労連、検数労連、検定労連、全倉運、大港労組、全日通=港湾関係支部)です。対する使用者団体は、日本港運協会(日港協)といい、港湾運送事業社1700社が加盟する業界団体です。

◆港湾産業における産業別制度

1972年6月、日港協と全国港湾労組連絡会が団体交渉に関する確認書を取り交わしました。1979年5月には雇用保障に関する協定が結ばれました。また、「事前協議制度」があり、新規入港の船舶の作業について、港湾労働者の雇用に影響がないかどうかを労使でチェックしています。年間1300件を審査し労使で確認します。

港湾労働者には年金制度があり、港湾で就労年数18年以上の労働者に対し退職後15年間、年間25万円の年金が支給されます。また、港湾労働者の福利厚生として=港湾荷役貨物量1トン当たり5円、総額約60億円を基金として集め、それを財源として、港湾の休憩所、昼食提供、保養所など様々な福利厚生事業を展開しています。産業別の最低賃金などの賃金協定や産業別の統一労働協約(すべての企業が同じ労働条件)による休日・労働時間の規制もしています。

賃金・労働条件を決める団体交渉は、現在、労働組合側から交渉委員150名、商社団体の日港協側から交渉委員120名、総勢270名前後で開催しています。回数は春闘など年5回から10回。これは、企業別の労働条件を決めるのではなく、企業を超えて統一の労働条件を決めていく「産業別団体交渉」と言えます。当然、労働組合法に基づく団体交渉であり、一方で提案されたすべてを議題とします。また、交渉委員は、労使双方が自主的に選出し、相互に無条件で確認するようにしています。

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◆小名浜地区労と野党共闘

国鉄の分解・民営化の闘争とともに地区労に関わってきました。当時は国労が一番地域共闘をやっていました。

1996年に小名浜地区労の存続を決定した後、各種選挙では一党の政党支持ではなく、複数政党を推薦しています。議長、事務局長は推薦政党すべてに対応しています。地区労執行部および幹事は所属労組の推薦候補のために活動をするという取り決めです。これは、政党支持を理由とした分裂を回避する方策で、野党共闘の始まりでした。2013年には野党3党(立憲、共産、社民)と労働4団体で{7団体共闘}をつくって現在も活動しています。

2023年の行動で特徴的だったのは、福島原発のトリチウム汚染水の海洋放出に反対する運動です。3月18日には海洋放出に反対するスタンディング行動に200人が参加、6月4日には、経産省と東京電力が汚染水に関する説明会を開き、地元住民や儀業関係者、労働組合など1400人が参加、8月27日には、緊急行動として全国に呼びかけ反対集会をいわき市で開き、500人が参加しました。

 

「市民集会・脱原発2023in信州」と「脱原発集会・ワタシのミライ」

原発に未来はあるか 

10月15日、長野市で開かれた「市民集会・脱原発2023in信州」で、龍谷大学の大島堅一教授(環境経済学・環境政策学/原子力市民委員会座長)が講演されました。「原発に未来はあるか? 無責任の構造を超えて原発ゼロ社会へ」と題し、岸田政権が推し進める原発温存政策について、「原発は高コスト」「責任が問われない体質」と批判し、原発に頼らないエネルギー政策の転換を訴えました。

笑いも交えながら、難しい原発の内容を分かりやすく話す大島教授

岸田首相は、原発の再稼働や60年を超える運転延長、新増設を進める指示を8月のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で示しました。脱炭素化を主な理由としているが、これに対し大島教授は、原発と再エネのCO2排出削減の関係を調べた国際調査で、原発の多さがCO2削減に影響を与えないこと、さらに、原発に熱心な国は再エネ導入率が低いという結果を説明し、「原発に頼る限りCO2削減は実現しない」と強調。さらに、電力供給に占める割合は4%程度にすぎず、現在約20%を占める再生可能エネルギーと逆転することは難しく、「原発は大きく衰退している」とし、国内・外で原子力事業から撤退する企業が増加していることからも、すでに斜陽化していると言え、原発推進に異を唱えました。

また、原発の高コスト体質についても言及。福島原発事故後、原発にかかる費用は、発電費・国費投入・事故対策費あわせて33兆円に上り、国民一人あたりに換算すると27万円の負担が電気料・税金にかかっています。「原子力は電気料金の底上げにつながっている」とし、多大なコストがかかる上、事故のリスクや廃棄物処理問題などを抱える原発を「国民生活にとって、不良債権」と厳しく指摘しました。

zoom含めて、約80人が参加した

さらに、原発事業の性質が、事故の責任を回避していることなど「無責任」であり、数々の隠蔽や情報公開の不足により「不可視」の構造と特徴づけ、国民の関心を高める必要を説きました。

ワタシのミライ

天気にも恵まれ、あらゆる年代が参加した集会となった。

思いが込められている歌は、聴いている参加者の心に響く。

9月18日、東京・代々木公園で行われた脱原発集会は、今回より気候変動問題を盛り込み、集会名も変更して開かれました。気候変動対策のための啓蒙活動や再生エネルギーへの転換を求める若者・市民らの運動とコラボし、環境団体のブースやビーガン料理などのキッチンカーの出店もありました。メインステージでは、福島原発事故以降、現地支援に取り組みながら活動するロックバンド、自然派ラッパーらのメッセージ性の高いパフォーマンスがあるなど、さながら「フェス」のような様相でした。司会も環境問題に取り組む20代の青年が務めるなど、若者たちの存在が目立ち、新たな運動の展開と若者世代への継承を感じる集会となりました。参加者はおよそ8千人。「ワタシのミライ」を希望あるものにするためのエネルギーのあり方は、原発に頼らず、再生可能エネルギーの普及によることを求め、公正な社会の実現に向け、声を上げました。

デモ行進は、おしゃれな表参道を闊歩。

(機関紙「じちろう長野」11月1日号より転載)

 

ミャンマーニュース第5号発行しました!

第2回総会での新町智哉氏と井本勝幸氏の報告を特集

7月8日、長野市内で、ミャンマー民主化を支援する信州の会の第2回総会が開催されました。オンライン・会場参加をあわせて約40人が参加しました。これまでの取り組みを総括し、ひきつづきミャンマーへの支援を継続していくことが確認されました。

総会では記念講演として、これまでも現地ミャンマーからオンラインで報告していただいていた新町智哉氏に長野市までお越しいただき直接お話を伺うことができました。またミャンマーと接するタイの国境地帯で避難民への支援活動を続けている日本経済大学特命教授の井本勝幸氏にタイからオンラインで報告いただきました。

お二人の報告から、現在のヤンゴンの日常や若者の様子、国境付近の避難民の置かれている状況やタイ政府の姿勢などについて詳しく知る貴重な機会となりました。

ミャンマー世論調査、支援募金の寄付報告、衣料支援についても掲載

第5号表紙写真は新町智哉氏の撮影。 新町氏の写真にはヤンゴンの日常のなかにいる子どもたちが生き生きと写し取られています。

ミャンマーニュース第5号では、第2回総会での報告を特集しています。また新町智哉氏が取り組んだ「ミャンマー世論調査の結果」、支援募金・チャリティーカレー売り上げの寄付報告、アジア子ども交流支援センターが取り組んだ「ミャンマー衣料支援」、ミャンマーフェスタについても掲載されています。ぜひご一読ください。

【PDFダウンロード】

ミャンマーニュース第5号(カラー)

ミャンマーニュース第5号(白黒・印刷用)

長野県内で初開催10/29「ミャンマー交流フェスタin信州」

長野県内外のミャンマー人も多数参加

10月29日、長野市のながの表参道セントラルスクゥエアで、ミャンマーと日本の文化交流とミャンマー民主化問題をテーマにしたイベント「ミャンマー交流フェスタin信州」が開催されました。曇天で少し肌寒い一日でしたが、多くの市民の方々にミャンマーについて知っていただけるきっかけになるイベントとなりました。

モン族の王朝時代のダンスなどミャンマーの伝統芸能が披露された

最後にみんなで記念写真。SBC取材班の姿も

【SBC信越放送】「クーデターの実情を知って」100人以上のミャンマー人が平和祈る 長野市で交流イベント

軍事クーデター後の現状を知る機会にも

ミャンマーでの軍事クーデター後、東京等で開催が続くミャンマー支援イベントが、長野県内で初めて開催されました。県内在住のミャンマー人、支援団体の他、東京からもミャンマー人グループが応援にかけつけ、約3000人の参加者がミャンマー文化に触れ交流を深めました。ステージでのダンスや歌やチンロン(ミャンマーのけまり)の合間には、母国の窮状を訴えるスピーチがあり、また会場内のブースではクーデター後のミャンマーの現状を知るための写真・パネル展示が行われ、報道の少なくなっているミャンマー情勢について知る機会にもなりました。

司会を担当したミャンマー出身者のふたり

ミャンマーの多様性。様々な民族の伝統芸能が披露された

県内に在住するミャンマー出身者もステージでアピール

モヒンガーなどミャンマー料理のブース

カメラマンの亀山仁さんの写真展示ブース

ミャンマーの多様な文化に触れた一日

イベントではミャンマー料理やドリンク、ミャンマーの服飾や雑貨などのチャリティ販売ブースなどが出店して賑わいました。ミャンマー民主化を支援する信州の会も実行委員会に関わり、メンバーは当日スタッフとして参加しました。初めての取り組みでもあり、準備期間も含め大変でしたが、フェスタ当日には多くの方にご来場いただけ、ミャンマーの文化や現状について知っていただくことができ本当によかったです。また長野県内でも、クーデター前と比較して500人以上と倍増しているミャンマー出身者が一堂に集う機会にもなりました。

日本のソーメンを使用したモヒンガー

多くのミャンマー出身者がスタッフとして参加

ミャンマーの天然化粧品「タナカ」体験ブース

東京から駆けつけてくれたヒロスケさんのチェッターヒンチャリティ販売

ミャンマー交流フェスタ御祝いの木遣り

荻原長野市長から開会あいさつ

オープニングステージでは、善光寺木遣り保存会の皆様から、ミャンマー交流フェスタ御祝いの木遣りを頂戴いたしました。善光寺木遣り保存会会長の荻原健司長野市長からは、ウクライナやイスラエル・ガザなどと共に争いがつづくミャンマーにも早く平和が訪れてほしいとごあいさつを頂きました。その後、ミャンマーのモン族の王朝時代の舞踏や、ミャンマーにルーツを持つ姉妹の弾き語り、長野県内在住のミャンマー出身者の歌などが披露され、歌と共に平和への願い、ミャンマーへの思いを語っていただきました。
地元長野からは、国際色豊かなメンバーによる和太鼓「七福太鼓」の迫力ある演奏が披露されました。ダンススタジオブロードウェイの子どもたちの元気なダンスの合間には、東京外大院生の石川航さんからミャンマー情勢やミャンマーを知るための「ヤンゴンかるた」についてお話いただきました。楽しい時間を過ごしながら、ミャンマーとの交流の深めることができました。

オープニングは善光寺木遣り保存会の皆様、保存会会長の荻原市長も一緒に会場を練り歩く

元気にダンスを披露して会場を盛り上げてくれたダンススタジオブロードウェイの子どもたち

響き渡る和太鼓と多様なパートで楽しませてくれた七福太鼓の皆様

ミャンマー民主化を支援する信州の会の若麻績会長の閉会のあいさつ

県内外のミャンマー人の方々と支援団体が協力して開催

ミャンマー支援募金箱には、119,240円のご寄付が集まりました

今回、ミャンマーをテーマに県内外の団体と協力してミャンマー交流フェスタin信州を開催できたことは大きな意義をもちます。遠く離れた故国を思うミャンマーの方々のステージでの訴えは、県内外で活動する団体のメンバーやミャンマー出身者自身を勇気づけました。ミャンマー民主化を支援する信州の会は、今後もこの経験をいかしてとりくみを進めていきます。

ご来場いただいた皆様、準備・運営に携わっていただいた皆様に感謝申し上げます。

会場の各ブースに設置したミャンマー支援募金箱には、119,240円のご寄付を皆様からいただきました。全額ミャンマー避難民への支援に寄付させていただきます。

ありがとうございました。

撤収が終わり最後に準備に奔走したモウさんからひとこと

司会を担当した日緬の3人で記念撮影

会社破産・解雇された蔦友印刷労組組合員の労働債権確保をめざして

県労組会議や長野地区労組会議、印刷フォーラムが支援活動

カンパ金100万円を蔦友印刷労組に贈呈

今年3月末に破産した蔦友印刷株式会社では、会社資産の現金化、清算作業が破産管財人の弁護士によって進められてきました。9月11日には債権者集会が開かれ、資産の整理状況について報告が行われました。解雇された組合員23人には毎月の賃金の未払いはありませんが、解雇時に退職金が未払いでした。「賃金の支払の確保等に関する法律」によって一定額は確保できるものの、債権者集会で破産管財人は、資産の売却や売掛金の回収などで確保した金額では、退職金の全額を支払うことができない状況にあると報告しました。

労働組合としては、引き続き資産の整理を進め、組合員の退職金全額の支払いを求めていく方針です。

県労組会議、長野地区労組会議、印刷フォーラムではこの間、解雇された蔦友印刷労組組合員の生活の一助にしてもらうため、カンパ活動に取り組んできました。9月には、集まったカンパ金100万円を蔦友印刷労組に手渡しました。

311 子ども甲状腺がん裁判第7回口頭弁論を傍聴して

東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた男女7人が東京電力に損害賠償を求めている「311子ども甲状腺がん裁判」の第7回口頭弁論が9月13日、東京地裁で開かれました。

 

【第7回口頭弁論の傍聴報告資料】

 

 

 

                             

ミャンマーを忘れない! 交流フェスタを初開催

10月29日(日)は長野市・セントラルスクゥエアへ集まろう

ステージではミャンマーの歌や踊り、広場ではミャンマー料理の提供も

クーデター直後と比べてミャンマーへの関心が薄くなっている現状があります。私たちは「ミャンマーを忘れない」を合言葉に活動を続けてきました。「ミャンマー民主化を支援する信州の会」の活動の一環として、多くの市民の方々がミャンマー問題について考えてもらうきっかけにしたいと、誰でもが気軽に参加できるフェスティバルを企画しました。

家族連れでのご来場をお待ちしています。

関東大震災時の朝鮮人大虐殺事件から100年

日本政府は虐殺の真相を解明し関係者へ真摯な謝罪を

いまだ続くヘイトスピーチ、民族排外主義を許さない

今年9月1日は、首都圏に甚大な被害をもたらした関東大震災から100年。多くの日本人には9月1日は「防災の日」として広く知られています。

しかし、このとき起きたのは自然災害だけではありません。震災のさなか流言飛語が飛び交い、戒厳令が公布され、6千人以上の朝鮮人が、軍隊、警察、自警団によって虐殺されました。

2003年8月、日本弁護士連合会は日本政府に対して虐殺の責任を認め、被害者と遺族への謝罪、真相調査と原因究明を勧告しました。しかし、日本政府はいまだに事実を認めず、調査も謝罪も賠償もしていません。それどころか今年5月23日に開かれた参議院内閣委員会で谷公一国家公安委員長は、朝鮮人虐殺事件についての質問に対し、「事実関係を把握できる記録が見当たらない。さらなる調査は考えていない」と答弁し真相調査すら拒んでいます。

そうしたなか、「虐殺否定論」がまん延し、災害時にはSNSなどで「朝鮮人犯罪」に関わるデマが繰り返され、在日朝鮮人に対する差別や暴言、暴行事件など、100年前を想起させる事態が後を絶たないのが日本社会の現状です。

関東大震災時に虐殺された犠牲者を追悼し、虐殺の真相究明を進め、政府などの責任を追及する必要があります。そして、「多文化共生」が強調される社会のなか、在日韓国・朝鮮人に対する差別と偏見、ヘイトスピーチ・クライムを根絶するための運動が求められています。

日朝県民会議が朝鮮人虐殺の歴史を学ぶ学習会を開く

日朝長野県民会議は8月26日、日朝問題学習会では、朝鮮大学校で在日朝鮮人史を専攻する講師、鄭永寿(チョン・ヨンス)さんを講師に、関東大震災での朝鮮人虐殺の真相、日本による朝鮮半島植民地支配による朝鮮人に対する加害と抑圧の歴史について講演していただきました。学習会には約50人が参加。

鄭永寿さんは講演の中で、関東大震災の時にも朝鮮人への偏見、差別から大虐殺が起きた歴史に学ばず、いまだに歴史修正主義がはびこる日本社会だと指摘。関東大震災100年の現実を克服するために、日本政府には、被害者側に立証責任を負わせてきた態度を改め、加害側から真相を徹底的に調査、発表すること、また、「不逞」「騒擾」とみなし弾圧してきた運動の責任追及の声に真摯に向き合うことで、虐殺の罪を認め責任を果たすことが求められていると強調しました。

松本市で開いた日朝問題学習会

講師の鄭永寿(チョン・ヨンス)さん

9月1日には東京で追悼行事が開かれる

レイシスト集団「そよ風」が虐殺否定の式典開き市民が強く抗議

関東大震災から100年が経過した9月1日、東京都立横網町公園内にある朝鮮人犠牲者追悼碑前で、「東京同胞追悼会」(主催=総聯東京都本部、東京朝鮮人強制連行真相調査団)が執り行われた。追悼会には、朝鮮総聯中央本部の許宗萬議長をはじめとする活動家、在日朝鮮人、日本市民など約500人が参加しました。

昼過ぎに始まった追悼会では、犠牲者に捧げる「アリラン」の独唱に続き、参加者全員が犠牲者を偲び黙とうをささげました。

また、同日夜には、東京都中央区の銀座ブロッサムで、関東大震災100年朝鮮人虐殺犠牲者追悼と責任追及の行動実行委員会が主催する集会が開かれ、約800人が集まりました。

9月1日の夕刻には、レイシスト(人種差別主義者)集団の「そよ風」が横網公園の朝鮮人犠牲者追悼碑の前で式典を計画しました。「そよ風」は、加害・侵略の歴史を否定し、民族排外謝儀的な考えを持つグループで、関東大震災時の朝鮮人虐殺もなかったと強弁しています。そのような集団が朝鮮人犠牲者追悼碑の前で「式典」を行うことは、虐殺された朝鮮人への冒涜であり、歴史をねじ曲げようとする行為です。「そよ風」の式典に抗議する市民約300人は会場に座り込み、レイシスト集団に抗議のシュプレヒコールを行いました。結果として、「そよ風」は、追悼碑前での「式典」を断念し、公園の別の場所で実施しました。歴史修正主義、民族排外主義を許さない運動を求められています。

墨田区の横網公園で行われた追悼式典

レイシスト集団「そよ風」に抗議する市民

横網公園の朝鮮人犠牲者追悼碑には多くの献花が。

墨田区の荒川沿いに建立されている追悼碑

9月2日には国際シンポジウムが開かれ350人が参加

翌日、9月2日には、「関東大震災100年朝鮮人虐殺犠牲者追悼と責任追及の行動」実行委員会が主催する国際シンポジウム「関東大震災朝鮮人虐殺の責任と課題」が東京・千代田区の連合会館で行われました。場内は、日本各地から集まった在日朝鮮人や日本市民など約350人でいっぱいになりました。

主催者を代表し、元法務大臣の平岡秀夫さん(弁護士)があいさつ。平岡さんは、100年前の大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者らに哀悼の意を示したうえで、昨今、官房長官が会見の場で「事実関係を把握する記録は見当たらない」と述べるなど朝鮮人虐殺に関する日本政府の対応を非難。「今を生きる日本人の中には個人的に責任を負うべき人はいないかもしれない。しかし、朝鮮人虐殺の事実を明らかにし、その明らかにされた事実に応じて、謝罪など必要な対応をする責任がある」として、今を生きる日本の市民らの責務について問いかけました。

国際シンポジウムに先立ち、コーディネーターの佐野通夫・東京純心大教授が発言。佐野教授は、「関東大震災時の戒厳令をもって在日朝鮮人を『討伐すべき敵』としての『不逞鮮人』とみなす公的なヘイトが、民衆のヘイト感情を掻き立て官民一体のジェノサイドが起きた。またその背景である日本の植民地主義の清算がなされていないことを見逃してはいけない。国家と社会による歴史の忘却、責任からの逃避が戦後日本社会における朝鮮人差別を形作ったのではないか」と問題提起しました。

報告者として、明治学院大の鄭栄桓教授(「関東大震災時の朝鮮人虐殺と『否定論』の諸問題」)、朝鮮大学校の鄭永寿講師(「在日朝鮮人運動による関東大震災朝鮮人虐殺の真相究明・責任追及」)、東京造形大の前田朗名誉教授(「国際法から見た関東大震災ジェノサイド」)が登壇したほか、韓国から淑明女子大の金應教教授(「百年間の証言―韓日の作家と市民がみた関東大震災と朝鮮人虐殺―」)が、米国からイースタン・イリノイ大のリジンヒ教授(『米国における関東虐殺否定論とジェノサイドへの対応』)が登壇しました。

その後、報告者5人による相互討論がありました。

9月2日に開かれた国際シンポジウム

800人が参加した9月1日の追悼集会