21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

今を変えよう 私たちの声で ― くらし、平和、政治 

松本駅前での集会・市民アクションin信州に700人が参加

立憲民主党・日本共産党・社会民主党の3野党からの訴えも

市民運動家の菱山南帆子さんが「政治をchangeしよう」とアピール

43人の呼びかけ人と信州市民連合、中信市民連合などでつくる実行委員会は、「Change Now by Our Voice(今を変えよう 私たちの声で)―くらし、平和、政治 6・2市民アクションin信州」を6月2日、松本駅前に約700人の市民を集めて集会と市街地のパレードを行いました。当日は、雷雨も予報されていましたが、幸いに集会中は太陽も顔をのぞかせ、パレードの際にも小雨にとどまり、予定通り実施することができました。

集会では、呼びかけ人の又坂常人さん(信州大学名誉教授)が主催者として「岸田政権は末期症状だ。政権交代を実現してよりましな政治をつくろう」などとあいさつしました。そのあと、立憲民主党から杉尾秀哉さん(県連代表/参議院議員)、日本共産党から武田良介さん(前参議院議員)、社会民主党から大椿裕子さん(副党首/参議院議員)の3人から裏金問題が発覚し、大軍拡・防衛増税をすすめ、国民が苦しむ物価高による生活苦を放置している自民党政治を変えようという訴えがありました。地元(長野2区)の衆議院議員、下条みつさん(立憲民主党)も駆けつけてあいさつしました。

特別ゲストの市民運動家の菱山南帆子さんは、「まさに今、市民の声をあげて政治をchangeしていこう」とアピールしました。

集会では「今こそきちんと怒らなければなりません。仲間を増やし、史上最悪の岸田政権を退陣、政権交代を実現させましょう」というアピール文を採択しました。

集会後には、松本市街地をパレードし「政治をchangeしよう」と市民にアピールしました。

なお、集会の運営費をねん出するため参加者にカンパをお願いしたところ177,664円もの現金が集まりました。あたたかいご協力に感謝申し上げます。

3野党代表と又坂さん、菱山さんが並んで

小雨の中の集会に多くの市民が

アピールする菱山南帆子さん

松本駅前に菱山さんのアピールが響く

参加者がプラカードを掲げてアピール

呼びかけ人が壇上で3野党代表などと一緒にプラカードパフォーマンス

松本市街地をパレードして市民にアピール

集会を報じる信濃毎日新聞(2024年6月3日)

3・20さようなら原発全国集会に参加して

雨がどんどん強くなる中、集会は始まりました。

さようなら原発全国集会が、東京・代々木公園で開かれ、「フクシマを忘れない!原発再稼働を許さない!汚染水を流すな!」をスローガンに脱原発を訴え、集会後は原宿と渋谷をデモ行進した。

松元ヒロさんのオープニングライブでは、テレビで会えない芸人と言われるだけあって、政治に物申す内容が満載で、雨でびしょびしょになりながらも会場は大いに盛り上がった。

テレビで会えない芸人・松元ヒロさん

主催者あいさつで、呼びかけ人の作家・落合恵子さんは「3.11事故から13年。私たちは忘れてはいけないが、忘れさせていくシステムが山ほどある。ひとりひとりが忘れない、許さないという思いを持ち続けなければいけない」「地震大国に原発はいらない。原発と私たちの命と自然は共存できない」と語った。

呼びかけ人の作家・落合恵子さん

たとえ立場が違っても、原発ゼロを訴える澤地久枝さん

フクシマ連帯キャラバンの皆さんは、3/16に福島市で開催された福島県民大集会からスタートし、ここ東京でのさようなら原発集会をゴールに5泊6日にわたって行動し、その報告をした。団長の渡辺さんは、フィールドワークでの請戸小震災遺構を見学し、「原発がなければ救えた命がある」と強く訴えた。

フクシマ連帯キャラバン、団長より報告

志賀原発を廃炉に!訴訟原告団団長の北野進さんは、「もしかつて計画のあった珠洲原発が建設されていたらと思うと今頃は重大事故で放射能が奥能登や北陸に降り注いでいたかもしれない。寺家は、救急車を呼んでも来てもらえない。避難計画の破綻は明らか。高屋は、2mの隆起、海岸は崖崩れ、住宅の倒壊。珠洲原発があったら、奥能登が被ばくし、孤立していた。3電力の共同開発。地元の反対運動、全国から応援もらった。2003年撤退させた。あらためて全国の皆さんに御礼、元旦の地震の応援に来てもらってる。」活断層学の限界と避難計画の破綻について話し、志賀原発の廃炉に向けての運動が遅れてるので、全国集会をやりたい、その際にはぜひ多くの皆さんに参加してほしいと訴えた。

珠洲原発計画をとめ、志賀原発を廃炉に!訴訟原告団団長でもある北野進さん

主催者発表によると、雨の中この集会には6,000人が参加し、集会の終わりには、全員でプラカードアクションも行われた。

表参道をデモ行進する様子

その後は、天候も回復し、15:00から原宿と渋谷をデモ行進して、脱原発を強く訴えた。

全国から結集した

~集会の流れ~

13:00 オープニングライブ:松元ヒロさん(元ザ・ニュースペーパー)

13:30 集会開始:司会・畠山澄子さん(ピースボート)

主催者あいさつ:落合恵子さん(作家・呼びかけ人)

澤地久枝さん(作家・呼びかけ人)

フクシマ関連 片岡輝美さん(これ以上海を汚すな!市民会議)

フクシマ連帯キャラバンから

能登半島地震と原発 北野進さん(志賀原発を廃炉に!訴訟原告団団長)

原発再稼働関連 多々良哲さん(3・23女川原発の全国集会)

東海第二原発 阿部功志さん(東海村村会議員)

閉会あいさつ 鎌田實さん(ルポライター・呼びかけ人)

15:00 デモ行進

 

 

 

   

 

県労組会議のロゴマークをつくりました

組織と運動を表現するダブルロゴマークを採用しました

県労組会議のロゴマークをつくりました。組織本体を表すロゴマークと、平和運動などを表現するロゴマークのダブルロゴマークです。必要に応じて2種類のロゴマークを使うこととなります。

ロゴマークの色として、緑が環境、ピンクが人権、黄色が平和のカラーイメージが組み合わさることで、憲法の3原則「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」を表しています。

また、組織本体ロゴは、人と人が組み合わさって地域をつくる運動を表現。運動ロゴは、平和の象徴である鳩をイメージしています。

いろんな場面で使用して広げていきたいと思います。

組織を表現する本体ロゴマーク

平和運動などを表す運動ロゴマーク

 

 

 

被災70周年3.1ビキニ・デー全国集会

原水禁は3月1日、静岡市で「被災70周年3.1ビキニ・デー全国集会」を開催し、全国から約180人が参加しました。
集会では、長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNAの中村桂子准教授に、「核兵器廃絶に向けた世界の動きと私たちの課題」というテーマで講演をいただきました。
また、Connect Hiroshimaの大内由紀子さんからTPNW(核兵器禁止条約)第2会締約国会議派遣報告、静岡選出の高校生平和大使から核兵器廃絶への思いを語っていただきました。

中村桂子氏(長崎大学核兵器廃絶研究センター)

中村さんの講演では、はじめに長崎大学核兵器廃絶研究センターRECNAは核兵器廃絶を掲げるオンリーワンの研究センターであることが紹介されました。

RECNA 長崎大学核兵器廃絶研究センター

RECNAとは

核兵器の近代化をすすめる米ロなどの核保有国

世界に核弾頭は1万2520発存在(2023年6月現在)しており、冷戦期以降、核弾頭の総数は減少してきたものの、退役・解体待ち弾頭を除いた「現役核弾頭」の数でみれば軍拡がすすみ、また核兵器の近代化や新型核兵器の開発などの高性能化がすすむなど、核軍拡の状況を呈している。核兵器も家電と同じように老朽化は減らすチャンスだが、最先端の弾頭へアップデートしようとしている現状が示されました。

『世界の核弾頭データ』2023年版 を公開しました!

核軍縮をめざす「あたらしい風」

膠着した現状があるいっぽうで、核軍縮をめざす「あたらしい風」のきざしがあり、その大きな原動力としての核兵器禁止条約(TPNW)が持つ意味について解説いただきました。

核兵器禁止条約は、これまでの条約と異なり、核保有国ではなく、マーシャルなどこれまで議論から見えないところにいた国々が主役交代のように非核保有国の国と市民社会が主導してきたことに特徴があり、核兵器そのものと核兵器への依存を「悪」として、世界の常識そのものを塗り替えていくことを構想しているものである。

表に出てこなかった「非人道性」が前面に

国連で採択されたときの議場は、熱気にあふれ、スタンディングオーベーションがつづいたそうです。苦難に耐えてきた広島、長崎をはじめとする被ばく者の声が世界を動かしてきたことが条約の土台になっているそうです。

被害者の救済が明記

これまで注目されてこなかったコミュニティ、文化、伝統の破壊、ずっと続いてきた農漁業の営みが奪われ、支給された食べ物によって引き起こされた肥満や糖尿病などの健康の問題などについても、被害のレポートなどをまとめ基金をつくっていくことが決まっており、どれだけ具体化できていくかが議論されている現状が紹介されました。オブザーバー参加しているドイツからもフェミニストの観点からの被害者援助、女性女児への放射線の影響の調査などへの協力の申し出などがあり未批准国であってもさまざまな協力ができることが示されました。

これまで見過ごされてきた被害者の救済、環境の修復

存在感を示すオブザーバー参加するドイツとためらう日本

核兵器禁止条約を育てていくことが大切

中村さんは核兵器禁止条約を漢方薬に例え、即効性はないがじわじわと効果を発揮すると述べ、核兵器製造企業への銀行融資にも影響していることや、国際的な議論の場でも、賛成反対を越えて人類的な問題として、人権、環境、ジェンダー、SDGsの考えがあたり前になってきている変化についても触れられました。

ジェンダーの考え方がさまざまな議論で当たり前になってきている

最後に中村さんは、核兵器禁止条約を手塩に育てていき一人前にみんなで育てていくことが大切、日々何度も落ち込むことも多いが核廃絶に向けて新しい変化は着実に起きていることを知ってほしいと訴えました。

広島長崎出身の大学生でつくる「Connect Hiroshima」

現在大学生の大内由紀子さんからは、被爆地広島、長崎出身の大学生でつくる市民団体「Connect Hiroshima」(コネクト・ヒロシマ)のとりくみ、

TPNW(核兵器禁止条約)第2会締約国会議への参加などについて報告いただきました。

大内由紀子さん(Connect Hiroshima)

広島出身で元高校生平和大使として核兵器廃絶にとりくんできた経過、第1回締約国会議にも参加するなかで交流した海外の人びとからも刺激を受け、日本政府がTPNWへのオブザーバー参加を求める署名を展開し4万3288筆を外務省へ提出してきたこと、昨年ニューヨークで開催された第2回締約国会議では市民社会の枠で発言したほか、現地での若い世代の交流イベントやさまざまな集会に参加したことが報告されました。さらに第3回締約国会議(2025年3月開催予定)に向けて日本政府への働きかけを準備していることが報告されました。

中満泉さん(国際連合事務次長・軍縮担当上級代表)から伝えられたことが紹介された

「未来は女の一票で!」「金権マッチョ自民にNO!」

女性だけの行動-長野駅前で第2回フェミブリッジ・アクション

信州市民連合の女性のみなさんが中心となって3月17日、長野駅前で13時から14時までの間、第2回フェミブリッジアクションが行われました。女性議員や市民団体関係者など女性だけで約20人が参加しました。

街頭宣伝では、日音協県支部の音楽サークル「ジグソーパズル」の2人が「花はどこへ行った」「翼をください」の2曲を歌い、参加者にもマイクがまわされ一緒に合唱しました。

司会進行は、松澤佳子・信州市民連合共同代表と中村雅代・小布施町議会議員、主催者あいさつは、堰免久美・信州市民連合共同代表が行いました。

参加してアピールしていただいた議員は以下の通りです。

和田明子・県議会議員、竹村直子・県議会議員、丸山寿子・県議会議員、野々村博美・長野市議会議員、原洋子・長野市議会議員、清水みき枝・小諸市議会議員、中村雅代・小布施町議会議員。

アクション終了後、参加者で記念撮影

参加者はプラカードをもって市民にアピール

堰免久美・信州市民連合共同代表

和田明子・県議会議員

竹村直子・県議会議員

丸山寿子・県議会議員

野々村博美・長野市議会議員

原洋子・長野市議会議員

清水みき枝・小諸市議会議

中村雅代・小布施町議会議員

日音協サークル「ジグソーパズル」

 

2024年 国民・労働者が安全・安心して平和に過ごせる年に

2024年の新しい年を迎えたと同時に1月1日の元日、石川県能登地方で大地震が発生し甚大な人的・物的被害が出ています。また、2日には、羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の輸送機が激突・炎上するという衝撃的な事件も発生しました。

また、自民党の安倍派を中心とする「裏金」事件では、改めて自民党・保守政治の「政治とカネ」の問題が根深い問題であり、どうしようもなく政治腐敗が進み、国民の不信感は頂点に達しています。自民党政治に国民・労働者の怒りを真正面からぶつけて、政治変革の年にしていきましょう。

1月4日、仕事始めの日に長野県労働会館に入居する労働団体、労働組合の役職員約60人が一堂に会し、合同新年会を実施しました。

冒頭、一般財団法人長野県労働会館理事長の宇佐美正信氏(県労組会議議長)が「能登地震と航空機事故という衝撃的な事件で年が明けた。被災地への支援活動を早急に展開しよう。また、今年こそ岸田政権の退陣を勝ち取り、政治に信頼を取り戻そう」などとあいさつしました。

来賓として出席していただいたのは、政党代表として、立憲民主党県連幹事長の羽田次郎氏(参議院議員)、社会民主党県連合副代表の布目裕喜雄氏。その他、篠原孝・衆議院議員、杉尾秀哉・参議院議員、埋橋茂人・県議会議員、望月義寿・県議会議員があいさつ。労働事業団体からは、県労福協、県住宅生協の中山千弘・理事長、県労働金庫の小池政和・理事長、こくみん共済coop長野推進本部の村山智彦・本部長があいさつしました。

今年も1年、長野県平和・人権・環境労働組合会議が取り組む様々な運動へのご参加、ご指導をお願いします。

長野県労働会館合同新年会には約60人が参加。

あいさつする宇佐美正信・県労働会館理事長(県労組会議議長)。

 

将来の平和運動を担う若い世代が2泊3日で学習・交流

4回目の平和フォーラム・ピーススクールを開催

11月17日から19日まで、二泊三日の日程で「平和フォーラム2023ピーススクール」が開催されました。

ピーススクールは、平和運動を担う若い世代を育成することを主な目的として、さまざまな課題を丁寧に伝え、共に考える場として開催されてきました。講演やグループワーク、フィールドワークを通して、平和運動や原水禁運動、人権課題などの現状や課題を学ぶ機会とするものです。

今年は、全国各地から32団体の41人が参加し、職種や世代も異なる6~7人でグループをつくり、課題ごとに意見交換をおこない、同世代の仲間と問題意識を共有しました。

公務職場や公共交通などそれぞれの職場の厳しい状況についても知る機会にもなりました。

辻本清美参議院議員、市田真理氏ら充実の講師陣

一日目の辻本清美議員の講演では、学生時代のピースボートの取組みから政治に至った経験から、運動から政治へのコミットメントの重要性、運動と政治の両輪が必要だと訴えられました。二日目の第五福竜丸展示館学芸員の市田真理さんからは、第五福竜丸を保存するために多くの方々が尽力した経過、被害者たちのその後、第五福竜丸事件を巡って日本政府とアメリカやソ連・中国とのせめぎ合い、見落とされがちなマーシャル諸島の住民たちの存在、さまざまな書式で全国から集まった原水爆禁止署名の運動と多岐にわたる視点からこの問題を考えるヒントを頂けました。午後からは在留外国人の置かれた困難な状況、LGBTQの差別問題についての講演が続き、朝鮮大学学生の李さんの差別に立ち向かう民族教育の意義についての訴えに参加者一同圧倒されました。

憲法から第五福竜丸、LGBTQ、在留外国人の差別問題と多岐に渡る課題を学ぶ

密度の濃い熱量の高い講義がつづきファシリテーターの方が記録してくれたホワイトボードがどんどん埋まっていきました。

フィールドワークで訪れた第五福竜丸展示館

市田さんのお話を伺ったあとは、夢の島公園内の林のなかにひっそりとある第五福竜丸展示館を見学しました。実際に目の前にする第五福竜丸の大きさに参加者の多くが驚いていました。当事者が亡くなっていくなかで、どうやって次世代に伝えていくかという問題があることを考えたあとに、実際にモノとして残っているものをしっかりと保存継承していくとりくみも大切な運動なのだと理解することができました。そして当事者ではない市田さんの伝える力についても改めて学ぶことがあると思いました。

最終日のディベートでの葛藤

最終日には、グループワークの総集編として、「安全保障に関する防衛力の強化」「原発推進政策」「労働組合の政治活動・平和運動積極参加」をテーマに、賛成・反対に分かれ、ディベートを行いました。本来の自分の考えと違う立場で主張を展開することの難しさがありましたが、双方の立場からどう伝えたらいいのか考える時間は貴重な経験になりました。防衛力の強化をテーマにしたディベートでは、全港湾出身の参加者から「海外から武器に変わる原料や資材を港で運ぶのは自分たち。運びたくない」と

また、一部参加者はピーススクール終了後に開催された「19日行動」にも参加し、より実践的に学びを深めました。

衆議院議員会館前に並んでスタンディングアピール

ピーススクール終了後に永田町へ

三日間の密度の濃い日程から「難しそう」「大変そう」「ついていけるだろうか」といったイメージを抱えて参加した方がほとんどでしたが、「学びが多かった」「貴重な経験になった」「参加できてよかった」などと最後のあいさつで発言している方が多くありました。

コロナ禍を経て、全国各地から集った参加者同士で交流を深められたことで、実際に会って交流する大切さも確認することができました。

今回得た経験を活かし、これからの活動に活かしていきたいと思います。

駐イスラエル大使館付近ではガザへの攻撃の中止を求めるデモが行われていた

イスラエル大使館周辺には警察の警備車両が停まる

労働者・国民に共感が広がる運動を地域からつくろう

約60人参加した県労組会議定期総会で今年度の運動方針を確認

長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月20日、代議員・傍聴者、来賓など約60人を集め、長野市内で第28回定期総会を開きました。

主催者あいさつで、宇佐美正信議長は「暴走する岸田政権を許さない闘いはまだまだ続く状況。多くの政治課題に対して声を上げていく地道な運動が必ず変えていくことができる力になる」(あいさつ別掲)などと強調しました。

討論では「反核平和の火リレーは7月11日から8月4日まで実施し、ランナー総数635人が参加した。要請した77自治体中64自治体で市町村長(もしくは副市町村長)が直接参加してくれた。この運動が組織強化につながっている」(自治労・中村代議員)、「蔦友印刷が会社破産し、全員解雇された事件では、多大なカンパをいただき心から感謝申し上げる。組合員の半数が就職した状況」(印刷フォーラムながの・原田代議員)、「公共交通を維持していくうえで、人員不足、低賃金から抜け出せず、私鉄は厳しい状況におかれている。ライドシェア導入問題には反対運動の取り組みをお願いする」(私鉄県連・飯川代議員)、「上小地区労組会議の地域組織の『依田窪連絡協議会』『東御市連絡協議会』が様々な議論を経て合併した。連協組織を残して、地域運動を大切にしていきたい」(上小地区労組会議・竹内代議員)などの発言がありました。

特別決議として「国民の切実な願いに背を向け、軍拡・改憲をすすめる岸田政権と対峙し総選挙に勝利する決議」が採択されました。最後に「新自由主義政策を転換し、所得の再分配や富裕層・高収益大企業への課税を強化し、自助よりも公助、自己責任より共生、労働者・国民の暮らしを優先する政策へ転換を」「組合員はもちろんだが、組織されていない労働者・国民にも共感が広がる労働運動、平和運動が必要とされている」などとする「総会宣言」を採択しました。

あいさつする宇佐美正信議長

来賓、役員、代議員など約60人が参加

蔦友印刷の破産事件を報告する原田代議員

総会の最後には団結ガンバローを三唱

 

仲間との信頼関係を深め運動を広げていこう

県労組会議議長 宇佐美正信

昨年10月に行われた県労組会議の大会から早くも一年が経過をしました。少しこの一年間を振り返りたいと思います。

新型コロナは5月に2類から5類へと移行になりました。4年目を数える「コロナ禍」で8月19日に県労組会議として4年ぶりにソフトボール大会を開催しました。大変暑い中、各地区労組会議の精鋭たちが集まり、熱戦が繰り広げられ塩尻地区が優勝しました。終了後、団結会が開催され大変盛り上がりました。未だコロナが終息したわけではありませんが久々の開催ということもあり、一堂に会して話ができたことが大変有意義であったと思っています。普段話ができないことや初めて会う仲間がテーブルを挟み、膝を交えて話すことができたこと、コロナで制限されていたことが少し晴れたのではないかと思っています。各地区、単産の皆さんと会ってお話しすることが改めて重要だと感じました。

私たちを取り巻く情勢は今さら言うまでもありませんが生活も組合活動も労働実態も厳しい状態が続いています。詳しい情勢については後ほど、方針案の提起によりますので割愛させていただきますが、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の他、全世界では現在、武力紛争が50以上あります。最近ではイスラエルがハマスを壊滅させようとガザ地区に侵攻を始めています。こうした武力戦争によって民間人、特に女性、子どもが犠牲になっています。人の命を奪ってまで得たい物っていったい何なのでしょうか。「話し合いをしよう」「外交によって解決をしよう」とはならないのでしょうか。

戦争の影響でエネルギー、食糧、原材料上昇によって円安、物価高など、日本国内外ともに不穏・不安定な状況下にあります。

そうした中、岸田内閣は昨年12月安保三文書の改訂によって敵基地攻撃能力を保有することや、先の国会では防衛費増額の財源を確保するための特別措置法や、原発の再稼働、運転延長、東日本大震災から12年たった現在、被災者に寄り添うことなく支援の打ち切りや子供甲状腺がんの発症に対する補償は何もなく、福島原発で発生したトリチウムを含む汚染水を「関係者の理解なしには放出しない」と約束していたことを反故にし、海洋放出を強行してきました。

さらにはマスコミにこぞって放射能を含む汚染水を処理水というように誘導し、まさに戦争に突き進む道、国民生活の安全・安心を脅かす道を突き進んでいます。

武力で解決する平和などは絶対あり得ない、核と人類は共存できないことは多くの犠牲を払ってきた先人たちが教えてくれています。

こうした政治情勢ですから、岸田政権には辞めていただくしかありません。県労組会議としては政治情勢を見極めながら私たちの掲げる運動課題、政策要求に方向性が合致する立憲民主党、社会民主党と連携して運動を展開していきたいと思います。

暴走する岸田政権を許さない闘いはまだまだ続く状況ですが、多くの政治課題に対して声を上げていく地道な運動が必ず変えていくことができる力になると思います。

もう一つ、県内で大変大きな事件が起きました。県労組会議に加盟する印刷フォーラムの蔦友印刷が3月に破産手続きを申し立て、倒産しました。従業員である組合員が解雇されました。解雇によって給与及び退職金が支払われないことから、当面の生活費の補助として長野地区労組会議とで組合員に対する支援カンパを取り組んできました。仲間を助ける支援活動として多くのカンパを取り組んでいただきました。ありがとうございました。支援する側でさえ厳しいにもかかわらず大変多くのカンパをいただきました。取組みにご協力いただいた皆さんに改めてお礼を言いたいと思います。また関西生コンやJAL闘争団などこうした仲間が困っているときに支援をする、各地区や単産、単組の皆さんにまで声をかけられる労働運動ができるのは労組会議だけだと思います。皆さん自身も大変かと思いますがもっと大変な状況で助けを求めている人、労働者がいます。引き続きそうした人たちに寄り添い支援をしていきたいと思います。

最後になりますが、今年4月の統一自治体選挙では私たちが推薦する議員が当選することができました。本当にご協力ありがとうございました。

私たちはこれまで学習や交流によって仲間との信頼関係を築いてきました。その知識を生かし幅広く仲間に危険性や重要性を訴え、今まで以上に反戦、護憲、反核、脱原発を軸に平和と民主主義を守る闘いの運動を進め、労働者の雇用、平和・人権・環境に関わる運動課題について、労働者の立場に立って引き続き運動を進めていきたいと思います。

以上で県労組会議を代表してのあいさつに代えさせていただきたいと思います。

特別決議全文

総会宣言全文

 

「市民集会・脱原発2023in信州」と「脱原発集会・ワタシのミライ」

原発に未来はあるか 

10月15日、長野市で開かれた「市民集会・脱原発2023in信州」で、龍谷大学の大島堅一教授(環境経済学・環境政策学/原子力市民委員会座長)が講演されました。「原発に未来はあるか? 無責任の構造を超えて原発ゼロ社会へ」と題し、岸田政権が推し進める原発温存政策について、「原発は高コスト」「責任が問われない体質」と批判し、原発に頼らないエネルギー政策の転換を訴えました。

笑いも交えながら、難しい原発の内容を分かりやすく話す大島教授

岸田首相は、原発の再稼働や60年を超える運転延長、新増設を進める指示を8月のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議で示しました。脱炭素化を主な理由としているが、これに対し大島教授は、原発と再エネのCO2排出削減の関係を調べた国際調査で、原発の多さがCO2削減に影響を与えないこと、さらに、原発に熱心な国は再エネ導入率が低いという結果を説明し、「原発に頼る限りCO2削減は実現しない」と強調。さらに、電力供給に占める割合は4%程度にすぎず、現在約20%を占める再生可能エネルギーと逆転することは難しく、「原発は大きく衰退している」とし、国内・外で原子力事業から撤退する企業が増加していることからも、すでに斜陽化していると言え、原発推進に異を唱えました。

また、原発の高コスト体質についても言及。福島原発事故後、原発にかかる費用は、発電費・国費投入・事故対策費あわせて33兆円に上り、国民一人あたりに換算すると27万円の負担が電気料・税金にかかっています。「原子力は電気料金の底上げにつながっている」とし、多大なコストがかかる上、事故のリスクや廃棄物処理問題などを抱える原発を「国民生活にとって、不良債権」と厳しく指摘しました。

zoom含めて、約80人が参加した

さらに、原発事業の性質が、事故の責任を回避していることなど「無責任」であり、数々の隠蔽や情報公開の不足により「不可視」の構造と特徴づけ、国民の関心を高める必要を説きました。

ワタシのミライ

天気にも恵まれ、あらゆる年代が参加した集会となった。

思いが込められている歌は、聴いている参加者の心に響く。

9月18日、東京・代々木公園で行われた脱原発集会は、今回より気候変動問題を盛り込み、集会名も変更して開かれました。気候変動対策のための啓蒙活動や再生エネルギーへの転換を求める若者・市民らの運動とコラボし、環境団体のブースやビーガン料理などのキッチンカーの出店もありました。メインステージでは、福島原発事故以降、現地支援に取り組みながら活動するロックバンド、自然派ラッパーらのメッセージ性の高いパフォーマンスがあるなど、さながら「フェス」のような様相でした。司会も環境問題に取り組む20代の青年が務めるなど、若者たちの存在が目立ち、新たな運動の展開と若者世代への継承を感じる集会となりました。参加者はおよそ8千人。「ワタシのミライ」を希望あるものにするためのエネルギーのあり方は、原発に頼らず、再生可能エネルギーの普及によることを求め、公正な社会の実現に向け、声を上げました。

デモ行進は、おしゃれな表参道を闊歩。

(機関紙「じちろう長野」11月1日号より転載)

 

被爆体験の継承が今こそ求められている

原水禁県大会で広島で被爆した今井和子さんが体験談

被爆78周年の今年、広島へ原爆が投下された8月6日、長野市・県労働会館にZoom参加者も含めて約40人を集め、原水爆禁止長野県大会を開きました。

大会の冒頭、宇佐美正信・県原水禁代表委員があいさつ。岸田政権の原発回帰政策、核兵器禁止条約を批准せずアメリカの「核の傘」にとどまる対応を厳しく批判しました。

大会では、広島市が主催する平和記念式典をテレビ中継、原爆が投下された8時15分に黙とうをささげました。

アメリカ軍が原爆投下直後の広島や長崎の様子を撮影した映画フィルムを、今から約40年前、「10フィート運動」によってカンパを集めて買い取り、『にんげんをかえせ』という20分程度のドキュメンタリー映画が完成しました。原爆詩人・峠三吉の詩集のタイトルを冠したこの映画を県大会で上映しました。被爆直後の傷付いた人々の姿も映し出され、改めて原爆投下への怒りが会場にまん延しました。

その後、5歳前に広島市で被爆した長野市に住む今井和子さんが被爆体験を証言しました。

今井さんは「広島に原爆が投下された8月6日の8時ちょっと過ぎ、空襲警報があり防空壕に入ろうとしたら解除になったので、一安心していました。ところが、突然激しいピカッという閃光、それから下から突き上げるようなドーンという地響きと共に、グラグラ家が揺れて、物がバアーンと飛び散り、シャリシャリシャリとガラスの破片が飛んでいきました。まさにピカッドーンという衝撃で、今でも体の感覚として残っています。向かいの家の娘さんが下敷きになっているお父さんを『助けて、助けて』と叫んでいましたが、皆はもう自分のことで精一杯でした。その『助けて!』という悲鳴は今でも耳に残っています。その後避難場所に行くとき、背中が焼けただれた人とかが折り重なるように馬車に乗っていました。一番後ろにいた人の背中が真っ赤に焼けただれていて、その人の虚ろな目が強く記憶に残っています」と、原爆投下直後の様子を生々しく証言されました。また、今井さんは「被爆者の苦悩は2つある。一つは生涯続く健康不安。自分だけでなく子どもや孫、ひ孫にも影響が出るのではないかという不安。もう一つは生きていることの罪悪感。周りに助けを求めている人がたくさんいたにもかかわらず、助けてあげられなかったこと」と語りました。

原爆投下の8時15分に黙とう

被爆体験を語る今井和子さん

被爆二世の前座明司さんもあいさつ

広島市平和公園内にある原爆詩人・峠三吉の詩を彫った石碑