21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

「2025ミャンマー交流フェスタin信州」が無事に終わりました!

地震被災者への募金を呼びかけました

9月7日に、表参道ながのセントラルスクゥエア(長野市)で開かれた「2025ミャンマー交流フェスタin信州」を無事に終えることができました。ご来場くださった市民のみなさま、ミャンマーにゆかりのあるみなさま、ステージを盛り上げてくださった出演者のみなさま、準備から当日の運営までご尽力いただいたボランティア・スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。3回目の開催となったミャンマー交流フェスタを成功させることができました。今回のフェスタでは3月に発生したミャンマー地震被災者への募金を呼びかけました。

司会を務めていただいたスーさんと松澤さん(スーさんはミャンマー語通訳も担当)

ミャンマー舞踊家キン・モーモー(熊谷幸子)さん

若麻績敏隆ミャンマー交流フェスタ実行委員会代表

クーデター後に増加したミャンマー人

クーデターから4年7ヵ月が経過して、報道も少なくなりミャンマーへの関心が低くなるなか、ミャンマーの文化を切り口に、ミャンマーについて知っていただけるきっかけとなるイベントにできました。長野県内在住のミャンマー人の方は1280人(2024年12月31日現在)と1年で527人も多くなりました。クーデター前の207人(2020年12月31日現在)に比べると6倍に増えています。

ミャンマー現地の写真を眺める子どもたち

ミャンマーの紛争や地震被害の写真に見入る在日ミャンマー人の方々

ミャンマーの情勢について語る民主派活動家ウィンチョウ氏

ミャンマー出身者が集い交流を深める機会に

今回のフェスタでも、県内在住のミャンマー人のほか、東京からもミャンマー人グループが応援にかけつけてくれ、遠く離れた日本・信州でミャンマー出身者が集い交流を深める機会にもなりました。
ステージではミャンマーのカレン族のダンス、ミャンマー友好協会副会長のキンモーモーさんのダンス、チンロン(ミャンマーのけまり)のほか、ミャンマーの状況についてNUG日本代表ソーさんからご報告いただきました。開会式では荻原健司長野市長からご挨拶をいただき、杉尾秀哉参議院議員からも激励をいただきました。

荻原健司長野市長

杉尾秀哉参議院議員

NUG在日代表ソー氏

ミャンマーの伝統舞踊

ミャンマーけまり「チンロン」

チャリティブースや写真ブースが並びました

会場内のブースではクーデター後のミャンマーの現状を知るための写真展示なども設けられました。ミャンマー風やきそば「カウスエジョ」や、ミャンマー雑貨などのチャリティ販売ブースなども出店して賑わいました。今回もミャンマー人の生活相談・労働相談のブースが出店しました。また負傷した兵士が描いた絵をプリントしたTシャツの販売ブースも初めて出店しました。

平和になったミャンマーで和太鼓を披露したい

今年もオープニングステージでは、善光寺木遣り保存会の皆様から、子どもたちも参加して、ミャンマー語も交えてミャンマーの平和を願う木遣りを披露してくれました。「舞響太鼓 雅」さんのステージでは観衆も巻き込んで盛り上げていただきました。平和になったミャンマーで和太鼓を披露したいとご挨拶いただきました。

今年も善光寺木遣保存会さんがオープニングを飾ってくれました

「舞響太鼓 雅」の圧巻のステージ

昨年に引き続き二年連続のステージ

長野西高校書道班の書道パフォーマンス「光路」

また今年は長野西高校書道班によるパフォーマンスでは、4メートルを超える紙に書き上げられたミャンマーへのエールが掲げられました西高校書道班のメンバーの皆さんはミャンマーについて学び、みんなで相談して「光路」という言葉を選んでくれたそうです。ミャンマーの方々も善光寺木遣りや「舞響太鼓 雅」の迫力ある和太鼓演奏、西高書道班による書道パフォーマンスなど日本の伝統に根差したステージに見入られていました。

長野西高校に初出演いただきました

メンバーで話し合って「光路」という言葉を決めてくれたそうです

ミャンマーの方々から「勇気をもらえた」と感想が届いています

ダンススタジオブロードウェイの子どもたちの元気なダンスの合間には、今年もミャンマー支援に取り組む大学院生の石川航さんからミャンマークイズとミャンマーの情勢についてお話いただきました。クイズではミャンマーの民族の数などが出されました。ミャンマーには130以上の民族があるそうです。子どもたちも手を挙げて参加してくれました。

ダンススタジオブロードウェイの子どもたちのダンスステージ

石川航さんにはブロードウェイのステージの合間に子どもたちに向けてクイズやミャンマーについて伝えていただきました

237,997円をミャンマー地震被災者支援に寄付します

フィナーレはみんなで踊りました

会場内に設置したミャンマー支援募金箱には、76,074円が寄せられました。ミャンマーレトルトカレーチャリティ販売ブースを出店された「HIRO TOKYO」さんと、ミャンマー焼きそばチャリティブースの売上を加えた237,997円の全額を「在日ビルマ市民労働組合」を通して、ミャンマー地震被災者への支援に寄付させていただきます。後日、ご報告させていただきます。

信州から、日本とミャンマーのつながりをより深める一日になりました。みなさまありがとうございました。

全員での記念写真

*信濃毎日新聞にフェスタ当日の様子が報道されました*

長野県内でも増えつづけるミャンマー人

長野県内ではミャンマー人は9位

上記でも触れましたが、長野県内在住のミャンマー人は1280人(2024年12月31日現在)と1年で527人も多くなりました。クーデター前の207人(2020年12月31日現在)に比べると6倍に増えています。排外主義的風潮の拡大が懸念されていますが、外国人労働者は、人手不足が深刻化する日本社会の維持に不可欠であり、介護や建設業など、様々な産業を支えています。長野県で盛んな農林業にとっても大切な存在です。しかし外国人を受け入れることで人手不足が解消されるメリットがある一方、労働環境の改善、日本語学習支援、地域社会での偏見の解消など、受け入れ側の課題や、多文化共生を進めるための具体的な取り組みが求められています。ミャンマーと日本社会を結ぶ懸け橋になれるよう今後も取り組んでいきます。

「外国に向かうミャンマー人若年層」ジェトロ(日本貿易振興機構・地域分析レポート)

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2025/6547b85f387fafbf.html

学習会に参加してください。Zoomでの視聴も可能です

ハラスメント(カスハラ・パワハラ・セクハラ)問題

〈第19期〉21世紀の労働運動研究会 9月12日 須坂市で

労働運動研究会第3回講座の講座のテーマは「ハラスメント問題」です。パワハラ、セクハラ、いじめなど職場では労働者の尊厳を傷つける企業・使用者が相変わらず横行しています。職場での労働強化や人員削減で、労災職業病も後を絶ちません。

さらに、顧客からの理不尽なクレームや言動によって労働者のメンタルが傷つけられる「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が社会問題となっています。今年6月にカスハラ対策を雇用主に義務付ける労働施策総合推進法改正法案が可決されました。カスハラ対策を事業主の「雇用管理上の措置義務」とする内容です。

今回の講座ではカスハラ問題についても講師の小川英郎・弁護士にお話しいただきます。Zoomでの視聴も可能です。

戦後80年 日本と朝鮮半島、東アジアの過去・現在・未来を読み解く

日朝問題学習会 9月20日 松本市で

第二次世界大戦の終結、日本の敗戦から80年が経過しました。1945年8月15日、戦争終結のこの日は朝鮮半島にとっては日本の植民地支配からの解放の日でした。長きにわたって侵略戦争と植民地支配に終始した日本は、その反省に基づいて「日本国憲法」の前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しよう」との強い決意の下、世界に向けて「不戦の誓い」を表明しました。

しかし、戦後80年を経過した今、「新しい戦前」との言葉に象徴されるように「不戦の誓い」からはほど遠い状況になっている。2015年9月の「安全保障法制」の改悪以降、自衛隊は米軍とともに軍事演習を繰り返し、防衛予算はほぼ倍増しました。「敵基地攻撃能力」の保有など専守防衛を逸脱した軍拡が進んでいます。一方で、「日本人ファースト」を標榜する政治勢力が台頭し、群馬県民の森の「記憶 反省 そして友好」の碑の撤去に象徴される「排外主義」が日本社会をばっこしています。植民地時代の強制連行や慰安婦、関東大震災時の朝鮮人虐殺など様々な人権侵害を否定する歴史修正主義の横行は、もはや無視できない状態になっています。

日朝長野県民会議は、日本と朝鮮の友好な関係構築を基本に、日朝国交正常化、在日朝鮮人の人権確立、朝鮮戦争の終結などの課題に取り組んできました。日朝間では、いまだに国交がなく、植民地支配の清算もされていません。戦前を総括しきれずにきた日本社会は、いまだに植民地主義を払拭しきれずにいます。そして歴史をゆがめようとする勢力が台頭してきています。戦後80年、歴史に再び向き合い真摯な反省から新しい出発を模索しなくてはなりません。

日朝問題学習会は、講師にジャーナリストで情報誌「インサイダー」編集長の高野孟氏を招き、「戦後80年 日本と朝鮮半島、東アジアの過去・現在・未来を読み解く」をテーマに講演していただきます。日本がアジアとの障壁になっている侵略、植民地支配の歴史をどう清算するのか、歴史認識をどのように共有していくのか、これからの日本の東アジア外交の展望など、気骨のジャーナリストである高野孟さんが熱く語ります。