21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

信州市民連合が3野党と政策協定書に署名

杉尾秀哉氏が市民と野党の統一候補に

信州市民連合の共同代表7人は5月4日、立憲民主党、日本共産党、社会民主党の県事務所(立憲は杉尾秀哉選挙事務所)を訪問し、各県組織代表と政策協定書への署名を取り交わしました。杉尾秀哉氏には、政策要望書を提出、杉尾氏は「政策要望を尊重し、当選後には国政に反映する」と回答しました。

これにより、杉尾秀哉氏は、信州市民連合推薦候補、市民と野党の統一候補となりました。

信州市民連合は、5月7日(土)14時から長野市・ホテル信濃路で、杉尾秀哉氏、3野党代表などが参加するキックオフ集会を開きます。誰でもが自由に参加できる集会です。ぜひお誘い合ってご参加ください。

☞ 信州市民連合と3野党(立憲・共産・社民)との政策協定書はここをクリック

☞ 5・7信州市民連合キックオフ集会チラシはここをクリック

立憲民主党県連・下条みつ代表、杉尾秀哉氏とともに

下条みつ氏、杉尾秀哉氏と又坂常人・共同代表

日本共産党県委員会で鮎沢聡委員長などとともに

社会民主党県連合で中川博司代表とともに

「あれから11年!原発事故は終わっていない3.13アクション」 ~ 福島県いわき市 ~

福島県いわき市で、3月13日(日)「あれから11年原発事故は終わっていない3.13アクション!!」が行われるという話を聞きつけ、長野から向かい参加しました。昨年同様、コロナ禍による参加人数を絞ってのアピール行動となりました。

背後には小名浜港が広がる丘の上から掲げた横断幕

地元の各労働組合と各政党、青年層が脱原発を訴え、コロナ禍にもかかわらず、100人を超える集会となりました。


集会では、各団体の代表から、原発事故に対する思いや、今後の脱原発運動についての話がありました。

総勢100人の仲間が集会に参加した

フクシマ連帯キャラバンの齋藤さんからのアピールでは、「震災当時は高校一年生で、何が起きているのかよくわからなかった。今、子ども2人の親となり、最優先に子どものことを考えるようになった。線量、避難経路、自分の経験を伝えること、その3つが大切だと思うようになった。原発の怖さを認識していない人が多く、経験したものが伝えなければならないと強く思うようになった。」という当事者の目線での言葉が深く心に刺さりました。

フクシマ連帯キャラバン隊団長 齋藤 直道さん

社民党の狩野市議は、諦めずにトリチウム汚染水の海洋放出反対行動を続けることが大切であると訴えました。

社会民主党 狩野光昭市議会議員

青年部で構成されている福島連帯キャラバンの皆さんとともに。

 

地元いわきでの脱原発運動に参加でき、長野と福島のつながりのはじめの一歩となりました。

今後も微力ながらも地元の方たちの活動の様子や状況を伝えていけたらと思っています。

 

 

杉尾秀哉・参議院議員と県労組会議が意見交換

政策要望書と推薦決定通知書を杉尾秀哉氏に手渡す

県労組会議は3月21日、長野市内で役員、単産・地区労組会議の代表18人が参議院議員の杉尾秀哉氏と意見交換しました。コロナ禍でもあり、会場参加とオンライン参加併用で開きました。

県労組会議はすでに1月の幹事会で、今年7月に実施される参議院議員選挙長野県選挙区に立候補予定の杉尾秀哉氏の推薦を決定しています。そのうえで、杉尾秀哉氏に平和や民主主義に関わる事項や各労働組合が抱える政策課題についてまとめた「政策要望書」(別掲)を提出し、意見交換を行う方針を決めていました。

意見交換会では、冒頭、松澤佳子議長が「労働組合が行う選挙活動、政治闘争に対する規制や攻撃が強まるなか、昨年の総選挙では、なかなか先頭に立って頑張ることができなかった点は反省している。7月の参議院選挙は重要。自民党に勝利を許すと国政選挙が3年間ない『黄金の3年間』となり、憲法9条改憲や戦争ができる国にますますなっていく。労働者の要望をまとめた政策要望書を杉尾さんに手渡し、意見交換するなかで共にたたかう決意を固めたい」とあいさつ。

続いて、杉尾秀哉氏が2016年に参議院議員となって以来、長野県内のさまざまな現場を歩いてきた経過を振り返り、「働く仲間、生活者、納税者の視点を大切にする政治をめざし、次の機会が与えられれば、さらに粉骨砕身、頑張りたい」などと決意を表明。県労組会議が提出した政策要望書についても見解を述べました(杉尾氏の発言要旨は別掲)

次に、意見交換に入り、自治労、私鉄、長野地区労組会議から公共サービスや地域公共交通などについて要望が出されました。

意見交換の後、松澤議長が「推薦決定通知書」を杉尾秀哉氏に手渡し、オンライン参加者も含めてみんなで記念撮影をして終了しました。


県労組会議の杉尾秀哉氏あて政策要望書

 第26回参議院選挙に向け、長野県平和・人権・労働組合会議は、下記の通りの政策要望を提出します。貴殿におかれては、私たちの政策要望を尊重していただき、当選後の国会活動に反映していただけるように要請いたします。

1.立憲主義に基づき、憲法9条の改悪に反対し、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権を掲げる日本国憲法の原則を徹底して守ります。

2.核兵器禁止条約を批准し、脱原発と再生可能エネルギーへの転換を積極的に進めます。

3.沖縄県の米軍辺野古基地建設に反対し、日米地位協定の改定を求めます。

4.労働基本権を擁護し、労働者全体の賃金引き上げと労働者保護ルールの堅持、官民の非正規雇用の待遇改善を図り、正規雇用化をめざします。

5.男女の賃金格差、雇用格差をなくし、女性が安心して働き続けられる権利確立に取り組みます。また、LGBTsなどすべての差別の解消に取り組みます。

6.真の地方自治を実現するための財政を確立し、人員確保を進めます。病院、保健所、保育所、水道など市民の健康と生命にかかわる公共部門の充実をはかります。

7.コロナ対策については、最重要政策と位置付け、中小零細企業への支援を拡充し、雇用保障、労働条件の維持・向上に取り組みます。

8.規制緩和とコロナ禍の直撃を受けている地域公共交通の維持、活性化対策を強化します。

9.国有林は「国民の共有財産」であることを堅持し、地球温暖化防止の観点からも十分な予算を投入します。

10.食料自給率の向上や食の安全を確保し、地域における農林水産業を再建します。

11.保育、学校教育にかかる総ての費用の無償化を進め、子どもたちの学ぶ権利を等しく保障します。

12.法人税の累進税率を導入、所得税の最高税率を引き上げ、金融所得への総合課税化など大企業に応分の負担を求め、所得の再分配政策を強化します。


働く仲間、生活者、納税者の視点を大切にする政治をめざす

杉尾秀哉・参議院議員の発言要旨

■生活者の視点で現場の声を国政に届けてきた5年半

2016年7月の参議院選挙で、それまで長野県は2議席が1議席になった。全国に先駆けて市民と野党の統一候補として多くのみなさんの支持で当選できた。「よそ者」「落下傘」と言われるなかで、みなさんの支持が唯一の頼りだった。働く仲間、生活者、納税者の視点を大切にする政治をめざし、無我夢中に走ってきた5年半だった。現場の声を聞いて国政に反映してきた。地域の課題、公共交通や農業、林業の問題など長野県の課題も丁寧に拾い上げてきたつもりだが、まだまだ道半ば。次の機会が与えられれば、さらに粉骨砕身、頑張りたい。

■岸田首相の「聞く力」は国民ではなく自民党内に向いている

この5年半、安倍さん、菅さん、岸田さんと歴代3人の総理大臣と対峙してきた。岸田政権になって少しソフトなイメージになったが、安倍、菅時代の自民一強政治は基本的には変わっていない。

岸田首相は一言でいうと「中身がない」。「新しい資本主義」とか言っているがまったく中身がない。会議体をつくって中身はみなさんで考えてという態度だ。本当にこの人がリーダーでいいのか。

岸田首相が強いのは、政権を維持するためなら何でもすること。「聞く力」は国民や野党に向いていなくて、自民党内の安倍さんや麻生さん、菅さんなど派閥のリーダーに向いている。危ないなと感じる。

■大政翼賛的な政治にさせないために参議院選挙が分岐点

コロナやウクライナの事態に便乗した議論が永田町でかなり大きくなり始めている。

その一つが専守防衛や非核三原則など、憲法や平和の根幹にかかわる問題。自民党の中では「敵基地攻撃能力」の議論が出ている。相手が打つ前にミサイル基地をたたくのは「先制攻撃」に間違いない。実際には事前にたたくのは難しいので、軍拡競争をエスカレートさせるだけだ。

非核三原則の見直し、「核共有論」も実際にはアメリカは共有を認めないだろう。ウクライナは核兵器を持っていなくって、ロシアは持っている。日本もウクライナのように攻め込まれないようにするためアメリカの核兵器を日本にも配備しなければならないという安倍さんの主張は、きわめて危ない議論だ。自民党幹部が賛同して議論を始める、これに岸田首相はブレーキをかけていない。

さらに非核三原則は「昭和の遺物」と主張する維新の会などもきわめて危険だ。

 憲法9条の改定、緊急事態条項の創設なども憲法調査会も衆議院では、毎週開かれる状況となっている。

 石油などのエネルギーが高騰するなか、原発再稼働の議論も出ている。

 参議院選挙の結果によってはきわめて危ない状況になる。民主・リベラル勢力が後退すれば、自民党にフリーハンドを与えることとなる。しかも、2025年まで国政選挙がないと予想され、3年間で自民党は自由にやってくる危険性が高い。野党の状況を見てもまさに大政翼賛的な政治になってしまう危険性がある。

 日本にとって大きな分岐点となる参議院選挙。県内をくまなく歩き訴えていきたい。

被爆体験の聞き取りや平和記念資料館を見学した「ヒロシマ平和の旅」報告も

県労組会議青年女性連絡会の反戦平和学習会にオンラインで43人が参加

県労組会議青年女性連絡会は2月11日に反戦平和学習会を開催しました。昨年に続き、全面オンラインでの開催となりましたが、自治労、林野労組などから43人が参加しました。

今年は、昨年11月にヒロシマ平和の旅に参加した仲間から旅の報告を受け、原爆による爆風・熱・放射線の被害の実態を、平和記念資料館や被爆電車でのフィールドワーク、被爆体験者の講話の報告から学びました。また、広島の高校1年生の講演にふれ、彼女は広島と他県の平和学習に対する環境や思いのギャップに愕然とした経験や、語り部や被爆樹木など正しい歴史を語り継ぐものが減っていくことに危機感を抱き、自らが主体的に平和活動をしていることに、感銘を受けたことも報告されました。

学習会にはオンラインで43人が参加

2月11日の「建国記念日」は神話!?

広島平和の旅の報告

 

「広島で起きた悲劇を二度と繰り返さない。

今度は自分たちが歴史を紡いでいく番だ」(吉田将大さん)

 

信州市民連合と3野党が「共同のテーブル」開く

総選挙の総括議論と参院選への方向性について意見交換

県内の市民団体でつくる「信州市民連合」は1月22日、長野市生涯学習センターで県内の3野党代表とともに「共同のテーブル」を開き、「市民と野党の統一候補」で戦った昨年10月の総選挙の総括と、今年7月に予定される参議院選挙に向けた取り組みの方向性について意見交換しました。

信州市民連合からは、5選挙区の市民連合の代表者が会場とオンラインで25人が出席、野党は、立憲民主党県連から杉尾秀哉・代表代行(参議院議員)、下条みつ・幹事長(衆議院議員)など4人が参加、日本共産党県委員会からは鮎沢聡・委員長など2人が、社会民主党県連合からは中川博司・代表(県議会議員)が参加しました。

意見交換では政党側から「総選挙では、政党の訴え方が弱かった。参院選では、今の自民党政治はだめだと思ってもらう保守層にも食い込める政策が必要だ。野党になればよくなるという選択肢を示すことが大切だ」(立憲民主・杉尾秀哉氏)、「長野県では新政信州も加わる形で独自の判断でやってきた。参院選に向けて地方で合意したことは実施したい。ただ、中央に対しても丁寧に対応する」(立憲民主・下条みつ氏)、「総選挙は市民連合のとともに気持ちよく戦えた。本格的な共闘の体制で戦ったことは歴史的意義があり、第一歩を踏み出した。これを権力側が恐れた。政策内容の訴え方などには課題が残った」(共産・鮎沢聡氏)、「市民と野党の共闘こそが、国民の生活や権利のためになるという点を強調した取り組みが必要」(社民・中川博司氏)などの意見が出されました。

信州市民連合からは、「市民と野党の統一候補として継続を。参院選では『長野方式』を深化させるべき」、「政策が共闘の基本。市民連合と野党の政策を詰めていく必要」、「地方で合意する体制をつくって、中央に認めてもらう方向で政党の中で確認してほしい」、「参院選でも市民と野党の共闘で戦う方向性の確認を。政策については、参院選では何を訴えるのか、総選挙の政策は反対運動のスローガンだと批判された。ふんわりと幅広い人々に共感を呼ぶ政策を」などの意見が出ました。

会議ではまとめとして、①参院選に向けて信州市民連合と野党との間で何らかの形で政策に関する協定・確認が必要であるという認識で一致したこと、②政策については信州市民連合で案をつくり、政党側と協議して詰めていくことなどについて確認しました。

コロナ禍を乗り越え、新たな団結と連帯で、地域労働運動・平和運動を未来につなごう

第41回全国地区労交流会を長野市で開く

長野県労組会議と12地区労組会議・単産でつくる実行委員会は、「コロナ禍を乗り越え、新たな団結と連帯で、地域労働運動・平和運動を未来につなごう」をスローガンに11月13日、長野市のホテル・メルパルク長野で第41回全国地区労交流会を開きました。コロナ禍のなかで開いた全国集会でしたが、全国・県内とも参加を制限し代表者のみが参加する集会としました、また、インターネット・Zoomでの配信も行いました。集会には、全国・県内から63人の参加者が集まり、Zoomでの参加者は約20人でした。各地の運動の経験交流や松代大本営地下壕の見学などを行い、成功裏に終わることができました。

記念講演は、阿智村にある満蒙開拓平和記念館館長の寺沢秀文氏。寺沢氏は、全国で一番多くの団員を送り出した長野県の歴史を述べ、「長野県民が被害を受けた事実と同時に、中国に対する加害の側面もあったことを忘れてはならない」と強調しました。

各地区労や団体からの報告者は以下の通りです。

1)沖縄の米軍基地問題  桃原 功(宜野湾市議会議員)、大城孝之(中部地区労事務局長)

2)福島原発事故・汚染水問題  福島県・小名浜地区労 松本耕三(議長代行)

3)関西地区生コン支部弾圧事件  全日本建設運輸連帯労働組合 小谷野 毅(書記長)

4)JAL争議団闘争報告 鈴木圭子(団員)

5)コロナ禍での労働相談 神戸地区労 宇野克巳(議長)

6)長崎バスユニオンの闘い 長崎地区労 加世田和志(書記長)

7)コロナ禍の地域公共交通の現状 私鉄長野県連 若林茂(書記長)

8)労働相談・組織化 松本地区労組会議 平谷哲治(事務局長)

「女性労働者は、女性として、労働者として、二重の 鉄鎖に縛られている」

21世紀の労働運動研究会 - 女性労働者の権利について学ぶ

県労組会議と各ブロックの地区労組会議が主催して開いている「21世紀の労働運動研究会」は11月6日、松本市・Mウィングで今期3回目の講座を開きました。

講演のテーマは、女性労働者の権利と非正規公務員問題について。県労組会議議長の松澤佳子さんが30年にもなる自らの労働運動の経験を交えながら講演しました。

松澤さんはまず、女性労働の現状について報告。一般労働者の間で、女性労働者の賃金は、男性労働者と比べて75%程度にとどまること、非正規労働者の割合も女性が圧倒的に高いことなどについて説明しました。戦後、資本側と労働側との間で、女性労働者の「保護か平等か」の点について論争があり、資本・経営者側は、平等を主張するなら労働基準法の女子保護規定(深夜業、残業規制など)をはずせと主張し、労働側は、女子保護規定の撤廃に反対し、努力義務ではない男女平等法を求めてきたと紹介しました。

■女性解放運動家・山川菊栄に学ぶ

また、松澤さんは、戦前から戦後にかけて女性解放運動に身を投じた山川菊栄を紹介。1918年の「母性保護論争」で、歌人の与謝野晶子は「女性の経済的自立」を求め、思想家の平塚らいてうは「母性保護」が重要だと主張したこと、山川菊栄は「どちらも必要」とし、「両方が解決しても、根本的な解決にならない。『資本対労働』の問題の解決こそ必要」だと訴えたことを紹介しました。また、松澤さんは、1925年に山川菊栄が起草した日本労働組合評議会「婦人部テーゼ」で、「女性は、社会的・経済的に弱者であり、資本家の攻撃は、まず女性にむけられる。女性の奴隷的美徳ー従順と無知を利用して、賃金を引き下げ、男性の賃金を引き下げ、全体の生活水準を引き下げている。女性労働者は、女性として、労働者として、二重の鉄鎖に縛られている。女性労働者を組織しなければ、資本の側にとりこまれて、労働組合を弱体化させる」と、山川菊栄が労働組合「婦人部」の組織化を強調した歴史を解説しました。

■「団結なくして権利なし」-宮里邦雄・弁護士の言葉を実践しよう

講演の最後に松澤さんは、55年間にわたり労働弁護士一筋で活躍されている宮里邦雄・弁護士(元日本労働弁護団会長)の言葉を引用。「労働者の権利は孤立したものではなく、仲間によって守る社会的権利。団結がなければ権利は守れない」と強調しました。

コロナ禍を乗り越え労働者の新たな団結と連帯を

県労組会議が定期総会開き、コロナ後の運動の再構築を確認

長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月22日、長野市のホテルメルパルク長野で第26回定期総会を開き、コロナ禍で生活と労働に直撃を受けた医療・公衆衛生の労働者や地域公共交通に携わる労働者を支援していくこと、感染防止対策のため中止や延期になったさまざまな運動を、コロナ後には改めて多くの仲間が参加できる運動にしていくこと、10月30日に投開票となる総選挙で市民と野党の統一候補を支援することなどを確認しました。

主催者を代表して松澤佳子議長は、「1年半以上にもおよぶコロナ禍は、私鉄、国労、全自交など公共交通を担う仲間や、病院や自治体の現場で働く仲間に大きな犠牲を強いている。一方、自公政権はアベノマスク、学校の一斉休校など非科学的で『やってる感』を漂わすだけの政策に終始してきた。『新しい資本主義』を掲げた岸田内閣もすでに掲げた政策は後退し、アベ・スガ政権を引き継ぐものであることは明白。中国や朝鮮民主主義人民共和国の脅威を盾に、『敵基地攻撃能力』の保有に前のめりになっているが、武力では何も解決しないばかりか危険であることはアフガニスタンやミャンマーの情勢からも明らかだ。アウシュヴィッツ強制収容所から生還した精神学者のフランクルは、著書『夜と霧』の中で最後まで助け合ったり夕陽を美しいと感じる人間性を失わなかった人が生き残れたことを書いている。厳しい状況下だからこそ、職場や地域で連帯し、労働者が団結することが必要だ」などとあいさつしました。

来賓は、連合長野から根橋美津人・会長、立憲民主党県連から篠原孝・代表(衆議院議員)、社会民主党県連合から中川博司・代表(県議会議員)、労働事業団体を代表して県労福協から中山千弘・理事長があいさつしました。

質疑討論では3人が発言しました。「コロナ禍で地域公共交通は大変な状況。県労組会議から各単組への激励金に感謝」(私鉄県連)「県労組会議青年女性連絡会で2年ぶりに反核平和の火リレーを実施した。12地区中7地区で実際にランナーが走った。若い人が平和を考える機会になっている。運動を止めずにやっていきたい」(自治労)、「アスベスト被害で仲間を亡くした。JR車両所で今でもアスベストが古い車両や建材に使用されている。引き続き取り組みを職場で進めたい」(国労長野)などの発言がありました。

総会では、岸田自公政権と対峙し、総選挙に勝利する特別決議と、「組合員はもちろんですが、組織されていない労働者・国民にも共感が広がる労働運動が今こそ必要とされています。コロナ後を見据えて、地域社会において労働者の新たな団結と連帯を再構築しましょう」とする総会宣言を採択しました。

☞ ここをクリック 岸田自公政権と対峙し、総選挙に勝ち抜く特別決議

☞ ここをクリック 定期総会総会宣言

青年女性が原発について学びました!

反核平和の火リレー事前学習会「いまさら聞けない原発のギモン」

元京大原子炉実験所助教・小出裕章さんの講演とトークセッション

第34回長野県反核平和の火リレー事前学習会が6月19日、松本市で開かれました。リレーは、労働組合の所属を超えた青年女性の仲間でつくる実行委員会で取り組まれ、今年は7月13日から8月10日の日程で行われます。

今年は福島原発事故から10年の節目であり、リレーでかかげる「核廃絶」を実現するうえで避けられない「脱原発」の課題について、改めて学びたいという実行委員会での議論から、元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんを講師に招き「いまさら聞けない原発のギモン」と題し開きました。

講演で小出さんは、原発の燃料となる核分裂を起こすウランは、採掘される天然ウランのうちわずか0・7%しか含まれず、発電所で使うには高度な濃縮技術が必要でありエネルギー資源としてとても貧弱であると説明。そのうえで、原子力推進派が推す、核分裂に適さないウランや使用済みウランから生成したプルトニウムを高速増殖炉で燃やし再利用し続ける核燃料サイクルという「夢の原子炉計画」についても、開発を始めた1968年の68年の8年の段階で1980年後半には実用化できるとしたものの、50年以上たった現在も技術開発の目途すらたたず、破綻した計画であると強調されました。福島原発事故は原発が安全ではないことを事実を持って示した、原子力に夢をかけること自体が間違いだと訴えました。

講演後、青年女性の代表者と小出さんとの意見交換の場が設けられ、フクシマで働く被曝労働者の実態やトリチウム水の危険性について質問が出されました。また今回会場参加者に加え、ZoomとYouTubeによるウェブでの視聴参加もあり、チャットを通じて質問意見が寄せられました。最後にウェブ参加者から、「ここまで危険の多い原発を国や電力会社は何故やめられないのか」という質問が出され、小出さんは、「国は、電力会社が必ず儲かる仕組みを作り原発を国策民営として推し進めてきたことが一つ、もう一つは原子力=平和利用、核=軍事利用と全く別物のように扱いながら実は核兵器をもつ潜在的能力を蓄えたい、失いたくないという理由から国は原発を手放せないでいる」と説明しました。

事前の参加者アンケートでは原発利用について、賛成、反対様々意見が寄せられましたが、科学的見地と事実に基づく小出さんの説明に「知らないことが多いと改めて感じた」「原発賛成の意見が変わった」という感想が寄せられ有意義な学習会となりました。