21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

参院選が公示 羽田次郎氏が長野駅前で第一声

与党を過半数割れに追い込み、新しい政治の風景をつくろう

7月3日公示、20日投票の参議院議員選挙が始まりました。羽田次郎氏は長野市内のホテルで出陣式を行った後、長野駅前で第一声演説を行いました。

労働者・国民の暮らしといのち、平和を守り抜くために何としても負けられない選挙です。自公政治はもはや行き詰っています。政治の風景を劇的に変えて、国民に寄り添う政治を取り戻しましょう。

◆羽田次郎氏の第一声 「国民の生活が第一の政治を」

国民の手に政治を取り戻す

いよいよ今日が参議院選挙の公示です。参議院選挙であるけれども政権選択の選挙であります。

父の孜は、国会は法律をつくる、その条文の向こうには国民生活があるんだ、政治は国民生活を豊かにするためにあるんだと申しておりました。53歳で新型コロナで妻と3人の子供を残して亡くなってしまった兄、雄一郎は、子どもたちの未来がそのまんま日本の未来になる、子どもたちの未来のための政治を行わなければならないと最後まで言い続けておりました。私自身も、4年前の補欠選挙で、小さな声に光を当てるのが政治の役割であると訴え、皆様から国政へ送り出してただきました。

昨年10月の衆議院選挙によって、少し国民の生活に寄り添う政治が進んだと思います。しかし、いまだに物価が高くて国民が苦しんでいる、賃金がなかなか上がらなくて苦しんでいる、子どもの食事をどうするか悩んでいるお父さん、お母さんがいる、その一方で、政治家は裏金を作り、パーティーをやり、そして追及されても責任を取らず証拠まで隠滅していく。こんな政治をもうこれ以上続けていてはいけません。

私は、政治を国民の手に取り戻すために今回出馬することを決意いたしました。

暮らしに安心、地方に活力を取り戻す

国民のための政治、私は3つのことを訴えていきます。

まず1つは、暮らしに安心を取り戻す。食料品の消費税をゼロにする、ガソリンの暫定税率を廃止する、年金を安定させる、医療や教育、介護を充実させていく、

2つ目は、地方に活力を取り戻す。信州長野県では、農業や林業、観光業、そしてものづくり産業と、力は十分にあります。でも、それが生かしきれていません。自分たちで頑張るけど、その上でやはり国が後押しをしていくことがどうしても必要てす。交通インフラ、デジタルインフラも整備をしていかなければいけません。

そうしなければ若い人たちが戻ってきません。新しい人たちも住み続けることはない、人が戻ってくる故郷信州を作り上げていかなければなりません。

そして3つ目は、やはり政治に信頼を取り戻すことです。政治が国民の視線から逃げ続ける、政治が国民と向き合わない、そんなことを続けていたら日本の民主主義は本当に終わってしまいます。

この選挙で国民の生活が第一の政策、そして私たち立憲民主党が野党第1党としてしっかりと野党の力を結集し、自民党政治からまっとうな政治を再び取り戻します。

今一度、みなさまのお力を私、羽田次郎にお貸しいただけるようにお願いして第一声とします。

◆又坂常人氏(信州市民連合共同代表)あいさつ

チェンジが参院選の最大の目標

今回の選挙のキャッチフレーズは「チェンジ」です。これが選挙の最大目標であると思っております。

選挙の争点は3つあると思います。

1つは、国民の生活の問題です。

安倍晋三さんが政権を取ったが2012年。それから国民の生活はどんどん悪くなっています。実質GDPは全く上がっていない、実質賃金はむしろ下がっています。そして、2度の消費税の増税によってどんどん国民の手取りが減っています。

今、マクロの国民負担率は48パーセントです。公租公課で収入の半分が持っていかれている。取った税金をどうやって使ってるのか。皆さんが満足できるような使い方にはなっていない。まずは手取りを増やす、消費税を減税する。で、大胆な財政出動をして経済を立て直す。この道を選ぶかどうか。これが第一の焦点です。

2つ目の争点は、日本の社会、国の在り方をどうするのかという点です。

今、一部の政党が国を全体主義的な価値観でまとめようという主張をしています。外国人は全部排斥しようとか、夫婦別姓になったら日本の伝統を壊すとか。一人ひとりの人間が一人ひとりの個性を発揮して、そして力を十分に出すことによってこの国が活性化されていきます。そういった多様性を認めてみんなが生き生きと働ける社会をつくる、これが2つ目の争点です。

戦争の道か、平和への道か

3つ目の争点は、戦争と平和の問題です。今、世界中で戦争の火種が広がっています。ウクライナ、パレスチナ、イラクなどで戦火が上がっています。トランプ大統領は、防衛費をGDP5%にしろとヨーロッパに要求しました。日本のGDPは今、600兆円です、5%ならば30兆円と現在の3倍となります。こんなことは絶対に許してはなりません。日本の平和に全くつながらない。戦争の道を選ぶのか、平和の道を選ぶのか、3つ目の争点です。
国民の利益にかない、勤労者の生活のために、立憲野党の躍進が不可欠です。市民と野党の共闘によって立憲野党を躍進させて「チェンジ」を実現することがこの選挙です。

相手候補はキラキラしていますが、いくらキラキラしていても所詮は自民党の候補者です。信濃毎日新聞に相手の政策が出ましたけど、独自の政策なんか全くない、すべて自民党のテンプレートに沿った政策です。

羽田次郎と名前を書くことでこの国のチェンジにつながる、そして政権交代につながるんだと思います。何としても羽田次郎の勝利を勝ち取りましょう。

県労組会議が羽田次郎・参議院議員を推薦

羽田次郎・参議院議員に推薦決定通知書・政策要望書を手渡す宇佐美正信・県労組会議議長

昨年10月の総選挙で自民・公明でつくる連立与党は衆議院で過半数を割り込みました。政治とカネの問題で国民の批判が高まっていたことはもちろんですが、物価高騰のなかで生活支援策が無策であったことや、「敵基地攻撃能力」保有を宣言し、防衛費の倍増をめざす政策など、自公政権の対応が国民の厳しい判断を招いた結果でした。今年1月から始まった通常国会では与野党伯仲状況を反映し、政府提出の予算案が修正されたり、与野党の合意がない法案は強行突破できなくなるなど、安倍政権以降の「一強多弱」の政治状況が様変わりしました。

7月3日公示、20日投票で参議院議員選挙が行われます。衆議院で与党の過半数割れとなっているなか、参議院でも与野党逆転を実現し、政権交代への道筋をつけていくための重要な選挙となります。

参議院長野県選挙区が定数2人から1人区となった2016年の選挙以降、長野県では2016年・杉尾秀哉氏、2019年・羽田雄一郎氏、2020年補選・羽田次郎氏、2022年・杉尾秀哉氏を野党統一候補として、市民・労働者、野党が一体となって闘い、いずれも自民党候補に勝利してきました。この市民と野党の共闘は「長野モデル」と全国的にも評価されてきました。7月に行われる参議院議員選挙でも野党の候補者を一本化して闘うことを信州市民連合と立憲野党(立憲民主党、日本共産党、社会民主党)が合意しました。

県労組会議は、羽田次郎氏(現職/立憲民主党公認)の推薦を決定し、6月14日に推薦決定通知書と政策要望書を手渡しました。

 

 

6月28日に長野市で「アスベスト被害面談・電話相談会」を開設

アスベスト(石綿)が気になる方、気軽に相談してください

2005年のクボタショック以降、アスベスト(石綿)問題が、労働現場でのアスベスト使用や解体に伴うばく露、中皮腫・肺がん発症など労働災害問題にとどまらず、一般市民にも健康被害を及ぼす危険性が明らかになり、重大な社会問題として認識されるようになりました。アスベストによる健康被害は、30年から40年と言われる長期間にわたる潜伏期間ののちに中皮腫、肺がんなどが発症するため、アスベスト大量使用時代に現役であった労働者や関連工場の周辺住民の健康被害が現代の問題として浮上しています。また、アスベストの吹付、建材に使用された建築物の解体時期を迎える問題も地域社会にとっては重要な問題です。高度経済成長時代の効率のみを追い求める社会風潮が生み出したアスベスト問題は、経済優先の「負の遺産」です。これからの時代は、何よりも人の命や健康を優先させる社会が求められています。

長野県内でもアスベストを扱う事業所での労働者のばく露問題や建築物に使用されるアスベストの解体・補修時の飛散問題など、大きな社会問題となっています。JR東日本では現役の社員がアスベストばく露により悪性胸膜中皮腫を発症、闘病のすえ死亡するという労働災害も注目を集めました。

また、建設アスベスト訴訟で最終的に国の責任が最高裁によって認定され、政府は2022年1月からアスベスト被害にあった建設労働者へ「給付金」を支給する制度をスタートしました。しかし、最高裁に賠償責任を認定されたアスベスト建材メーカーは、「各メーカーのシェア割りがわからない」「どの現場にどれだけ使用されたのかが不明」などの理由で、給付金制度への参加を拒み、現在も裁判で争っています。

建材メーカーを相手取った損害賠償請求裁判「東日本建設アスベスト訴訟」(横浜地裁)は、2021年10月に提訴され、第6次提訴まで48名の原告が裁判で争っています。

アスベストによる肺がんで亡くなられた長野市の内装工・Aさんの遺族(妻)がこの裁判に昨年6月7日、提訴しました。現在、準備書面のやり取りが続いていますが、今年の年末から原告尋問が始まる予定です。

「長野県アスベスト対策センター」は2018年4月に結成しましたが、「NPO法人じん肺・アスベスト被災者救済基金」(神奈川県横須賀市)の協力により、長野県内の県民・労働者、関係事業者などを対象に、長野市で面談相談会・電話相談会を開設します。

アスベスト被害の補償・救済については、労災補償制度(主管:厚生労働省等)と労災以外の救済制度(主管:環境省・環境再生保全機構)によって実施されていますが、制度に対する周知や関係者の認識不足などによって、補償・救済を受けられないで苦労されている患者と家族がおられます。また、中皮腫はじめアスベスト関連疾患の治療について相談先を求めておられる場合も少なくありません。

また、政府がアスベスト被害にあった建設労働者へ「給付金」を支給する制度についても、まだまだ周知されているとは言えません。

長野県アスベスト対策センターではそうした実情に対応し、過去11回、長野市・松本市で電話相談や相談会を実施し、補償・救済の促進、情報の提供を行ってきました。実際に労災申請へつながる相談も数件ありました。

今回の相談会を通じて、アスベスト被害の実態を掘り起こすとともに、少しでも悩みや疑問がある人からの相談への対応や、健康被害で苦しんでいる人への救済制度の説明など、身近な相談センターとして親身に相談に乗ります。

長野市でのアスベスト被害 面談・電話相談会の計画概要

1.日  時  6月28日(土) 10:00~16:00

2.相談場所  面談相談 長野県労働会館3階 第2小会議室(長野市県町532-3)

電話相談 026-234-2116

※相談料は無料/秘密厳守

※面談相談を希望される方は事前に連絡を。

3.主  催  長野県アスベスト対策センター

協力:NPO法人じん肺・アスベスト被災者救済基金(神奈川県横須賀市)

長野県アスベスト対策センター第8回総会・学習会を開催しました

長野県民の命と健康を守る活動を推進していくことを確認

長野県アスベスト対策センターは、5月24日に県労働会館(長野市)で、第8回総会を開催しました。オンライン参加者を含めて約30人が参加しました。

2024年度の活動経過報告として、アスベスト被害面談・電話相談会(面談3人・電話相談3人)、アスベスト裁判に関わる福田護弁護士、山岡遥平弁護士を講師とした学習会(県労組会議と共催)、アスベストによる肺がんで夫を亡くされた県内在住のご遺族が、建材メーカーへ損害賠償を請求する集団訴訟に参加するための支援などのとりくみが報告され、今年度も引きつづき活動方針に沿って、長野県民の命と健康を守る活動を推進していくことが確認されました。

「県アスベスト対策センター」の鵜飼代表

昨年の能登半島地震とその後の豪雨災害で被害を受けた石川県珠洲市の建造物でも、発がん性が高いアスベスト「青石綿」が露出したままになっていることがNPO法人「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」(東京都)の現地調査で分かったとの報道がされています。アスベスト自体の製造は禁じられましたが、古い建築物には、吹付や建材にアスベストが使用されており、今後、解体が進むなかで新たなアスベスト被害が生じかねません。

また今年は阪神淡路大震災から30年を迎え、復旧作業や解体作業に従事した人々がアスベストを吸い込んだことで肺がんを発症し労災認定がされるなど、今後被害が顕在化してくる可能性が懸念されています。アスベストは、曝露後30~40年が経過して発症するが多いため、これから過去のアスベスト曝露による中皮種や肺がんなどを発症する方が増えることが予想されます。

県アスベスト対策センターは、吹付アスベストやアスベスト建材を使用した建築物の解体が2020年代後半にピークを迎える状況から、これからさらにアスベスト被害が広がる危険性があると認識し、労働者・県民の命と健康を守るために活動を進めていきます。

アスベスト被害者のご遺族から連帯のあいさつ

「じん肺・アスベスト被災者救済基金」の池田理恵氏

建材メーカーへの損害賠償を請求する集団訴訟に参加する県内在住のAさんと「じん肺・アスベスト被災者救済基金」の池田理恵氏から連帯の御挨拶をいただきました。Aさんは、「アスベストの知識がなく、どこに相談すればいいかわからなかったが、テレビでアスベスト相談会があることを知り、相談することができた」と県アスベスト対策センターを知るきっかけを紹介され、抗がん剤や放射線治療、在宅での24時間酸素療法などを試みたが、次第に体力が落ちていき寝たきり状態になった夫に何もしてあげられず本当に辛い日々だったと当時を振り返られました。「アスベストで被害にあわなければ、孫やひ孫と楽しく遊んだり、趣味の家庭菜園でおいしい野菜を育てたりしていた」と夫の無念について話され建材メーカーとたたかう裁判への協力を呼びかけました。

講演動画「アスベスト問題の現在と今後の対応」を視聴

総会終了後には、学習会として村山武彦教授(東京科学大学・環境社会理工学院)による講演動画「アスベスト問題の現在と今後の対応」を視聴しました。アスベストの産業利用、アスベストの有害性と曝露の機会、アスベスト曝露による影響の広がり、外国の動きと総合的対策の必要性という内容でした。

日本でも大量に輸入され建材等で使用された

2028年(令和10年)に解体のピークを迎える

アスベストの種類や特性、過去から現在までの使用実態とその背景、健康被害のメカニズムと日常生活や職場でのリスク、中皮種などを発症した被害者の実態と社会の関心の薄さなどアスベストをとりまく現在の状況を網羅的に学ぶことができました。

BRICsなどの新興国でアスベスト使用が続いていることがわかる

最後に、海外の規制事例(オーストラリア)やインドなどの新興国でのアスベスト使用の広がりなど国際的な動向を踏まえたうえで、日本での包括的な対策の重要性が指摘されました。アスベスト問題の全体像と今後の対応策がわかりやすく解説されています。アスベスト問題に関心のある方はぜひご視聴ください。

動画は環境省の「環境省環境管理課公式チャンネル」から視聴できます。また資料(PDF)もダウンロードできます。

講演動画と資料ダウンロードのリンク

【Youtube】東京工業大学・村山教授講演「アスベスト問題の現在と今後の対応」

https://youtu.be/hjrg78p82EE?si=6-vhNvSUcXz1eyZe

【資料ダウンロード】講演スライド資料(環境省)

https://www.env.go.jp/content/000063557.pdf