21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

800人が「政治を変えよう」とアピール

杉尾ひでやさんも参加-松本市で県民のつどい・パレード

信州市民連合と賛同する呼びかけ人が主催して「ウクライナ即時停戦、憲法9条改悪と軍事力拡大を止めよう」をスローガンに6月5日、松本市・あがたの森公園に約800人の市民を集めて、「変えたい!政治。つくりたい!戦争のない日本。6・5長野県民のつどい」が開かれました。参議院議員の杉尾ひでやさんと3野党代表、特別ゲストに菱山南帆子さん(全国市民連合運営委員)が集会に参加。若者と女性をテーマにしたトークセッションも行われました。つどいの終了後には、市街地をパレード。道行く人たちに「変えよう、政治」とアピールしました。

 

自公政治では国民のくらし、いのち、平和は守れない

参議院長野県選挙区 労働者の力で杉尾ひでやさんの当選を

国民の暮らしといのち、平和を守れるかどうか、今後の国政を左右する重大な参議院議員選挙が6月22日公示されました。市民と野党の統一候補、杉尾ひでやさんは、長野駅前での第一声で「国会での6年間の活動と県内の地域を隅々までまわってきた経験を今後も生かさせてほしい」と第一声で訴えました。

県労組会議は、杉尾ひでやさんを推薦、政治を国民・労働者の手に取り戻すために全力を尽くします。市民団体でつくる信州市民連合も「市民と野党の力で」杉尾ひでやさんの必勝を訴えています。

 

信州市民連合が3野党と政策協定書に署名

杉尾秀哉氏が市民と野党の統一候補に

信州市民連合の共同代表7人は5月4日、立憲民主党、日本共産党、社会民主党の県事務所(立憲は杉尾秀哉選挙事務所)を訪問し、各県組織代表と政策協定書への署名を取り交わしました。杉尾秀哉氏には、政策要望書を提出、杉尾氏は「政策要望を尊重し、当選後には国政に反映する」と回答しました。

これにより、杉尾秀哉氏は、信州市民連合推薦候補、市民と野党の統一候補となりました。

信州市民連合は、5月7日(土)14時から長野市・ホテル信濃路で、杉尾秀哉氏、3野党代表などが参加するキックオフ集会を開きます。誰でもが自由に参加できる集会です。ぜひお誘い合ってご参加ください。

☞ 信州市民連合と3野党(立憲・共産・社民)との政策協定書はここをクリック

☞ 5・7信州市民連合キックオフ集会チラシはここをクリック

立憲民主党県連・下条みつ代表、杉尾秀哉氏とともに

下条みつ氏、杉尾秀哉氏と又坂常人・共同代表

日本共産党県委員会で鮎沢聡委員長などとともに

社会民主党県連合で中川博司代表とともに

新潟の韓国総領事夫妻が松代大本営を訪問

追悼碑を守る会が案内 - 日韓で歴史認識の共有をめざして

駐新潟大韓民国総領事館の権相熙(クォン・サンヒ)総領事と李琴蘭(イ・クムラン)夫人が4月11日、長野市の松代大本営象山地下壕を訪問され、「松代大本営追悼碑を守る会」の表秀孝会長など3人が地下壕を案内しました。見学の終了後には、日韓両国に根深い対立を生んでいる歴史認識問題などについて意見交換しました。

一昨年(2020年)8月、追悼碑を守る会が開いている建立記念式典に初めて総領事が出席、それ以降、総領事館と守る会の交流が継続しています。今回は、総領事が昨年、交代されたので松代大本営には初めての訪問となりました。まず、追悼碑の前で、碑の建立の目的を説明。過去の日本による侵略・加害、朝鮮半島の植民地支配の歴史を反省し、未来に向かって朝鮮半島との友好交流をめざして碑を建立した経緯を説明しました。また、長野市が設置した地下壕工事の説明看板の前では、2014年に長野市が看板の説明文の「強制的に」という文言に白いテープを張って隠し、その後、朝鮮人強制連行の歴史的事実をあいまいにする説明文に修正した経過を説明しました。

象山地下壕内では、削岩機のロッド(先端部分)が残っている場所や敗戦後に朝鮮人労働者がカンテラのススで書いた落書きの写真などを見学しました。また、工事によって犠牲となった朝鮮人労働者は、100人から300人程度だと言われていると説明すると、同胞の苦難に思いをはせて、追悼碑前で黙とうを捧げられました。

松代大本営・象山地下壕を韓国文化放送(MBC)が取材

朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑を守る会が案内と説明

韓国の全国ネットのテレビ局、韓国文化放送(MBC)が3月23日、長野市松代を訪れて象山地下壕を取材しました。松代大本営追悼碑を守る会の表秀孝会長など2人が取材に応対しました。

MBCからは、記者とディレクター、カメラマンの3人が来訪し、松代大本営工事の概要や「朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑」の建立経過、長野市が説明看板の案内文を修正し、朝鮮人の強制連行・強制労働の歴史的事実をあいまいにしてしまった問題などについて取材しました。

守る会は、大本営工事では約6千人の朝鮮人労働者が働かされ、犠牲者の数は100人から300人程度だと推定されていると説明しました。壕内に残る削岩機のロッド(先端部分)や敗戦後に書かれたと思われる朝鮮人労働者の落書き(写真展示)、岩くずを運ぶために利用されたトロッコの枕木跡などについて説明しました。

また、2014年に長野市が設置した松代大本営地下壕の看板説明文で、「強制的に」と表現していた文言に白いテープを張り隠し、その後、新しい説明文で「必ずしも強制ではなかった」などと歴史的事実をあいまいにしてしまった問題についても説明しました。

この取材の様子は、韓国内のMBCニュースで4月上旬に放映される予定です。

インタビューを受ける表秀孝会長

長野市が2014年まで設置していた説明看板。説明文の「強制的に」という文言に白いテープが張られ隠された。

敗戦間際の松代大本営への遷都計画の一環

長野市安茂里小市にも「海軍地下壕」が

地元住民が「資料館」を開き保存・公開活動を展開

長野市安茂里小市に敗戦間際に旧海軍が掘った地下壕があります。

この地下壕は、松代大本営へ天皇や政府機関を移転させる大遷都計画の一環として、旧海軍が中枢機能を置く予定の地下壕です。1945年6月から掘削され、約100mを掘ったところで敗戦を迎えました。地下壕を掘削したのは、海軍の直属部隊で、安茂里小市地区に100人前後が寝泊まりしながら作業に従事しました。

地下壕の南側には、遠く松代を眺望できる地点があり、象山や舞鶴山、皆神山が見えます。海軍地下壕の標高は、松代地域より約25m高い385mで、海軍の通信隊の拠点にする予定であったようです。

地元では地下壕を保存・公開し、歴史を語り継いでいこうと昨年、「昭和の安茂里を語り継ぐ会」が発足しました。地下壕周辺に看板や階段を設置するなどの整備をすすめ、昨年8月15日には地元の松ケ丘小学校親子見学会を行うなど、地元住民が積極的に活動してきました。

そして、「語り継ぐ会」は、昨年12月12日、共同代表の一人が所有し空き家になっていた地下壕隣にある木造平屋の家をリフォームして「小市海軍地下壕資料館」をオープンしました。壕の掘削時に使用した分厚い松の板や鉄カブト,毛布、布製のバケツ、水筒など、当時の掘削工事の様子を想像させる展示品が飾られています。

朝鮮大学校卒業・一橋大学院生の金穂実さん(東京)が海軍地下壕を見学

朝鮮大学校を卒業し、現在、一橋大学院の修士課程に籍を置く金穂実さんは、修士論文の作成中ですが、そのテーマとして松代大本営工事を選択しました。1カ月に1回は長野市に来て、松代大本営に関する関係者からの聞き取りや資料収集をしています。1月19日、金さんは、初めて小市海軍壕を見学。「語り継ぐ会」のメンバー5人が案内、説明してくれました。地元の小市区長や信濃毎日新聞記者も参加し、大変な歓迎を受けました。

金さんは見学後、「小市海軍壕は初めて見学しました。修士論文では、海軍壕も含む松代大本営工事の全体像を分析したいです」と話していました。

「小市海軍地下壕」

第2・4日曜日の9時から12時半まで開館。見学は予約制。資料代として、大人500円、中高生300円。問い合わせ 塚田 ☎︎090-2742-9364

「語り継ぐ会」の皆さんに歓迎を受ける金穂実さん

地下壕の内部

松代大本営の象山の方向を説明する写真看板も設置されている。

当時の海軍が使用した鉄製の食器が展示

地元の区長も参加してくれて大歓迎

地元の小学生から「語り継ぐ会」会員の見学案内に感謝する手紙

差別の根源と歴史的背景を学び、多様な価値観を共有できる社会をめざす

日朝県民会議が書面表決で定期総会を開く

在日コリアンや定住外国人に対するヘイトスピーチ、ヘイトクライムは、規制法が施行されて5年が経過するにもかかわらず、インターネット上での差別的書き込みや街頭でのヘイト集会・デモはいまだに放置され続けています、さらに、企業トップなどによる差別的発言も後を絶ちません。化粧品大手のDHCの吉田嘉明会長は、在日コリアンを誹謗中傷する発言を自社のホームページに幾度となく掲載しました。企業の社会的責任を放棄し、差別をあおる言動は断じて認められません。

朝鮮高校や朝鮮幼稚園は、無償化措置から排除されたままです。幼保無償化から除外された朝鮮幼稚園などの外国人幼稚園に対して政府は「新たな支援策」を今年度から導入しました。しかし、支給限度額は幼保無償化よりも低く、地方自治体が手をあげなければ支援措置を受けられないなど、きわめて問題が多い対応です。「日朝平壌宣言」に盛り込まれた「在日朝鮮人」の民族的権利や地位の問題について、日本政府が率先して解決することが求められています。朝鮮学校・幼稚園への不当な差別は一刻も早く是正されなければなりません。

朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議(日朝県民会議)は、アジアの人々との分断をますます深める歴史修正主義に反対し、アジアとの歴史認識の共有化をめざします。朝鮮学校への高校無償化、幼保無償化適用、在日朝鮮・韓国人へのヘイトスピーチの規制を求め、さまざまな差別の根源と歴史的背景を学び、多様な価値観を共有できる社会をめざします。また、南北朝鮮の融和と統一への流れを確かなものとし、米朝関係の正常化による朝鮮半島での平和共存体制の実現、一日も早い日朝国交正常化を求めて、引き続き全力で運動に取り組む方針です。

日朝県民会議は1月29日に、第44回定期総会と記念講演を計画していましたが、新型コロナウイルス感染防止対策のため集まる形での総会を中止し書面表決で開く方式としました。活動報告や運動方針、決算・予算を書面表決で議決しました。また、総括決議(下記)も承認されました。

定期総会の議案書表紙

採択された総会決議

信州市民連合と3野党が「共同のテーブル」開く

総選挙の総括議論と参院選への方向性について意見交換

県内の市民団体でつくる「信州市民連合」は1月22日、長野市生涯学習センターで県内の3野党代表とともに「共同のテーブル」を開き、「市民と野党の統一候補」で戦った昨年10月の総選挙の総括と、今年7月に予定される参議院選挙に向けた取り組みの方向性について意見交換しました。

信州市民連合からは、5選挙区の市民連合の代表者が会場とオンラインで25人が出席、野党は、立憲民主党県連から杉尾秀哉・代表代行(参議院議員)、下条みつ・幹事長(衆議院議員)など4人が参加、日本共産党県委員会からは鮎沢聡・委員長など2人が、社会民主党県連合からは中川博司・代表(県議会議員)が参加しました。

意見交換では政党側から「総選挙では、政党の訴え方が弱かった。参院選では、今の自民党政治はだめだと思ってもらう保守層にも食い込める政策が必要だ。野党になればよくなるという選択肢を示すことが大切だ」(立憲民主・杉尾秀哉氏)、「長野県では新政信州も加わる形で独自の判断でやってきた。参院選に向けて地方で合意したことは実施したい。ただ、中央に対しても丁寧に対応する」(立憲民主・下条みつ氏)、「総選挙は市民連合のとともに気持ちよく戦えた。本格的な共闘の体制で戦ったことは歴史的意義があり、第一歩を踏み出した。これを権力側が恐れた。政策内容の訴え方などには課題が残った」(共産・鮎沢聡氏)、「市民と野党の共闘こそが、国民の生活や権利のためになるという点を強調した取り組みが必要」(社民・中川博司氏)などの意見が出されました。

信州市民連合からは、「市民と野党の統一候補として継続を。参院選では『長野方式』を深化させるべき」、「政策が共闘の基本。市民連合と野党の政策を詰めていく必要」、「地方で合意する体制をつくって、中央に認めてもらう方向で政党の中で確認してほしい」、「参院選でも市民と野党の共闘で戦う方向性の確認を。政策については、参院選では何を訴えるのか、総選挙の政策は反対運動のスローガンだと批判された。ふんわりと幅広い人々に共感を呼ぶ政策を」などの意見が出ました。

会議ではまとめとして、①参院選に向けて信州市民連合と野党との間で何らかの形で政策に関する協定・確認が必要であるという認識で一致したこと、②政策については信州市民連合で案をつくり、政党側と協議して詰めていくことなどについて確認しました。

朝鮮民族として日本で生きていく権利の保障を

長野朝鮮初中級学校の児童・生徒を支援するカンパ活動を実施中

松本市にある「長野朝鮮初中級学校」には、県内各地の在日朝鮮人の子弟、約60人が通学しています。日本で生まれ育った朝鮮人が、自分たちの民族文化を学び、朝鮮民族としての自覚を高め、日本国民との親善を図ろうと学校運営が行われています。

普通校ならば、国や県から多額の補助金が出ます。しかし、朝鮮学校には補助がほとんど出ないため、在日朝鮮人が自力で資金を捻出する努力が重ねられています。昨今の経済事情のなか、学校運営には大変な困難が伴っています。

日本は戦前、朝鮮半島を植民地化し、200万人を超える朝鮮人を日本に強制連行しました。

在日朝鮮人は民族文化の継承を図るため、1945年、東京に朝鮮語を教育する「国語教習所」を設立、その後全国各地にも「朝鮮学校」として開設しました。しかし、占領軍や日本政府は、朝鮮学校を認めず、逆に閉鎖命令を出すなど、民族教育の権利を徹底して弾圧しました。

1965年、文部省(当時)は、朝鮮学校を学校教育法第1条の普通校として認めないことと、各種学校としても認可しないという事務次官通達を出しました。この民族差別的な対応が今日まで、政府・文部省の基本的考え方として継承されています。

児童・生徒は、日本の小中学生と同じ義務教育年齢にあり、教育内容は、朝鮮語や歴史など、一部を除いて日本のカリキュラムとほとんど同じです。しかし、日本政府は、朝鮮学校を学校教育法1条校(普通校)として認めず、各種学校扱いにしているため、学校への助成金もないなど、人権侵害ともいえる差別的な取り扱いをしています。

高校無償化については、他の民族学校はすべて無償化対象としたものの、朝鮮高校に関して政府は、文部科学省令を改悪して、無償化適用から完全に排除しました。子どもたちの教育を受ける権利を蹂躙する許しがたい対応です。全国で5つの朝鮮高校の卒業生や保護者が、国に無償化指定や国家賠償などを求めて裁判を提訴しましたが、地裁・高裁段階で国の主張を全面的に追認し、最高裁も上告を不当にも棄却しました。

また、2019年10月から「幼児教育・保育無償化」が実施されました。しかし、各種学校認可を受けている幼稚園施設は無償化措置の適用から除外されています。

各種学校の幼稚園施設は、朝鮮学校40ヵ所、インターナショナルスクール、ブラジル人学校などが49ヵ所で全国に合計で89ヵ所あり、すべてが外国人学校幼稚園です。なかでも、朝鮮学校の場合、高校生が高校無償化からも除外されていることに加え、幼保無償化からも除外されることとなり、在日朝鮮人社会に対する政府の度重なる差別的措置に対し厳しい批判が起こっています。政府は、内閣府・文科省が主導して、幼保無償化から除外された外国人幼稚園などを対象に来年度から支援措置を始めますが、支援額は、幼保無償化のレベルと比べると大幅に減額されています。

日朝県民会議、県労組会議は、松本市にある長野朝鮮初中級学校の児童・生徒たちを支えるために現在、全県的なカンパ活動を行っています。国際化が叫ばれて久しくなりますが、私たちの身近な地域からの国際連帯が求められています。長野朝鮮初中級学校の運営を支えるため、皆さんのあたたかいご協力をお願いします。

◆長野朝鮮初中級学校の児童・生徒たちへのカンパにご協力をいただける方は事務局までご一報いただければ幸いです。

 

20歳の決意 - 在日朝鮮人として日本社会で生きる

朝鮮総聯県本部が成人式を開き12人が出席

在日本朝鮮人総聯合会長野県本部(朝鮮総聯県本部)は1月10日、松本市のホテルブエナビスタで「朝日友好新年会」を開きました。新型コロナウイルスの感染防止対策を徹底して開かれた新年会には、在日朝鮮人や日本人の関係者約160人が出席しました。

新年会の冒頭、在日朝鮮人で20歳を迎えた青年女性を対象に成人式が執り行われました。昨年はコロナ禍で成人式が中止となったため、21歳の成人と合同で実施されました。

成人式は朝鮮語で進行され、成人を代表してあいさつした朝鮮人女性は、日本社会で朝鮮人としてのアイデンティティをもって生きていくと成人の決意をスピーチしました。参加者に配布されたパンフレットには、12人の成人たちの抱負や両親への一言が掲載されています。一部を紹介します。

Kさん(女性)「20年間、ウリハッキョ(私たちの学校)のために汗を流すアツい大人たちの背中を追ってここまで来ました。自分ももう責任ある『大人』として、精神的に成熟できるように頑張っていきたいです!」

Kさん(男性)「朝大(朝鮮大学校)でしか学べないことをどんどん吸収していき、より社会に必要とされる人材、同胞社会に貢献できる人間になれるよう精進してまいります』

Pさん(女性)「(両親に)21年間、朝鮮人として育ててくれてコマッスンミダ(ありがとう)。アボジ(父)、オモニ(母)の子に生まれることができて幸せです」

Cさん(男性)「朝鮮青年として、人としてもっと成長できるように、臆さずさまざまなことに挑戦します』

朝鮮成人を代表してあいさつ