21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

小川英郎弁護士がパワハラやセクハラをテーマに講演――労働運動研究会

県労組会議は11月21日、伊那市で「21世紀の労働運動研究会」第4回講座を開き、約50人の組合員が参加しました。

講師は、小川英郎・弁護士(ウェール法律事務所)で、過労死、パワハラ、セクハラなどの問題について講演していただきました。今年6月からパワーハラスメント防止法が施行され、パワハラの法律的な位置づけが明確となり、職場で防止対策を徹底することが求められています。小川弁護士は、具体的な事件や判例を取り上げて説明しました。

小川弁護士は、パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)や厚生労働省の「指針」では、パワハラとは、①優越的な関係に基づいて、②業務の適正な範囲を超えて、③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害することと定義されていると指摘。どのような行為がパワハラになるかという点では、①身体的攻撃(暴行・傷害)、②精神的な攻撃(脅迫・暴言)、③人間関係の切り離し(隔離・仲間外し・無視)、④過大な要求(業務上明らかに不要なことは遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)、⑤過少な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)、⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)などが挙げられていると説明しました。

講演後には、3班に分かれて、分散交流会を行いました。参加者からは、パワハラやセクハラ、マタハラなど職場での様々ないじめがあることが報告され、労働組合の防止対策の取り組みが重要だと再確認されました。

 

小川英郎弁護士

 

労働運動研究会で宮里邦雄弁護士が 労働者の権利と労働組合の役割について講演

県労組会議は10月24日、14期目となる「21世紀の労働運動研究会」第3回講座を長野市で開き、約50人の組合員が参加しました。講師は、日本労働弁護団元会長で、労働弁護士の権威である宮里邦雄先生。セブンイレブンの店長などでつくる長野一般シーブイエストヨクラ分会の「名ばかり管理職」裁判で弁護団の主任弁護士を務めていただきました。

講演のテーマは、「労働者の権利と労働組合の役割」。講演では、コロナ禍で非正規労働者の権利が侵害されている現状のなか、改めて労働者の権利意識を高めていく必要性が強調されました。宮里先生は、労働者の権利を実現するために、①権利について知ること、②権利意識を持つこと、権利を行使すること、④権利侵害を救済する手段・方法を知り、活用すること、⑤仲間と連帯し、団結の力によって権利を実現することなどが重要だと述べました。

講演後には、Q&A方式でワークルール検定を行いました。参加者全員が番号札をもって、正解だと思う回答を選択する方式で、楽しみながら労働法令について学びました。

宮里邦雄弁護士

 

県労組会議定期総会―コロナ下で新たな団結と連帯をつくる決意を確認 菅自公政権に対峙し、市民と野党の力で総選挙を勝ち抜く決議も採択

長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月23日、長野市内で43人の代議員、役員が参加し、第25回定期総会を開きました。総会では、コロナ禍で厳しさが増している労働者の生活や労働の実態をみんなで共有し、新たな団結と連帯をつくりあげようと確認しました。

総会は、コロナ感染防止対策のため、来賓は呼ばず、傍聴者の参加もなく最少人数で実施。消毒や換気、「3密」を避ける対策を徹底しました。

安倍政権の突然の退陣、菅政権の発足という政治状況で開かれた総会で、総会の冒頭、松澤佳子議長は、アベ政治を継承する菅政権では、コロナの感染防止対策も不十分で、「自助」という名の「自己責任」が強調され、労働者の生活改善や平和・民主主義の堅持が危うくなると述べました。

代議員からの発言は3人。「コロナ禍でJR東日本でも国労が会社に対し感染防止の職場要求を出している。国労の人員が減ってきているが、少数でも運動を継続するために頑張りたい」(宇佐美代議員・国労長野)、「コロナ禍で反核平和の火のリレーはランナーが走らないで、自治体への要請だけ実施した。最低限の運動をやれてよかった」(中村代議員・自治労)、「コロナで『交通崩壊』の危機が迫っている。賃金・一時金も大幅にカットされている。公共交通維持のためにみなさんの支援をお願いしたい」(深井代議員・私鉄県連)などの発言がありました。

総会は最後に、菅自公政権に対峙し、市民と野党の力で総選挙を勝ち抜く決議と「コロナ後には、競争と自己責任、差別と分断を生む新自由主義的政策の流れを断ち切り、公助や共生、格差是正のための再分配、助け合い社会へ転換」しようとする「総会決議」を採択しました。

なお、総会では役員が改選され、松澤佳子議長が再選されました。

     

☞ 総会で採択された特別決議

☞ 総会で採択された総会宣言

福島原発被ばく労働の実態は!? ――現地からの報告 ――

2020年10月10日 若里市民文化ホールにて

福島県いわき市議会議員の狩野光昭さんをお呼びして、

「東京電力福島第一原発事故から10年目を迎えた中での福島県民の課題」と題し、

 1.原発周辺の町村 帰還が進まない厳しい現実

 2.県民健康調査甲状腺検査について

 3.原発廃炉に伴う諸課題

原発労働の実情・汚染水についてなど、今の福島の様子を報告していただきました。

フクシマ原発労働センター代表として日々、労働相談にのっていらっしゃるその現場の実態を聞いて、驚くとともに、私たちに何かできることはないのかと考えさせられました。

講演後は、柏崎刈羽原発差止請求訴訟原告、涌井純生さん、いいづなミツバチの会の瀬尾代表、チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子さんからそれぞれ活動報告をいただきました。

 

👉 脱原発2020㏌信州チラシ

👉 狩野光昭講演資料・東電からのコロナ対策回答書

 

 

 

 

 

 

 

「伝えるべきことを伝える」——中村敦夫「線量計が鳴る」実行委員会代表の草野麻理子さんが信濃毎日新聞で紹介される

10月1日の信濃毎日新聞「北信版」(他の地域はブロック版)に中村敦夫さんの朗読劇「線量計が鳴る」実行委員会の活動が紹介されました。記事は、2011年7月、福島原発事故の放射能被害を心配して、福島県いわき市から自主避難した草野麻理子さん(県労組会議書記)の思いが掲載されています。草野さんは、2年前に原発被災地を訪れて、その被害に衝撃を受け、「伝えるべきことを伝えなければ」と決意、脱原発運動を始めました。

■「線量計が鳴る」長野市公演(チケットは予定枚数終了しました。)
日  時  11月28日(土) 13時30分
場  所  長野市芸術館 3階 アクトスペース
長野市大字鶴賀緑町1613 電話026-219-3100
主  催  中村敦夫朗読劇「線量計が鳴る」長野市上演実行委員会(代表=草野麻理子)
チケット  前売り2000円/当日2500円/大学・高校生1000円(中学以下無料)
・実行委員会事務局へ問い合わせてお申し込みください。
・長野市芸術館チケットセンター、こくちーず(インターネット)でも申し込みできます。
問い合せ  実行委員会事務局(担当:草野/喜多)
電話 026-234-2116 FAX 026-234-0641
Email snagano.exec@gmail.com

☞ 信濃毎日新聞の記事はここをクリック

信州安保法制違憲訴訟 第13回口頭弁論を傍聴して

原告団長である又坂常人信州大学名誉教授、戦争体験者・新海 寛さん、新潟大学学生・大橋直紀さん、母としての立場から金井奈津子さん、元国鉄・JR職員の後藤正次さん、教員としての立場から竹内忍さんの6名の方が証人として立ち、証人尋問が行われた。

裁判の傍聴なんてほぼ未経験に近い私にとって、見るもの一つ一つがテレビの世界。こんな風に裁判て行われているんだ・・・と、まずはそこからだった。

この貴重な機会をいただくことになったのは、女性裁判官の評判を聞いたことからだった。多くの裁判官が国よりの判決を下す中、珍しく原告側に配慮した裁判をすすめているとのこと。そんな裁判官に率直に興味を抱いたし、裁判なんて遠い世界のものと感じていた私が、身近に思えた瞬間だった。「私も見たいです。もし傍聴できるならさせてください。」と願い出た。

それぞれの証言は、当事者性が強く、ひとりひとりの言葉が胸に響いた。中でも、新海さんの戦争体験の生の声は、衝撃的だった。戦争体験者の話を直接聴いたのは初めてだったが、今後あらためて当時の話をきちんと聴いておかなければと思った。そして、大学生の大橋さんのお話。「生きづらい人の助けになる」という夢を叶えるために法学部に入り、勉強していた彼が、憲法がこんな簡単に解釈によって捻じ曲げられてしまうことにショックを受け、勉強に身が入らなくなってしまったという。これからの若者が未来に希望を持てない国なんて、この国は終わってしまう・・・。この判決一つで、希望を抱いて歩いていけるか、絶望で前に進めなくなるかがかかっているのだ。最後の竹内さんの証言では、大人である私達ができることはなんだろうと考えさせられた。立場とか職業とかそんなもの一切超えて、一人の人間として、向き合わなければいけない時期に入ってきている、本当にそう思う。

新型コロナに翻弄される今、全世界の誰もが他人事ではなくなってきている。それぞれが自分事として真剣に立ち向かう時期に来ているということなのだろうか。

9月18日に始まった15年間の戦争

1931年の今日、9月18日の深夜、中国の奉天(現在の瀋陽)駅の近くの柳条湖で日本の国策会社南満州鉄道の線路が爆破されました。「自衛」を名目として日本が配備していた関東軍は、この爆破は中国の仕業として攻撃を始め、長春などを占領しました。経済の行き詰まりを石炭や鉱石など資源の豊富な満蒙を武力で支配することで解決しようとした関東軍の謀略でした。日本政府は閣議で不拡大方針を決定し関東軍へ制止命令を出しますが、関東軍は独断で戦線を拡大し、それを政府は追認、国民も労働組合も巻き込まれていきました。1945年の敗戦にいたるまでの15年間の泥沼の侵略戦争のはじまりでした。

日本だけでなく東アジアの国々の多くの人の暮らしや財産、尊厳と生命が奪われました。中国では、9月18日はファシズムによる侵略を許した日として、忘れてはならない日とされています。この悲惨な戦争の反省から、国際的には世界人権宣言が採択され、日本では平和憲法がつくられました。

退陣した安倍首相が2015年9月19日に法制化した「集団的自衛権の行使」により、すでに自衛隊員が海外に派兵されてしまいました。去り際には、国民の生命と財産を守るために「敵基地攻撃能力の保有」の検討を言い残していきました。

今日は、長野地裁で信州安保法制違憲訴訟の原告6人の口頭弁論が行われました。戦争にさせない、と声をあげる人たちがいることが過去の過ちを繰り返さないことにつながります。

九・一八歴史博物館(瀋陽市)

元内閣法制局長官の宮崎礼壹氏が長野地裁で 「集団的自衛権は憲法9条に明白に違反」と証言 信州安保法制違憲訴訟第12回口頭弁論

市民や学者・弁護士などつくる「信州安保法制違憲訴訟の会」は2016年7月26日、長野地方裁判所に新安保法制が違憲であるという判断を求める訴訟(国家賠償訴訟)を提訴しました。原告は長野県内居住者で第1次・第2次合わせて362名です。

8月28日、第12回口頭弁論が開かれ、この裁判で初めて3人の証人が採用され、2人の原告を含めて5人の尋問が行われました。

証人は、元内閣法制局長官の宮﨑礼壹さん、ジャーナリストで元東京新聞論説委員の半田滋さん、原告の成澤孝人さん(信州大学教授)、原告の佐藤芳嗣さん(弁護団長/弁護士)の5人です。

宮崎礼壹さんは「集団的自衛権は国際紛争に乗り出すことにほかならず、憲法9条に明白に違反している」と証言、武力攻撃から国民を守る最小限度の「実力」であれば、自衛隊は9条2項にある「戦力」に当たらないと解釈されてきたが、集団的自衛権は国際間の武力紛争に介入することになるため「戦力」になると強調しました。

また、半田滋さんは、2004年1月から2006年7月まで2年半にわたり、陸上自衛隊600人がPKO(国連平和維持活動)でイラクに派遣された点について証言。政府は派遣先が「非戦闘地域」としていましたが、派遣期間中に、13回22発のロケット弾が陸上自衛隊サマワ宿営地に向けて発射され、うち3発は宿営地内に打ち込まれた事実を述べました。イラクは、米軍と武装勢力が戦闘を続ける「戦地」だったことを強調しました。

長野地裁での新安保法制違憲訴訟は大きなヤマ場を迎えています。9月18日にも6人の原告尋問が予定されています。

 

信州市民アクションが長野市で4野党と意見交換会

県内の約40の市民団体でつくる信州市民アクションは8月23日、長野市・県教育会館で4野党の県組織幹事長などと意見交換会を開きました。

4野党からは、立憲民主党から埋橋茂人幹事長、国民民主党から倉田竜彦幹事長代行、服部昭事務局長、日本共産党から石坂千穂常任委員、社民党から中川博司代表が参加しました。

まず政党を代表して倉田竜彦・国民民主党県連幹事長代行が「総選挙は5選挙区すべてで野党統一候補を擁立し、市民団体と連携して取り組みをすすめたい。新型コロナの問題では政府は後手後手に回っている。国民本位の政策に変えていくためのチャンスでもある。また、野党と信州市民アクションが合意できる政策の問題もあるので議論をいただきたい」とあいさつ。

意見交換会では、◇県内において、市民団体と野党で共通の政策に関する協定を結ぶこと、◇選挙区ごとに野党統一候補と連携できる市民運動を活発化し、ネットワーク組織をつくっていくこと、◇9月20日に長野市・県教育会館で13時30分から「~コロナ禍を克服するために~ 市民と野党の政策フォーラム」を開くことなどを確認しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

市民と野党の政策フォーラムチラシ

 

加害と侵略の歴史を心に刻むため。 松代大本営工事の朝鮮人犠牲者を追悼する式典開く

8月10日、松代大本営地下壕工事で犠牲となった朝鮮人労働者を追悼する平和祈念の集いが象山地下壕前広場を開きました。松代大本営朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑を守る会(略称=松代大本営追悼碑を守る会)が開いたもので、追悼碑建立から25年目の節目の集いとなりました。

守る会の会員をはじめ、在日韓国・朝鮮人の団体など60人余りが参加し黙とうをささげ、追悼の花を手向けました。

松代大本営地下壕跡は、太平洋戦争の末期、本土決戦遂行と国体護持のために天皇や軍部、政府機関を移転するために、松代の山中に掘削された地下坑道です。

この地下壕工事には、地域の労務報国隊や勤労報国隊、学徒・児童まで動員されましたが、その主力は植民地支配下にあった朝鮮半島から強制連行された朝鮮人、既に日本に渡航し各地のダム建設工事などに強制労働させられていた朝鮮人労働者でした。

工事の犠牲者は100~300名ほどと推定されますが、特定できているのは4名にとどまります。真相の全容はいまだ解明されていません。

 

戦後50年の節目の1995年に、超党派の追悼碑建立運動により追悼碑が建立され、25年を迎えます。

集いには、駐新潟の大韓民国総領事館から鄭美愛(ジョン・ミエ)総領事が初めて参加し、「歴史の現場を保存し、事実を知らせることはとても重要なこと。松代大本営と追悼碑がアジアの平和と共生のための歴史を学ぶ教育の場として、さらに活用されることを期待する」と挨拶しました。

松代大本営追悼碑を守る会の塩入隆会長は、「追悼碑の建立から25年がたったが、朝鮮半島との関係はますます難しくなってきた。加害の歴史に真摯に向き合う活動を続けるとともに、もっと市民レベルで交流していくことが必要だ」と話しました。

また、塩入会長に代わり新しく会長に就任する表秀孝さん(長野大学名誉教授)は「現在両国の政治関係が最悪となっている時こそ過去の歴史を正視し、そこから学びながら、私たちはどう行動するべきか問われている」と呼びかけました。

追悼碑前での祈念の集いに続いて開いた追悼碑を守る会第26回総会で、事業計画等を決めるとともに、塩入隆会長が名誉会長となり、新会長に表秀孝氏が就く新たな役員体制を確認しました。

碑の建立から25周年を迎えた式典

駐新潟大韓民国総領事館総領事の鄭美愛(ジョン・ミエ)さんがあいさつ

あいさつする塩入隆・前会長

新会長に就任した表秀孝さん