21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

「ミャンマーの現地は今」報告会を開きます

7月8日長野市で ミャンマー民主化を支援する信州の会総会

2021年2月1日にミャンマーで国軍がクーデターを起こしてから2年半が経過しました。ミャンマー国軍によってクーデター以降に殺害された人は4000人近くに及び約19,000人が不当に拘束されたままです(ビルマ政治囚支援協会調べ)。国内避難民(IDP)も増えており、5月初旬の国連の報告では推定180万人以上にも上り、そのうちクーデター以降に150万人が新たに避難民となったとみられています。

クーデター後、やむを得ず武器を取った市民も増え、以前より続く少数民族武装勢力との戦闘も激化する中、国軍は、国民民主連盟(NLD)の政党登録を抹消するなど、民主派の活動を妨害したまま「選挙」を実施しようとすらしています。

日本政府はクーデター以降、ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めている一方、7千億円にも上る円借款(政府開発援助)を継続するなど、経済支援は停止しないという矛盾した対応をとっています。

ミャンマー民主化を支援する信州の会は、この間、ミャンマーの現状を知る学習会・報告集会の開催、民主化を求めて活動するミャンマーのみなさんへのカンパや物資販売活動、市町村議会での意見書採択を求める活動、県内在住のミャンマー人との交流活動などに取り組んできました。これからも「ミャンマーを忘れない」という決意を込め活動を粘り強くすすめていく方針です。

ミャンマー民主化を支援する信州の会を2021年7月に結成しましたが、2年ぶりに2回目となる総会を開きます。総会では、今年10月29日に予定する「ミャンマー交流フェスタ(仮称)」の開催計画などの活動方針を確認するとともに、記念講演としてミャンマーに在住して活動する新町智哉さん(映像プロデューサー)の報告、国軍によるクーデター発生後に内戦が続くなか、ミャンマーやタイ国境で避難民への緊急人道支援を続けている井本勝幸さん(日本経済大学特命教授)からタイからのZoomでの報告も予定しています。

会場参加と合わせてZoomによる配信も併用した総会です。

1.日  時  7月8日(土) 13時

2.場  所  長野県労働会館 5階 大会議室 長野市県町532-3 電話026-235-3216

※会場参加とZoom参加併用

3.主  催  ミャンマー民主化を支援する信州の会

4.議  事  活動経過報告/活動方針の協議・承認

5.記念講演  ミャンマーの現状と支援活動報告

(1)新町智哉さん(映像プロデューサー/ミャンマー在住)

※新町さんは帰国中なので来場してリアル講演

しんまち・ともや。映像プロデューサー。2014年からミャンマー最大都市ヤンゴンに在住。MAKE SENSE ENTERTAINMENT Co.,Ltd. GM。日緬製作スタッフによる短編コメディ「一杯のモヒンガー」でミャンマーワッタン映画祭のノミネートを皮切りに世界各国の映画祭で受賞。起業家、歌手、俳優としてもミャンマーで活動する。現在、絵本『えんとつ町のプペル』ミャンマー語版をミャンマーの子どもたちへ届けるプロジェクトを展開中。

(2)井本勝幸さん(日本経済大学特命教授)

※ミャンマー避難民への人道支援活動についてタイからZoomで報告

いもと・かつゆき。1964年、福岡市生まれ、太宰府育ち。福岡県筑紫丘高校、東京農業大学、立正大学卒業。日本ボランティアセンター(JVC)でソマリア、タイ・カンボジア国境の難民支援に関わる。28歳で出家。日蓮宗大本山・池上本門寺で随身修行。福岡県朝倉市「四恩山・報恩寺」副住職として、「四方僧伽」を組織し、アジアの仏教徒20カ国を網羅する助け合いネットワークを構築。2011年より単独で反政府ビルマ少数民族地域へ入り、統一民族連邦評議会(UNFC)コンサルトとして全土停戦に貢献する。一般社団法人日本ミャンマー未来会議代表。NPO法人グレーターメコンセンター副代表。2021年 2月、ミャンマーで国軍によるクーデター発生後、内戦が続くなか、ミャンマーやタイ国境で避難民への緊急人道支援を続けている。

6.参加費  無料

7.参  加  ① 会場参加の方は予約不要です。

② Zoomで参加される方は事前に事務局まで申し込みを。

「新たな戦前」にさせない!改憲・大軍拡NO! 650人が参加し県民の集い

午前中には愛敬浩二(早稲田大学教授)講演会に220人

6月11日午後、「新たな戦前」にさせない!守ろう平和といのちとくらし長野県民の集い」が長野市内のセントラルスクゥエアで開かれました。県下から約650人が参加。あいにくの雨模様となりましたが、「改憲・大軍拡NO!」の危機感と熱気あふれる集会となりました。

護憲連合や憲法会議、戦争をさせない1000人委員会、9条の会などの6団体共闘が中心となった実行委員会の主催で、立憲民主党・共産党・社会民主党の3野党の代表も参加しました。

集会の終わり頃には雨雲を吹き飛ばしプラカードでパフォーマンス。この後、長野駅前までパレード。

集会には雨にもかかわらず多くの市民・労働者が参加

オープニング…松本で活動する民族舞踊集団「迦楼羅(ガルーダ)」の皆さんが沖縄民謡を披露

集いでは、早稲田大学教授・愛敬浩二さんのミニ講演、また、沖縄南西諸島で進む軍事化、入管法改悪問題で特別アピールも行われました。下記は採択されたアピールです。

6/11長野県民の集いアピール

今日、私たちは、「新たな戦前にさせない」「戦争のない平和で豊かな日本をつくりたい」その思いを抱えてここに集まりました。「戦争か平和か」、歴史的にも重大な岐路のまっただ中に、今、私たちはいます。

昨年12月の「安保3文書」改定がもたらすものは、どんなに政権が詭弁を弄しても、他国への攻撃が可能な武器を持つための、本格的な戦争準備そのものです。「専守防衛」を投げ捨てて、憲法9条の実質的な空洞化を進める暴挙です。「長射程ミサイル」の南西諸島への配備が始まっています。近隣の国がそれに対抗して軍拡に走れば、沖縄が再び「捨て石」にさせられるのではないでしょうか。軍拡競争は、ほんのちょっとしたきっかけで本格戦争に突入します。そして、自国民だけでなく内外の人々に多大な犠牲を強いることになります。その痛苦の歴史から、私たちは9条という「不戦の誓い」を手にしたのです。

大江健三郎さんはノーベル文学賞受賞記念講演で「日本は、再出発のため憲法の核心として9条に『不戦の誓い』をおいた。この誓いを憲法から取り外せば、アジアと広島・長崎の犠牲者たちを裏切ることになる」と訴えました。不確実性が高まる国際情勢だからこそ、「戦争の準備」ではなく、対話と外交によって「戦争をさける努力」を続けることが、「不戦の誓い」というバトンを受け継いで今を生きている、私たちの使命と責務ではないでしょうか。

コロナ禍と物価高騰で貧困と格差が拡大しています。国際比較でも、子どもの貧困と高齢者の生活悪化は深刻です。教育・子育てや社会保障の予算は、「大軍拡・大増税」でさらなる削減が不可避です。暮らしといのちの重大な危機が迫っているにもかかわらず、ウクライナ情勢や台湾有事などの不安と緊張が、防衛費増額を肯定する思いにつながっていることも事実です。生活と人権の最大の侵害は戦争でありながら、「無関心」と危機意識の欠如が、「沈黙」と「思考停止」を必ず呼び込みます。国民生活が徐々に戦争に動員されていく、「新たな戦前」に確実に組み込まれていることを私たちは直視すべきです。

「政治の役割は2つ。国民を飢えさせないこと、絶対に戦争をしないこと」かつて菅原文太さんが沖縄の集会で訴えました。きわめて単純でありながら、実に政治の本質を突いています。残念ながらこの国の現在の政治は、その訴えとは対極に、立憲主義を踏みにじって、暮らしといのちを脅かす「大軍拡・大増税」に突き進んでいます。さらに今国会では、人権無視、いのち軽視の「入管法」、原発回帰の「原発推進法」、国民皆保険制度の根幹を揺るがす「マイナンバー法」など、本来ならいくつもの国会を経て議論をすべきものが、次々と成立させられようとしています。

私たちは「政治のなすべきことは、暮らしといのち、そして平和を守ること」この声を広く大きなものにしなければなりません。そして「大軍拡・大増税NO!」につながるあらゆる取り組みを、広範な国民とともにつくりだそうではありませんか。

以上、アピールとします。

2023年6月11日        6・11長野県民のつどい参加者一同

また、集いの前段に、愛敬浩二教授の講演会『岸田政権下の「改憲・壊憲」策動と私たちの課題』を高教組会館で開催。予想を超え、会場からあふれる220名を超える皆さんが参加しました。

愛敬教授は、安倍政権から岸田政権のもとで進む「改憲・壊憲」の動きを振り返りながら、「憲法9条は死んではいない」と強調し、私たちの課題として、「政権交代に拘泥することなく、多数を握る政府・与党の権力濫用を抑止する野党の役割が問われている。『責任ある野党』の憲法的意義の再定位が必要」「敵基地攻撃能力を保有することで、日本の防衛は“盾”から“矛”に転換する。今こそ憲法9条のリアリズムを再確認する時」と強調しました。

【布目裕喜雄・長野市議会議員ブログから転載】

「新たな戦前」にさせない!6・11県民の集いにご参加を

6月11日 長野市・セントラルスクゥエアで集会・デモ

午前中には愛敬浩二さん(早稲田大学教授)の講演会も

岸田政権は、ウクライナ戦争、中国・朝鮮との安全保障上の緊張の高まりを理由に、安全保障政策の見直しを加速してきました。昨年12月には「敵基地攻撃能力」や、今後5年間で43兆円を超える防衛費の確保をめざすとする安保関連3文書の改定を閣議決定しました。専守防衛はないがしろにされ、財源として増税が検討されています。沖縄辺野古新基地建設の強行、重要土地調査規制法や経済安全保障推進法など憲法改正を伴うことなく実質的に戦争をできる体制整備が政権の独断で進められています。軍備、軍事費の拡大を止める世論づくりが急務です。

県内の市民団体や有志でつくる実行委員会は6月11日、長野市で「『新たな戦前』にさせない!守ろう平和といのちとくらし 6・11長野県民の集い」を開き、多くの市民が参加する集会・デモを計画しています。また、午前中には、早稲田大学教授の愛敬浩二さんをお招きし講演会も計画しています。政治・社会を変えたいという、市民一人ひとりの意思をあらわすための集会です。

誰でもが参加できる企画ですので、多くの方々のご来場をお待ちしています。

◆愛敬浩二講演会

(1)日 時  6月11日(日) 10時30分

(2)場 所  長野県高校教育会館 別館(南側)2階 大会議室 長野市県町593

(3)講 演  愛敬浩二氏「岸田政権下の『改憲・壊憲』策動と私たちの課題」

あいきょう・こうじ 1966年生まれ。信州大学教育学部助教、経済学部助教、名古屋大学教授を経て現職。専門は、憲法学・憲法思想史・比較憲法学。著書に『近代立憲主義思想の原像:ジョン・ロック政治思想と現代憲法学』(法律文化社/2003年)、『改憲問題』(ちくま新書/2006年)「人権の主体 (講座 人権論の再定位) 」(法律文化社/2010年)など。

◆「新たな戦前」にさせない!守ろう平和といのちとくらし

 6・11長野県民の集い

(1)日  時  6月11日(日) 13時30分 (雨天決行)

(2)場  所  長野市・ながの表参道セントラルスクゥエア

(3)集会内容

◆オープニング企画 民族舞踊集団「迦楼羅(ガルーダ)」演舞

◆政党代表アピール(立憲民主党 /日本共産党/社会民主党)

◆特別ゲスト 愛敬浩二さん ミニ講演

◆特別アピール ①沖縄問題 ②入管法改悪問題

◆県民の集いアピール採択

※終了後、長野駅前までパレード

「新たな戦前」としないために 憲法記念日に各地で集会

憲法施行から76年目を迎えた5月3日(憲法記念日)、憲法の価値を再確認し、護り活かす取り組みを強める集会が長野市・松本市・駒ヶ根市でそれぞれ開かれました。政府は昨年12月、安保関連3文書を閣議決定し、敵基地攻撃能力の保有や防衛費の大幅増に踏み込みました。ロシアによるウクライナ侵攻や東アジアの緊張感の高まりを理由としていますが、審議を尽くしたとは言い難く、国是としてきた平和主義を転換する動きが加速されています。各地の集会では、「新たな戦前」とも指摘される現状への危機感が強調されました。

「戦争ができる国」から「戦争をする国」へ

松本市の講演会で石井暁さん(共同通信記者)が指摘

3日午前の松本市での講演会

午後には松本駅前で集会

松本市の会場では、共同通信社専任編集委員の石井暁さんが、「『戦争ができる国』から『戦争をする国』へ」と題し講演を行いました。石井さんは、安倍政権下で強行された集団的自衛権の行使容認により、日本が「戦争ができる国」になり、岸田政権による敵基地攻撃能力(反撃能力)保有を明記した安保関連3文書改定で「戦争をする国」になったと指摘。台湾有事が現実となった場合には、「自動的な参戦が可能となった」と、日本が戦争の当事者となる条件が揃ってしまった状況に危機感を示し、戦争を回避するためには、軍拡を進めるよりも「外交努力が必要」と訴えました。

憲法くんの誇り「他の国の人を殺したことがない」

駒ケ根市で松元ヒロさんが爆笑ライブ

松元ヒロさんの公演

松元ヒロさんのトークで会場は大いに沸いた

駒ヶ根市の会場では、「テレビでは会えない芸人」とのタイトルで映画にも取りあげられた芸人・松元ヒロさんのライブが開催されました。松元さんが日本国憲法になりきる「憲法くん」の舞台を鑑賞し、平和憲法の大切さを共有する機会としました。擬人化された「憲法くん」は、改憲へ前のめりとなる動きについて「私が生まれた時のことを思い出して。国中が喜んでいたはず」と語り、平和主義が謳われる憲法前文を暗唱。「この76年間、戦争で他の国の人を殺したことがない。そのことを誇りに思う」と力強く語りました。

「無自覚な被ばく」が広がる社会に

長野市で鎌仲ひとみさん(映画監督)が講演

長野市での講演会には全体で70人が参加

鎌仲ひとみさん

長野市の会場では、核の被害を取り上げたドキュメンタリー作品を手掛ける映画監督で辰野町在住の鎌仲ひとみさんが「暮らしの中にある核と私たち」と題し講演しました。鎌仲さんは米国の核兵器製造工場の周辺で取材した被ばくの実態を報告。住民に健康被害が広がりながら、被ばくに無関心ゆえ被害が拡大している状況に触れ、「核兵器開発国を中心にグローバルに放射能汚染が進み、加害者と被害者の区別がなくなっている」と指摘。日本でも原発の60年運転延長など暮らしの中に被ばくの要素が潜み、「無自覚に被ばくしていく」と警鐘を鳴らしました。原発は深刻な事故が起きれば、生命・生活基盤に重大な被害を及ぼし、憲法が規定する人格権を奪う、さらには潜在的核兵器製造能力の保有といった問題も強調されました。講演を通じ、平和・反核運動の拡大を確認しました。

(機関紙「自治労ながの」から引用)

信州安保法制違憲訴訟 5月25日に東京高裁が判決言い渡し

新安保法制は「平和的生存権を侵害し憲法違反」と明確に判断を

東京高裁での口頭弁論終了後の原告団会議

集団的自衛権などを認めた新安保法制が、憲法が規定する平和的生存権を侵害すると、県内の原告が長野地裁の判決を不服として控訴した国家賠償請求事件は、東京高裁での口頭弁論で昨年10月4日、裁判官が原告側が申請した3人の証人申請を却下するという不当な判断を示しました。原告・弁護団は直ちに裁判官の忌避申し立てを行いました。しかし、東京高裁で忌避は却下され、特別抗告した最高裁でも棄却されるという不当な訴訟指揮がまかり通りました。

この裁判所の決定で信州安保法制違憲訴訟の東京高裁での控訴審は2月21日に結審しました。東京高裁の法廷で開かれた最後の口頭弁論では、原告から成澤孝人・信州大学教授、松澤佳子・前県労組会議議長が意見陳述をしました。また、代理人の最終意見陳述として、安藤雅樹・弁護士が裁判官に語り掛けるように意見を述べました。

判決は5月25日に東京高裁で言い渡されることとなりました。長野地裁では、新安保法制に対する憲法判断が回避され、「平和的生存権は国家賠償を請求できる具体的な権利ではない」などという国側の主張がほぼ100%採用されました。国民の生命や平和を維持しようとする裁判所の姿勢は微塵もありませんでした。東京高裁では、正面から新安保法制が日本国憲法前文や9条に照らし合わせて、違憲か合憲か、明確に判断するように求めます。

以下には、原告の松澤佳子さんの意見陳述、代理人の安藤雅樹弁護士の最終意見陳述を掲載します。画像をクリックすると拡大版で読むことができます。

県議選で推薦・支持候補7人が当選

労働者の声が届くリベラルな県政をめざそう

4月9日、投票が行われた長野県議会議員選挙では、県労組会議が推薦・支持する7人が当選を果たしました。

県労組会議は昨年8月に行われた県知事選で阿部守一知事を推薦しました。これは、阿部知事の12年間の県政運営を総合的に評価すると、私たちが掲げる理念・政策とおおむね方向性を共有していると判断したからです。ただ、県議会を構成するほとんどの県議が阿部知事を支持する状況のなかで、県政のスタンスがどちらかというと産業界や保守政党に向き、勤労者の声はかき消されがちになっています。県労組会議は、労働者・勤労者の声を代弁し、暮らしや平和、民主主義、人権を最優先するリベラルな県議会議員の存在が必要だと考えています。

今回当選した7人の推薦・支持議員と一緒になって、労働者の声が届く県政をつくっていきましょう。

県労組会議が県議選で9人の候補を推薦・支持

投票日は4月9日 くらしと平和を守る一票を

3月31日告示、4月9日投票で県議会議員選挙がスタートしました。県労組会議は、民主主義と平和、勤労者のくらしを守る県政を推し進めるため、9人の候補を推薦・支持しています。

県交通運輸労組協議会が長野県に交通政策要求を提出

地域公共交通の維持存続に向けた施策の拡充を求める

長野県交通運輸労働組合協議会(県交運/金井俊彦議長)は2月15日、長野県に対し地域公共交通や運輸業界への支援、道路改良や交通安全の確保などの交通政策要求を提出して意見交換しました。私鉄県連や運輸県連、国労、全自交などの産別から11人が参加しました。

政策要求は、1)コロナ禍で利用者が大幅に落ち込んだ鉄道、バス、タクシー業界への支援や、交通運輸関連労働者の賃金減少による生活苦や退職者の増加による人手不足問題への対応、2)2023年4月に長野県は従来の交通政策課を「交通政策局」へ改編するが、街づくりや福祉、環境、産業などさまざまな課題を部局横断的に検討し、総合的な交通政策の立案、3)県内10圏域ごとの地域公共交通計画とそれをつなぐ全県的な地域公共交通計画の策定、4)交通渋滞解消や安全が脅かされかねない道路の改良など22項目です。

県の関係部局の職員と一つ一つの課題について要望を伝え意見交換しました。交通運輸に関係する部局の県職員にとっても現場の生の声を聞く機会は多くありません。バス関係の労働者が仕事量の減少で年間100万円もの収入減となったこと、タクシー関係の労働者も歩合制の賃金のため、利用者減が生活を直撃したことなど、現場の実情も訴えました。

要求書を提出する金井俊彦議長

各部局の県職員との意見交換は2時間を超えた。

岸田大軍拡にNO! 県護憲連合が定期総会を開く

安保関連3文書について又坂常人氏(信大名誉教授)が講演

総会には会場・Zoomで約40人が参加

講演する又坂常人氏

「建国記念の日」とされる2月11日、平和憲法を未来へ!敵基地攻撃能力の保有反対!岸田大軍拡・増税反対!改憲発議STOPなどをスローガンに長野県憲法擁護連合(通称=県護憲連合)が第68回定期総会を長野市内で開きました。オンライン併用で40人余りの仲間が集いました。

冒頭、長野地区護憲連合の代表委員も務め平和運動の先頭に立ってきた故竹内久幸県議(2月6日逝去)に黙とうを捧げました。

岸田政権が、憲法9条に基づいた国是としてきた「専守防衛」を逸脱、国連憲章・国際法が禁ずる「先制攻撃」につながる「敵基地攻撃能力の保有」に踏み込み、5年間で43兆円の防衛費増強へと突き進む中、「岸田大軍拡」に異議あり!の運動と世論構築が最大の課題です。

「反撃能力」と言い換えようとも、その本質は「敵基地攻撃能力」であり、中国やロシア、北朝鮮を仮想敵国とし、「敵の基地を破壊できる軍事力」を保有するということです。

「敵基地攻撃能力」を保有することは、ただ単に憲法をないがしろにする暴挙というだけではありません。底なしの泥沼のような軍事費の増大によって暮らしと経済を脅かす軍拡競争を加速させる上に、結局、戦争を誘発した結果、相手側のミサイル基地を全て破壊できるはずもなく、報復的なミサイル攻撃を正当化する口実を相手側に与えます。これは日本の被害をより甚大なものとしてしまうことに他ならず、国民の生命、自由および幸福追求権を守るはずの防衛政策としてもまったく機能しません。いま必要なのは、地域的安定をめざす柔軟で強力な外交努力です。

総会では又坂常人氏(信州大学名誉教授・信州市民連合共同代表)を講師に「安保関連3文書の改訂と日本の針路を問う」をテーマに講演をいただきました。

又坂氏は、閣議決定された安保関連3文書の改訂について、「国家安全保障戦略」(国家安全保障に関する最上位政策文書)、国家防衛戦略(これまでの防衛計画の大綱に代わり新たに策定)、「防衛力整備計画」(これまでの中期防衛力整備計画に代わり新たに策定)のそれぞれの問題点を指摘。特に「台湾有事」を想定し、中国に対し「力による一方的な現状変更の試みを強化し、国際秩序への挑戦を試みている」「我が国と国際社会の深刻な懸念事項であり、これまでにない最大の戦略的挑戦」とアジアにおける情勢感を大きく転換させた点が特徴で、「自国を守るためには、力による一方的な現状変更は困難であると認識させる抑止力が必要」と結論付け、敵基地攻撃能力を含む抜本的な防衛力の増強が必要としたもので、日米同盟のもと、武力攻撃事態のみならず、存立危機事態においても、集団的自衛権を行使できる道を開くもので容認できるものではない」と強調、自衛隊を防衛出動させない「アジア地域における有事回避の枠組みをまじめに考えるべき時だ」と訴えました。

総会後には、JR長野駅前で街頭スタンディング・アピール行動を展開しました。右翼団体の騒音基準を超える音量での妨害に屈することなく、市民の皆さんに訴えました。

JR長野駅前でのアピール

道行く人に岸田軍拡の問題点を訴えた