21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

信州安保法制違憲訴訟の会が報告集会

最高裁の上告棄却決定を受けて訴訟を振り返る

裁判は終わったが違憲の新安保法制廃止運動は続く

2015年に制定された新安保法制が日本国憲法に違反し、平和的生存権、人格権、憲法改正・決定権、安定した立憲民主政に生きる権利・利益などを侵害するとして、国に対して損害賠償を求めた信州安保法制違憲訴訟は、今年4月25日、最高裁判所が原告の上告を退ける決定を行いました。

この最高裁の不当な決定により、立法・行政・司法の三権による権力分立のもと、特定の権力による暴走を食い止めるという三権分立の理念が完全に絵に描いた餅であったことが明らかとなり、さらなる権力の暴走が極めて現実的なものとして危惧されます。司法による立法府・行政府へのチェック機能が十分果たされない状況にあるという残念な現実を見据えながら、しかし諦めることなく、今後、市民として、立憲主義を守るためにどのような行動が必要であるか、一人一人が考えていく必要があります。

私たちは、これからも立憲主義を守り、憲法の理念である平和主義を擁護し、二度と戦争を引き起こさせないため、引き続き粘り強く闘い続けなければなりません。

4月の最高裁の決定から半年を迎えるなか、信州安保法制違憲訴訟の経緯を振り返り、私たちが未来に向かって何をなすべきかを考えるための集会が10月14日、松本市勤労者福祉センターで開かれ、原告など約40人が参加しました。

集会ではまず代理人の安藤雅樹弁護士が訴訟の経緯を振り返りました。安藤弁護士は、長野地裁判決、東京高裁判決では、いっさい憲法判断に踏み込まず、平和的生存権や人格権の具体的権利性がないという形式的な論理で判決が下された点を批判しました。

次に、名古屋共同法律事務所の中谷雄二弁護士が「憲法9条をめぐる訴訟における安保法制違憲訴訟の意義と今後の展望」と題して講演しました。中谷弁護士は、全国で25裁判が提訴され、7699名の原告、1685名の弁護団が参加した訴訟は、憲法9条違反を争う訴訟として過去、最大規模だと指摘。集団的自衛権の行使容認に踏み込んだ安保法制の新たな段階での憲法9条に依拠した裁判であり、正面から法令違憲を問う訴訟であったと述べました。裁判は敗訴したものの、この裁判の評価として、①当初懸念された安保法制を合憲とする判断は一件も出させていないこと、②最高裁も砂川事件と違い「統治行為論」により司法判断の対象から排除することができなかったこと、③全国各地の訴訟で主張された憲法論や違憲の実態、政府の戦争する国づくりに対する事実に基づく批判などは今後の闘いの大きな財産となったことを強調しました。

集会では裁判が集結したため、訴訟の会は解散する方向を確認しましたが、新安保法制の廃止や戦争への道を拒否する運動を継続するため、362人の原告が新たなネットワーク組織を立ち上げていくことも決めました。

報告集会には約40人の原告が参加

代理人の安藤雅樹弁護士

講演した中谷雄二弁護士

原告団長の又坂常人・信州大学名誉教授

総選挙 与党が過半数割れ - 政権交代へ道筋つける

県労組会議の推薦候補4氏が当選果たす

国民・労働者の生活向上、平和を守る政治へ大転換を

10月27日に投開票された総選挙は、自民・公明の与党が過半数を大きく割り込み、立憲民主党などの野党が躍進する結果となりました。「一強多弱」の政治状況が一変し、与野党伯仲状態が生まれました。裏金や旧統一教会問題、絶対多数を背景にした強権的な国会運営など、自民党政治のおごりに国民の怒りが吹き上がりました。

県労組会議は1区、2区、3区、5区の4人の候補者を推薦しましたが、全員が当選を果たすことができました。みなさまのご支援に心から感謝申し上げます。

当選した衆議院議員

長野1区 篠原 孝

長野2区 下条みつ

長野3区 神津 健

長野5区 福田淳太

裏金・統一教会に頼り、国民生活と平和を壊す自公政権は退場を

立憲野党の躍進で国民・労働者のための政治、政権交代を実現しよう

総選挙投票日は10月27日(日) 期日前投票の活用も

石破政権が発足しましたが、国会で十分な議論も行わず、10月9日解散、15日公示、27日投開票の総選挙を強行しました。

石破首相は自民党総裁選の中で掲げた「裏金議員の選挙での厳しい処遇」「日米地位協定の改定」「選択的夫婦別姓制の導入」などは、首相就任後に態度を一変させ、発言を修正したり封印したり、発言と行動が一致しないブレた対応に終始しています。また、衆議院の解散についても総裁選では、国会で十分に議論してからなどと発言したにもかかわらず、早期解散を強行するなど、すでに国民からの信頼感を失いつつあります。

投票日は10月27日(日)。国民生活と平和、民主主義の将来のために何としても自公政権の過半数割れ、政権交代への道すじをつけましょう。

県労組会議総選挙推薦候補

長野1区 しのはら孝  長野2区 下条みつ

長野3区 神津たけし   長野5区 福田じゅんた

県労組会議が4候補に「政策要望書」を提出

県労組会議は各選挙区の推薦候補者あてに「政策要望書」を提出し、その内容を尊重して国政にのぞむように求めました。

公示日の15日、16日に4人の候補者事務所を訪問して要望しました。政策要望書の内容は下記の通りです。

政 策 要 望 書

 第50回衆議院総選挙に向け、長野県平和・人権・労働組合会議、各地区労組会議は、下記の通りの政策要望を提出します。貴殿におかれては、私たちの政策要望を尊重していただき、当選後の国会活動に反映していただけるように要請いたします。

1.立憲主義に基づき、憲法9条の改悪に反対し、基本的人権の尊重、平和主義、国民主権を掲げる日本国憲法の原則を徹底して守ります。

2.核兵器禁止条約を批准し、脱原発と再生可能エネルギーへの転換を積極的に進めます。

3.沖縄県の米軍辺野古基地建設に反対し、日米地位協定の改定を求めます。

4.勤労者の生活を直撃している物価高に対し、家計への直接的補助の拡充、中小零細事業者の雇用と事業を守るための支援策を拡充します。

5.労働基本権を擁護し、労働者全体の賃金引き上げと解雇規制の自由化に反対するなど労働者保護ルールの堅持、官民の非正規雇用の待遇改善を図り、正規雇用化をめざします。

6.男女の賃金格差、雇用格差をなくし、女性が安心して働き続けられる権利確立に取り組みます。また、LGBTsなどすべての差別の解消に取り組みます。

7.真の地方自治を実現するための財政を確立し、人員確保を進めます。病院、保健所、保育所、水道など市民の健康と生命にかかわる公共部門の充実をはかります。

8.中小零細企業、地場企業への支援を拡充し、下請け企業の価格転嫁や適正価格での雇用保障、労働条件の維持・向上に取り組みます。

9.公共交通の人手不足への対策を徹底し、ライドシェアなどタクシーの規制自由化に反対し、地域公共交通の維持、活性化対策を強化します。

10.国有林は「国民の共有財産」であり、地球温暖化防止の観点からも十分な予算を投入します。

11.食料自給率の向上や食の安全を確保し、地域における農林水産業を再建します。

「2024ミャンマー交流フェスタin信州」開催しました!

ミャンマー文化を楽しみ交流を深められた1日

「2024ミャンマー交流フェスタin信州」が、9月29日(日)、ながの表参道セントラルスクゥエア(長野市)で開催され、無事にイベントを終了できました。ご来場くださった市民の皆様、ミャンマーにゆかりのある皆様、ステージを盛り上げてくださった出演者の皆様、準備から当日の運営までご尽力いただいたスタッフの皆様、本当にありがとうございました。昨年にひきつづき2回目の開催となったミャンマーフェスタを成功させることができました。

カレン族の伝統舞踊

モン族の王朝時代の華麗なダンス

司会を担当してくれた3人

「舞響太鼓 雅」の圧巻の和太鼓パフォーマンス

長野県内でもミャンマー出身者が増える

クーデターから3年8ヵ月が経過して、ミャンマーの報道が少なくなるなか、あらためてミャンマーの踊りや音楽などの文化を切り口にして、多くの市民の方々にミャンマーについて知っていただけるきっかけとなるイベントにできました。
長野県内在住のミャンマー人の方は739人(2023年12月31日現在)と1年で262人も多くなりました。県内在住のミャンマー人のほか、東京からもミャンマー人グループが応援にかけつけてくれ、遠く離れた日本・信州でミャンマー出身者が一堂に集う機会にもなり交流を深められました。
 

今年もミャンマーの伝統的な踊りや音楽がステージで披露

ステージではミャンマーのモン族やカレン族のダンス、ミャンマー友好協会副会長のキンモーモーさんのダンス、チンロン(ミャンマーのけまり)のほか、ミャンマーの状況についてNUG日本代表ソーさん、在日ミャンマー人民主化活動家のウィンチョウさん、マティダさんご夫妻からご報告いただきました。

キンモーモーさんのダンス

キンモーモーさんの生徒さん

NUG日本代表からミャンマーの現状が報告

ウィンチョウさんとマティダさん

ミャンマーの現状を知るためのブースも

会場内のブースではクーデター後のミャンマーの現状を知るための写真・パネル展示、長野相生座・ロキシーで上映されているミャンマー映画『夜明けへの道』の紹介ブース、ミャンマー現地の避難民キャンプとオンラインで繋ぎ現地の状況を知り交流できるブースなども設けられました。チェッターヒンやモヒンガーなどのミャンマー料理やミャンマーコーヒー、ミャンマー雑貨などのチャリティ販売ブースなども出店して賑わいました。

現地の状況を知らせる写真や新聞記事を紹介するブース

在日ビルマ市民労働組合のチャリティブース

ミャンマーの方々がモヒンガーやチェッターヒンの準備

善光寺木遣り保存会からミャンマーへのエールの木遣り

今年もオープニングステージでは、善光寺木遣り保存会の皆様から、ミャンマー交流フェスタ御祝いミャンマーがんばれの木遣りを頂戴いたしました。子どもたちも参加して、素敵な木遣りを披露してくれました。ミャンマーの方々も善光寺木遣りや「舞響太鼓 雅」の迫力ある和太鼓演奏に見入られていました。ダンススタジオブロードウェイの子どもたちの元気なダンスの合間には、今年も東京外大院生の石川航さんからミャンマー情勢やミャンマーを知るための「ヤンゴンかるた」の取組みについてお話いただきました。

善光寺木遣り保存会の皆様のステージ 今年は回向柱に模した柱も登場!

ブロードウェイの子だもたちのダンス

子どもたちのダンスの合間には「ヤンゴンかるた」クイズ

ミャンマー支援募金にたくさんのご寄付

会場内に設置したミャンマー支援募金箱には、76,331円のご寄付を皆様からいただきました。全額ミャンマー避難民への支援に寄付させていただきます。
信州から、日本とミャンマーのつながりをより深める一日にできました。
本当にありがとうございました。

最後は全員がステージにあがりました

 
 
 
2024ミャンマー交流フェスタin信州サイト
https://myanmar-festa-shinshu.jimdosite.com/
 
ミャンマー民主化を支援する信州の会Facebook
https://www.facebook.com/democmyanmar.shinshu

信州市民連合と立憲・共産・社民の県内3野党が政策合意

自公過半数割れめざし総選挙で共同して戦う方針も確認

候補者調整・一本化に向けて努力する方向性も打ち出す

共同のテーブルには約40人の関係者が参加した

記者会見の最後に4人が固く握手

違憲の安保法制の廃止や岸田政権の軍拡政策に反対する活動を進めている信州市民連合は7月31日、長野市生涯学習センターで約40人の参加者を集めて、「信州市民連合と3野党との『共同のテーブル』」を開きました。

信州市民連合は昨年夏以降、立憲民主党、日本共産党、社会民主党の県内3野党と総選挙において市民と野党が共同で掲げる政策について意見交換を重ねてきました。政策内容について3野党と合意ができて「共同のテーブル」を開く運びとなりました。

「共同のテーブル」には、立憲民主党県連代表の杉尾秀哉氏(参議院議員)、日本共産党県委員会委員長の鮎沢聡氏、社会民主党県連合代表の中川博司氏(県議会議員)が参加しました。

まず、主催者を代表して又坂常人・信州市民連合共同代表(信州大学名誉教授)があいさつ。又坂氏は「岸田政権は、米軍と自衛隊の一体化、自衛隊の米軍の下請け化をいっそう進めている。この国会では、地方自治体への国の指示権を認める地方自治法の改悪を強行した。中央集権的な国家の介入を容認する改悪法だ。ダッチロール状態の岸田政権に一刻も早く終止符を打ち、本当に国民の意思を代表し 新しい未来をひらく政権をつくろう」と強調しました。そして又坂氏は「そのために総選挙で与党の議席を1つでも2つでも3つでも減らす必要がある。少なくとも与野党が拮抗する状態に持っていって、最終的には政権交代をするという戦略的な考えをぜひ野党には持ってもらいたい。そして、手始めとして小選挙区で候補者の一本化を図っていただきたい」と市民と野党の共闘で戦う方向性を求めました。さらに又坂氏は「候補者調整と同時に、政策の一致が求められる。今日の共同のテーブルで3野党に手渡す政策要望書を尊重して活動してもらいたい」と述べました。

その後、3野党にそれぞれ信州市民連合の「政策要望書」と「基本政策」が手渡されました。

杉尾秀哉・立憲民主党県連代表

あいさつに立った杉尾秀哉・立憲民主党県連代表は、「信州市民連合より受け取った政策要望書については、最大限私たちの要望も聞いていただき、納得できる内容にまとめてもらって感謝する。これからの解散総選挙、国政での活動ではこの政策要望書の内容を尊重して行動していく。長野県では、私も2016年に最初に市民と野党の共闘で一本化をしていただき国政に送り出していただいた。それから参議院では4回の選挙で連勝をした。『長野モデル』の勝利だった。残念ながら衆議院の2021年の総選挙では、長野モデルが県民に十分な理解を得られず勝利することはできなかった。その反省の上に立って、今回、 政策要望書で次の解散総選挙で立憲野党の候補者一本化と市民と野党の共同を進めて当選を目指すことを要望されている。候補の調整、一本化を心から期待したい」などと述べました。

鮎沢聡・日本共産党県委員会委員長

日本共産党県委員会の鮎沢聡委員長は「信州市民連合の皆さんが、市民と野党の共闘で政治を変えるために、 共闘の旗印となる政策要望書にまとめていただき敬意を表する。裏金問題はじめ政治腐敗、国民の暮らしの破壊と平和の破壊が一体で進められている自民党政治はもう完全に行き詰まっている。国民は自民党政治を見限り、政権に退場を突きつけている。今声を上げれば自民党政治を変えられる歴史的なチャンスだ。今回の政策要望書は、その希望の方向を示している。市民と野党の共闘を本気の共闘にしていこう」などとあいさつしました。

中川博司・社民党県連合代表

社会民主党県連合の中川博司代表は「今日の政策要望書を社民党も全力を挙げて実現に向けて努力をしていく決意だ。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻を目の前にして、私たちは 無力感を感じざるを得ない。今起きている戦争を私たちが止められない。本当に毎日幼い命が奪われていくことに心が痛む。しかし、私たちには力も金も名前もないが、手を繋ぎ声を出していくことはできるはずだ。今の自民党政治を一刻も早く変えるために全力を尽くしてまいりたい。信州市民連合が作ってくれたこの共同のテーブルを前に動かして、一刻も早く候補者の一本化、戦う体制を作っていこう」と強調しました。

共同のテーブルではこのあと参加者と意見交換を行いました。また、多くのマスコミ関係者が取材していましたので、共同のテーブル終了後には、信州市民連合と3野党が共同記者会見を開きました。

信州市民連合が3野党に提出した「政策要望書」「基本政策」/信濃毎日新聞記事(2024年8月1日)

今を変えよう 私たちの声で ― くらし、平和、政治 

松本駅前での集会・市民アクションin信州に700人が参加

立憲民主党・日本共産党・社会民主党の3野党からの訴えも

市民運動家の菱山南帆子さんが「政治をchangeしよう」とアピール

43人の呼びかけ人と信州市民連合、中信市民連合などでつくる実行委員会は、「Change Now by Our Voice(今を変えよう 私たちの声で)―くらし、平和、政治 6・2市民アクションin信州」を6月2日、松本駅前に約700人の市民を集めて集会と市街地のパレードを行いました。当日は、雷雨も予報されていましたが、幸いに集会中は太陽も顔をのぞかせ、パレードの際にも小雨にとどまり、予定通り実施することができました。

集会では、呼びかけ人の又坂常人さん(信州大学名誉教授)が主催者として「岸田政権は末期症状だ。政権交代を実現してよりましな政治をつくろう」などとあいさつしました。そのあと、立憲民主党から杉尾秀哉さん(県連代表/参議院議員)、日本共産党から武田良介さん(前参議院議員)、社会民主党から大椿裕子さん(副党首/参議院議員)の3人から裏金問題が発覚し、大軍拡・防衛増税をすすめ、国民が苦しむ物価高による生活苦を放置している自民党政治を変えようという訴えがありました。地元(長野2区)の衆議院議員、下条みつさん(立憲民主党)も駆けつけてあいさつしました。

特別ゲストの市民運動家の菱山南帆子さんは、「まさに今、市民の声をあげて政治をchangeしていこう」とアピールしました。

集会では「今こそきちんと怒らなければなりません。仲間を増やし、史上最悪の岸田政権を退陣、政権交代を実現させましょう」というアピール文を採択しました。

集会後には、松本市街地をパレードし「政治をchangeしよう」と市民にアピールしました。

なお、集会の運営費をねん出するため参加者にカンパをお願いしたところ177,664円もの現金が集まりました。あたたかいご協力に感謝申し上げます。

3野党代表と又坂さん、菱山さんが並んで

小雨の中の集会に多くの市民が

アピールする菱山南帆子さん

松本駅前に菱山さんのアピールが響く

参加者がプラカードを掲げてアピール

呼びかけ人が壇上で3野党代表などと一緒にプラカードパフォーマンス

松本市街地をパレードして市民にアピール

集会を報じる信濃毎日新聞(2024年6月3日)

2024 フクシマ連帯キャラバンに参加して

 

全港湾などの若い世代の組合員が中心となって活動

長野県原水禁 草野麻理子

今年で13年になる東日本大震災と福島原発事故。3月16日の「原発のない福島を!県民大集会」と20日の「さようなら原発全国集会」に合わせて、今回で8回目となる「フクシマ連帯キャラバン」が開催された。私は、そのうちの17、18日に参加した。

いわき市小名浜のホテルで集合

16日、福島市での集会を終えたキャラバン隊は、宿泊先のいわき市小名浜で夕食懇親会を行い交流を深め、私を含めた二名が翌17日朝、ホテルで合流した。

参加者総勢72人がキャラバン数台でいわき駅前の会議室での学習会に向けて出発。同乗したキャラバンには、部落解放同盟や兵庫県からの参加者らがいて、昨日の様子などを聞いたりこちらの活動を話しながらの道中となった。

学習会では、これまでのキャラバン隊について全港湾東北小名浜支部の矢内誠也さんからお話していただいた。課題として、2011年の福島原発事故を知らない世代にどうつなげていくか、また、能登地震による志賀原発のトラブル、避難経路は土砂崩れで通行不可、日本海側には福井の原発銀座もあり地震も多い地域であること、汚染水の海洋放出がもう既に計4回も行われ、1回あたり7800トンという量であること、作業員のトラブルも散見され、13年経っても廃炉作業が進んでいないことや燃料デブリが1グラムたりとも取り出せていないことを、地元に戻ったら拡げてほしいと話した。

これまでのキャラバンの活動を話す全港湾東北小名浜支部の矢内誠也さん

いわき駅前ラトブにて学習会

いわき市内郷の白土屋菓子店の超特大ジャンボシュークリームがふるまわれた

 

昼食後、一路被災地へ。

この企画は、一人ひとりが必ず福島原発事故を風化させないこと、被害を受けた地域の現状を自分の目で見て、「原発って必要なの?本当の復興とは何か?」を肌で感じ、これからも続く脱原発運動に活かしていくためのフィールドワークという趣旨を聞き、被災地へ向かう車内で身が引き締まる思いだった。

13年が経ち、風化してしまった家

一か所に集められたフレコンバッグ。一部ビニールシートで隠されていた。

人が戻らない中で立派すぎる双葉町役場。隣接する施設も有。

 

震災遺構・請戸小学校

津波の高さを明示している校舎の様子

津波による大きな被害があった請戸小学校が震災遺構として整備され、外観~内部を見学。当時の状況に思いを馳せた。小学校の周りは何もなく、ここだけがポツンと残っているのが印象的。たくさんの住宅や建物があったというのに・・・。小学校の児童と職員は全員無事だったことがせめてもの救いだった。

唯一の鉄筋コンクリート造だったことで、残った。

校舎の全体像。津波により窓ガラスが割れているのがわかる。

津波の影響で折れ曲がったプールの手すり。

慰霊碑(大平山霊園)

 

東日本大震災・原子力伝承館を見学

 

津島訴訟原告団・武藤晴男さんの自宅を見学

津島訴訟原告団の武藤さん、今野千代さん(診療所の元看護師)、馬場さんの案内で、津島小学校、診療所、ご自宅を見学した。避難所となった津島小学校は、津島の人口1,400人のところ、8,000~10,000人が4日間ここに滞在したそう。

武藤さんと今野チヨさんとキャラバン隊の渡辺団長

グランドは隙間がないぐらい車が停まっていて、一番の被害者は子どもだった。何もわからず連れてこられたという感じ。水洗トイレが詰まってしまって、大変困った。畜産農家がバキュームカーで吸い上げようとしたがホースが入らず、結局、青空トイレで済ませた。その後は原発事故避難となり、想定外が連続して起こった。

当時、線量が高いことも知らずにここ津島小学校に避難してきた。

置いてきぼりの軽自動車

モニタリングポストの数字は0.378を示している

当時、浪江町町議だった馬場さん

 

 

<今野千代さん談>

3月11日当日は先生(医師)と事務受付と後輩看護師2人で昼食にカレーを食べた。地震が起きて大変だったため22:00にようやく帰宅。翌12日一斉避難し、診療所に人がたくさん並んでいると聞き、急いで診療所へ。しかし、そんなにたくさんの薬は置いていないので、製薬会社に電話するも電話が通じない。13日になって、福島市から薬を持ってくることになった。チヨさんは原発事故のことをその時まったく知らなかった。浪江の開業医もかけつけた。15日に避難指示が出たが、患者さんを置いていけず、先生とチヨさんともう一人の3人が残った。14日、持病を抱えた避難者の700~800人が診療所の前に並んだが、お薬手帳もなく、何を処方すればいいかもわからず困った。

レントゲン室があったため、線量をガラスバッチで確認したところ、3~4日間で800ベクレル以上(建物内)。事故前は毎回測ると0だった。

自宅は築65年。除染は宅地から20メートルまでと決まっている。ここでの線量は1.3マイクロシーベルト。畑は竹藪と化し、除染はされていない。武藤さんは2つのお願いがあると話す。

①13年経った今になっても、こういうものだと伝えてほしい。

②10万筆の署名活動にご協力を。

屋内の様子

動物の荒らされた中の様子

この後、キャラバン隊は原告団との意見交換、茨城県で東海第二原発の周囲30キロ圏内にある15自治体へ避難計画及び老朽原発20年延長問題を記した要請書を首長へ直接提出する要請行動を行ったあと、東京代々木公園での「さようなら原発」全国集会へ向かった。

県労組会議のロゴマークをつくりました

組織と運動を表現するダブルロゴマークを採用しました

県労組会議のロゴマークをつくりました。組織本体を表すロゴマークと、平和運動などを表現するロゴマークのダブルロゴマークです。必要に応じて2種類のロゴマークを使うこととなります。

ロゴマークの色として、緑が環境、ピンクが人権、黄色が平和のカラーイメージが組み合わさることで、憲法の3原則「国民主権、平和主義、基本的人権の尊重」を表しています。

また、組織本体ロゴは、人と人が組み合わさって地域をつくる運動を表現。運動ロゴは、平和の象徴である鳩をイメージしています。

いろんな場面で使用して広げていきたいと思います。

組織を表現する本体ロゴマーク

平和運動などを表す運動ロゴマーク

 

 

 

「未来は女の一票で!」「金権マッチョ自民にNO!」

女性だけの行動-長野駅前で第2回フェミブリッジ・アクション

信州市民連合の女性のみなさんが中心となって3月17日、長野駅前で13時から14時までの間、第2回フェミブリッジアクションが行われました。女性議員や市民団体関係者など女性だけで約20人が参加しました。

街頭宣伝では、日音協県支部の音楽サークル「ジグソーパズル」の2人が「花はどこへ行った」「翼をください」の2曲を歌い、参加者にもマイクがまわされ一緒に合唱しました。

司会進行は、松澤佳子・信州市民連合共同代表と中村雅代・小布施町議会議員、主催者あいさつは、堰免久美・信州市民連合共同代表が行いました。

参加してアピールしていただいた議員は以下の通りです。

和田明子・県議会議員、竹村直子・県議会議員、丸山寿子・県議会議員、野々村博美・長野市議会議員、原洋子・長野市議会議員、清水みき枝・小諸市議会議員、中村雅代・小布施町議会議員。

アクション終了後、参加者で記念撮影

参加者はプラカードをもって市民にアピール

堰免久美・信州市民連合共同代表

和田明子・県議会議員

竹村直子・県議会議員

丸山寿子・県議会議員

野々村博美・長野市議会議員

原洋子・長野市議会議員

清水みき枝・小諸市議会議

中村雅代・小布施町議会議員

日音協サークル「ジグソーパズル」

 

福島第一原発事故から13年 県内各地で脱原発集会・パレード

今年1月1日に発生した震度7の能登半島地震によって、北陸電力・志賀原発敷地内外で施設被害が発生し、1・2号機の変圧器2機が破損し、電源の2系統が使えなくなるという事態が発生しました。かろうじて残る1系統の電源で燃料プールを冷却しなければならなくなり、一歩間違えば重大事故の可能性すらありました。また、モニタリングポストも18ヵ所が故障し、測定できなくなりました。放射性物質の敷地外の漏洩監視という重要な機能が失われることは深刻な問題で、これも「想定外」でした。

今回の地震は、複数の断層が連動した可能性があり、これも「想定外」です。それにより能登半島各地で道路の寸断、土砂崩れ、隆起・陥没などが発生し、救援活動に大きな障害をきたしています。放射能漏れなどが起きなかったことは幸いでしたが、万が一起きた場合は、避難や救援がさらに困難になることは明らかで、避難計画を根本から見直すべきです。

地震大国の日本列島に原発は必要ありません。一刻も早く脱原発社会にかじを切らないと、福島第一原発の大事故の悲劇が繰り返される危険性が高まっていきます。

今年3月11日は、東日本大震災・福島第一原発の大事故から13年にあたります。県内でも各地で集会やデモ行進、学習会が行われました。ここでは、長野市、松本市、塩尻市、伊那市での集会やデモの取り組みについて報告します。

◆長野市 福島県浪江町からの避難者からの訴えも

3・10脱原発長野行動実行委員会が主催する「3・10脱原発長野行動」が、3月10日、ながの表参道セントラルスクゥエア(長野市)を会場にして開催されました。県内の脱原発運動にかかわる市民を中心に約240人が参加しました。集会後には長野駅前まで脱原発などを訴えるデモを行いました。

東京電力福島第一原発事故から13年が経過しても、なお廃炉の道筋は見通せず、緊急事態宣言は発令されたままです。集会では、脱原発共同学習会の細野正昭さんから柏崎刈羽原発運転差止訴訟について報告をいただきました。原発避難当事者の瀬尾誠さんからは、福島県浪江町から避難してからの思い、原告としてたたかう避難者への補償を求める裁判について訴えていただきました。

長野の集会には約240人が参加

東日本大震災、能登半島地震の犠牲者に黙とう

浪江町からの避難者瀬尾誠さんが訴え

参加者は長野駅前までのパレードを行った

 

◆松本市 集会前に能登半島地震と原発の学習会を実施

3月10日午後1時30分から松本市内の花時計公園で、脱原発信州ネットワーク・松本が主催して脱原発松本集会「つながろうフクシマ・広げよう脱原発・とめよう再稼働 サラバ原発長野県大行進in松本」を開きました。集会には約200人が参加。冒頭に能登半島地震犠牲者と東日本大震災・原発事故犠牲者に黙とうをしました。小出裕章さん(元京都大学原子炉研究所助教)、中垣たか子さん(北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会)、武本和幸さん(刈羽村議、原子力資料情報室理事)が発言。小出さんは「原子力緊急事態宣言は未だ解除できていない。誰も責任を取らずに13年がたった」などと話しました。その後、参加者全員で集会宣言を確認。デモ行進には約150人が参加しました。

午前中には松本市駅前会館で、中垣たか子さん(北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会)、武本和幸さん(刈羽村議、原子力資料情報室理事)を招いて能登半島地震と原発について学習会を行い約100人が参加しました。

集会には約200人が参加

松本市街地で脱原発をアピールするパレード

 

◆塩尻市 40人が原発再稼働反対をデモ行進でアピール

3月9日、脱原発、再稼働反対!大行進2024in塩尻集会を駅前で開きました。寒い中、約40人の方が参加され、駅前から市内を、原発はいらない、とシュプレヒコールをしながら行進しました。

集会・デモ行進には約40人が参加

デモ参加者は思い思いのプラカードを掲げた

 

◆伊那市 集会後に能登半島地震と志賀原発について学習

3月10日、フクシマを忘れない上伊那アクションをいなっせ北側広場で行いました。会場には90人の仲間が集い、「へなちょこバンド」と「うたごえサークル」の皆さんがまず会場を盛り上げ、主催者を代表して向山光実行委員長があいさつしました。向山氏は「原発の危険性を改めて国民が認識しなければならない。また能登半島を襲った1月1日の地震についても1970年代に2カ所で原発計画があったが、現地の皆さんが結束してこの計画を阻止させた」などと強調しました。その後、4人からリレートークをいただき、集会アピールを確認して一部の集会は終了しました。

2部として、いなっせ研修室に場所を移して、河本和朗さんから「地震のメカニズムと浜岡原発の影響」と題して講演をいただき、続いて、河田昌東さんから「能登半島地震と志賀原発の現状」と題して講演をいただきました。講演には60人を超える参加者があり、終了後いくつも質問を受け、地震の怖さを皆さんが感じていることがうかがえました。

集会後に参加者90人で記念撮影

学習会では断層問題についても学んだ