21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

青年女性が「敵基地攻撃能力」などの問題でディベート

反戦平和学習会に44人が参加 沖縄平和の旅の報告も

県労組会議青年女性連絡会は、2月11日に反戦平和学習会を開催し、3産別27単組44人が参加しました。学習会では、昨年末に政府が閣議決定した安保関連3文書の改訂について、敵基地攻撃能力保有や防衛費予算増額などをテーマに青女連絡会幹事を中心にパネルディスカッションを行いました。パネラーを「賛成派」「反対派」に分けて、それぞれの立場から意見を出し合うディベート方式で行いました。

反対派からは「敵基地攻撃は防衛ではなく先制攻撃ではないか」「防衛費をもっと物価対策や社会保障に充てるべき。軍拡競争に日本が参加するべきでない」といった意見が出された一方、賛成派は「ロシアやウクライナの状況や中国、台湾有事を考えると防衛強化は必要」「憲法9条があっても守られない、世界各国もどんどん防衛を強めている」といった様々な意見が出されました。その後、参加者にどの意見に自分は近いかと尋ねると、半数以上が「中立(どちらでもない)」と回答し、「どちらの意見にも共感ができて選べない」といった理由が多くありました。

学習会は続いて、オキナワ平和の旅の報告を伊那市職労働組合の樽澤永理さんより受けました。牛島満中将の孫である、牛島貞満さんの講演では、沖縄戦は日本軍の時間稼ぎに利用され、多くの住民が巻き込まれ殺された事実に触れ、「軍隊は国を守るが住民は守らない。どんなに軍事力を強化しても、その本質は変わらない。沖縄戦の教訓を生かし戦争を起こさないために何ができるか考えてほしい」と訴えるなど、オキナワ平和の旅の講話やフィールドワークから、沖縄戦の悲惨さや実際の戦争の怖さが報告されました。

参加者からは、「国防や防衛費増額というマクロな視点では賛成よりだが、沖縄の報告にあったようなリアルでミクロな視点だと反対意見に納得した」「自分の意見を考える良いきっかけになった。国民全体でもっと関心をもつべきと感じる」といった意見が出されました。

パネルディスカッションで使用された説明資料は以下の通りです。

 

 

軍事クーデターから2年-ミャンマーを忘れない

ミャンマーで国軍がクーデターを起こしてから2月1日で丸2年を迎えてしまいました。国軍による市民への弾圧が続き、ミャンマーの人権団体によると、クーデター以降、3000人近くがが殺害され、今なお約1万4千人が拘束されています。国内外に逃れた避難民・難民は250万人を超えるとされます。

ミャンマーでは1日、軍政に抗議するため、一斉に仕事を休んで外出を控える「沈黙のストライキ」が呼びかけられました。非暴力・不服従の抗議です。

「ミャンマーの民主化を支援する信州の会」では2月1日夜、JR長野駅前で約20人が参加し、クーデターから2年、国軍による市民の殺害・弾圧に抗議する「沈黙のストライキ」に連帯し、一日も早く自由と平和を取りもどし民政を復活させるため、民主化支援の募金を呼びかけながら街頭アピールを行いました。

アピールする若麻績敏隆・信州の会代表

零下に気温が下がるなかアピールする参加者

参加者全員でクーデターへの抗議の意思を示す指を三本立てて集合写真。

ミャンマー国軍に対し、欧米の国々が軍政を認めず経済制裁を行う一方、日本政府はミャンマーに対するODA(政府開発援助)を継続し、官民一体で国軍や国軍系企業とつながる公共事業等への支援を続けています。「経済協力」の名のもとに、国軍による軍政、人権侵害に加担していることも大きな問題です。日本政府は直ちに経済協力を停止すべきです。

長野を訪れた外国人や若い皆さんからカンパをいただきました。これまでに県内で寄せられた民主化支援の募金は200万円以上に上り、食糧・経済支援、教育支援に充てるため、人権団体等を通じて送金してきています。

ロシアのウクライナ侵攻の惨劇が連日報道されることに比べ、ミャンマーの軍事クーデター・軍政による殺害・弾圧は忘れられつつあることを憂慮します。

信州の会では今後も、ミャンマー民主化を支援する活動を継続していきます。ミャンマーを忘れない!

「ここから『関西生コン事件』と私たち」上映会を開きます

2月18日に長野市で 主役の松尾聖子さんも来場

建設や輸送、生コン関連産業で働く労働組合でつくる全日本建設運輸連帯労働組合(全日建連帯労組)関西生コン支部に対し、警察や検察、経営者団体などが一体となって弾圧を加えている事件は、現在、裁判や労働委員会などで闘いが継続しています。正当な組合活動を刑事事件化し、81人もの組合員を不当逮捕・起訴した弾圧事件は前代未聞です。関西生コン支部にとどまらず、すべての労働組合の権利に関わる事件だと位置づけられます。もしこのまま、関西生コン支部の弾圧が「正当化」されるならば他の労働組合の活動にも影響が及びかねません。

このたび全日建連帯労組は、映像を通し事件の真実を広く訴えることが重要だとして、ドキュメンタリー映画を制作、昨年秋に「ここから『関西生コン事件』と私たち」(土屋トカチ監督)が完成しました。

映画の紹介文では以下のように記されています。

「襲いかかる警察。つぎつぎに逮捕される組合員。ストライキやビラまきなど当たり前の労働組合活動が、日本ではいつから組織犯罪とされるようになったのか。無法地帯と化した生コン業界で、組合員という理由だけで仕事も奪われていく――。逮捕された組合員のべ81人、組合脱退者500人以上。戦後最大規模の組合弾圧事件=「関西生コン事件」は、仲間と家族を引き裂き、強さを誇った組合は壊滅的危機に陥った。だが、踏みとどまって、苦しみながら、もがきながら、ここから運動を立て直そうとする確かな胎動がある。関生支部の真実と現在を、ひとりの女性ドライバーを中心に描き出す」

県労組会議、長野地区労組会議では、この間、関西生コン支部から組合員をお呼びしてオルグや報告集会などに取り組んできました。今回、上映実行委員会をつくり、一人の女性労働者を通して関西生コン支部事件の真実を訴えるドキュメンタリー映画の上映会を企画しました。

ぜひ多くのみなさんがこの映画を鑑賞していただけるようにお願い申し上げます。

1.上映日時  2月18日(土) 10:00

2.場  所  長野県労働会館 5階 大会議室 長野市県町532-3 電話026-235-3216

3.名  称  「ここから『関西生コン事件』と私たち」上映会in長野

4.主  催  「ここから『関西生コン事件』と私たち」上映会in長野実行委員会

※構成団体 県労組会議/長野地区労組会議/I女性会議/県護憲連合/戦争をさせない1000人人委員会・ながの

5.内  容

①映画上映(74分)

②報告・関西生コン支部事件とは何か 小谷野毅・全日建連帯労組書記長

③対談 松尾聖子・関西生コン支部組合員(映画主役)/西澤かおり・私鉄アルピコ労組川中島バス支部/進行役:松澤佳子・I女性会議

6.上映料金  一人1000円 ※パンフレット付き

7.申し込み  県労組会議まで ホームページ「お問い合わせ」 電話026-234-2116

報告集会「ミャンマーに平和と自由を」開催

「ミャンマー民主化を支援する信州の会」(代表=若麻績敏隆・白蓮坊住職)は、1月29日、長野市内でミャンマーでの軍事クーデターから2年になるのを前に報告集会「ミャンマーに平和と自由を」を開催しました。オンラインを含め42人が参加しました。

オンラインをあわせて42人が参加した

若麻績敏隆代表

ミャンマーの軍事クーデターから2年

2021年2月1日の軍事クーデターから2年が経過しましたが、ミャンマーの情勢は悪化の一途を辿っています。反軍政の活動をした大学生4人への死刑判決や学校への空爆など自国民への暴力はエスカレートしています。軍・警察の弾圧による死者は約2900人に上り、いまだ1万7000人の拘束が続いています。

報告集会ではミャンマー出身の同窓生たちと支援に取り組んでいる信州大学の佐藤友則教授にコーディネーターを務めていただき、日本で暮らすミャンマー人民主化活動家のウィンチョウさん、Justice Myanmarのミャンマー人Tさん、ミャンマーのヤンゴン市在住の映像プロデューサーの新町智哉さんらから、現在のミャンマーの状況について報告していただきました。

集会当日に使用されたスライド資料

ミャンマー現状報告(PDF)

 

軍による放火・虐殺、増え続ける死者

Justice MyanmarのTさん

集会のなかでは、クーデター当初よりも軍による放火や虐殺が増えていることが示され、政治犯支援協会(AAPP)のデータなどからも死者数が増え続けていることが報告されました。またさまざまなビジネスを行うミャンマー国軍が持つ利権の構造や、国軍とのビジネスに出資してきた日本政府・企業の問題点にも触れられました。日本政府は、国軍とのパイプを重視して、ODA=政府開発援助も全面停止には至っていません。

大勢の市民が殺害されていることがわかる

子どもたちが通う学校も攻撃されている

平和的な民主化活動の現状(デモ・CDM[市民的不服従運動])

市民によるデモが続けられている

反軍政の意思表示として公務員や軍人などもCDM(職場放棄)に参加している

ヤンゴン在住の新町智哉さんからの報告

ヤンゴンからオンラインで報告する新町智哉さん

現地からオンラインで参加した新町智哉さんは「現在のミャンマーをまともな法治国家として認めないという意思を力強く出しているのが、ヨーロッパやアメリカ」と指摘し、危険レベル2「不要不急の渡航中止」として、欧米諸国(危険レベル4)より甘くしている日本政府の対応を批判しました。また、現地在住の日本人の間では、拘束された日本人ジャーナリストや軍政の問題に沈黙する空気が漂っていると報告されました。

ミャンマー危険情報レベル(外務省・海外安全ホームページ)

ロヒンギャ問題で揺れるラカイン州などを除きほとんどの地域が危険レベル2とされている

長野県内で働くミャンマー人青年の訴え

現地から送られた避難生活を続けるミャンマー人の難民キャンプの映像などを交えて報告したウィンチョウさんは「いちばん怖いのはビルマ(ミャンマー)のことが忘れられること」と訴えました。

80年代から民主化運動に参加してきたウィンチョウ夫妻

集会の最後には、故郷ミャンマーから遠く離れた信州で農業を支えるミャンマー人青年4人が登壇して民主化への思いを語っていただきました。軍とPDF(国民防衛隊)との戦争が続いて、死者が増え続けていることに苦しんでいること。ミャンマーに平和が訪れてほしいという願い。そのためにできることをするという強い決意が示されました。

急遽、登壇してくれた県内在住のミャンマー人青年たち

ミャンマー民主化を支援する信州の会は、今後も学習会のほかミャンマーの文化に触れる場や写真展などを企画していきます。日本在住・県内在住のミャンマー人の方々とも連携しながら粘り強い支援を続けていきます。

ご支援ご協力をよろしくお願いいたします。

信濃毎日新聞(1月30日朝刊)に記事が掲載されました

信濃毎日新聞(1/30)

 

 

 

核兵器禁止条約の批准求める署名約5万筆を外務省に提出

長野ネットが杉尾秀哉・参議院議員とともに武井俊輔・副大臣に手渡す

武井俊輔・外務副大臣に要請書を手渡す

前座明司さんが署名の趣旨を読み上げ

県原水禁や被爆者団体などでつくる「核兵器禁止条約をひろげる長野ネット」は1月24日、前座明司さん(県原爆被害者の会副会長)を団長とする計7人が外務省を訪れ、これまでに集めた50,586筆の「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」を武井俊輔外務副大臣に提出しました。今回の署名提出では、立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員に外務省との連絡をとっていだだき実現の運びとなりました。また杉尾議員の事務所の方々には、外務省との細かな打ち合わせや署名運びの手配など、たいへんお世話になりました。

17時10分からから始まった署名提出の冒頭、杉尾議員から今回の署名の提出に至った経緯を説明していただき、その後、前座団長が請願書を読み上げ、武井副大臣に手渡しました。

その後およそ15分間の懇談会が行われました。武井副大臣は、長野ネット代表団とのやりとりの中で「核兵器廃絶は広島出身である岸田総理も大事に考えており、皆さん方の要請、そして5万筆の重みを感じている。核兵器禁止条約が発効され、多くの国が批准しつつあることも承知しているが、日本政府としては、核保有国が1国も批准していない現状をみると、より現実的な対応が必要と考えている。5月に行われる広島サミットでは、核軍縮も大事なテーマの1つになる」などと話しました。

参加者からは「唯一の戦争被爆国として、核廃絶の先頭に立ってほしい」「せめて今年行われる第2回核兵器禁止条約の締約国会議に、オブザーバー参加をするように検討してほしい」といった要望が出されました。短い時間の懇談会でしたが、参加者の強い願いを訴える機会になりました。

5.8tのコメをアフリカのマリ共和国へ発送

食とみどり、水を守る県民会議がJAグループと合同発送式

マリへ発送するコメ袋を前に記念撮影

参加者みんなでトラックにコメ袋を積み込む

全農林や林野労組、全水道などの労働組合でつくる食とみどり、水を守る県民会議は1月18日、長野市・JAビルでJAグループとともに、アフリカの貧困に苦しむマリ共和国への支援米の合同発送式を行いました。

県民会議は2022年、県内6カ所でコメを作付け、一握りのカンパ米運動のコメと合わせて2538㎏、JAグループは7カ所でコメ作り、3230㎏を集めました。

マリ共和国は西アフリカに位置し、国土面積は日本の3.3倍あるものの4分の3はサハラ砂漠で天然資源も海産物もない内陸国。国連が定める「後発開発途上国」であり、世界最貧国のひとつです。食料不足は慢性的で、子どもたちを中心に人々が飢餓状態に陥る事態もたびたび発生しています。県民会議は、アジア・アフリカの飢餓に苦しむ人々に日本のコメを送ろうと1995年から「アジア・アフリカ支援米」作付けの取り組みを継続してきました。

合同発送式には県民会議役員やJA長野関係者など約60人が参加。収穫したコメ袋を並べた会場で行われました。主催者を代表して3人があいさつ。県民会議からは池田清会長(県議会議員)が「マリ共和国にコメを送付して、私たちのメッセージを届けたい」などとあいさつしました。

マリ共和国までの輸送を担うNGO「マザーランド・アカデミー・インターナショナル」の村上章子・代表からビデオメッセージが寄せられました。村上さんは「長年にわたってマリ共和国への支援米を継続している長野県民のみなさんの思いはしっかり現地の人々に届いている」などと話しました。

コメ作りに参加してくれた長野市の幼稚園児と小学生からのメッセージもビデオで放映されました。

その後、参加者が30㎏のコメ袋にマリの言語、バマラ語や日本語でメッセージを書き込みました。みんなでトラックにコメを積み込んだ後、東京港に向けて出発したトラック2台を拍手で見送りました。

あいさつする池田清・県民会議会長(県議会議員)

参加者でコメ袋にメッセージを記入した

コメ作りに参加した下條小学校の児童からのメッセージ

長野市の綿内小学校、保科小学校児童からのメッセージ

金穂実さん(一橋大学院生)が松代大本営の研究成果を講演

日朝県民会議定期総会で修士論文の内容を報告

朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議(日朝県民会議)は昨年12月17日、長野市内で会場参加とZoom参加合わせて約40人を集めて第45回定期総会を開きました。

総会では、金明宏・朝鮮総聯県本部委員長や河舜昊・長野朝鮮初中級学校校長から連帯のあいさつをいただきました。また、1年間の活動経過と方針を承認、「南北朝鮮の融和と統一への流れを確かなものとし、米朝関係の正常化による朝鮮半島での平和共存体制の実現、一日も早い日朝国交正常化を求め」「朝鮮学校への高校無償化、幼保無償化適用、在日朝鮮・韓国人へのヘイトスピーチの規制を求め」るなどとする総会決議を採択しました。

総会後の記念講演は、朝鮮大学校を卒業後、一橋大学院の修士課程に在籍している金穂実さん。金さんは、高校、大学校の学生だった時に、松代大本営をフィールドワークした経験から、大学院での修士論文のテーマに松代大本営工事を選択しました。論文の題名は「市民団体による松代大本営地下壕保存運動-説明板書き換えにおける観光地化の影響と『強制性』解釈に注目して-」です。研究の目的は、「加害を伝えてきた戦争遺跡である松代大本営地下壕に着目し、松代で展開された保存運動が、観光地化や歴史修正主義的潮流が広がる中でどのように展開されたのかについて検討する。『負の遺産』の観光地化に伴い起きる、『負』の側面の後景化を加速させるものとして、歴史修正主義的潮流があることを指摘することを目指す」と位置付けました。

金さんは、2014年に長野市が説明看板の説明文のなかで朝鮮人への「強制性」をあいまいな表現に書き換えた問題について、「朝鮮人への強制性を限定的に解釈し、市民団体との対話を拒否」してしまったと強調しました。

金さんは講演の最後に、在日朝鮮人の詩人、金時鐘氏の言葉「そうして全ては眺める位置で薄れていったのだ」を紹介。松代大本営が残ったものではなく「遺されたもの」であり、保存運動の蓄積への敬意と感謝を表したいと強調。そして、日本社会で加害の歴史に向き合う難しさ・苦しさも感じていると感想を述べました。

金穂実さん

講演を聞く参加者

金さんの講演は信濃毎日新聞で報道された

総会で採択した決議

地裁松本支部が判決 駒ケ根市社会福祉協議会のAさん解雇は無効

駒ケ根市社協は控訴を断念しAさんを職場に戻せ

社会福祉法人駒ケ根市社会福祉協議会の職員で、椎間板ヘルニアを発症したAさんが駒ヶ根市社協から解雇された問題で、1月11日長野地裁松本支部は、Aさんの訴えを全面的に認め、解雇無効と地位確認、解雇以降の未払い賃金及び一時金の支払いを命ずる判決を下しました。

Aさんは、2005年から社協に非常勤職員として採用されて介護職として働き始め、2014年に正規職員として採用されました。通所介護事業所「駒ヶ根市デイサービスセンター竜東やまびこ園」の介護員、生活指導員として勤務していたところ、2015年6月腰椎椎間板ヘルニアを発症し、伊那中央病院で椎間板ヘルニア摘出手術の上、翌月から総務課庶務係に復帰し事務職の仕事に就いていました。

その後、2017年異動先の介護度の低いB型就労施設でも腰痛を再発し、主治医から「腰に負担がかる力仕事は避けた方が良い」との診断を受け、再び地域福祉振興係で地域福祉コーディネーターなどの仕事に就いていました。

ところが、2020年2月、駒ヶ根市社協は「竜東やまびこ園」への異動を内示。この内示の撤回を求めたAさんの意向を無視し、内示を強行した駒ヶ根社協に対しAさんは長野一般労働組合に加入しました。団体交渉で駒ヶ根市社協は一旦は内示を撤回されたものの、同年6月8日に突如としてAさんに解雇を通告しました。

解雇の撤回と原職復帰を求めた団体交渉で駒ヶ根市社協側は、代理人弁護士のみが出席し、腰痛で介護職が出来ないのは契約の不履行などと主張して、解雇は撤回せずに解雇有効訴訟を行うとする頑な対応だったため、Aさんは長野地裁松本支部に労働審判を申し立てました。

2021年1月に下された労働審判では、Aさんの主張を全面的に認め、原職復帰と解雇以降の賃金を支払うよう命ずる審判が下されましたが、駒ヶ根市社協はこれを受け入れずに異議を申し立て、労働審判は訴訟に移行しました。

訴訟で松本地裁は駒ヶ根市社協に対し原職復帰と一定の和解金を支払うよう和解案を提示しましたが、駒ヶ根市社協はこれも拒否。裁判は継続され、2022年10月19日の証人尋問を経て、今年1月11日、松本地裁はAさんの解雇を無効とする判決を言い渡しました。

今回の判決は、介護福祉職場に働く労働者に大きな励ましとなるものです。

組合は、今後、いたずらに裁判を長期化させるのではなく、一日も早いAさんの職場復帰と争議の早期解決をはかるため、駒ヶ根市社協に対して団体交渉を申し入れるとともに、判決を受け入れるよう求める方針です。

判決後の勝利報告集会

主任代理人を務めた棗一郎弁護士が判決文を解説

クーデターから2年。ミャンマーを忘れない。

ミャンマー民主化を支援する信州の会が計画

1月26日 長野市で報告集会「ミャンマーに平和と自由を」

2月 1日 長野駅前・松本駅前でクーデター抗議スタンディング

▲上記4枚の写真は昨年2月1日、長野駅前でのスタンディングの様子

ミャンマーでの国軍によるクーデターから今年2月1日で2年。国軍は、民主派の拠点となる集落を丸ごと焼き払ったり、集中的な爆撃を加えたりするなど、民主化を求める市民に対して非人道的な弾圧を続けています。国軍によって殺害された市民は2600人を超え、逮捕者はトータルで1万7千人に近づき、現在もなお約1万3千人が拘束中です(12月23日現在/ビルマ政治犯支援協会調べ)。

ミャンマー民主化を支援する信州の会は、国軍のクーデターから2年という節目に、「ミャンマーを忘れない」という決意を込め、ミャンマー市民への連帯を表す報告集会を企画しました。この報告集会では、クーデターから2年経過したミャンマーの現状について、在日ミャンマー人当事者から、また、ミャンマー現地から報告を受け、民主化に向けた私たちの活動をどう継続していくのか意見交換します。会場参加とZoomによる配信を併用し、多くのみなさんにミャンマーの現状と課題を知ってもらい、地域での支援の輪を広げていきたいと考えています。

また、ミャンマー国軍のクーデターからちょうど2年の日となる2月1日に、ミャンマー民主化を市民にアピールするためのスタンディング行動を長野駅前と松本駅前で実施します。

誰でも参加できる集会と行動です。みなさまがご参加いただけるようにお願い申し上げます。

報告集会・ミャンマーに平和と自由を(会場参加・Zoom参加併用)

1.日 時  1月29日(日) 10時~12時

2.場 所  長野県労働会館5階 大会議室 長野市県町532-3 電話026-235-3216

3.内 容

報告Ⅰ ウィンチョー夫妻(在日ミャンマー人)

報告Ⅱ 市民グループ「Justice Myanmar」の在日ミャンマー人

報告Ⅲ ミャンマー現地から 新町智哉(映像プロデューサー)

4.参加費  無料

5.参 加  会場参加、Zoom参加どちらかで。事前に事務局まで申し込みを。

◆2・1クーデター2年 街頭宣伝・街頭募金活動

1.日 時  2月1日(水) 18時~19時

2.場 所

①長野駅善光寺口 東急REIホテル前

②松本駅お城口広場

※県内2カ所で同時刻に実施します。都合のいい方にご参加ください。

3.内 容

国軍クーデターから2年・ミャンマーに平和と自由を 街頭アピール行動

※プラカード、横断幕をもって市民にアピール/街頭募金活動/ハンドマイクでのアピール/チラシ配布

4.参 加  誰でも参加できます。

※各自でプラカードを作成して参加、大歓迎です。

※マスクを着用し暖かい服装でご参加ください。

2023年もよろしくお願いいたします

平和と民主主義、人権、労働者の生活と権利を守るために

2023年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年1年間は、2年間にわたるコロナ禍により、非正規雇用労働者や女性、ひとり親家庭、在日外国人労働者など、社会的に弱い立場の人々の生活や仕事へのダメージが長く続き、生活に困窮する人たちがさらに増加しました。一方で、コロナ下でも大企業や富裕層は富を蓄え、社会的・経済的な格差はさらに広がったというのが実感です。

また、岸田文雄政権は、ハト派の宏池会に所属し、被爆地・広島の出身を前面に押し出し、「聞く力」を強調してきましたが、その反動的な本性が明らかになった1年でもありました。法的根拠のない安倍元首相の「国葬」の強行、戦後日本の専守防衛を基本とする防衛政策を大転換させる「敵基地攻撃能力」の保有や防衛費の倍増方針の策定、3・11以降、政府がエネルギー基本計画に掲げた「原発依存度の低減」を空文化する原発政策の大転換による原発再稼働の推進、老朽原発の運転延長、新増設と建て替えの推進などを決めてしまいました。このような重要政策の転換が、国会でも十分議論されす、主権者たる国民に問いかけもしない手法で強行されました。とても容認できるものではありません。岸田政権は、もはや「ハト派」の仮面をかぶった超タカ派政権と断定せざるをえません。

私たち県労組会議は、このような岸田政権と対峙し、この1年間、労働者・市民とともに運動を進めていく決意です。

県労働会館入居団体が一堂に会し新年会

県労組会議も入居する長野県労働会館に専従する役職員が一堂に会する恒例の新年会が1月4日、行われました。

多くの来賓の方にもご出席いただき、2023年年頭にお互いが元気に活動を進めていくことを誓い合いました。

出席いただいた来賓のみなさまは以下の通りです(敬称略/順不同)。

◇篠原孝(衆議院議員/立憲民主党)、◇杉尾秀哉(参議院議員/立憲民主党)、◇埋橋茂人(県議会議員/立憲民主党)、◇望月義寿(県議会議員/立憲民主党)、◇池田清(県議会議員/立憲民主党)、◇布目裕喜雄(長野市議会議員/社会民主党)、◇中山千弘(県労福協理事長)、◇小池政和(県労働金庫理事長)、◇村山智彦(こくみん共済coop長野推進本部本部長)、◇浅田道憲(県住宅生協専務理事)