21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

信州市民連合が3野党と確認書を締結-総選挙へ市民と野党の共闘がスタート

選挙区市民連合も野党候補者と確認書を取り交わし

信州市民連合は9月17日、立憲民主党県連・新政信州、日本共産党県委員会、社会民主党県連合の野党3党・1政治団体と総選挙に向けた「確認書」を取り交わしました。今秋の総選挙に向けて都道府県レベルで政党と政策に関する確認書を取り交わしたのは全国でも数少ないケースです。選挙区市民連合と野党候補者との間でも同様の確認書が取り交わされます。

これにより総選挙に向けた県内の市民と野党の共闘が成立し、市民連合、候補者、3野党が一体となった活動がスタートします。5選挙区すべてで自民候補に勝利し、国民の手に政治を取り戻しましょう。

9月24日には3野党代表、5選挙区候補者が一堂に会して

「信州市民連合キックオフ集会」を計画

信州市民連合と3野党、選挙区市民連合と候補者の間で共通政策を掲げる「確認書」が締結されたことを踏まえ、5選挙区候補者と3野党代表、市民連合関係者が一堂に会し、市民と野党の共闘で総選挙においてすべての選挙区で勝利し、政治を国民の手に取り戻す決意を固める集会を開きます。詳細は、県労組会議事務局までお問い合わせください。

☞ ここをクリック 信州市民連合と3野党・1政治団体確認書

☞ ここをクリック 信州市民連合ニュース(確認書締結)

立憲民主党県連・新政信州と確認書を取り交わし

日本共産党県委員会と確認書を取り交わし

社民党県連合と確認書を取り交わし

 

長野朝鮮幼稚園が文科省の「新たな支援策」適用へ

幼保無償化問題の現状

先日、お伝えした日朝問題学習会(7月24日)では、長野朝鮮初中級学校の河舜昊校長先生から「幼保無償化問題の現状」についてご報告いただきました。幼保無償化問題と朝鮮学校の置かれている状況と無償化適用に向けてのさまざまな取り組みについて理解を深めることができました。報告概要をお伝えします。

【報告概要】

2019年10月から実施された幼保無償化

幼保無償化とは、幼児教育・保育の無償化とは幼稚園、保育園、認定こども園の教育費を国が補助する制度です。2019年10月から実施されました。

全国にある40校の朝鮮学校も除外

幼保無償化の目的は、少子化対策・教育機会の均等・消費税の還元(増税分5兆6000億円の15%弱)です。しかし各種学校幼稚園計88校(朝鮮学校40校、インターナショナルスクールなど外国人学校幼稚園48校)が幼保無償化制度から除外されました。各種学校は多種多様な教育を行っていますが、認可外保育施設にも該当しません。

除外された各種学校は全体の0.16%

無償化の適用対象施設は55,000施設ありますが、除外された各種学校幼稚園の数は88校のみで全体の0.16%です。

無償化除外に対する反対運動が全国で

全国各地で無償化除外に対する反対運動が起こっています。

2019年12月から行われてきた「100万人署名運動」は、約1年4か月で署名数が106万9,317筆に達しました。2020年7月7日には、1万4,273筆の署名を日朝長野県民会議の皆さんと一緒に文部科学省へ提出し要請を行いました。

日本政府の対応の変化「新たな支援策」

日本政府の対応に変化があり、2020年3月から「調査事業」※の公募が開始され、無償化実現に向けた大きな一歩となりました。

 ※「地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動への支援の在り方に関する調査事業」

 ・施設の設置基準状況や活動状況の調査

 ・保護者の意識調査アンケート

 ・自治体から補助を受けている15施設(朝鮮幼稚園)

2020年12月21日に、「新たな支援策」※が閣議決定しました。

 ※「地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動事業の利用支援」

 ・無償化の給付を受けていない、本事業の要件を満たす施設に対して保育料を支援する。

 ・地方自治体の手挙げ方式(松本市、安曇野市)

 

手挙げに対する要請活動

2021年3月24日、安曇野市の宮澤宗弘市長、4月9日、松本市の臥雲義尚市長へ日朝松本市民会議の協力のもと手挙げをしてもらえるように要請を行いました。

無償化適用に向けて

現在、在学中の長野朝鮮初中級学校附属幼稚班の園児たち10名には松本市、安曇野市から「新たな支援策」が適用される動きです。日朝長野県民会議、松本市民会議の皆様の多大なる協力があり、ここまで来ることが出来ました。

今後も幼保無償化の実現、高校無償化の適用など、あらゆる差別が解消されるよう、共に手を取り合って頑張っていきましょう。

根昆布しょうゆと盛岡レーメンの共同購入の取り組み

「国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会」の取り組み~根昆布しょうゆ~

「国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会」が取り扱う「根昆布しょうゆ」の共同購入の取り組みへのご協力ありがとうございました。昨年を上回る1410本(塩分9%:1044本・塩分13%:366本)を集約することができました。

たくさんのご注文をいただきました!

国鉄闘争の歴史と意義を若い世代に引き継いでいく

「国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会」は、国鉄闘争の歴史と意義を若い世代に引き継いでいくことを目的に活動しています。

1987年4月1日に強行された国鉄分割民営化の際に、国鉄労働組合(国労)等に所属していたことを理由として1047人もの労働者がJRに採用されませんでした。

その後、1千名を超える被解雇者が20数年にわたり組織的に闘い抜いた争議は、日本の労働運動史上に前例のない闘いとなりました。長野県でも「国労支援長野県共闘会議」が結成され「国鉄闘争はすべての労働者の権利闘争」と位置づけて連帯して闘いました。

足掛け25年にわたり闘い抜いてきたJR不採用事件は、JRへの原職復帰は実現できなかったものの、政府や鉄道運輸機構に事実上、不当労働行為の責任を認めさせ、年金などを含む解決金を勝ち取り終結することとなりました。

 

国労長野地本と分担して長野県内各地へ配送

今年は、コロナの影響のため、紋別・美幌の会からは来県せず、県労組会議と国労長野地本が分担して長野県内各地へ配送しました。

今回、配送することで、初めてお会いできた組合の方々や書記の方も多く交流の機会にもなりました。ぜひ来年は北海道から「紋別・美幌の会」のメンバーの方々に来県していただき交流の機会を持つことができたらと願います。

 

「長野県原水禁」の福島の子どもたちへの支援の取り組み~盛岡レーメン~

また、「長野県原水禁」による東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を受けている福島の子どもたち、東北の復興を支援するための「盛岡レーメン」の共同購入の取り組みへのご協力もありがとうございました。こちらも昨年を上回る3588袋(17940食)を集約できました。

レーメンのつくり方のチラシ

コロナの影響もあり県内での保養受入の取り組みの多くがストップしていますが、コロナ禍のなかで保養支援を模索する保養団体や、甲状腺がんの子どもたちを支援する団体など、福島の子どもたち、東北の復興支援につながる取り組みへの支援金にあてたいと思います。

ご協力いただいた長野県内各地の労働組合、組合員の皆さまありがとうございました。

広い長野県内各地へ国労長野地本さんと分担して配送しました

「ミャンマー民主化を支援する信州の会」結成総会が、7月17日開かれました。

「ミャンマー民主化を支援する信州の会」結成総会が、7月17日長野市内で会場・Zoom合わせて70名が参加し、開かれました。

信州大学グローバル化推進センターの佐藤友則先生より「ミャンマー事情と日本の多文化共生」と題して講演していただきました。

2015年NLDが政権を取るまでは「国軍は国民の父であり母」であった。国軍は一般社会と隔絶された社会で、市民生活のことはまるで知らない。貧困で行き場がなく幼少期から軍隊へ入った軍人は、軍隊がすべてであり、軍に従わない者は犯罪者であると刷り込まれる。軍の関係者は巨大な権力と莫大な富を手にしているので、自分たちの権益の維持が優先される。
一方で、今の若者は物心ついた時から民主社会で強圧・恐怖などとは無縁であり、ミャンマーの可能性に対して自信を持っている。絶対に元の軍事政権には戻らないという強い意志で、いくら弾圧されても諦めず、軍事訓練を受け国民防衛軍(PDF)に参加する。

クーデターが成功してしまうと、更なる世界の民主主義の後退になり、日本にも長期の悪影響を及ぼす。日本政府は、方針を示していないので、進出企業は混乱が続いている。

信州大学グローバル化推進センターの佐藤友則先生

 

会場・Zoom合わせて約70名が参加した

 

続いて活動報告では、信州大学の学生が多文化共生のイベントとして行われている「こいこい松本」の中で、信州大学で学んだミャンマーの同窓生から今のミャンマー情勢について交流した報告がありました。

「こいこい松本」運営メンバー ・信州大学の小古井遥香さん

 

また、20年以上にわたりミャンマーの子どもたちの支援を続けてきた、アジア子ども交流支援センターの青木正彦さんは、ミャンマーに教育用品を送る際、現地で大勢の人が助けてくれる。「良いことはお手伝いさせてください。ありがとう。」と言ってくれる、日本の文化との違いをお話してくれました。

アジア子ども交流支援センターの青木正彦さん

 

次に、ミャンマー労働者など外国人労働者と連帯する活動について、上田市在住の小山正樹さんから報告がありました。2002年に日本で在日ビルマ市民労働組合を結成した。延べで1100人が参加している。その目的は、ビルマ人の生活を守るため、日本の労働運動を学び民主的な国づくりを実践できるよう学ぶため、そしてビルマ国内で働く人々を励ますためと報告がありました。

上田市在住の小山正樹さん

 

最後に、池田町で開催されたミャンマー支援コンサートの様子が動画で報告がありました。

次に現在もミャンマーにとどまっている新町智哉さんからONLINEで報告がありました。「ヤンゴンで7年。エンターテイメントの会社を経営している。昨年のコロナから打撃は大きい、20人いた社員も縮小、存続が厳しい。クーデターは他人事だったが、2月28日のデモで大きな動きとなった。自分の家に軍から催涙弾が撃ち込まれた。第3波のコロナが流行している。近しい人たちが感染し、死亡者も出ている。軍が外国のメディアを規制しているが、国民は軍を信じていない。3500人の邦人がいたが、帰国した。現在は300人くらいか。事業は成り立たないが、何かできないか活動をしている。日本では、国軍への支援など税金の使い方がおかしいという声と、あわせてミャンマーへの支援を予算化してほしい。プラスを生みだしてほしい。公的支援を。

この企画のきっかけとなった長野市出身の方から、「わたしのような小さな声に耳を傾けていただきありがとうございます。あと何人亡くなれば国際社会は動いてくるのかという声があったが、今は自分たちが動くしかない。メディアの記事になるような活動を広げていくこと。長野にも207人のミャンマー人がいる。声を聞いてほしい。NUGの新政府を認めてほしい。明日、デモが各地で行われる。声を上げ続けるしかない。」と訴えがありました。

この会のきっかけとなった長野市出身のKさん

在日ミャンマー人の方からも発言がありました。静岡で活動している在日ミャンマー人のYさん「募金、デモやってきた。同じ日に同じ行動する、3回目。7月18日は国内7か所で行動する。」、Aさん、「コロナ禍でも国軍は国民の拘束を止めていない。マスクや消毒を民衆から手を取り上げている。」、Sさん「民衆を支援するホームページを紹介している。ポスターや絵画を購入して支援をしている」

こうした呼びかけにONLINEで参加されていた日本人から「日本とビルマの歴史、130民族ことなど学び、技能実習生の労働条件の改善を呼びかけよう」という提案もありました。

日朝問題学習会「ヘイトスピーチと在日コリアン社会」(講師:師岡康子弁護士)

「ヘイトスピーチと在日コリアン社会

日朝問題学習会(日朝長野県民会議/日朝松本市民会議共催)が、7月24日、松本市・長野朝鮮初中級学校体育館において開催されました。コロナ禍のためZoomを利用して東京から師岡康子弁護士に「ヘイトスピーチと在日コリアン社会」というテーマで講演いただきました。会場・Zoom参加者をあわせて80人以上の方が参加されました。

師岡康子弁護士は、ヘイトスピーチ問題に長年にわたって取り組まれ、川崎市のヘイトスピーチ規制条例制定にも尽力され、朝鮮学校、朝鮮幼稚園無償化問題でも活動を進めています。

今回の学習会ではヘイトスピーチ問題とその背景を丁寧に解説いただき、また国際的な差別をなくす取り組みを紹介されながら、日本国内における「ヘイトスピーチ解消法」成立後の現状、地方での条例制定の動きなど、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」を中心に詳しくお話しいただきました。

講演する師岡康子弁護士(日朝問題学習会 2021年7月24日)

【以下、講演概要】

きっかけは北朝鮮バッシング

ヘイトスピーチ問題に取り組むようになった経緯に、2002年9月の日朝首脳会談以降の北朝鮮バッシングがあった。

ヘイトスピーチは、暴言・迷惑行為ではなく、「差別的言動」であり「本質は差別」。また現在の日本で中心的な問題となっているヘイトスピーチは、人種主義的ヘイトスピーチ・ヘイトクライムであり、旧植民地出身者(韓国・朝鮮・中国)が主要なターゲットにされている。このことは、戦後も植民地主義を公的、社会的になくすことができず構造的差別が続いていることに原因がある。

日本社会にある構造的差別

ヘイトスピーチは特殊な集団による問題ではなく、日本社会がもつ人種差別構造の一角であり、マイノリティにとって全生活にわたって差別されている中の一部。

ヘイトスピーチは、マイノリティへの差別・暴力を浸透させ、マイノリティ及び平等に関する言論を委縮させ、民主主義を破壊し、排外主義と直結し、ジェノサイド・戦争へと導く社会全体に対する害悪。

世界的にはユダヤ人虐殺があり、現在では米国でのアジア系市民へのヘイトクライムが起きている。日本でも、1923年の関東大震災における朝鮮人・中国人虐殺が起き、現在でも2011年の東日本大震災の際に中国人窃盗団デマにもとづく自警団が徘徊するなどの問題が発生している。

人種主義的ヘイトスピーチの問題は、日本国内だけの問題ではなく、世界共通の人種差別と排外主義との闘いの問題。

国連加盟国の9割以上が批准する人種差別撤廃条約に、日本も1995年に加盟しており、国際法上、人種差別を「禁止し、終了する義務」がある(第2条)。しかし、日本は致命的に取り組みが遅れている。

※移民統合政策指数MIPEXの定住外国人に対する反差別政策での工業諸国内で2010年、2014年と最下位。人種差別撤廃政策も基本法も担当省庁もない現状。

 

「ヘイトスピーチ解消法」の意義と課題

しかし、2015年にNGO提案をベースに野党が法案を提出したことで、2016年5月24日に「ヘイトスピーチ解消法」が成立した。差別の被害者であり、参政権がない在日コリアンの声が、また、差別に反対する多くの人々の声が国会も社会も動かし、日本社会への絶望に風穴をあけた意義は大きい。

 

解消法成立後のヘイトスピーチの現状

ヘイトデモの回数はかなり減少しているが、ヘイト街宣は変わらない(2019年はデモ・街宣あわせて全国で300件、うち東京が100件という状況)。また公人、公的機関によるヘイトスピーチは止まらず、ネットでの差別書き込みもほぼ変わらず、匿名者の特定に大きな壁がある。テレビ・新聞・出版物における嫌韓・嫌中は日常化している。この5年間の現状から、解消法は不十分であることがわかってきた。やはり包括的な人種差別撤廃基本法を求めていく必要がある。

しかし地方公共団体に反差別条例制定の動きがあり、川崎市・京都府・東京都などでは公共施設の利用制限などが行われるようになった。川崎市では2019年12月に「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が成立し、2020年7月に完全施行された。川崎市の条例は日本で初めて差別を犯罪とした画期的な内容になっている。

川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例

朝鮮学校の問題については、最高裁で高億無償化についてひどい判決が続けて出てしまった。朝鮮学校の問題も差別禁止法の枠組みのなかで、どうやって差別をなくしていくのかが私たちの大きな課題だと思う。

 

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講師:師岡康子弁護士プロフィール

もろおか・やすこ

外国人人権法連絡会事務局長。東京弁護士会外国人の権利に関する委員会委員。枝川朝鮮学校取り壊し裁判弁護団。東京朝鮮学校生「無償化」裁判弁護団。大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員。国際人権法学会理事。人権差別撤廃NGOネットワーク共同世話人。主著「ヘイトスピーチとは何か」(岩波新書・2013年)

〈第15期〉21世紀の労働運動研究会 棗一郎弁護士講演「新型コロナ経済危機下における労働問題」&コロナ禍の現場からの報告(医療・公共交通3単組)

〈第15期〉21世紀の労働運動研究会がスタート

7月3日(土)、長野市内において、「〈第15期〉21世紀の労働運動研究会」が開かれ、第1回講座として「新型コロナ経済危機下における労働問題~社会労働運動を担う労働組合の役割と期待」というテーマで棗一郎弁護士(旬報法律事務所)にリモートで講演いただきました。Zoom視聴と会場参加あわせて、約70人の方が参加されました。

昨年に引き続き、棗弁護士には、①新型コロナに伴う労働者の雇用、労働条件、権利、②均等待遇(同一労働同一賃金)の実施状況と問題点、③裁量労働制改悪や解雇の金銭解決など、今後の政府の労働制改悪の動向などを伺いました。

棗一郎先生・第1回講座レジュメ

弱い立場にある女性の雇用条件の悪化

コロナ経済危機は世界的に“女性不況”の様相を呈していることから、女性の雇用労働条件の格差問題に視点を当てながら、これらの課題に対して日本の労働組合がどのように立ち向かっていくのか。労働組合が担うべき社会労働運動の役割と期待について考える機会となりました。

リーマンショックの頃と比較して、女性の相談は桁外れに多くなり相談内容もどんどん深刻化している状況から、市民団体と第二東京弁護士会の女性弁護士有志が中心となって「女性による女性のための相談会」(7月10・11日)が企画されていること、ゴールデンウィーク大人食堂が想定以上の来場があったことなど具体的な取り組みについて報告されました。

男女不平等の国“日本”の現実を直視しよう

棗弁護士は、男女不平等の国“日本”の現実を直視しようと呼びかけられ、日本のジェンダーギャップ指数が120位(2020世界経済フォーラム)という低い順位にあり、年を追うごとに順位を下げていることを指摘されました。労働組合の女性執行委員の比率(構成組織15.4%、地方連合会12.8%)にも触れられ、労働組合自身も変わっていかなければならないと訴えられました。

政治・経済分野の男女格差が改善されず、ジェンダーギャップ指数は主要7カ国(G7)でも最低の順位。(棗一郎弁護士のレジュメより)

 

棗一郎弁護士のZoomを利用してのリモート講演

 

 

コロナ禍の現場からの報告~医療・公共交通~

講演後は、コロナ禍で困難な状況に直面している医療・公共交通3単組役員から現場の切実な状況を報告して頂きました。

(上段左から)松澤佳子県労組会議議長、小林長野地区労組会議議長、比田井自治労・県立病院労組委員長 (下段左から)吉村私鉄県連・長野電鉄労組教宣部長、清滝長電労組自動車対策部長、鳥羽全自交・アルピコタクシー労組委員長

公立病院が、コロナ患者の約8割を受け入れている現状

自治労・県立病院労組からは、全国にある8203病院のうち、2割に満たない公立病院が、コロナ患者の約8割を受け入れている現状と病院で働く仲間の窮状を共有していただきました。コロナ患者に対応する看護師の個人用防護具(PPE)の着脱(二人体制で着用5分・脱衣10分)の大変さ、PPEを着ての作業は二時間が限度で、サウナのような蒸し暑さになり脱水状態になる方もいること。配膳なども看護師の業務となり負担が大きくなっていること。アビガンの処方に関連して薬剤師が夜間に何度も呼び出されたり、コロナ患者さんの移動ルートを事務員が清掃するなど時間外労働が増加している状況にあるそうです。

私鉄労働者の大幅な収入減少への対応

私鉄県連・長野電鉄労組からは、2020年度春闘で年間協定として締結した冬季分の臨時給が減額され、低い賃金を補っていた時間外・公出がなくなり私鉄労働者の年収が大きく減少したことへの対応として、組合費の非徴収、闘争資金(毎月の積立金:基本的に退職時に返金)の臨時払い出しを行ったことなどが報告されました。

休業手当の額を低く抑えたい会社側と交渉

全自交・アルピコタクシー労組からは、休業手当の額を低く抑えたい会社側と交渉し、平均賃金の算定方法を変更させたことや、アルバイトの実施が許可されたことなどが報告されました。

 

次回の21世紀の労働運動研究会は、小川英郎弁護士を講師にお招きして開催します。ぜひご参加ください。

〈第15期〉21世紀の労働運動研究会 今後の予定

第2回
講師:小川英郎(弁護士/ウェール法律事務所)
日時:9月11日(土)13:30~
会場:上田市丸子解放センター
内容:パワハラ・セクハラ・いじめ問題、メンタルヘルス対策/分散交流会

第3回
講師:渡辺寛人(社会福祉士/東京大学大学院/NPO法人POSSE事務局長)
日時:10月9日 13:30~
会場:伊那市(予定)

内容:ブラック企業と若者たち~労働相談・組合づくりの現場から/分散交流会

第4回
講師:宮里邦雄(弁護士/東京共同法律事務所)
日時:11月6日(土)13:30~
会場:松本市勤労者福祉センター(予定)
内容:労働者の権利と労働組合の役割/ワークルール検定

信州安保法制違憲訴訟判決、請求を棄却。憲法判断には一切触れず。

2021年6月25日午前10時30分、信州安保法制違憲訴訟の判決が、長野地裁(真辺朋子裁判長)より言い渡されました。

集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は憲法に違反し、平和的生存権などが侵害されたとして県内の住民ら362人が原告となり、国を相手に起こしていた信州安保法制違憲訴訟は、提訴から5年を経て、請求は棄却され、「平和的生存権は個々の国民に保障された具体的な権利とは言えない。損害賠償の対象になり得る権利や法的利益の侵害はない」と指摘しました。

全国各地で争われている同様の裁判で憲法判断に踏み込んだ例はなく、今回の判決が注目を集めていただけに、結果的に被告・国側の主張に沿ったもので、全国と同様な判断が下されたことに、落胆の色を隠せない原告団でした。

原告の主張に全く耳を傾けない「不当判決」と言わざるを得ない内容であり、役目を果たしていない司法に対して東京高裁に控訴し、闘いを続けていくことを決定しました。

長野地裁判決要旨はこちら

信州安保法制違憲訴訟判決に対する声明はこちら☞

信州違憲訴訟ニュース☞

横断幕を掲げ、長野地裁に向かう原告団

報道陣の数からも注目度が伺える

判決後の原告団による記者会見:長野地裁前

判決後の集会で話す又坂常人原告団長:長野県労働会館

 

 

 

 

 

 

7/17「ミャンマー民主化を支援する信州の会」結成総会のお知らせ

ミャンマーで今、何が起きているのか?

5月27日(木)にミャンマー問題緊急学習会を開催しました。

ミャンマー問題に関心を寄せる有志が集った「ミャンマー問題を考える信州の会・準備会」が主催し、

会場参加者・Zoom参加者あわせて約70人が参加しました。

日本在住のミャンマー人、ミャンマー在住の日本人からミャンマーの歴史や現在のヤンゴンの様子など報告していただきました。

リアルな報告と訴えから課題を共有することができました。

ニュースレター0号では、緊急学習会の様子を掲載しています。ぜひお読みください。

ミャンマー民主化を支援する信州の会・準備会ニュース第0号

 

ミャンマー民衆に信州から連帯する組織を結成します 

長年つづいた軍政から2011年に民政移管され、

民主化が進み世界中から投資が集まり経済成長をつづけていたミャンマーで、

2021年2月1日に国軍による軍事クーデターが突如発生しました。

アウンサンスーチー国家最高顧問をはじめ多数の政治家・市民が拘束され、

国軍に抗議する民間人への武力による弾圧がつづいています。

ミャンマー国軍による2月1日の軍事クーデター、軍政、民間人への弾圧に抗議し、

自由と人権、民主化を求めるミャンマー国民と連帯するため

「ミャンマー民主化を支援する信州の会」(準備会代表 若麻績敏隆)を結成します。

ミャンマー問題に関心を寄せる人なら誰でも参加できます。

ぜひ7月17日の結成総会にご参加ください。Zoom参加も受け付けしています。

「ミャンマー民主化を支援する信州の会」結成総会お知らせ

 

「ミャンマー民主化を支援する信州の会」結成総会

日  時 7月17日(土) 13時30分~
場  所 ホテル信濃路(長野県長野市中御所岡131−4−4 ☎ 026-226-5212)
内  容 ■記念講演 佐藤 友則氏 信州大学教授(グローバル化推進センター)
     ■ミャンマー問題に取り組む団体・個人からの活動報告
     ■在日ミャンマー人からのアピール■「ミャンマー民主化を支援する信州の会」運営確認

 

守ろう平和憲法 信州ネットワーク 第30回市民の憲法講座・竹信三恵子さん講演『コロナ禍と女性不況が照らし出した憲法の意味』

憲法記念日の5月3日の講演をYou Tubeにアップしましたので、ぜひご視聴ください。

◆コロナが直撃した女性の雇用問題

長野市で開かれた第30回市民の憲法講座(信州護憲ネット主催)では、長年女性の貧困問題を取材してきたジャーナリストで和光大学名誉教授の竹信三恵子さんがオンラインで講演。コロナ禍で浮き彫りとなった「女性不況」の実態を通じて憲法が保障する生存権や9条の意義について考え合いました。

 

【竹信三恵子さんプロフィール】

(たけのぶ・みえこ)
ジャーナリスト・和光大学名誉教授
1976 年、朝日新聞社に入社。同社編集委員兼論説委員、和光大学教授などを経て 2019 年4月から現職。2009 年、貧困ジャーナリズム大賞。
著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞受賞)、『ルポ賃金差別』(ちくま新書)、『家事労働ハラスメント』(岩波新書)、『正社員消滅』(朝日新書)、『企業ファースト化する日本~虚妄の<働き方改革>を問う』(岩波書店)など。最新刊に、『10 代から考える生き方選び』(岩波ジュニア新書)、『官製ワーキングプアの女性たち』(共著、岩波ブックレット)など。

       

「福島原発事故から10年 福島のいま」 - 武藤類子さん講演録

東京電力・福島第一原発事故から10年。菅政権は福島原発のトリチウム汚染水の海洋放出の方針を決定しました。福島県民・漁業関係者の声を無視する強権的な政権運営に批判の声が上がっています。

2月13日、長野市内で福島原発事故10年の特別企画として福島原発告訴団団長の武藤類子さん(福島県三春町在住)の講演会が開かれました。「福島のいま」というテーマで、震災・原発事故から10年の福島の現状について報告していただきました。汚染水の海洋放出、汚染土の再利用など、日本で暮らしていく私たちが知らなければならない現実があります。

武藤類子さんの講演録をまとめましたので、ぜひお読みください。

【武藤類子さんプロフィール】

むとう・ るいこ 福島県三春町生まれ 。版下職人 、養護学校教員を経て 、2003年より 、喫茶店 「 燦(きらら)」を営んでいたが 、2011年の福島第一原子力発電所の事故によって休業を余儀なくされた後 、正式に廃業 。1980年代末より 、反原発運動にかかわり 、六ヶ所村に通ったほか 、福島県内の二つの原発を巡る様々な問題にコミットしてきた 。福島脱原発ネットワーク メンバー 、福島原発告訴団団長 、原発事故被害者団体連絡会共同代表 、3・11甲状腺がん子ども基金副代表理事などを務める 。

☞ ここをクリック! 武藤類子講演録「福島原発事故から10年 福島の今」