21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

福島第一原発事故から13年 県内各地で脱原発集会・パレード

今年1月1日に発生した震度7の能登半島地震によって、北陸電力・志賀原発敷地内外で施設被害が発生し、1・2号機の変圧器2機が破損し、電源の2系統が使えなくなるという事態が発生しました。かろうじて残る1系統の電源で燃料プールを冷却しなければならなくなり、一歩間違えば重大事故の可能性すらありました。また、モニタリングポストも18ヵ所が故障し、測定できなくなりました。放射性物質の敷地外の漏洩監視という重要な機能が失われることは深刻な問題で、これも「想定外」でした。

今回の地震は、複数の断層が連動した可能性があり、これも「想定外」です。それにより能登半島各地で道路の寸断、土砂崩れ、隆起・陥没などが発生し、救援活動に大きな障害をきたしています。放射能漏れなどが起きなかったことは幸いでしたが、万が一起きた場合は、避難や救援がさらに困難になることは明らかで、避難計画を根本から見直すべきです。

地震大国の日本列島に原発は必要ありません。一刻も早く脱原発社会にかじを切らないと、福島第一原発の大事故の悲劇が繰り返される危険性が高まっていきます。

今年3月11日は、東日本大震災・福島第一原発の大事故から13年にあたります。県内でも各地で集会やデモ行進、学習会が行われました。ここでは、長野市、松本市、塩尻市、伊那市での集会やデモの取り組みについて報告します。

◆長野市 福島県浪江町からの避難者からの訴えも

3・10脱原発長野行動実行委員会が主催する「3・10脱原発長野行動」が、3月10日、ながの表参道セントラルスクゥエア(長野市)を会場にして開催されました。県内の脱原発運動にかかわる市民を中心に約240人が参加しました。集会後には長野駅前まで脱原発などを訴えるデモを行いました。

東京電力福島第一原発事故から13年が経過しても、なお廃炉の道筋は見通せず、緊急事態宣言は発令されたままです。集会では、脱原発共同学習会の細野正昭さんから柏崎刈羽原発運転差止訴訟について報告をいただきました。原発避難当事者の瀬尾誠さんからは、福島県浪江町から避難してからの思い、原告としてたたかう避難者への補償を求める裁判について訴えていただきました。

長野の集会には約240人が参加

東日本大震災、能登半島地震の犠牲者に黙とう

浪江町からの避難者瀬尾誠さんが訴え

参加者は長野駅前までのパレードを行った

 

◆松本市 集会前に能登半島地震と原発の学習会を実施

3月10日午後1時30分から松本市内の花時計公園で、脱原発信州ネットワーク・松本が主催して脱原発松本集会「つながろうフクシマ・広げよう脱原発・とめよう再稼働 サラバ原発長野県大行進in松本」を開きました。集会には約200人が参加。冒頭に能登半島地震犠牲者と東日本大震災・原発事故犠牲者に黙とうをしました。小出裕章さん(元京都大学原子炉研究所助教)、中垣たか子さん(北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会)、武本和幸さん(刈羽村議、原子力資料情報室理事)が発言。小出さんは「原子力緊急事態宣言は未だ解除できていない。誰も責任を取らずに13年がたった」などと話しました。その後、参加者全員で集会宣言を確認。デモ行進には約150人が参加しました。

午前中には松本市駅前会館で、中垣たか子さん(北陸電力と共に脱原発をすすめる株主の会)、武本和幸さん(刈羽村議、原子力資料情報室理事)を招いて能登半島地震と原発について学習会を行い約100人が参加しました。

集会には約200人が参加

松本市街地で脱原発をアピールするパレード

 

◆塩尻市 40人が原発再稼働反対をデモ行進でアピール

3月9日、脱原発、再稼働反対!大行進2024in塩尻集会を駅前で開きました。寒い中、約40人の方が参加され、駅前から市内を、原発はいらない、とシュプレヒコールをしながら行進しました。

集会・デモ行進には約40人が参加

デモ参加者は思い思いのプラカードを掲げた

 

◆伊那市 集会後に能登半島地震と志賀原発について学習

3月10日、フクシマを忘れない上伊那アクションをいなっせ北側広場で行いました。会場には90人の仲間が集い、「へなちょこバンド」と「うたごえサークル」の皆さんがまず会場を盛り上げ、主催者を代表して向山光実行委員長があいさつしました。向山氏は「原発の危険性を改めて国民が認識しなければならない。また能登半島を襲った1月1日の地震についても1970年代に2カ所で原発計画があったが、現地の皆さんが結束してこの計画を阻止させた」などと強調しました。その後、4人からリレートークをいただき、集会アピールを確認して一部の集会は終了しました。

2部として、いなっせ研修室に場所を移して、河本和朗さんから「地震のメカニズムと浜岡原発の影響」と題して講演をいただき、続いて、河田昌東さんから「能登半島地震と志賀原発の現状」と題して講演をいただきました。講演には60人を超える参加者があり、終了後いくつも質問を受け、地震の怖さを皆さんが感じていることがうかがえました。

集会後に参加者90人で記念撮影

学習会では断層問題についても学んだ

 

311のキャンドルナイトが長野駅前で行われました

3月11日、いまだ解除されていない原子力緊急事態宣言が発出された19:03に、40人もの方がスタンディングに参加してくれました。

13年が経っても元に戻るどころか、健康被害を訴えて裁判を起こしている若者がいる現実やいまだ苦しみを負う人たちがいます。私たちに何ができるのか、そんな傷ついた心への癒しになれば、という思いで企画されました。参加者の中には8人ほどの若者もいて、マイクで「311のことは決して忘れません。」「がんばって」と話し、とても素敵な時間となりました。ありがとうございました。

#311のキャンドルナイト #311を忘れない #脱原発 #東日本大震災 #長野駅前

 
 

 

中日新聞に掲載されました。

 
 

報告会「能登半島現地からの報告-地震・被災・原発」を開きます

石川県珠洲市在住、志賀原発運転差し止め訴訟原告団団長の

北野進氏が現地からオンラインで生報告

石川県珠洲市在住で、かつて珠洲原発の建設反対運動に取り組み、現在、志賀原発運転差し止め訴訟の原告団長を務めている北野進さん(元石川県議会議員、元珠洲市議会議員、元石川県平和運動センター事務局勤務)が講師となり、現地からオンライン(Zoom)で生報告する報告会を企画しました。地震に見舞われた能登半島の状況や志賀原発の現状、計画を断念に追い込んだ珠洲原発反対運動の経過など、能登半島における反原発運動の最先頭に立ってきた北野進さんの報告をぜひ多くのみなさんが聞いてください。Zoomでの視聴もできますので、ご参加をお待ちしています。

1.日  時  2月22日(木) 13時~14時30分

2.場  所  長野県労働会館 5階 大会議室

長野市県町532-3 電話 026-235-3216

※Zoomでの配信も行います。

3.内  容  報告会「能登半島現地からの報告-地震・被災・原発」

講師 北 野  進 さん

※オンライン(Zoom)で現地から報告

きたの・すすむ 1959年石川県珠洲郡内浦町(現在、鳳珠郡能登町)に生まれる。1982年筑波大学卒。北陸ジャスコ入社。1986年同社退社。有機農業に取り組む。1988年珠洲市三崎町本に入植。米、野菜の無農薬栽培に取り組む。1989年原発に反対する市民とともに「止めよう原発!珠洲市民の会」を結成。珠洲市長選挙に立候補。1991年石川県議会議員に初当選。1995年無投票で再選。1999年初のトップで3選を果たす。2003年4期目の挑戦を果たせず議員活動に幕を降ろす。石川県平和運動センター事務局で平和運動に携わり、2011年から2期珠洲市議を務める。現在「志賀原発を廃炉に!訴訟原告団」団長。

4.参加費  無料

5.参加申込  どなたでも参加できます。事前の申し込みは不要です。

6.Zoom  報告会はZoomでも視聴できます。

当日のZoomのミーティングID、パスコードは以下の通りです。

https://us06web.zoom.us/j/81250428844?pwd=fouzOIPnYrEsAnahYq4lAccddYEDbx.1

ミーティングID 812 5042 8844

パスコード 222222

311 子ども甲状腺がん裁判第8回口頭弁論を傍聴して

東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた男女7人が東京電力に損害賠償を求めている「311子ども甲状腺がん裁判」の第8回口頭弁論が12月6日、東京地裁で開かれました。 
この日は、80席の一般傍聴席に対し、188人の方が抽選に並びました。法廷では、裁判長の交代に伴い、原告2名の2度目の意見陳述が行われました。前回と違い印象的だったのは、証言台に遮蔽措置はなく、裁判長に訴える二人の原告の姿はとても堂々としたもので、内容も含めて原告5番さん、6番さんの大きな成長を感じるものでした。このほか、原告側と被告側の弁護士が弁論更新に伴う陳述をしました。

第8回口頭弁論・第17準備書面プレゼン動画

第8回口頭弁論・第18準備書面プレゼン動画

第8回口頭弁論・弁論更新 損害論

原告5番意見陳述

原告6番意見陳述

支援者集会

盛岡レーメン販売の収益金70万円を福島の子どもたちを支援する3団体に寄付しました

長野県原水禁は、東京電力福島第一原発事故による放射能汚染の影響を受けている子どもたちを支援するため、昨年5月から7月にかけて盛岡レーメンの物資販売に取り組みました。2012年から毎年取り組んでいる活動で、収益金はすべて関係する市民団体に寄付しています。県原水禁の地区組織が主体となった取り組みで、今回も70万円の寄付金を捻出することができました。寄付金は、昨年12月、福島の子どもたちを支援する活動に取り組む3団体に直接手渡しました。

◆寄付先

〇NPO法人3・11甲状腺がん子ども基金  20万円

〇認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金 20万円

〇311子ども甲状腺がん支援ネットワーク  30万円

2024年 国民・労働者が安全・安心して平和に過ごせる年に

2024年の新しい年を迎えたと同時に1月1日の元日、石川県能登地方で大地震が発生し甚大な人的・物的被害が出ています。また、2日には、羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の輸送機が激突・炎上するという衝撃的な事件も発生しました。

また、自民党の安倍派を中心とする「裏金」事件では、改めて自民党・保守政治の「政治とカネ」の問題が根深い問題であり、どうしようもなく政治腐敗が進み、国民の不信感は頂点に達しています。自民党政治に国民・労働者の怒りを真正面からぶつけて、政治変革の年にしていきましょう。

1月4日、仕事始めの日に長野県労働会館に入居する労働団体、労働組合の役職員約60人が一堂に会し、合同新年会を実施しました。

冒頭、一般財団法人長野県労働会館理事長の宇佐美正信氏(県労組会議議長)が「能登地震と航空機事故という衝撃的な事件で年が明けた。被災地への支援活動を早急に展開しよう。また、今年こそ岸田政権の退陣を勝ち取り、政治に信頼を取り戻そう」などとあいさつしました。

来賓として出席していただいたのは、政党代表として、立憲民主党県連幹事長の羽田次郎氏(参議院議員)、社会民主党県連合副代表の布目裕喜雄氏。その他、篠原孝・衆議院議員、杉尾秀哉・参議院議員、埋橋茂人・県議会議員、望月義寿・県議会議員があいさつ。労働事業団体からは、県労福協、県住宅生協の中山千弘・理事長、県労働金庫の小池政和・理事長、こくみん共済coop長野推進本部の村山智彦・本部長があいさつしました。

今年も1年、長野県平和・人権・環境労働組合会議が取り組む様々な運動へのご参加、ご指導をお願いします。

長野県労働会館合同新年会には約60人が参加。

あいさつする宇佐美正信・県労働会館理事長(県労組会議議長)。

 

将来の平和運動を担う若い世代が2泊3日で学習・交流

4回目の平和フォーラム・ピーススクールを開催

11月17日から19日まで、二泊三日の日程で「平和フォーラム2023ピーススクール」が開催されました。

ピーススクールは、平和運動を担う若い世代を育成することを主な目的として、さまざまな課題を丁寧に伝え、共に考える場として開催されてきました。講演やグループワーク、フィールドワークを通して、平和運動や原水禁運動、人権課題などの現状や課題を学ぶ機会とするものです。

今年は、全国各地から32団体の41人が参加し、職種や世代も異なる6~7人でグループをつくり、課題ごとに意見交換をおこない、同世代の仲間と問題意識を共有しました。

公務職場や公共交通などそれぞれの職場の厳しい状況についても知る機会にもなりました。

辻本清美参議院議員、市田真理氏ら充実の講師陣

一日目の辻本清美議員の講演では、学生時代のピースボートの取組みから政治に至った経験から、運動から政治へのコミットメントの重要性、運動と政治の両輪が必要だと訴えられました。二日目の第五福竜丸展示館学芸員の市田真理さんからは、第五福竜丸を保存するために多くの方々が尽力した経過、被害者たちのその後、第五福竜丸事件を巡って日本政府とアメリカやソ連・中国とのせめぎ合い、見落とされがちなマーシャル諸島の住民たちの存在、さまざまな書式で全国から集まった原水爆禁止署名の運動と多岐にわたる視点からこの問題を考えるヒントを頂けました。午後からは在留外国人の置かれた困難な状況、LGBTQの差別問題についての講演が続き、朝鮮大学学生の李さんの差別に立ち向かう民族教育の意義についての訴えに参加者一同圧倒されました。

憲法から第五福竜丸、LGBTQ、在留外国人の差別問題と多岐に渡る課題を学ぶ

密度の濃い熱量の高い講義がつづきファシリテーターの方が記録してくれたホワイトボードがどんどん埋まっていきました。

フィールドワークで訪れた第五福竜丸展示館

市田さんのお話を伺ったあとは、夢の島公園内の林のなかにひっそりとある第五福竜丸展示館を見学しました。実際に目の前にする第五福竜丸の大きさに参加者の多くが驚いていました。当事者が亡くなっていくなかで、どうやって次世代に伝えていくかという問題があることを考えたあとに、実際にモノとして残っているものをしっかりと保存継承していくとりくみも大切な運動なのだと理解することができました。そして当事者ではない市田さんの伝える力についても改めて学ぶことがあると思いました。

最終日のディベートでの葛藤

最終日には、グループワークの総集編として、「安全保障に関する防衛力の強化」「原発推進政策」「労働組合の政治活動・平和運動積極参加」をテーマに、賛成・反対に分かれ、ディベートを行いました。本来の自分の考えと違う立場で主張を展開することの難しさがありましたが、双方の立場からどう伝えたらいいのか考える時間は貴重な経験になりました。防衛力の強化をテーマにしたディベートでは、全港湾出身の参加者から「海外から武器に変わる原料や資材を港で運ぶのは自分たち。運びたくない」と

また、一部参加者はピーススクール終了後に開催された「19日行動」にも参加し、より実践的に学びを深めました。

衆議院議員会館前に並んでスタンディングアピール

ピーススクール終了後に永田町へ

三日間の密度の濃い日程から「難しそう」「大変そう」「ついていけるだろうか」といったイメージを抱えて参加した方がほとんどでしたが、「学びが多かった」「貴重な経験になった」「参加できてよかった」などと最後のあいさつで発言している方が多くありました。

コロナ禍を経て、全国各地から集った参加者同士で交流を深められたことで、実際に会って交流する大切さも確認することができました。

今回得た経験を活かし、これからの活動に活かしていきたいと思います。

駐イスラエル大使館付近ではガザへの攻撃の中止を求めるデモが行われていた

イスラエル大使館周辺には警察の警備車両が停まる

東日本大震災の癒しのイベント「311のキャンドルナイト」が発足しました

発起人の3人。左からアワプラの白石草(はじめ)さん、グリーンアクションのアイリーン・美緒子・スミスさん、サステナのマエキタミヤコさん。

東日本大震災からもうすぐ13年になろうとしています。あの日の午後7時3分に発令された「原子力緊急事態宣言」は未だに解除されていません。まだ多くの被災者が県内外で散り散りに暮らしています。

趣旨の説明をするマエキタさん

13年が経つ東日本大震災は、被災地が広範囲で被災者も全国に散らばったことから、これまで阪神淡路大震災やチョルノービリ原発事故のような、市民によるメモリアルイベントはありませんでした。落ちたデブリは確保できず、廃炉の日程は延期に次ぐ延期、デブリに触れ核種を帯びた地下水の海洋放出は対話なく強行され、復興キャンペーンや「それは風評被害だ」キャンペーンに大金が投じられ、本当の被災者の支援は足りていません。いま私たちにできることは何だろう。今も傷を負っている人たちに心を寄せる場は作れないのか、そんな思いで3人の女性が立ち上げたイベントです。

2024年3月11日(火)午後7時3分、一斉にろうそくを灯す「311のキャンドルナイト」へのゆるやかな連帯と開催、参加を呼びかけます。

衆議院第ニ議員会館での記者会見の様子

ぜひあなたも「311キャンドルナイト」を呼びかけてください。

「311キャンドルナイト」交流ホームページ  http://311candlrnight.org/

★賛同金(ひとくち3,000円)も募集します。

城南信用金庫 経堂支店(028)普通444695