21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

市民と野党の共闘で政治を変える~信州市民連合キックオフ集会

「市民と野党の共闘で政治を変える~信州市民連合キックオフ集会」が、9月24日に、ホテル信濃路において開催されました。

9月17日に、信州市民連合と3野党、選挙区市民連合のあいだで共通政策を掲げる「確認書」が締結されたことを踏まえ、5選挙区予定候補者と3野党代表、新政信州代表、市民連合関係者が一堂に会し、市民と野党の共闘で総選挙においてすべての選挙区で勝利し、政治を国民の手に取り戻す決意を確認しました。

キックオフ集会の最後に

 

集会の冒頭で茅野實さんに黙とうを捧げました

 

以下、発言要旨

又坂常人氏

又坂常人 信州市民連合共同代表:

本日、全国に先駆けて、衆議院総選挙勝利に向けたキックオフ集会に多くの皆様にお集まりいただきました。また野党の代表の方々にもご参集いただきました。主催者を代表し心より御礼を申し上げ、あわせて全体の挨拶を一言述べさせていただきます。

すでにご存じの通り、9月8日の中央の市民連合と立憲4野党、立憲民主党、日本共産党、社民党、れいわ新選組の代表が一堂に会して、総選挙に向けた共通政策の合意文書が締結されました。

そして長野県においても、9月17日に全国に先駆けて、3野党、立憲民主党、日本共産党、社民党、さらに新政信州と信州市民連合とのあいだで、政権交代を見据えた共通の政策を確認する文書に署名がなされました。本日までに、これを受けて県内5選挙区すべてにおいて、今回の総選挙における立候補予定者と同一の内容の確認書が、各選挙区の市民連合と信州市民連合とのあいだで締結されました。

ここにいたるまで、関係する方々の払った多大な労苦に深い敬意を払うものであります。

この政策合意、かたちの上では、信州市民連合と各政党とのあいだの合意ということになっておりますけど、実質的には政党間の共通の政策、総選挙に向けた有権者に対する公約の提示という性質を持つものであります。

そしてこの政策合意は、9年間に及ぶ安倍・菅の悪政、すなわち出鱈目なアベノミクスと称する経済社会政策による格差の拡大と公共部門の弱体化、法の支配の破壊による行政機構の底なしの堕落、そして立法府たる国会の形骸化に終止符を打つための歴史的な戦いの戦略的な方向を指し示すものであり、安倍・菅政治への明確な対抗軸を設定するものであります。

今、自民党は国政をほったらかしにして、菅の自爆によって降ってわいた総裁選挙にうつつを抜かしています。今日もテレビでやっていました。マスコミはまるで競馬の勝ち馬を予想するように面白おかしく盛り立てている。しかし誰が総裁になっても、今の自民党が新自由主義と立憲主義の破壊という安倍・菅政治を引き継ぐかぎりは、法の支配の空洞化が一層すすみ、そして貧富の格差が拡大しつづけ、公共部門が衰退する。このことは明白であります。

そして人が人として尊厳を取り戻し、そして平和の裡に健康で文化的な生活をする権利を実現する、そのためには自公支配に終止符を打つ政権交代しかありません。

これまでに署名された政策協定は、そのための大きな道標になることを確信しております。このような協定は戦後政治史上初めてのことであります。野党が政権選択選挙において、選挙前に、あらかじめ一定の実現されるべき政策の内容を国民の皆様にお約束するというようなことを結んだというのは戦後初めてであります。

その歴史的な意義を改めて私たちは再確認するべきだと思っております。そして全国に先駆けて、信州でこの合意が制定された。これが全国に及んで、今回の総選挙でなんとしても政権交代を実現する。そういった方向へ向けて改めて皆様と共にたたかっていこうではありませんか。

 

杉尾秀哉氏

杉尾秀哉 立憲民主党県連代表代行:

厳しい状況にもかかわらず、信州市民連合、今日お集まりの皆さん、そして、3野党県連代表、新政信州の北澤俊美代表ふくめて、小異を残して大同につくという大きな精神のもとに今回の確認書の締結と選挙区ごとのサインが実現したということでございます。

本当にここまで粘り強く交渉していただいた関係者すべての皆さんに深く深く御礼申し上げたいと思います。

どうすれば大きな塊をつくって、巨大与党に対峙できるか。市民と野党の統一ができれば選挙に勝てるということではございません。これはあくまで必要条件であって十分条件ではございません。

ここからが本当の勝負です。自民党の総裁選で耳当たりのいいことばかり言っていますが自民党で実現されっこありません。我々は今の自民党では絶対にできない政策を掲げさせていただいております。これを実現しなければ、日本の明日も、信州長野県の明日もありません。それぐらいの覚悟で、五つのすべての選挙区で勝利します。

茅野さんの思いにこたえ、そして旧民主党勢力として羽田孜元総理大臣、そして去年の12月27日に新型コロナに倒れた羽田雄一郎さん、みんなの思いを受けて、政権交代可能な政治制度を日本に根付かせるための大きな第一歩、キックオフの集会にしたいと思います。

共に皆さんと全力で戦いますので、どうかよろしくお願いいたします。

 

鮎沢聡氏

鮎沢聡 日本共産党県委員会委員長:

私は今日ほんとうにわくわくした気持ちでここへ駆けつけました。だって皆さん、5人の小選挙区の予定候補者がこうやって勢ぞろいした瞬間をこの目で見ることが、つい数か月前はなかなか考えられませんでした。

いよいよ総選挙に向けて、市民と野党のあらたしい体制で、スタートをする確認書ができました。秋までには必ず総選挙になります。必ずこの選挙勝ち抜こうではありませんか。

確認書には、3つの意義があると思います。

一つは、政策面で共通の旗印を打ち立てることができたということです。安倍・菅政治にかわる希望を有権者に示すことができました。ぜひこの確認書と9月8日の中央レベルの政策協定を一体的に大いに有権者に語っていきましょう。

二つ目の意義は、1区から5区まで市民と野党で戦う体制が整ったということです。それぞれの選挙区で構図が鮮明になりました。自民公明・安倍菅政治の延命か、それとも市民と野党の統一で命を守る政治へ転換するのか。1区から5区までさらに体制を強化して必ず勝ち抜きたいと思います。

三点目は、確認書を結んだからには勝たないといけないということです。コロナ失政で、多くの国民が苦しんでいます。日本の命運がかかった選挙になります。国民の命を守る選挙、あたらしい日本、希望を示す選挙、なによりも政権交代に挑戦する選挙です。

1区から5区まですべてで勝利して、自民党を信州から一掃して政権交代への一歩を踏み出そうではありませんか。共にがんばりましょう。

 

中川博司氏

中川博司 社民党県連合代表:

まず信州市民連合の皆さんに心より感謝を申し上げます。今般の衆議院選挙に向けて、各市民連合、信州市民連合の皆さんと議論を積み上げてきた結果として政策協定を結ぶに至り、今度の衆議院選挙を市民と野党の共闘で一対一の構図に持ち込んで戦うことができることに希望の光が見えてきています。その条件をつくっていただいたことに感謝いたします。

「市民と野党の共闘で信州から政権交代を」というメッセージを日本中に広げていこうではありませんか。社民党は5人の予定候補者を全力で応援していきます。

 

北澤俊美氏

北澤俊美 新政信州代表:

1区から5区まで候補者がしっかり整いました。あとは選挙で勝つだけです。

安倍政権になってからの日本は完全におかしくなってきています。国家の中心である憲法をないがしろにするという政治が平然として行われています。安保法制がそうです。そして憲法53条を無視して国会を開かない。野党の声を聞かず、国民の声を聞かずに都合のいいことだけする政治です。これに不満を持つ人は全国に与党支持者よりはるか多くの人たちがいます。市民連合が全国で野党共闘を展開するなかで啓蒙活動をしていけば必ず選挙で勝つと信じております。それは長野県で実証済みだからです。16年、19年の選挙、そして羽田次郎さん当選の補欠選挙で見事に大同して勝利しています。これが全国に伝わらないわけがない。

中国の軍事・経済活動に対して大きな懸念が示されています。しかし中国に合わせて日本も軍事力を強化するというのは大間違いです。国力その他を比較して戦をして勝つの勝たないのという論議自体が間違いです。外交力を強くして、外交の力で、邪な考えは世界に通用しないことを知らしめることが大切です。日本は戦後76年間、一度も戦争をしないで、戦争によって一人の自衛隊員の命を落とすことがなかった。これは日本の大きな力です。

 

篠原孝氏

篠原孝 1区予定候補者:

自民党は総裁選をやっていますが、選挙の顔になるような人ばかり選んできて、組織運営のできない、マネジメント能力のない人ばかりを選んできた。今回も表紙を変えようとしているだけです。かつてリクルート事件の頃に伊藤正義さんという人に白羽の矢が立った時に「表紙変えても自民党の中身を変えなければ同じじゃないか」と言って引きうけなかった。今回も同じことが言えるのではないか。表紙を変えてもだめです。

やはり羽田孜さんが目指された軽やかに政権交代できる政治です。政官財の癒着がずっとつづいている。政権交代以外ないと思います。野党がバラバラではだめです。本当は別々の野党ではなく、一つのほうがいいんです。私は野党と市民の統一候補というのは今回限りにして頂きたいと思います。今回の野党と市民の統一候補を絶対成功させて全国にその成果を示したいと思います。5人一丸となって戦いたいと思います。よろしくお願いします。

 

下條みつ氏

下條みつ 2区予定候補者:

まずは今日を迎えたことに対して、市民連合の皆さん、各政党、そしてそれを支えて下さっている皆さんに心から感謝申し上げます。私を政治に導いていただいたのは、羽田孜先生です。先生がいつも言っていたのは、「政治は人の言うことに耳を傾けることだ」と。そして「民の声の代弁者だよ」という原点になるような選挙をやっていきたいと思います。これまで参議院選で重ねてきたことを、初めて衆議院選挙でも行っていけることに感激し感謝し感動しております。

ただこれからが一番大事な時間です。ぜひ一丸となって、本当の民の声、そして強さを長野県から発信できるような結果を導くようにがんばりますので、これからも皆さんのお力添えをいただくこと、心からお願い申し上げ、感謝を申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。

 

神津たけし氏

神津たけし 3区予定候補者:

市民と野党の共闘の候補として、この会議に参加でき、非常に光栄で身の引き締まる思いです。今回の選挙は、自公政権の政治を変える大切なチャンスです。格差がどんどん広がっていく状況を変えなければならないという思いで選挙に立つことにいたしました。

市民と野党の共闘は、細かい違いを乗り越えて、お互いが手に手を取り合って、共通の目標を達成するために、一緒に戦っていくという理解でいます。

私たちがそれぞれ分裂したままでは、自公政権に立ち向かうことはできません。今回の選挙は、一緒にたたかっていくことでようやく相手の背中が見えるたたかいだと思います。

長野3区は激戦と伝えられています。一人で戦い抜くには難しい選挙です。立憲民主党単独でも勝ち抜くのは難しい選挙です。市民の皆さま、野党の皆さま、一緒に力を合わせてたたかうことで、ようやく勝ち抜くことができるかもしれない。皆さまのお力をいただきながら御指導いただきながら勝ち抜いてまいりますので、どうぞご協力ご支援よろしくお願いします。

 

ながせ由希子氏

ながせ由希子 4区予定候補者:

信州市民連合の皆さん、各地域の市民連合、そうした市民と野党の共闘をすすめようと草の根で支えていただいたすべての県民の皆さん、そして野党各党の代表の皆さん、様々な話し合い、ご苦労もあったかと思います。本当にご尽力いただきありがとうございました。

私もここに立たせてもらった以上、なんとしても勝ち抜く、5人そろって新しい国会で皆さんの願いを届ける仕事やれるように全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いします。

3つ掲げてたたかってまいります。何よりも目の前にある命を守る。人間の尊厳の根本にあるいのちを守ることを大事にして政治を変えていきたい。その背景にある新自由主義の政治からの転換を目指していきます。

もう一点は、気候危機対策です。子どもたちや若者たちの手の届く将来に、この地球で生きていけるのか、農作物をつくっていけるのか、という気候危機に直面しています。日本政府が世界のなかでしっかり役割を果たす政治に変えなくては思います。

3点目は、すべての人の尊厳が守られる政治です。憲法に記された立憲主義、民主主義、平和主義、そしてすべての国民が個人として尊重される、ここを大切に貫きたいと思います。今日この会場に、女性は7分の1、8分の1くらいでしょうか。やはり社会のさまざまな分野に女性もどんどん進出していく。そしてどんな性を選択したひとたちも、障害のあるなしや経済的な事情、住んでいる地域、さまざまな違いをのりこえて、みんなが平等に人間らしく生きていける社会をつくるための選挙にしていきます。

ジェンダー平等社会の実現のためにも、長野県から女性を国会へ送り出してほしい。他党の皆さんや、多くの県民の皆さんに、心をひとつにたたかおうと思っていただけるようにがんばります。

 

曽我逸郎氏

曽我逸郎 5区予定候補者:

信州市民連合の皆さま方、本当にありがとうございました。ここに至るまでには、大変な御苦労があったと思います。おかげさまで、市民と野党の統一候補予定者となることができました。胸を張って活動ができます。ありがたいことです。

自民党ではダメだという思いを持ってらっしゃる方が大勢いらっしゃると思います。

地方の疲弊は大変な状況にあります。空き家が増え、荒廃農地が増え、お祭りもつづけられないという声、地域の共同作業も大変だという声もあります。

地方を元気にして、若い人が都会で、非正規で仕事をするのではなく、地方でのびのびと暮らせて、所帯をもって子どもたちを育てていける、子どもたちの声がたくさん響く田舎にしたい。長野県内、全国各地で同じ悩みを抱えていると思います。

都会、大企業ばかりを大事にする自民党政権、若い人、地方、農業を切り捨てていく自民党政権から、みんなの暮らしをきちんと支える政権に変えていかなければいけない。

大企業のことばかり考える、仲間の都合ばかり考える政治を続けるのか、地方に住み、ふるさとを守ってきた私たちの暮らしを本当に支えるようにするのか、その大きな方向を変えるチャンスです。

 

羽田次郎氏

羽田次郎 立憲民主党長野県連選挙対策本部長代行・参議院議員:

御指名いただきましたので、今日お集まりの皆様を代表して勝利への誓いを申し上げたいと思います。菅総理は「国民のいのちと暮らしを守るために総裁選には出ない」とおっしゃっていたにもかかわらず、今はワシントン。日本を離れています。国民と約束をしたにもかかわらず。もちろん大事な会議なのだと思います。でも3月にはオンラインで開催された会議。それになんでわざわざいま総理を辞める直前にアメリカまで行くのか。自民党内でも「子どもたちが修学旅行を自粛しているにもかかわらず、総理は卒業旅行に行くのか」と疑念を抱かれている。国民との約束を守らない政権をもうこれ以上つづけてはなりません。

前回の2017年の総選挙においては、野党がバラバラでたたかったことで、自公政権延命につながってしまいました。

昨年暮れ、新型コロナで命を落とした兄の欠員に伴う4月25日の長野県での参議院補欠選挙。当時の信州市民アクションの皆様、県内3野党の皆様と私が結んだ政策協定について、多くのご批判を浴び、私も時おり苦しい場面に立たされました。しかし皆様と共にたたかい抜いたことで、自公が推す候補者に対し、大きな得票差で当選させていただくことができました。

皆様とがっちりと手を組んでたたかった結果で、そのことが今、全国に波及して、政策協定を結び、そして共にたたかっていくという選挙協力の体制ができあがりました。

いま選挙情勢、全国的にはどうなるかわかりません。しかし、今回の政策協定が全国に波及したのと同じように、この次の衆議院選挙、県内の5選挙区において、すべて勝ち抜くことで、全国に向けて政権交代の狼煙をあげなければなりません。

そのために私も皆様と手を組み、しっかりと活動してまいりますので、どうか勝利に向けて、皆様のお力、お貸しいただけますよう心よりお願い申し上げ、私の勝利への誓いとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。がんばりましょう。

 

信州市民連合が3野党と確認書を締結-総選挙へ市民と野党の共闘がスタート

選挙区市民連合も野党候補者と確認書を取り交わし

信州市民連合は9月17日、立憲民主党県連・新政信州、日本共産党県委員会、社会民主党県連合の野党3党・1政治団体と総選挙に向けた「確認書」を取り交わしました。今秋の総選挙に向けて都道府県レベルで政党と政策に関する確認書を取り交わしたのは全国でも数少ないケースです。選挙区市民連合と野党候補者との間でも同様の確認書が取り交わされます。

これにより総選挙に向けた県内の市民と野党の共闘が成立し、市民連合、候補者、3野党が一体となった活動がスタートします。5選挙区すべてで自民候補に勝利し、国民の手に政治を取り戻しましょう。

9月24日には3野党代表、5選挙区候補者が一堂に会して

「信州市民連合キックオフ集会」を計画

信州市民連合と3野党、選挙区市民連合と候補者の間で共通政策を掲げる「確認書」が締結されたことを踏まえ、5選挙区候補者と3野党代表、市民連合関係者が一堂に会し、市民と野党の共闘で総選挙においてすべての選挙区で勝利し、政治を国民の手に取り戻す決意を固める集会を開きます。詳細は、県労組会議事務局までお問い合わせください。

☞ ここをクリック 信州市民連合と3野党・1政治団体確認書

☞ ここをクリック 信州市民連合ニュース(確認書締結)

立憲民主党県連・新政信州と確認書を取り交わし

日本共産党県委員会と確認書を取り交わし

社民党県連合と確認書を取り交わし

 

根昆布しょうゆと盛岡レーメンの共同購入の取り組み

「国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会」の取り組み~根昆布しょうゆ~

「国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会」が取り扱う「根昆布しょうゆ」の共同購入の取り組みへのご協力ありがとうございました。昨年を上回る1410本(塩分9%:1044本・塩分13%:366本)を集約することができました。

たくさんのご注文をいただきました!

国鉄闘争の歴史と意義を若い世代に引き継いでいく

「国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会」は、国鉄闘争の歴史と意義を若い世代に引き継いでいくことを目的に活動しています。

1987年4月1日に強行された国鉄分割民営化の際に、国鉄労働組合(国労)等に所属していたことを理由として1047人もの労働者がJRに採用されませんでした。

その後、1千名を超える被解雇者が20数年にわたり組織的に闘い抜いた争議は、日本の労働運動史上に前例のない闘いとなりました。長野県でも「国労支援長野県共闘会議」が結成され「国鉄闘争はすべての労働者の権利闘争」と位置づけて連帯して闘いました。

足掛け25年にわたり闘い抜いてきたJR不採用事件は、JRへの原職復帰は実現できなかったものの、政府や鉄道運輸機構に事実上、不当労働行為の責任を認めさせ、年金などを含む解決金を勝ち取り終結することとなりました。

 

国労長野地本と分担して長野県内各地へ配送

今年は、コロナの影響のため、紋別・美幌の会からは来県せず、県労組会議と国労長野地本が分担して長野県内各地へ配送しました。

今回、配送することで、初めてお会いできた組合の方々や書記の方も多く交流の機会にもなりました。ぜひ来年は北海道から「紋別・美幌の会」のメンバーの方々に来県していただき交流の機会を持つことができたらと願います。

 

「長野県原水禁」の福島の子どもたちへの支援の取り組み~盛岡レーメン~

また、「長野県原水禁」による東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を受けている福島の子どもたち、東北の復興を支援するための「盛岡レーメン」の共同購入の取り組みへのご協力もありがとうございました。こちらも昨年を上回る3588袋(17940食)を集約できました。

レーメンのつくり方のチラシ

コロナの影響もあり県内での保養受入の取り組みの多くがストップしていますが、コロナ禍のなかで保養支援を模索する保養団体や、甲状腺がんの子どもたちを支援する団体など、福島の子どもたち、東北の復興支援につながる取り組みへの支援金にあてたいと思います。

ご協力いただいた長野県内各地の労働組合、組合員の皆さまありがとうございました。

広い長野県内各地へ国労長野地本さんと分担して配送しました

〈第15期〉21世紀の労働運動研究会 棗一郎弁護士講演「新型コロナ経済危機下における労働問題」&コロナ禍の現場からの報告(医療・公共交通3単組)

〈第15期〉21世紀の労働運動研究会がスタート

7月3日(土)、長野市内において、「〈第15期〉21世紀の労働運動研究会」が開かれ、第1回講座として「新型コロナ経済危機下における労働問題~社会労働運動を担う労働組合の役割と期待」というテーマで棗一郎弁護士(旬報法律事務所)にリモートで講演いただきました。Zoom視聴と会場参加あわせて、約70人の方が参加されました。

昨年に引き続き、棗弁護士には、①新型コロナに伴う労働者の雇用、労働条件、権利、②均等待遇(同一労働同一賃金)の実施状況と問題点、③裁量労働制改悪や解雇の金銭解決など、今後の政府の労働制改悪の動向などを伺いました。

棗一郎先生・第1回講座レジュメ

弱い立場にある女性の雇用条件の悪化

コロナ経済危機は世界的に“女性不況”の様相を呈していることから、女性の雇用労働条件の格差問題に視点を当てながら、これらの課題に対して日本の労働組合がどのように立ち向かっていくのか。労働組合が担うべき社会労働運動の役割と期待について考える機会となりました。

リーマンショックの頃と比較して、女性の相談は桁外れに多くなり相談内容もどんどん深刻化している状況から、市民団体と第二東京弁護士会の女性弁護士有志が中心となって「女性による女性のための相談会」(7月10・11日)が企画されていること、ゴールデンウィーク大人食堂が想定以上の来場があったことなど具体的な取り組みについて報告されました。

男女不平等の国“日本”の現実を直視しよう

棗弁護士は、男女不平等の国“日本”の現実を直視しようと呼びかけられ、日本のジェンダーギャップ指数が120位(2020世界経済フォーラム)という低い順位にあり、年を追うごとに順位を下げていることを指摘されました。労働組合の女性執行委員の比率(構成組織15.4%、地方連合会12.8%)にも触れられ、労働組合自身も変わっていかなければならないと訴えられました。

政治・経済分野の男女格差が改善されず、ジェンダーギャップ指数は主要7カ国(G7)でも最低の順位。(棗一郎弁護士のレジュメより)

 

棗一郎弁護士のZoomを利用してのリモート講演

 

 

コロナ禍の現場からの報告~医療・公共交通~

講演後は、コロナ禍で困難な状況に直面している医療・公共交通3単組役員から現場の切実な状況を報告して頂きました。

(上段左から)松澤佳子県労組会議議長、小林長野地区労組会議議長、比田井自治労・県立病院労組委員長 (下段左から)吉村私鉄県連・長野電鉄労組教宣部長、清滝長電労組自動車対策部長、鳥羽全自交・アルピコタクシー労組委員長

公立病院が、コロナ患者の約8割を受け入れている現状

自治労・県立病院労組からは、全国にある8203病院のうち、2割に満たない公立病院が、コロナ患者の約8割を受け入れている現状と病院で働く仲間の窮状を共有していただきました。コロナ患者に対応する看護師の個人用防護具(PPE)の着脱(二人体制で着用5分・脱衣10分)の大変さ、PPEを着ての作業は二時間が限度で、サウナのような蒸し暑さになり脱水状態になる方もいること。配膳なども看護師の業務となり負担が大きくなっていること。アビガンの処方に関連して薬剤師が夜間に何度も呼び出されたり、コロナ患者さんの移動ルートを事務員が清掃するなど時間外労働が増加している状況にあるそうです。

私鉄労働者の大幅な収入減少への対応

私鉄県連・長野電鉄労組からは、2020年度春闘で年間協定として締結した冬季分の臨時給が減額され、低い賃金を補っていた時間外・公出がなくなり私鉄労働者の年収が大きく減少したことへの対応として、組合費の非徴収、闘争資金(毎月の積立金:基本的に退職時に返金)の臨時払い出しを行ったことなどが報告されました。

休業手当の額を低く抑えたい会社側と交渉

全自交・アルピコタクシー労組からは、休業手当の額を低く抑えたい会社側と交渉し、平均賃金の算定方法を変更させたことや、アルバイトの実施が許可されたことなどが報告されました。

 

次回の21世紀の労働運動研究会は、小川英郎弁護士を講師にお招きして開催します。ぜひご参加ください。

〈第15期〉21世紀の労働運動研究会 今後の予定

第2回
講師:小川英郎(弁護士/ウェール法律事務所)
日時:9月11日(土)13:30~
会場:上田市丸子解放センター
内容:パワハラ・セクハラ・いじめ問題、メンタルヘルス対策/分散交流会

第3回
講師:渡辺寛人(社会福祉士/東京大学大学院/NPO法人POSSE事務局長)
日時:10月9日 13:30~
会場:伊那市(予定)

内容:ブラック企業と若者たち~労働相談・組合づくりの現場から/分散交流会

第4回
講師:宮里邦雄(弁護士/東京共同法律事務所)
日時:11月6日(土)13:30~
会場:松本市勤労者福祉センター(予定)
内容:労働者の権利と労働組合の役割/ワークルール検定

守ろう平和憲法 信州ネットワーク 第30回市民の憲法講座・竹信三恵子さん講演『コロナ禍と女性不況が照らし出した憲法の意味』

憲法記念日の5月3日の講演をYou Tubeにアップしましたので、ぜひご視聴ください。

◆コロナが直撃した女性の雇用問題

長野市で開かれた第30回市民の憲法講座(信州護憲ネット主催)では、長年女性の貧困問題を取材してきたジャーナリストで和光大学名誉教授の竹信三恵子さんがオンラインで講演。コロナ禍で浮き彫りとなった「女性不況」の実態を通じて憲法が保障する生存権や9条の意義について考え合いました。

 

【竹信三恵子さんプロフィール】

(たけのぶ・みえこ)
ジャーナリスト・和光大学名誉教授
1976 年、朝日新聞社に入社。同社編集委員兼論説委員、和光大学教授などを経て 2019 年4月から現職。2009 年、貧困ジャーナリズム大賞。
著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞受賞)、『ルポ賃金差別』(ちくま新書)、『家事労働ハラスメント』(岩波新書)、『正社員消滅』(朝日新書)、『企業ファースト化する日本~虚妄の<働き方改革>を問う』(岩波書店)など。最新刊に、『10 代から考える生き方選び』(岩波ジュニア新書)、『官製ワーキングプアの女性たち』(共著、岩波ブックレット)など。

       

昭和電工ユニオン大町支部・県労組会議交流会

12月23日、サンアルプス大町(大町市)で、昭和電工ユニオン大町支部・県労組会議交流会を開催しました。コロナ感染症の影響を受けて、予定していた工場見学は行わず、縣委員長から昭和電工ユニオン大町支部の活動報告と、山本書記長から昭和電工大町工場の事業の概要ついてご紹介頂きました。

昭和電工ユニオンとは

昭和電工ユニオン基本理念「連帯と信頼」

大町支部の組合員約220名の平均年齢34.7歳と若い世代が多く、山本書記長のお話から、若年層にも個々の生活あっての労働という意識が浸透していることがわかりました。

大町支部の組合員の平均年齢34.7歳

質疑応答では、配員係数・配員協定や職場の問題解決を行うための課長交渉など大町支部の活動に対して質問が多数あり、また工場でのアスベスト対策についても質問がありました。いい製品を作るためにも労働者が安全に働く環境が大事であると再確認でき、各労組の今後の活動に向けて励みとなり、よい学習の機会となりました。

大町事業所の主力製品「黒鉛電極」

鉄のリサイクル

~昭和電工大町事業所紹介(昭和電工ホームページから転載)~
大町事業所は1933年昭和アルミニウム工業所として設立され、1934年に国産アルミニウムの工業的生産に成功しました。その後、1938年から黒鉛電極の製造を開始し、以来、黒鉛電極をはじめとしたカーボン製品を生産しています。黒鉛電極では世界最大の32インチ品の生産技術を確立しています。
大町事業所では、3カ所の水力発電所(青木湖、常盤、広津)を有しています。その発電のために全長36kmに及ぶ水路を運用していますが、この水は発電のみならず地域の農業用水、生活用水としても利用されています。

👉 大町事業所紹介パンフレット

小川英郎弁護士がパワハラやセクハラをテーマに講演――労働運動研究会

県労組会議は11月21日、伊那市で「21世紀の労働運動研究会」第4回講座を開き、約50人の組合員が参加しました。

講師は、小川英郎・弁護士(ウェール法律事務所)で、過労死、パワハラ、セクハラなどの問題について講演していただきました。今年6月からパワーハラスメント防止法が施行され、パワハラの法律的な位置づけが明確となり、職場で防止対策を徹底することが求められています。小川弁護士は、具体的な事件や判例を取り上げて説明しました。

小川弁護士は、パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)や厚生労働省の「指針」では、パワハラとは、①優越的な関係に基づいて、②業務の適正な範囲を超えて、③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害することと定義されていると指摘。どのような行為がパワハラになるかという点では、①身体的攻撃(暴行・傷害)、②精神的な攻撃(脅迫・暴言)、③人間関係の切り離し(隔離・仲間外し・無視)、④過大な要求(業務上明らかに不要なことは遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)、⑤過少な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)、⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)などが挙げられていると説明しました。

講演後には、3班に分かれて、分散交流会を行いました。参加者からは、パワハラやセクハラ、マタハラなど職場での様々ないじめがあることが報告され、労働組合の防止対策の取り組みが重要だと再確認されました。

 

小川英郎弁護士

 

労働運動研究会で宮里邦雄弁護士が 労働者の権利と労働組合の役割について講演

県労組会議は10月24日、14期目となる「21世紀の労働運動研究会」第3回講座を長野市で開き、約50人の組合員が参加しました。講師は、日本労働弁護団元会長で、労働弁護士の権威である宮里邦雄先生。セブンイレブンの店長などでつくる長野一般シーブイエストヨクラ分会の「名ばかり管理職」裁判で弁護団の主任弁護士を務めていただきました。

講演のテーマは、「労働者の権利と労働組合の役割」。講演では、コロナ禍で非正規労働者の権利が侵害されている現状のなか、改めて労働者の権利意識を高めていく必要性が強調されました。宮里先生は、労働者の権利を実現するために、①権利について知ること、②権利意識を持つこと、権利を行使すること、④権利侵害を救済する手段・方法を知り、活用すること、⑤仲間と連帯し、団結の力によって権利を実現することなどが重要だと述べました。

講演後には、Q&A方式でワークルール検定を行いました。参加者全員が番号札をもって、正解だと思う回答を選択する方式で、楽しみながら労働法令について学びました。

宮里邦雄弁護士

 

県労組会議定期総会―コロナ下で新たな団結と連帯をつくる決意を確認 菅自公政権に対峙し、市民と野党の力で総選挙を勝ち抜く決議も採択

長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月23日、長野市内で43人の代議員、役員が参加し、第25回定期総会を開きました。総会では、コロナ禍で厳しさが増している労働者の生活や労働の実態をみんなで共有し、新たな団結と連帯をつくりあげようと確認しました。

総会は、コロナ感染防止対策のため、来賓は呼ばず、傍聴者の参加もなく最少人数で実施。消毒や換気、「3密」を避ける対策を徹底しました。

安倍政権の突然の退陣、菅政権の発足という政治状況で開かれた総会で、総会の冒頭、松澤佳子議長は、アベ政治を継承する菅政権では、コロナの感染防止対策も不十分で、「自助」という名の「自己責任」が強調され、労働者の生活改善や平和・民主主義の堅持が危うくなると述べました。

代議員からの発言は3人。「コロナ禍でJR東日本でも国労が会社に対し感染防止の職場要求を出している。国労の人員が減ってきているが、少数でも運動を継続するために頑張りたい」(宇佐美代議員・国労長野)、「コロナ禍で反核平和の火のリレーはランナーが走らないで、自治体への要請だけ実施した。最低限の運動をやれてよかった」(中村代議員・自治労)、「コロナで『交通崩壊』の危機が迫っている。賃金・一時金も大幅にカットされている。公共交通維持のためにみなさんの支援をお願いしたい」(深井代議員・私鉄県連)などの発言がありました。

総会は最後に、菅自公政権に対峙し、市民と野党の力で総選挙を勝ち抜く決議と「コロナ後には、競争と自己責任、差別と分断を生む新自由主義的政策の流れを断ち切り、公助や共生、格差是正のための再分配、助け合い社会へ転換」しようとする「総会決議」を採択しました。

なお、総会では役員が改選され、松澤佳子議長が再選されました。

     

☞ 総会で採択された特別決議

☞ 総会で採択された総会宣言

福島原発被ばく労働の実態は!? ――現地からの報告 ――

2020年10月10日 若里市民文化ホールにて

福島県いわき市議会議員の狩野光昭さんをお呼びして、

「東京電力福島第一原発事故から10年目を迎えた中での福島県民の課題」と題し、

 1.原発周辺の町村 帰還が進まない厳しい現実

 2.県民健康調査甲状腺検査について

 3.原発廃炉に伴う諸課題

原発労働の実情・汚染水についてなど、今の福島の様子を報告していただきました。

フクシマ原発労働センター代表として日々、労働相談にのっていらっしゃるその現場の実態を聞いて、驚くとともに、私たちに何かできることはないのかと考えさせられました。

講演後は、柏崎刈羽原発差止請求訴訟原告、涌井純生さん、いいづなミツバチの会の瀬尾代表、チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子さんからそれぞれ活動報告をいただきました。

 

👉 脱原発2020㏌信州チラシ

👉 狩野光昭講演資料・東電からのコロナ対策回答書