21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

「災害時の廃棄物処理・アスベスト対策を考える学習会」-長野県アスベスト対策センター第6回総会-

災害時の廃棄物処理・アスベスト対策を考える

長野県アスベスト対策センターは、5月19日にJA長野ビルで、第6回総会後に「災害時の廃棄物処理・アスベスト対策を考える学習会」を開催しました。長野県内の自治体の廃棄物処理の担当者を中心に会場・Zoomを合わせて60人が参加しました。

今回の学習会は、昨年9月に開催したシンポジウム「令和元年長野市台風19号災害におけるアスベスト対策」で報告された長沼地区(千曲川の堤防が決壊)や長野市の取組みとその教訓について、県下の自治体間で広く共有することを目的として開催しました。長野県、長野市、松本市のほか多くの町村から担当者が参加されました(13自治体)。

学習会では、元長野市長沼地区住民自治協議会会長の西澤清文氏(報告Ⅰ)、長野市環境保全温暖化対策課(被災時)の桑原義敬氏と長野市環境部廃棄物対策課の中嶋隆夫氏(報告Ⅱ)、中皮種・じん肺・アスベストセンターの永倉冬史氏(報告Ⅲ)からそれぞれの取り組みや見えてきた課題について報告をいただきました。

長野県アスベスト対策センター鵜飼代表

【来賓挨拶】長野県環境部資源循環推進課 滝沢課長

【報告Ⅰ】堤防が決壊した長沼地区での災害ゴミ対策の教訓

元長野市長沼地区住民自治協議会会長 西澤清文氏

報告Ⅰで登壇した元長野市長沼地区住民自治協議会会長の西澤清文氏からは、「台風19号災害時の長沼地区での災害ゴミ対策の教訓について~その経緯と課題~」と題して、災害に備えて長沼地区で行ってきた取り組み(地区防災計画等)、発災初動対応期の長沼地区での実態(災害ごみ勝手仮置き場等)、Operation One Naganoの取組みや、災害ゴミ分別チラシへのアスベストの記載についてなど、災害現場でどういうことが起きていたか具体的にお話いただきました。そこから見えてきた災害廃棄物(災害ゴミ)への対応と教訓、課題について共有していただきました。

長沼地区の「勝手」仮置場の実態

地権者・管理者に了解をとったうえで確保された仮置場

アスベストの注意喚起の記載がなかった災害ゴミ分別チラシ

災害に備えて普段から準備をしておくことが重要

【報告Ⅱ】長野市のアスベスト対策・災害廃棄物処理の取組み

台風19号災害に対応した長野市担当者からの報告

報告Ⅱで登壇した長野市の桑原氏からは、①「大規模災害発生時(令和元年東日本台風災害)の石綿飛散防止の対策について」と題して、被災地での石綿防止対策として実施した緊急的な対応及び計画的な事業の手順とその内容(災害廃棄物仮置場等でのモニタリング調査、建設業及び解体工事事業者への注意喚起、ボランティア・被災者への情報提供、解体作業現場の立入調査の実施、不適正な事例紹介)について報告いただきました。

また長野市の中嶋氏から②「台風19号災害での災害廃棄物処理の取組について」と題して、災害廃棄物仮置場の選定、災害廃棄物仮置場の準備で注意したこと(高さ、危険物、動線、無関係な廃棄物の持込禁止)、被災世帯への周知、実際の運用のなかでのアスベストの分別状況、仮置場周辺で発生した渋滞や災害ゴミの発熱などさまざまな問題について報告いただきました。

そのなかで、長沼地区などで発生した自主仮置場の解消に向けて、内閣府・国交省・環境省・自衛隊・NGO・長野県・長野市による「自主仮置場の解消に向けた打ち合わせ会議」(11月26日までに延べ24回開催)が開催され、関係者が連携して赤沼公園・大町交差点に災害廃棄物を集積し、郊外の仮置場へ搬出するフローが構築され搬出が開始されたこと、「オペレーションONE NAGANO」と称して昼間は市民・ボランティア・行政職員等が廃棄物を赤沼公園に搬入し、夜間に自衛隊が赤沼公園から郊外へ搬出する活動が実施されたことなどを詳しく説明いただきました。

反省点として、鉄板(砕石)が用意できず、廃棄物の運搬に伴い周辺の道路が泥で汚れ、苦情が発生した仮置場があったことや、被災地以外での仮置場は廃棄物の保管が長引くと住民の苦情が発生する(付近住民の理解必要)ことなどを挙げられました。

今後もいつどこで発生するかわからない災害に備えて、長野市の経験を検証し、その教訓を今後に生かしていくことの重要性が伝わりました。

 

 

【報告Ⅲ】東日本大震災・熊本地震でのアスベスト対策

中皮種・じん肺・アスベストセンター 永倉冬史氏

報告Ⅲでは、「中皮種・じん肺・アスベストセンター」の永倉冬史氏から、「東日本大震災・熊本地震でのアスベスト対策」と題して支援活動の内容とその教訓について報告をいただきました。

被災地で撮影された写真から、がれきのなかにアスベスト含有建材の破片や鉄骨に吹き付け材があること、がれきを重機で搔き集める際に粉塵が発生することなどが示され、住民やボランティアがアスベストに曝露することを防ぐために、現地で行われた防じんマスクの装着のレクチャーや、解体現場を見守る住民へのマスク配布などの活動について報告いただきました。

また「中皮種・じん肺・アスベストセンター」の被災地でのアスベスト調査活動(マッピング、石綿濃度測定など)と被災地での報告活動(調査結果の報告)の取組みについても、東北や熊本での実際の活動事例を挙げながら解説いただきました。

東日本大震災沿岸部の被災地での活動の様子

 

震災等災害時のアスベストリスクの検証

災害時のボランティアの曝露が懸念されている

アスベストの危険性を住民に周知しておくことが重要

熊本地震でアスベスト汚染はあったのか

阪神大震災、東日本大震災での吹き付けアスベスト飛散の経験から、環境省が早い段階で対応について指示を出し、業界団体が熊本県、熊本市に協力して建物調査を実施でき、吹き付けアスベストのある建物19棟を特定し、飛散防止対策、除去工事を実施できたことなど熊本地震では過去の大地震の際にくらべ適切に対応できたことも多く学ぶべき点が多いことが指摘されました。

教訓として平時から吹き付けアスベストの有無を調査・把握しておくことの必要性、防災計画にアスベスト対策をきちんと入れること、行政では緊急時対応訓練、図上演習の実施の重要性が指摘されました。

アスベスト含有建材への対策が丁寧に実施されている

 

災害発生前から防塵マスクを備蓄しておくことが大切

 

災害が起きる前から備えることの重要性

石綿輸入量と中皮種死亡者数の推移(日英比較)

最後に、イギリスでのアスベスト輸入量とアスベスト被害のグラフから、今後、大量にアスベストを輸入・使用してきた日本でも中皮種などのアスベスト被害が顕在化していくことが予想されることが指摘されました。災害時だけでなく、アスベスト建材を使用した建造物の老朽化もすすみ解体工事が増えていくことから、新たな被害が生まれる可能性が高まっていくことが危惧されます。永倉氏は報告の最後に、子どもたちに負の遺産を残さないためにと訴え、今後の取り組みが重要になってくると強調しました。

日本でも被害の拡大が予想される

【学習会参加者アンケート紹介】

アンケートには、非常に参考になったと言う声や、アスベストを知らない若い世代がいることへの驚きなどの感想が寄せられました。

アスベストの危険性を知らない世代にどう伝えていくかなど新たな課題も見えてきた学習会になりました。

報告Ⅰ 感想

・各地区において防災計画を策定しているということを聞いて大変驚きました。自治会での動き、また市・県の動きの経過ごと示したフローも分かりやすく非常に参考になりました。

・災害発生時は、突然の事であるので、どうしても個人対応になってしまうと思う。自分の事で精一杯で、他人の事を心配している状況にない。台風19号の時は、私は、松代地区にボランティアに入ったが、青垣公園のゴミ捨て場に行ってもアスベストに関する情報が無かった。やはり、行政が災害時のマニュアルを作成する事が大切と感じた。

報告Ⅱ 感想

・水質汚濁事故の対応だけでなく、公費解体の立入り検査など、アスベスト対策に関してお聞きし勉強になった。仮置場の運営、また設置前の備えなど、事前にどこまで対策を行えるか考える機会になった。

報告Ⅲ 感想

・東日本大震災時のお話など、住民の方がアスベストにばく露する危険性が高まることを改めて感じた。アスベスト台帳など事前の備えの重要性を感じた。

・自治体の若手職員がアスベストのことを知らないのはおどろいた。周知は必要と感じた。今後の被害者の増加が心配だ。

アンケートに寄せられた声

長野県アスベスト対策センター第6回総会

午前には同会場で、長野県アスベスト対策センター第6回総会が開催されました。2022年度の活動経過報告、決算報告、2023年度の活動方針、予算などが確認されました。県アスベスト対策センターは、今後もアスベストの危険性を多くの方に知っていただき、災害時におけるアスベスト被害を防ぐために活動をすすめていきます。またアスベスト被害に苦しむ当事者とその家族の相談支援、裁判支援等を継続していきます。

【県アスベスト対策センター今後の予定】

7月2日(日曜日)に第10回アスベスト被害面談・電話相談会を開催します。過去の相談会で寄せられた相談から労災申請にも繋がっています。アスベストの健康被害を抱える方や不安を感じている方、アスベスト加工を業務とする事業者などからの相談をひろく受け付けます。

※相談料は無料/秘密厳守 ※面談相談を希望される方は事前にご連絡ください。

日時 2023年7月2日・日曜日 10:00~16:00

面談相談 長野県労働会館3階 第2小会議室/第3小会議室

電話相談 026-234-2116

 

県議選で推薦・支持候補7人が当選

労働者の声が届くリベラルな県政をめざそう

4月9日、投票が行われた長野県議会議員選挙では、県労組会議が推薦・支持する7人が当選を果たしました。

県労組会議は昨年8月に行われた県知事選で阿部守一知事を推薦しました。これは、阿部知事の12年間の県政運営を総合的に評価すると、私たちが掲げる理念・政策とおおむね方向性を共有していると判断したからです。ただ、県議会を構成するほとんどの県議が阿部知事を支持する状況のなかで、県政のスタンスがどちらかというと産業界や保守政党に向き、勤労者の声はかき消されがちになっています。県労組会議は、労働者・勤労者の声を代弁し、暮らしや平和、民主主義、人権を最優先するリベラルな県議会議員の存在が必要だと考えています。

今回当選した7人の推薦・支持議員と一緒になって、労働者の声が届く県政をつくっていきましょう。

県労組会議が県議選で9人の候補を推薦・支持

投票日は4月9日 くらしと平和を守る一票を

3月31日告示、4月9日投票で県議会議員選挙がスタートしました。県労組会議は、民主主義と平和、勤労者のくらしを守る県政を推し進めるため、9人の候補を推薦・支持しています。

2023年もよろしくお願いいたします

平和と民主主義、人権、労働者の生活と権利を守るために

2023年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年1年間は、2年間にわたるコロナ禍により、非正規雇用労働者や女性、ひとり親家庭、在日外国人労働者など、社会的に弱い立場の人々の生活や仕事へのダメージが長く続き、生活に困窮する人たちがさらに増加しました。一方で、コロナ下でも大企業や富裕層は富を蓄え、社会的・経済的な格差はさらに広がったというのが実感です。

また、岸田文雄政権は、ハト派の宏池会に所属し、被爆地・広島の出身を前面に押し出し、「聞く力」を強調してきましたが、その反動的な本性が明らかになった1年でもありました。法的根拠のない安倍元首相の「国葬」の強行、戦後日本の専守防衛を基本とする防衛政策を大転換させる「敵基地攻撃能力」の保有や防衛費の倍増方針の策定、3・11以降、政府がエネルギー基本計画に掲げた「原発依存度の低減」を空文化する原発政策の大転換による原発再稼働の推進、老朽原発の運転延長、新増設と建て替えの推進などを決めてしまいました。このような重要政策の転換が、国会でも十分議論されす、主権者たる国民に問いかけもしない手法で強行されました。とても容認できるものではありません。岸田政権は、もはや「ハト派」の仮面をかぶった超タカ派政権と断定せざるをえません。

私たち県労組会議は、このような岸田政権と対峙し、この1年間、労働者・市民とともに運動を進めていく決意です。

県労働会館入居団体が一堂に会し新年会

県労組会議も入居する長野県労働会館に専従する役職員が一堂に会する恒例の新年会が1月4日、行われました。

多くの来賓の方にもご出席いただき、2023年年頭にお互いが元気に活動を進めていくことを誓い合いました。

出席いただいた来賓のみなさまは以下の通りです(敬称略/順不同)。

◇篠原孝(衆議院議員/立憲民主党)、◇杉尾秀哉(参議院議員/立憲民主党)、◇埋橋茂人(県議会議員/立憲民主党)、◇望月義寿(県議会議員/立憲民主党)、◇池田清(県議会議員/立憲民主党)、◇布目裕喜雄(長野市議会議員/社会民主党)、◇中山千弘(県労福協理事長)、◇小池政和(県労働金庫理事長)、◇村山智彦(こくみん共済coop長野推進本部本部長)、◇浅田道憲(県住宅生協専務理事)

平和フォーラムが3年ぶりに「ピーススクール」開く

若手組合員約40人が3日間、平和や憲法、人権、環境問題を学ぶ

長野県からは青木雅裕・私鉄県連書記長が参加

フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)は11月18日から20日までの3日間、東京都内に全国から約40人の40歳程度までの若手組合員を集めて「2022ピーススクール」を開きました。労働組合の活動で平和や人権、民主主義の意義を広げていく取り組みが重要性を増しているなか、次代を担う人材の育成が求められています。ピーススクールでは、平和・人権・環境・民主主義などに関するテーマで6人の講師が講演、フィールドワークとして参加者は、国会前での宣伝行動にも参加しました。

長野県からは、私鉄県連書記長(アルピコ労組川中島バス支部)の青木雅裕さんが参加しました。青木さんの報告・感想を掲載します。

「改めて活動の原点に触れたスクールだった」

青木雅裕(私鉄長野県連書記長)

誠に恥ずかしながら会社に入社してから今まで労働組合の活動には参加してきた方だと思っていました、「平和」や「護憲」に関わる集会や春闘に伴う集会など活動などです。今では自分が伝えなくてはならない立場になって、改めて活動の原点にふれ、日々変わる情勢に目を向けながら学習はいくらやってもいいのだと思った次第です。

全国から集まった参加者が3日間みっちりと学習

スクールでは班に分かれて「ディベート」も体験した

第1講座 原水禁運動の歴史と課題  金子哲夫氏(広島原水爆代表委員)

今年の原水禁世界大会(広島)にも参加し、日本の被爆者の多くが高齢化していて自分たちの世代が伝える役割持たなくてはと思っていましたが、原水禁運動はウラン採掘者やマーシャル諸島の住民までと聞いて、自分が日本のことしか考えていなかったと思い知らされました。

第2講座 立憲民主党前代表が語る  枝野幸男氏(立憲民主党前代表)

枝野幸男・立憲民主党前代表

労働組合で役員をやっていて民主主義が最善だと思いの方も多いと思われますが、枝野元代表の「民主主義は間違えるときも在る」とのお話しを聞いて、過去に自分の組合で意見が割れた案件などで、多数決で採決した事がありました、枝野議員は国民や組合員がしっかりと監視をしていないと民主主義は間違った方向に向かう時がある。例えば「ヒトラー」や「ムッソリーニ」など、圧倒的な支持を受けて誕生した政権が独裁指導体制となりホロコーストを引き起こし多くの人命を奪うことに繋がるなど同じ過ちを犯さぬようにしてなくてはならないと強調しました。

第3講座 在留外国人の人権課題  鳥居一平氏(移住連代表理事)

外国人労働者の実態を聞いたのは初めてでした。長野県にも労働人口の減少により、海外からの技能実習生が多くいます。働く姿を目にしても何気なく過ごしていましたが、働く外国人の方々の労働実態には大変興味を持ちました。雇用主が思うがまま過酷な条件を突きつけて働かせ、実習生が意見をすれば契約を打ち切り強制帰国になることもあると言います。鳥井氏の元に救済を求めた技能実習生は所定の労働時間に260時間にも及ぶ時間外労働を強いられたり、2年間も休みもなく働かせたり、日本に実習で来た際に生活用品は付与されますが、寝具や家電など用意はあっても高額なリース代を毎月請求されたりと、雇用主からの「ピンハネ」が酷い実態である事も聞かせていただきました。日本では賃金を抑えて利益を追求する風潮が長く続いています。このままでは日本はダメになると強く感じました。

第4講座 憲法を考えるワークショップ   本庄未佳氏(岩手大学准教授)

本庄未佳・岩手大学准教授

日本国憲法前文の作成過程で前文を作成した「ハッシー」氏の描いた日本国憲法は平和憲法に道徳的な表現を用いるべきではないと主張しましたが、GHQを率いる米国(マッカーサー)の思惑と違っていました。GHQは敗戦国である日本の武力を奪い、その無防備な日本を米国が守る、沖縄を要塞化する事で他国の侵略に備えたのだと話されました。

憲法では戦力の不保持・交戦権は否認するが、自衛権を否定するものではないと規定しています。自民党が進めるのは集団的自衛権を行使するために「憲法」を改憲したいのではなく「日米安全保障条約」を改悪したいだけだとのお話しを聞かせてもらいました。

第5講座 近代沖縄の歴史と文化  大里知子氏(法政大学沖縄文化研准教授)

大里知子・法政大学沖縄文化研究所准教授

沖縄の歴史を知るには琉球王朝の時代に遡らないと今の沖縄のアイデンティティーは伝わらないとのお話しでした。日本人の多くの方々は沖縄の戦中・戦後の話ししか知らなくて、日米地位協定がある事で、基地周辺で様々な事件が起こるたびに泣いてきた沖縄県民、自分たちの生活を守る為に祖国復帰を果たし「日本国憲法」が適用されることを望む人が多くいたと、沖縄県の参加者の声を聞き気付かされました。

 

第6講座 環境課題と原発  松久保肇氏(原子力資料情報室事務局長)

日本政府の進めるCO2排出削減や電力需給の問題など、昨今電力供給不足のために節電を要請する電力会社の報道が時々あります。この逼迫した状況を打開するために、原発を稼働させようとする世の中の動きもありますが、原発を稼働させたとしても、火力発電所を止めるので逼迫状況は変わらないとのお話しでした。原発を稼働させればCO2は排出しませんが、燃料となる核燃料を作成する際には大量のCO2を排出すること、今後新たな原発を建設することは難しいので、いまある原発の対応年数の40年を延長させたい経済界の思惑が見え隠れします。日本は海外から輸入する化石燃料を購入しなくてはならない国なので全ての原発に反対するというのも難しい判断だと思いますが、「核のゴミ」問題も解決の糸口すらまだなく、最終処分場の予定地である北海道の問題も自分の住む街じゃないからと目を伏せていてはダメだと思いました。

後世に押し付けることなく「自然エネルギー」の技術がもっと発展するために自分への問題意識にしなくてなりません。

フィールドワークは国会前での宣伝行動

国会議事堂の前で

国会前行動であいさつする勝島一博・平和フォーラム共同代表

発言する青木雅裕さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピース・スクールを終えて

コロナ感染症が拡大する中で、当初予定していた懇親会などがなくなり、黙食で夕飯を食べるなど、全国から集まった仲間との交流は行えず少し寂しく感じましたが、主催者のリスク管理を思えば仕方ない判断なのだと思いました。事務局の方々は「平和」「軍事」「憲法」など多岐にわたる日本の問題の捉え方を押し付ける集会をしているのではなく、すべての物事を自分たちで考える機会を与えてくださったと思っています。

集会の締めに、三つのテーマを各班ごと分けて討論する場「ディベート」を行いました。

・原発の再稼働は「1必要」「2不必要」

・防衛力の増強は「3必要」「4不必要」

・労働組合の積極的な政治への関与と平和運動「5必要」「6不必要」

6班に分けられたグループがそれぞれの立場を選び肯定派と反対派に分かれて討論しました。

日頃から組合では反対派の声を聞く機会があります。組合の役員を担っていると、不満を言う組合員の声を聞くと思いますが、頭ごなしに否定するのではなく、相手の主張をしっかり聞いて答えなくはならない、責任感を改めて持ったいい機会になりました。

長野県内の仲間の皆様、参加させて頂きありがとうございました。

格差と貧困、戦争を生みだす新自由主義政策の転換を

「自助」よりも「公助」、「自己責任」より「共生」、

労働者・国民の暮らしと平和を最優先する政策へ

県労組会議が定期総会開く-新議長に宇佐美正信氏(国労長野)

長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月21日、代議員・役員など約50人を集め、長野市内で第27回定期総会を開きました。

主催者あいさつで、松澤佳子議長は「今日は10月21日。私の年代では、10.21国際反戦デー集会をやった記憶がある。ベトナム戦争反対デモが行われていた。今、ウクライナ戦争の即時停戦を求めてウクライナ市民の声に耳を傾けなければならない。ウクライナに暮らす女性の言葉に『何かを組織できる団体が存在していることが大事だ。一人の人間は小さくてもどこかの団体に所属していることで、自分だけじゃないと思うことができる』とある。労働組合の意義はここにある。平和を求める運動を職場・地域から、労働組合が組織として、団体として声をあげていく必要がある。ある社会福祉法人の労働者が、新たな労働組合を立ち上げた。本当に勇気のいることだったと思う。パワハラやセクハラやさまざまな問題を抱え、労働基準監督署に相談したりしてきたが、最後に労働組合として闘わなければだめなんだと、一生懸命に組合員を募り、パート労働者にも声をかけて、過半数を超える労働組合を結成できた。職場集会でパート組合員の方の『私たちにも声をかけてくれて本当にうれしい』という発言に目が覚める思いだった。自分の置かれている実態を素直に話せる職場での集会がすべての労働組合でできたら、どんなにか労働組合は素晴らしいものになるか、実感した。正しいことを言えば攻撃をされる、こんな世の中じゃいけない。変えていかないといけない。自分は労働組合での任務は終わるが、引き続き一人の市民として、一人の女性として、しっかり声をあげていく決意だ」と訴えました。

討論では「7月から8月にかけて青年女性で77市町村を走り抜ける反核平和の火リレーに取り組んだ。ウクライナ戦争が続くなか、改めて平和の大切さを実感した。私鉄の仲間からの『私鉄は平和産業』という言葉が印象的だった」(自治労)、「アスベスト被害で仲間を亡くした。JR総合車両センターでは、建物や車両にアスベストが使用されていて、解体時などに飛散する危険性がある。会社に責任ある対応を求めている」(国労長野)、「コロナ禍により私鉄は厳しい状況に置かれている。高速バスはピークで利用者が8割減、貸切バスはほぼゼロになった。収入が減り生活できないので退職者も相次いでいる。県労組会議から私鉄県連、単組に支援金をいただき感謝している」(私鉄県連)、「松澤佳子議長が退任するが、4年間、みなさんにお世話になり感謝したい。現在の経済・政治状況でまさに労働組合の社会的役割が問われている。共生や連帯という労働組合の価値観を大切にして活動しよう」(自治労)などの発言がありました。

特別決議として「岸田自公政権の軍拡・改憲を阻止する決議」が採択されました。総会は最後に「組合員はもちろんですが、組織されていない労働者・国民にも共感が広がる労働運動が今こそ必要とされています。コロナ後を見据えて、地域社会において労働者の新たな団結と連帯を再構築しましょう」とする「総会宣言」を採択しました。

なお、総会では任期満了に伴う役員改選が行われ、4年間にわたり議長を務めた松澤佳子氏(自治労)が退任し、新たに宇佐美正信氏(国労長野)が議長に就任しました。選出された三役は次の通りです。◇議長=宇佐美正信(国労長野)、◇副議長=伊藤浩二(自治労)、同=若林茂(私鉄県連)、同=大橋孝宏(森林労連)◇事務局長=喜多英之(自治労)

議長退任あいさつをする松澤佳子氏

議長就任あいさつをする宇佐美正信氏

総会会場では、JAL争議団の鈴木圭子さんが物資販売

総会の最後には、全員で団結ガンバロー

採択された特別決議

採択された総会決議

 

長野市・長沼地区で災害とアスベスト対策を考えるシンポジウムを開催しました

台風19号災害で被災した長沼体育館で開催

長野県アスベスト対策センターは、シンポジウム「令和元年長野市台風19号災害におけるアスベスト対策」(共催:特定NPO法人東京労働安全衛生センター)を台風19号被災地・長野市営長沼体育館で9月3日(土)に開催しました。Zoomと会場をあわせて55人が参加しました。

災害復旧工事を終えた長沼体育館

シンポジウムの報告者

令和元年台風19号災害におけるアスベスト対策の教訓に学び、全国で頻発する災害時のアスベスト対策に活かすため、現地調査及びシンポジウムを開催しました。

長野県アスベスト対策センター代表の鵜飼照善のほか、長野市環境保全温暖化対策課・課長補佐(被災時)の桑原義敬氏、被災当時の令和2年度長沼地区住民自治協議会会長の西澤清文氏、NPO法人東京労働安全衛生センターの外山尚紀氏からそれぞれの取り組みや見えてきた課題について報告をいただきました。

来場者も参加して防塵マスクの装着体験

また体験ワークショップとして、中皮種・じん肺・アスベストセンターの永倉冬史氏から防塵マスクの装着方法やその特徴について解説いただき、来場者の方にも実際にN95マスクなどを体験していただきました。あわせて簡易顕微鏡でアスベストを見ていただく機会をもちました。

被災当時の行政担当者、被災地区の住民自治協議会長、アスベストの専門家が集う有意義なシンポジウムになりました。

今後もアスベストの危険性を多くの方に知っていただき、災害時におけるアスベスト被害を防ぐために活動をすすめていきます。

防じんマスク

【シンポジウム概要】

① 鵜飼照善(長野県アスベスト対策センター代表)
「令和元年長野市台風19号災害におけるアスベスト対策に学ぶ
~台風19号災害における長野県アスベスト対策センターの取り組み・
長野市との交渉経過~」

・長野市との交渉経過。被災直後の長野市への申し入れ(2019年12月23日)、要請書(2020年2月10日)について報告。

長野市との交渉の様子

・被災地のアスベスト対策の課題として、ボランティアセンターを経由しないで支援活動される方々の健康被害の状況を把握することの困難。地域社会の繋がりが強い長野では被災者家族との直接的な知人友人関係に基づいて支援活動に従事するケースが多く考えられる。
・支援活動後の健康管理のために、ボランティア活動の記録と保存のシステムを構築する。例えば「ボランティア台帳」のようなシステムを作り、申告制ではあるが支援活動の記録を市町村で保管することは可能か?

② 長野市環境部
「大規模災害発生時の石綿飛散防止の対策について(令和元年東日本台風災害)」
・発災当時の「吹付アスベスト」建築物の被災状況の確認、災害廃棄物仮置場等でのモニタリング調査、建設業及び解体工事事業者への注意喚起、ボランティアへの情報提供、被災者への情報提供、解体作業現場の立入調査などの取り組みについて報告。
・大規模災害の経験を踏まえた課題として、災害時の石綿飛散防止の手順書の作成、石綿調査に関する協定の締結、防塵マスク等の手配に関する情報の共有、国及び自治体間の連携制度の拡大などの「平常時における準備」が大切。

③ 西澤清文氏(令和2年度長沼地区住民自治協議会会長)
特別報告「災害廃棄物(災害ごみ)対応も、泥縄式はダメ!~赤沼公園実態報告~
・災害廃棄物(災害ごみ)受け入れ先とその経過・実態、大町・穂保・津野・赤沼の「勝手」仮置場について。※私有地の畑や公園などが勝手仮置場とされた。

西澤氏の報告から

・住民向けの「災害ゴミは9種類に分別を!」チラシなどから学ぶ。
・台風19号災害災害廃棄物(災害ごみ)の地元対応の教訓。

西澤氏の報告から

④ 外山尚紀氏(NPO法人東京労働安全衛生センター・労働安全衛生コンサルタント)
「災害時(後)のアスベスト対策の課題」
・阪神淡路大震災から現在までのアスベスト対策の進歩と課題についての報告。

・東日本大震災での厚生労働省の調査(2011年~2013年)では、被災地の石綿除去作業現場80件中、13件で石綿が飛散したことが確認されている。
・東日本大震災では、復興の過程で、対策のできた事例も多くあったが、吹付石綿を残したまま建物解体工事が行われ、石綿含有建材の不適切な取扱いも露呈した。
・熊本地震では、地震発生から一カ月後、行政の調査に専門家が同行し、対象となる建物情報を行政が収集して、基本的にレベル1を対象としたリスクの高いものから対策を実施。

・熊本地震での行政の立入検査

外山氏の報告から

 

【現地調査】

前日には、被災現地でヒアリング

シンポジウム前日の9月2日には、長沼地区を訪れ、長沼住自協の西澤さんに案内をいただきながら、千曲川堤防決壊箇所をはじめ、災害廃棄物の勝手置場・仮置場となった赤沼公園、公費・自費解体後の住家の再建状況を現地調査しました。

守田神社跡地で、浸水の高さを示す

堤防決壊箇所から

復興再建された赤沼公園

妙笑寺の水害水位標

被災現場の視察後は、長沼支所で、長野市環境部の職員、地元住自協の代表、災害ボランティアセンターを運営した市社会福祉協議会の代表らからヒアリングを実施、有意義な意見交換をすることができました。
長野市には、事前にお願いしたヒアリング項目に沿って、丁寧な回答をいただきました。

長沼支所・交流センターでヒアリング

SBC・信越放送の報道より

災害とアスベスト対策を考えるシンポジウム

台風19号被災地・長野市営長沼体育館で9月3日(土)に開催

「特定NPO法人東京労働安全衛生センター」と長野県アスベスト対策センターの呼びかけで、令和元年台風19号災害におけるアスベスト対策の教訓に学び、全国で頻発する災害時のアスベスト対策に活かすため、現地調査及びシンポジウムを開催することになりました。

県アスベスト対策センターでは、甚大な被害をもたらした台風19号災害の復旧にあたり、被災家屋等に使用されているアスベスト含有建材の破損・解体等により発生するアスベストの飛散・ばく露を防止し、よって重大な健康被害を防ぐため、災害ボランティアの皆さんへの注意喚起や防じんマスクの提供等の対策をはじめ、公費解体・自費解体におけるアスベスト含有建材等の分別、飛散防止策の徹底等を市に要望するとともに、公費解体現場の調査にも取り組んできたところです。

今日、大雨による甚大な災害が相次ぎ、被災からの復旧過程におけるアスベスト対策が喫緊に求められています。また、老朽化した建築物の解体・更新がピークを迎えようとする中、吹付や建材に含有するアスベストの飛散・ばく露による健康被害の発生が危惧されます。

アスベストは吸い込むと30年から40年後に肺がんや中皮腫などを引き起こすことから「静かな時限爆弾」といわれています。災害時、被災した家屋の片付け、撤去、解体等にあたり、建材等に含まれているアスベストが飛散し、災害ボランティアや解体作業に従事する労働者の深刻な健康被害の発生につながらないよう、自治体において万全の対策を講じていくことが重要です。

今回の企画にあたり、私たち自身がアスベストの危険性を再認識し、災害時におけるアスベスト対策の徹底に取り組んでいく絶好の機会にしていきたいと考えます。

なお、前日の9月2日(金)には、台風19号で被害を受けた現地を視察し、災害ゴミに含まれるアスベスト問題、ボランティアのアスベストばく露防止対策などについて長野市関係者、現地住民からの聞き取りを行います。

シンポジウムはどなたでも自由に参加できます。ぜひ多くの方がご参加いただけるようにご案内申し上げます。

 

 

 

被災直後の長野市長沼の千曲川決壊場所に近い消防団詰め所

災害ゴミ置き場にはアスベストを含む建材がまとめて管理されていた。

 

アスベストによる健康被害が深刻さを増している

県アスベスト対策センターが松本市で相談会を開設

面談・電話で8件の相談-多くが建設業で働く人から

2005年のクボタショック以降、アスベスト(石綿)問題が、労働現場でのアスベスト使用や解体に伴うばく露、中皮腫・肺がん発症など労働災害問題にとどまらず、一般市民にも健康被害を及ぼす危険性が明らかになり、重大な社会問題として認識されるようになりました。

アスベストによる健康被害は、40年と言われる長期間にわたる潜伏期間ののちに中皮腫、肺がんなどが発症するため、アスベスト大量使用時代に現役であった労働者や関連工場の周辺住民の健康被害が現代の問題として浮上しています。また、アスベストの吹付、建材に使用された建築物の解体時期を迎える問題も地域社会にとっては重要な課題です。高度経済成長時代の効率のみを追い求める社会風潮が生み出したアスベスト問題は、経済優先の「負の遺産」です。これからの時代は、何よりも人の命や健康を優先させる社会が求められています。

長野県内でもアスベストを扱う事業所での労働者のばく露問題や建築物に使用されるアスベストの解体・補修時の飛散問題など、大きな社会問題となっています。JR東日本では現役の社員がアスベストばく露により悪性胸膜中皮腫を発症、闘病のすえ死亡するという労働災害も注目を集めました。

また、2019年10月の台風19号では、東北信地域を中心に甚大な被害がでましたが、被災地に多くのボランティアが支援に駆け付けてくれました。アスベストが含有される建材をボランティアが扱う場面も見られ、長野市は、注意を喚起するチラシの作成やマスクを配布するなど、安全を確保するための対策を講じました。

「長野県アスベスト対策センター」は2018年4月に結成しましたが、「NPOじん肺・アスベスト被災者救済基金」(神奈川県)の協力により、長野県内の県民・労働者、関係事業者などを対象に7月17日、松本市勤労会館で面談・電話相談会を開設しました。相談会を通じて、アスベスト被害の実態を掘り起こすとともに、少しでも悩みや疑問がある人からの相談への対応や、健康被害で苦しんでいる人への救済制度の説明など、身近な相談センターとしての社会的役割を果たす目的で、今回が9回目となります。


建築物の解体工事や屋根をふく作業に従事した人から相談

相談会は10時から16時まで開設しました。相談は面談で4件、電話で4件(事前相談含む)あり、5件が建設業に携わる方からの相談でした。「屋根をふく作業をして、アスベストを含む建材を切断した」「内装業でアスベストが含有している壁ボードを張る作業をした」「昔、左官業をやっていて、壁塗り材にアスベストを混合する作業をした」「亡くなった父は鉄骨組みをしていて、アスベストの吹付作業もやったと言っていた」など、とりわけ建設業で働く人からの健康被害の相談が多くを占めました。

現在、アスベスト材の吹き付けや、アスベストを含む建材の製造は禁止されていますが、1960年代からの高度経済成長期にはビルの建築現場でのアスベストの吹き付けや、壁や天井に使用されるボードにアスベストが混合されていました。そのような建築物がこれから2020年代の後半にかけて、解体のピーク期に入ります。

アスベストの健康被害は、過去に終わった問題ではなく、これからの問題だと改めて実感した相談会でした。

面談相談は新型コロナ感染防止対策を取って実施。Zoomで神奈川県の相談員とつないで対応した。

相談会を事前に報じるNHK長野放送局のニュース(ホームページより)

市民と野党の統一候補・杉尾ひでやさんが再選!

7月10日、参院選の投開票が行われ、市民と野党の統一候補・杉尾ひでやさんが自民党候補に約5万票の差をつけて再選を果たしました。支援をいただいたすべてのみなさまに感謝申し上げます。

しかし、全国的には自民党が圧勝し、参議院での改憲勢力は3分の2を超えました。今後、政治が暴走しないように国民・労働者の監視体制が重要です。信州の地から9条改憲と大軍拡を許さない声を中央政治に届けましょう。