21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

民族排外主義・ヘイトスピーチを煽る政治勢力にNOを!

参政党の政策はファシズムにつながる-外国人との共生社会をめざそう

「参議院選挙にあたり排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明」に賛同してください

【特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)のホームページより抜粋】
 

日本社会に急速に外国人への不信感、敵視が広まり、先月の都議選でも選挙運動として排外主義が煽動され、「日本人ファースト」を掲げる政党が議席を獲得しました。来る7月20日に予定される参議院選挙でも、「違法外国人ゼロ」「外国人優遇策の見直し」が掲げられるなど、各党が排外主義政策を競い合っている状況に非常に危機感を持っています。

このまま放置すれば、参議院選挙で排外主義を掲げる政党が躍進し、外国人差別が強化され、共生社会が破壊され、戦争への地ならしが進んでしまいます。

外国籍の人々は、選挙権もなく、選挙を前に恐怖で身を縮めている状況です。

そこで、外国人の人権にかかわり、実情をよく知るNGOが声をあげ、外国人優遇論、外国人脅威論はデマであることを指摘し、排外主義に反対し、様々なルーツの誰もが人間としての尊厳を持って、共に生きることができる社会をつくる選挙にするよう、共に生きることができる社会をつくる選挙にするよう、共同声明を発出いたしました。

当団体も呼びかけ団体に名前を連ねています。

できる限り多くの団体が名前を連ねることが社会に訴える力になります。
ぜひ共同声明にご賛同くださいますよう、お願いします。

 団体賛同フォーム:https://forms.gle/SmBfg4cjQfh6xAJSA

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参議院選挙にあたり排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明

   私たちは、外国人、難民、民族的マイノリティ等の人権問題に取り組むNGOです。

   日本社会に外国人、外国ルーツの人々を敵視する排外主義が急速に拡大しています。NHK等が先月に実施した調査では、「日本社会では外国人が必要以上に優遇されている」という質問に「強くそう思う」か「どちらかといえばそう思う」と答えた人は64.0%にものぼります[1]

   外国人、外国ルーツの人々へのヘイトスピーチ、ヘイトクライムが止まりません。例えば2023年夏以降、埼玉県南部に居住するクルド人へのヘイトデモ、街宣が毎月のように行われ、インターネット上は連日大量のヘイトスピーチであふれる深刻な状況となっています。

   6月の都議会選挙では、選挙運動として「日本人ファースト」等のヘイトスピーチが行われました。また、外国ルーツの候補者たちが「売国奴」などのヘイトスピーチによって攻撃されました。

   来る参議院選挙でも「違法外国人ゼロ」「外国人優遇策の見直し」が掲げられるなど、各党が排外主義煽動を競い合っている状況です。政府も「ルールを守らない外国人により国民の安全安心が脅かされている社会情勢」として「不法滞在者ゼロ」政策を打ち出しています。

   しかし、「外国人が優遇されている」というのは全く根拠のないデマです。日本には外国人に人権を保障する基本法すらなく、選挙権もなく、公務員になること、生活保護を受けること等も法的権利としては認められていません。医療、年金、国民健康保険、奨学金制度などで外国人が優遇されているという主張も事実ではありません。

   「違法外国人」との用語は、「違法」と「外国人」を直結させ、外国人が「違法」との偏見を煽るものです。「不法滞在者」との用語も、1975年の国連総会決議は、全公文書において「非正規」等と表現するよう要請しています[2]。難民など様々事情があって書類がない人たちをひとくくりで「違法」「不法」として「ゼロ」すなわち問答無用で排斥する政策は排外主義そのものです。

本来政府、国会などの公的機関は、人種差別撤廃条約にもとづき、ヘイトスピーチをはじめとする人種差別を禁止し終了させ、様々なルーツの人々が共生する政策を行う義務があります。社会に外国人、外国ルーツの人々への偏見が拡大している場合には、先頭に立って差別デマを打ち消し、闘うべきなのに、偏見を煽る側に立つことは到底許されません。法務省もヘイトスピーチ解消法に則り、選挙運動にかこつけて行われるヘイトスピーチは許されないとの通知を出しています[3]

   ヘイトスピーチ、とりわけ排外主義の煽動は、外国人・外国ルーツの人々を苦しめ、異なる国籍・民族間の対立を煽り、共生社会を破壊し、さらには戦争への地ならしとなる極めて危険なものです。

   私たちは、選挙にあたり、各政党・候補者に対し排外主義キャンペーンを止め、排外主義を批判すること、政府・自治体に対し選挙運動におけるヘイトスピーチが許されないことを徹底して広報することを強く求めます。また、有権者の方々には、外国人への偏見の煽動に乗せられることなく、国籍、民族に関わらず、誰もが人間としての尊厳が尊重され、差別されず、平和に生きる共生社会をつくるよう共に声をあげ、また、一票を投じられるよう訴えます。

[1] NHKウェブニュース「『外国人優遇』『こども家庭庁解体』広がる情報を検証すると…」(2025年6月28日)

[2] 「移住者と連帯する全国ネットワーク」HP「在留資格のない移民・難民を不法と呼ばず非正規や無登録と呼ぼう!」の頁参照。

[3] 法務省「事務連絡」(2019年3月12日)選挙運動,政治活動等として行われる不当な差別的言動への対応について

【呼びかけ団体】

特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)/「外国人・民族的マイノリティ人権基本法」と「人種差別撤廃法」の制定を求める連絡会(外国人人権法連絡会)/外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)/人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)/全国難民弁護団連絡会議(全難連)/一般社団法人 つくろい東京ファンド/一般社団法人 反貧困ネットワーク/フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)

【賛同団体一覧(五十音順)】 265団体(2025年7月8日時点)

アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)/ActNow!!Kagawa/特定非営利活動法人 アジア女性自立プロジェクト/アジア女性資料センター/(一財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)/NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)/アジェンダ・プロジェクト/ATTAC Japan(首都圏)/NPOアデイアベバ・エチオピア協会/アトゥトゥミャンマー/あなたの公-差-転/特定非営利活動法人アフリカ日本協議会/アプロ・未来を創造する在日コリアン女性ネットワーク/公益社団法人アムネスティ・インターナショナル日本/NPO法人アルペなんみんセンター/安保法制の廃止をめざす中野アピール実行委員会/イエズス会社会司牧センター/NPO法人いっぽ/いろんなルーツを持つみんな保健室 ラディチェス/with Elizabeth(エリザベスさんと共に)/NPO法人Wake Up Japan/ウトロ平和祈念館/AMF2020(旧 国際結婚を考える会)/永住許可有志の会/特定非営利活動法人SDGsHelloWork/枝川朝鮮学校支援都民基金/Ncc-Urm委員会/特定非営利活動法人エファジャパン/エルクラノの会/遠州労働者連帯ユニオン/NPO法人 エンパワメント福岡/大阪全労協/大阪YWCA/一般社団法人OCNet/沖縄への偏見をあおる放送をゆるさない市民有志/外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉/外国人技能実習生権利ネットワーク/外国人住民との共生を実現する九州・山口キリスト者連絡協議会/外国人住民との共生を実現する広島キリスト者連絡協議会/外国人住民基本法の制定を求める神奈川キリスト者連絡会/外国人住民基本法の制定を求める北海道キリスト教連絡協議会/外国人との共生をめざす関西キリスト教代表者会議/外国人との共生をめざす関西キリスト教連絡協議会/過去と現在を考えるネットワーク北海道/カサ デ アミーゴス/学校事務職員労働組合神奈川/カトリック大江教会/カトリック大阪高松大司教区シナピス/カトリック崎津教会/カトリック社会活動神戸センター/カトリック本渡教会/神奈川県朝日学生ネットワーク/神奈川県立障害児学校教職員組合/神奈川の外国人教育を考える会/神奈川労災職業病センター/カラカサン〜移住女性のためのエンパワメントセンター/カラバオの会/川崎から日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民の会/がんばれないけどあきらめない連合/一般社団法人基礎教育保障研究所/特定非営利活動法人北関東医療相談会/基地強化に反対し、早期返還をめざすキャンプ座間周辺市民連絡会/希望のまち東京をつくる会/九州難民弁護団/特定非営利活動法人共生フォーラムひろしま/京都府・京都市に有効なヘイトスピーチ対策の推進を求める会/草の根プロジェクト/九条の会・さいたま/九条の会・中野/NPO法人熊本YWCA/C.R.A.C./C.R.A.C.Sagamihara/クルドヘイト裁判を支援する会/クルドヘイト問題対策弁護団/呉YWCA/群馬の森追悼碑撤去NO!/原水爆禁止練馬協議会/一般社団法人 神戸国際支縁機構/高麗博物館/国際子ども権利センター/国内人権機関の設置を求める人権共同行動/国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク・ヌエネット/こっぽんおり京滋/子どもの人権埼玉ネット/子どもの夢応援ネットワーク/コムスタカー外国人と共に生きる会/コラボ玉造/特定非営利活動法人コリアNGOセンター/埼玉から差別をなくす会/埼玉・コリア 21/NPO法人在日外国人問題研究会/在日韓国人問題研究所(RAIK)/在日クルド人と共に/在日コリアン弁護士協会/在日大韓キリスト教会 社会委員会/在日本朝鮮人人権協会/相模原市平和委員会/一般社団法人札幌YWCA/札幌・入管スタンディングの会/札幌キリスト教連合会在日韓国・朝鮮人との共生をめざす委員会/「札幌で憲法を読む103人の集い」実行委員会/差別・排外主義に反対する連絡会/差別・格差のない東京をつくる会/JST-SPRING国籍要件反対アクション/特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会/特定非営利活動法人JFCネットワーク/JFOR日本友和会/静岡ふれあいユニオン/下町ユニオン/自治市民/渋谷プロテストレイヴ/清水合同労働組合/市民フォーラムYONO/市民のひろば・憲法の会/就学時健診を考える府中市民の会/自由法曹団神奈川支部/住民自治で差別を許さない条例をつくろう京都/収容ではなく安心安全な暮らしを/首都圏移住労働者ユニオン/しょうがいしゃ大フォーラム/常紋トンネル追悼式実行委員会/jinken/新時代アジアピースアカデミー(NPA)/杉並から差別をなくす会/スクラムユニオン・ひろしま/STOP HATE 川口・蕨/ストップ秘密保護法かながわ/すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RINK)/西南KCC/Save Immigrants Osaka/世界民衆保健運動-日本グループ (People’s Health MovementーJapan Circle)/全件収容主義と闘う弁護士の会ハマースミスの誓い/戦後80年を問う群馬市民行動委員会(アクション80)/全国一般福祉・介護・医療労働者組合(ケアワーカーズユニオン)/全国一般労働組合全国協議会/全国一般労働組合東京南部/全国一般労働組合東京南部トータルサポートたいとう分会/全国一般労働組合東京南部ケアワーカー連絡会/全国学校事務労働組合連絡会議/全国キリスト教学校人権教育研究協議会/全国金属機械労働組合港合同南労会支部/全国在日外国人教育研究協議会広島/全国労働組合連絡協議会/全水道東京水道労働組合/戦争させない市民の風・北海道/一般財団法人仙台YWCA/全日本港湾労働組合関西地方大阪支部/全労協女性委員会/全労協青年委員会/そうみー移民女性自立の会/NPO法人多言語センターFACIL/立川自衛隊監視テント村/多文化共生教育の推進をめざす大阪市民の会/多文化共生をめざす川崎歴史ミュージアム設立委員会役員会/多民族系日本人交友協会/特定非営利活動法人 地球の木/チマ・チョゴリ友の会/中高生学生平和交流会/朝鮮・韓国の女性と連帯する埼玉の会/朝鮮学校生徒を守るリボンの会/朝鮮学校とともに練馬の会/朝鮮学校「無償化」排除に反対する連絡会/定住外国人の公務員採用を実現する東京連絡会/TQC 東京給水クルー/東京全労協/東京・地域ネットワーク/東京都歴史教育者協議会むさしの支部/特定非営利活動法人東京労働安全衛生センター/東京YWCA/「都議会勉強会」実行委員会/時を見つめる会/トッケビ プンムル/一般社団法人TransgenderJapan/長崎YWCA/なかまユニオン/名古屋YWCA/名古屋入管面会活動「フレンズ」/難民・移民フェス応援練馬keepers/新潟YWCA/西日本難民弁護団/日韓民衆連帯全国ネットワーク Japan-Korea People’s Solidarity Japan Network/日朝友好女性ネットワーク/日本カトリック難民移住移動者委員会/日本キリスト教会/日本キリスト教会人権委員会/日本キリスト教会横須賀教会/日本キリスト教会横浜桐畑教会/日本キリスト教協議会(NCC)/日本キリスト教協議会(NCC)教育部/日本キリスト教協議会在日外国人の人権委員会/NCC(日本キリスト教協議会)女性委員会/日本基督教団 神奈川教区社会委員会ヤスクニ・天皇制問題小委員会/日本基督教団廿日市教会/日本基督教団北海教区平和部門委員会/(公財)日本キリスト教婦人矯風会/日本軍「慰安婦」問題解決ひろしまネットワーク/特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター/日本国籍のなしくずし剥奪を許さない会/日本コリア協会・神奈川/日本自由メソヂスト教団/日本聖公会大阪教区/日本と周辺諸国をむすぶ音楽会/日本同盟基督教団 横浜上野町教会/日本バプテスト連盟日韓・在日連帯特別委員会/日本福音ルーテル教会社会委員会/日本YWCA/入管問題調査会/入管を変える!弁護士ネットワーク/株式会社Nexedi/練馬区職員労働組合 福祉事務所分会/NoHate!武蔵野/バスストップから基地ストップの会/はたらく女性の全国センター/「ハムケ・共に」/パレスチナ連帯・札幌/反差別相模原市民ネットワーク/ピースボート/非戦ネット北海道有志の会/「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会/秘密法廃止市民ネットとやま/NPO法人ひょうご労働安全衛生センター/一般財団法人平塚YWCA/広島ミャンマーコミュニティ/一般財団法人広島YWCA/fuckthisshit/フィリピントヨタ労組を支援する会/NPO法人フィリピン日系人リーガルサポートセンター/ふぇみ・ゼミ&カフェ/ふぇみん婦人民主クラブ/府中緊急派遣村/部落解放同盟東京都連合会/#FREEUSHIKU/ヘイトスピーチ禁止条例を求める埼玉の会/ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会/ヘイトスピーチ許さない練馬/ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク/ヘイトスピーチをゆるさない中野/平和力フォーラム/平和憲法を守り、行動する神奈川女性の会/平和を考え行動する会/北京JAC(世界女性会議ロビイングネットワーク)/法および言語研究室/北海道パレスチナ医療奉仕団/Podcast Korea/ポラムの会/マイノリティ女性フォーラム/まんなかタイムス/Minamiこども教室/ミャンマー(ビルマ)市民の声を聞く会/民族教育ネットワーク/武蔵小杉合同法律事務所/むさしのから差別をなくす連絡会/認定NPO法人メタノイア/靖国国営化反対福音主義キリスト者の集い/やぶれっ!住基ネット市民行動/ユニオンぼちぼち(関西非正規等労働組合)/ユニオンヨコスカ/横浜桐畑教会靖国神社問題委員/特定非営利活動法人RAFIQ/連合日教組JTU兵庫高等学校教職員組合(兵高教)阪神支部/労働運動活動者評議会/労働組合LCCながの/労働組合なにわユニオン/特定非営利活動法人わかちあい練馬/わたぼうし教室

参院選が公示 羽田次郎氏が長野駅前で第一声

与党を過半数割れに追い込み、新しい政治の風景をつくろう

7月3日公示、20日投票の参議院議員選挙が始まりました。羽田次郎氏は長野市内のホテルで出陣式を行った後、長野駅前で第一声演説を行いました。

労働者・国民の暮らしといのち、平和を守り抜くために何としても負けられない選挙です。自公政治はもはや行き詰っています。政治の風景を劇的に変えて、国民に寄り添う政治を取り戻しましょう。

◆羽田次郎氏の第一声 「国民の生活が第一の政治を」

国民の手に政治を取り戻す

いよいよ今日が参議院選挙の公示です。参議院選挙であるけれども政権選択の選挙であります。

父の孜は、国会は法律をつくる、その条文の向こうには国民生活があるんだ、政治は国民生活を豊かにするためにあるんだと申しておりました。53歳で新型コロナで妻と3人の子供を残して亡くなってしまった兄、雄一郎は、子どもたちの未来がそのまんま日本の未来になる、子どもたちの未来のための政治を行わなければならないと最後まで言い続けておりました。私自身も、4年前の補欠選挙で、小さな声に光を当てるのが政治の役割であると訴え、皆様から国政へ送り出してただきました。

昨年10月の衆議院選挙によって、少し国民の生活に寄り添う政治が進んだと思います。しかし、いまだに物価が高くて国民が苦しんでいる、賃金がなかなか上がらなくて苦しんでいる、子どもの食事をどうするか悩んでいるお父さん、お母さんがいる、その一方で、政治家は裏金を作り、パーティーをやり、そして追及されても責任を取らず証拠まで隠滅していく。こんな政治をもうこれ以上続けていてはいけません。

私は、政治を国民の手に取り戻すために今回出馬することを決意いたしました。

暮らしに安心、地方に活力を取り戻す

国民のための政治、私は3つのことを訴えていきます。

まず1つは、暮らしに安心を取り戻す。食料品の消費税をゼロにする、ガソリンの暫定税率を廃止する、年金を安定させる、医療や教育、介護を充実させていく、

2つ目は、地方に活力を取り戻す。信州長野県では、農業や林業、観光業、そしてものづくり産業と、力は十分にあります。でも、それが生かしきれていません。自分たちで頑張るけど、その上でやはり国が後押しをしていくことがどうしても必要てす。交通インフラ、デジタルインフラも整備をしていかなければいけません。

そうしなければ若い人たちが戻ってきません。新しい人たちも住み続けることはない、人が戻ってくる故郷信州を作り上げていかなければなりません。

そして3つ目は、やはり政治に信頼を取り戻すことです。政治が国民の視線から逃げ続ける、政治が国民と向き合わない、そんなことを続けていたら日本の民主主義は本当に終わってしまいます。

この選挙で国民の生活が第一の政策、そして私たち立憲民主党が野党第1党としてしっかりと野党の力を結集し、自民党政治からまっとうな政治を再び取り戻します。

今一度、みなさまのお力を私、羽田次郎にお貸しいただけるようにお願いして第一声とします。

◆又坂常人氏(信州市民連合共同代表)あいさつ

チェンジが参院選の最大の目標

今回の選挙のキャッチフレーズは「チェンジ」です。これが選挙の最大目標であると思っております。

選挙の争点は3つあると思います。

1つは、国民の生活の問題です。

安倍晋三さんが政権を取ったが2012年。それから国民の生活はどんどん悪くなっています。実質GDPは全く上がっていない、実質賃金はむしろ下がっています。そして、2度の消費税の増税によってどんどん国民の手取りが減っています。

今、マクロの国民負担率は48パーセントです。公租公課で収入の半分が持っていかれている。取った税金をどうやって使ってるのか。皆さんが満足できるような使い方にはなっていない。まずは手取りを増やす、消費税を減税する。で、大胆な財政出動をして経済を立て直す。この道を選ぶかどうか。これが第一の焦点です。

2つ目の争点は、日本の社会、国の在り方をどうするのかという点です。

今、一部の政党が国を全体主義的な価値観でまとめようという主張をしています。外国人は全部排斥しようとか、夫婦別姓になったら日本の伝統を壊すとか。一人ひとりの人間が一人ひとりの個性を発揮して、そして力を十分に出すことによってこの国が活性化されていきます。そういった多様性を認めてみんなが生き生きと働ける社会をつくる、これが2つ目の争点です。

戦争の道か、平和への道か

3つ目の争点は、戦争と平和の問題です。今、世界中で戦争の火種が広がっています。ウクライナ、パレスチナ、イラクなどで戦火が上がっています。トランプ大統領は、防衛費をGDP5%にしろとヨーロッパに要求しました。日本のGDPは今、600兆円です、5%ならば30兆円と現在の3倍となります。こんなことは絶対に許してはなりません。日本の平和に全くつながらない。戦争の道を選ぶのか、平和の道を選ぶのか、3つ目の争点です。
国民の利益にかない、勤労者の生活のために、立憲野党の躍進が不可欠です。市民と野党の共闘によって立憲野党を躍進させて「チェンジ」を実現することがこの選挙です。

相手候補はキラキラしていますが、いくらキラキラしていても所詮は自民党の候補者です。信濃毎日新聞に相手の政策が出ましたけど、独自の政策なんか全くない、すべて自民党のテンプレートに沿った政策です。

羽田次郎と名前を書くことでこの国のチェンジにつながる、そして政権交代につながるんだと思います。何としても羽田次郎の勝利を勝ち取りましょう。

県労組会議が羽田次郎・参議院議員を推薦

羽田次郎・参議院議員に推薦決定通知書・政策要望書を手渡す宇佐美正信・県労組会議議長

昨年10月の総選挙で自民・公明でつくる連立与党は衆議院で過半数を割り込みました。政治とカネの問題で国民の批判が高まっていたことはもちろんですが、物価高騰のなかで生活支援策が無策であったことや、「敵基地攻撃能力」保有を宣言し、防衛費の倍増をめざす政策など、自公政権の対応が国民の厳しい判断を招いた結果でした。今年1月から始まった通常国会では与野党伯仲状況を反映し、政府提出の予算案が修正されたり、与野党の合意がない法案は強行突破できなくなるなど、安倍政権以降の「一強多弱」の政治状況が様変わりしました。

7月3日公示、20日投票で参議院議員選挙が行われます。衆議院で与党の過半数割れとなっているなか、参議院でも与野党逆転を実現し、政権交代への道筋をつけていくための重要な選挙となります。

参議院長野県選挙区が定数2人から1人区となった2016年の選挙以降、長野県では2016年・杉尾秀哉氏、2019年・羽田雄一郎氏、2020年補選・羽田次郎氏、2022年・杉尾秀哉氏を野党統一候補として、市民・労働者、野党が一体となって闘い、いずれも自民党候補に勝利してきました。この市民と野党の共闘は「長野モデル」と全国的にも評価されてきました。7月に行われる参議院議員選挙でも野党の候補者を一本化して闘うことを信州市民連合と立憲野党(立憲民主党、日本共産党、社会民主党)が合意しました。

県労組会議は、羽田次郎氏(現職/立憲民主党公認)の推薦を決定し、6月14日に推薦決定通知書と政策要望書を手渡しました。

 

 

暮らしといのち、平和のために-信じられる未来へ!6・15県民の集い

6月15日に長野市・表参道セントラルスクゥエアで開催

◇国民生活の負担軽減のため、食料品ゼロパーセントや一律5%への引き下げなど緊急の消費税減税を!

◇選択的夫婦別姓制度を実現し、男女の賃金格差の是正などジェンダー平等社会へ!

◇安保法制の違憲部分は廃止、専守防衛に徹し、軍拡のための大増税ストップを!

食料品などの物価高騰、実質賃金の減少、年金の支給水準の低下など、日本では暮らしの破壊がすすんでいます。石破内閣は、生活に苦しむ庶民に対し何ら有効な対策を打てていません。今こそ、庶民の暮らしを支援する緊急対策を行う必要があります。

また、石破内閣は、国民の過半が望む選択的夫婦別姓制度の導入や同性婚制、男女の雇用・賃金格差の是正などジェンダー平等の実現に極めて消極的であり、世界の潮流に背を向け続けています。

一方、アメリカのトランプ政権は自国第一主義を掲げ、理不尽で道理のない関税政策を強行しています。また、ウクライナ、ガザなどでも強引な外交方針により混乱が生じています。世界の状況は混とんとし、経済危機、平和の危機がすすんでいます。

日本国内においても、5年間で43兆円もの巨額の防衛費の計上、「敵基地攻撃能力」の保有や、中国との軍事的緊張を高める沖縄・南西諸島での自衛隊基地の増強、米軍と自衛隊との軍事的一体化など、「新しい戦前」ともいえる戦時体制づくりにつながる軍備拡大が急速に進んでいます。

昨年秋の衆議院選挙で与野党伯仲の政治状況が生まれ、予算案が2度にわたり修正されるなど、国会運営や政策・法案に野党の意見が反映されるようになってきました。

この流れをさらに加速させ、自民党政治からの決別、政権交代の道筋をつけるため、7月の参議院選挙は大変重要な選挙戦となります。

2015年6月、ジャーナリストのむのたけじさんをゲストに、長野市で開いた戦争法反対の大規模県民集会には2700人もの市民・労働者が参加し、立憲主義を掲げる3野党がそろい踏みしました。翌年の2016年の参議院選挙では、初めて市民と野党の統一候補を擁立、1人区の議席で自民党候補に競り勝った意義を今、再確認する必要があります。その後の国政選挙での立憲野党と市民との共闘は「長野モデル」と言われ、地方から政治を変える大きな力となっています。

今年の参議院選挙でも市民と野党が力を合わせ、国民に背を向ける自民党政治からの転換を図り、新しい政治をつくっていくことが求められています。

呼びかけ人や信州市民連合、北信市民連合などでつくる実行委員会は6月15日、長野市で「暮らしといのち、平和のために-信じられる未来へ!6・15県民の集い」を開き、多くの市民・労働者が参加する集会・パレードを計画しています。多くの方のご参加をお待ちしています。

1.日  時  6月15日(日) 13時30分 (雨天決行)

2.場  所  長野市 表参道セントラルスクゥエア

3.主  催  長野県民の集い実行委員会  共催:信州市民連合、北信市民連合

4.名  称 暮らしといのち、平和のために-信じられる未来へ!6・15長野県民の集い

5.ゲスト  特別ゲスト 菱山南帆子さん(市民運動家)

ひしやま・なほこ 市民運動家、市民連合運営委員、許すな!憲法改悪市民連絡会事務局長。1989年八王子生まれ。戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会。単著:『嵐を呼ぶ少女とよばれて〜市民運動という生きかた〜』はるか書房。メールマガジン「猫とトラメガ」配信中

7.集会内容

◆オープニング企画:長沼こまち太鼓(長野市)

◆政党代表あいさつ(立憲民主党/日本共産党/社会民主党)

◆羽田次郎・参議院議員の音声メッセージ(録音)

◇終了後、市街地を長野駅前までパレード

市民の憲法講座「戦後80年 戦争の爪痕を未来へつなぐ」

信州護憲ネット第26回総会・第35回市民の憲法講座を開催

守ろう平和憲法 信州ネットワーク(信州護憲ネット)は第26回総会と第35回市民の憲法講座を5月3日・憲法記念日に、長野市内の県労働会館で開催しました。オンラインを含め45人が集いました。護憲ネットの総会では今年度の活動方針が確認され、午前には新田町交差点(長野市)で街頭行動が行われ、あわせて実施した選択的夫婦別姓への賛否を問うシールアンケートには多くの市民が意思表示をしてくれました。

戦後80年の市民の憲法講座では木下氏と松澤氏が報告

今年の「市民の憲法講座」は、「戦後80年、戦争の爪痕を未来へつなぐ」というテーマで、アイ女性会議・飯伊の木下容子氏から飯田下伊那地域の戦争遺跡を巡り平和について考える学習会のとりくみについて、また信州護憲ネット代表委員でもある松澤佳子氏から「中国侵略の現場から」「アウシュビッツ平和の旅」の二つの報告をいただきました。

市民の憲法講座講師の松澤佳子さんと木下容子さん

飯田下伊那の戦争遺跡を巡り平和を考える

木下容子さんは、満蒙開拓の国策をはじめ朝鮮人や中国人が強制労働を強いられた平岡ダム(天龍村)の建設工事や登戸研究所平和資料館(駒ヶ根市)など地元の飯田市など南信地域の戦争遺跡を巡り学んだことを報告しました。

冒頭には、満蒙開拓平和記念館で展示された魯迅美術学院・王希奇教授が、葫蘆島からの引き揚げを描いた大作『一九四六』に触れ、引き揚げの記念写真の中に髪を短く切って男の子を装った少女が、遺骨を胸に抱いている姿を見つけたことが、王氏が作品を描いたきっかけだったと紹介されました。『一九四六』を前にして「引き揚げ船に向かって列をなしている数百もの人たちに囲まれた空間は、凄まじい思いが伝わる空間だった」そうです。

満蒙開拓平和記念館で展示された王希奇『一九四六』に描かれた遺骨を抱いた少女

木下さんたち学習会のメンバーはその後、葫蘆島を訪れ、王氏のアトリエを訪問し交流をもったことも報告されました。王教授は今も引き揚げをテーマにした作品を描き続けているそうです。また中国の瀋陽にある9・18博物館(満州事変の発端となった柳条湖事件が起きた日)を訪れたことが報告され、90年以上前の日本がしてきた行動や、中国の方たちの抗日活動をずっと伝え続けている中国と、満州事変でさえもしっかりと教えていない日本の状況、両国の大きな違いに、本当にこれでいいのだろうかという思いを持って帰ってきたそうです。

※葫蘆島在留日本人大送還:日本の敗戦時、中国・旧満州に置き去りにされ難民化した一般邦人約160万人。そのうち約105万人が餓えと恐怖にあえぎながら引揚げ港の葫蘆島に辿り着きました。葫芦島からの引き揚げは1946年5月7日から開始され、同年末までに101万人超、1948年までに総計105万1047人の在留日本人が日本へ送還されました。 葫芦島港の桟橋跡には「1050000日本僑俘遣返之地」の記念碑が建っています。 作家の澤地久枝さん、漫画家の赤塚不二夫さん、俳優の森繁久彌さんなども同時期に葫蘆島から引き揚げました。

全国最多の長野県内で最多の8389人を送り出した飯田下伊那地域

1932(昭和7)年に日本の傀儡国家「満州国」が中国東北部に建国され、1945年の敗戦までに国策の満蒙開拓によって、全国から約27万人が入植しました。敗戦後の引き揚げの過程で殺害されたり集団自決によって約8万人が犠牲になりました。長野県内からは都道府県別で最多の3万人超(その内10代の満蒙開拓青少年義勇軍は6千人余)が送り出され、うち飯田下伊那地域からは8389人に上り、県内最多でした。木下氏は「多くの開拓民を満蒙開拓に送り出した地域だからこそ、満蒙開拓に行った人たちだけでない、送り出した側としてもその歴史を次世代に伝えていく、そういう義務があるんではないか」と訴えました。

満蒙開拓 都道府県別の送出人数(信濃毎日新聞サイトより)

満蒙開拓 長野県内市郡別の送出人数(信濃毎日新聞サイトより)

平岡ダム・飯島発電所で朝鮮人・中国人、捕虜が過酷な労働

天竜川を堰き止める「平岡ダム」や「飯島発電所」の建設工事には、大勢の朝鮮人や中国人のほか、連合軍捕虜、在日朝鮮人も動員され、危険で過酷な労働環境のなかで、大勢の方が亡くなったことが報告されました。また「731部隊」にまつわる展示をするべきか市民による議論が重ねられた飯田市平和祈念館への訪問を重ねたことも報告されました。

多くの開拓団を満州に送り出した地域だからこそ

飯田下伊那にもたくさんの戦争遺跡が残されていることを知り、そのことを私たち自身が知らなかったことにも驚き、申し訳ない気持ちになったそうです。そこから地元の企業と戦争との関わりや学生たちの戦争への関わりについても調べ学んだことが報告されました。飯田地方の中学、公民学校の生徒たち(現在の中学高校生)も「1億総生産」の旗印のもと強制労働させられ、旧飯田高等女学校(現在の飯田風越高校)の生徒たちも勤労動員され風船爆弾に関わったことが記録として残されているそうです。

木下氏は「戦争当時は当たり前だったのかもしれないが、飯田下伊那を代表する企業の多くが軍事産業に関わってきたこと、そこに就職をした私たちもその歴史を背負っているということに気づいた」と話し、「飯田下伊那が満蒙開拓やダムの建設などに関わった歴史を持つ地域であることを考えると、日本人である自分たちも、被害者としてだけではなくて加害者としての一面をも背負っていることを認識をしなければならない」と指摘しました。

満蒙開拓の歴史を後世に伝えようと活動する高校生たち

報告では飯田下伊那地域の若い世代のとりくみも紹介さました。松川高校のボランティア部の生徒たちは、自分たちを戦争体験者から直接話を聞くことができる最後の世代と捉え、戦争体験者から学ぶとともに、満蒙開拓平和記念館でボランティアガイドを務めていることが報告され、木下氏は「戦争体験を次の世代に繋ぐ、そういう役割をこうした若い方が担ってくださっていることに本当に感銘を受けた」と話されました。

木下氏は講演の最後に「多くの開拓団を満州に送り出した地域だからこそ、その歴史をしっかりと受け止めて、次世代に繋いでいきたい。地域に残る多くの戦争遺跡を守り、日本人としての加害の歴史を忘れてはならない。しっかりと平和を守っていかなければならないし、どんなことがあっても戦争だけは絶対にしてはいけない」と訴えました。

中国侵略の現場から―前事不忘 後事之師―

松澤佳子氏からは、はじめに木下さんの報告を受けて、731部隊や満蒙開拓とも関連する中国現地を訪問した際の報告をいただきました。松澤氏は冒頭、演壇に飾られた紫色の花を手にして「この紫金草はうちの庭から持ってきました。中国では二月蘭とも呼ばれていますが、中国南京の記念館などの周りにもたくさん咲いています。南京を訪れた軍医の山口清太郎が南京の惨状を見て、その地で咲く花の種を持ち帰り、戦後平和の象徴として全国に広がったそうです。私はこの花を見るたびに中国のことを思います」と話されました。

紫金草を手にする松澤佳子氏

9・18を忘れない

講演のタイトルの「前事不忘 後事之師」は、「以前のことを忘れてはいけない、それは後の行動の指針となる」という意味で、満蒙開拓記念館にも見られ、中国でもよく書かれている言葉だと紹介し、「中国では侵略の始まった9・18を忘れない、ということが様々な記念館に書かれている」ことが報告されました。

松澤氏からは中国で訪れた「在日殉難烈士・労工紀念館」「撫順平頂山惨案紀念館」などの展示内容や日本軍の「労工狩り」や「平頂山事件」について紹介いただきました。侵略の加害者である日本人自身が、中国への加害の歴史を知らないという現状が指摘されました。

※1931年9月18日に起きた柳条湖事件は、満州(現在の中国東北部)の奉天(現在の瀋陽)郊外の柳条湖付近で、日本の関東軍が南満州鉄道(満鉄)の線路を爆破した事件で、満州事変の発端となりました。関東軍は、中国側の仕業として、宣戦布告もせず軍事行動を展開し、満州全土を占領しました。

在日殉難烈士・労工紀念館

撫順平頂山惨案紀念館

※平頂山事件(へいちょうざんじけん)とは、1932年(昭和7年)9月16日、満洲国撫順市(現在の中華人民共和国遼寧省北部)において、日本軍関東軍撫順守備隊(独立守備隊第2大隊第2中隊)が、前夜の抗日ゲリラによる撫順炭鉱襲撃事件の報復のため、ゲリラと通じていると疑った撫順炭鉱近くの平頂山集落の住民の多くを殺傷した事件である。

侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館

七三一陳列館では、テーマパークのように賑わっており、木下氏の訪問時と同じく、ガイドから日本語での案内はできないと断られたそうです。コロナ以前は、どこの記念館にも日本語のガイドがいたが今は難しくなっている状況があることが報告されました。

松澤氏は、中国を訪れる度に日本の侵略を体験した生存者の方から証言を聞いてきたそうです。「私たちは日本の軍国主義を憎んでいるけれども、あなたたちを憎んでいるわけではなくて、あなたたちとは友好関係を結んでいきたいんだ、ただ二度とこのような戦争が、残酷なこと、悲惨なことが起こらないように行動してください」と生存者の方はみな言われてきたことが紹介されました。敵基地攻撃能力の保有以降、中国人の感情も中国政府側も二度と攻められないようにというスタンスを強調するように変化しているのではと指摘しました。

731部隊の創設者・部隊長の石井四郎は、アメリカ側に研究資料を渡すことで戦犯を免れた他、捕虜への凍傷実験を指揮した吉村寿人は日本気象学会会長や京都府立大学学長になるなど、多くの関係者が医学会などに残ったとされていることが報告されました。

松澤氏は「中国を訪れて、中国の方とお話をするということがすごく大事」と対話することの重要性を強調しました。

※講演では、信濃毎日新聞でも連載されている731部隊の証言活動を続ける清水英男さんのことも紹介されました。

【NHK】731部隊元隊員 慰霊訪問の中国から帰国 不戦への思い語る(2024年8月26日)

https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20240826/1010032023.html

アウシュビッツを訪ねる平和の旅

松澤氏からはアウシュヴィッツ強制収容所(ポーランド・オシフィエンチム市)訪問の報告もいただきました。冒頭にアウシュビッツ収容所の建設から解放までの概要が説明され、現在は国立博物館となっているアウシュヴィッツ収容所の展示や現地の日本人ガイドのエピソードなどが紹介されました。現在のロシアのウクライナ侵攻、パレスチナ・イスラエルの問題などについても触れながら平和について考える時間になりました。松澤氏は「最初に2007年に行きましたが、多くのユダヤ人が命を落とした場所に実際に立つと、やはり胸が締め付けられ、涙が出て止まらなくなった」と現地を訪れた際の心境を語られました。

アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所の建設から解放まで

日本人ガイドの中谷さんとの出会い

アウシュヴィッツ博物館唯一の日本人ガイドの中谷さんは、3年間のサラリーマン生活を送りますが、どうしても学生時代に訪れた強制収容所のことが忘れられず、1991年にポーランドに移り、アルバイトをしながら語学や歴史を学び、難しい公式ガイドの試験を受けて合格をした方で、今もガイドをされているそうです。

中谷さんは「過去に学ばない者は、過ちを繰り返す」という博物館の考え方を大事にして案内していると話されたそうです。涙を流す松澤氏に対して「泣いて済まさないでください」と中谷さんに言われたことが印象に残っているそうです。「二度とこんなことが起きないようにするにはどうしたらいいのかを考えて帰ってください」と厳しく言われ、きちんと伝えていくこと、二度と戦争をしないためにどうしていくか、自分がどうやって行動していくか、どうやって生きていくかということを中谷さんから学んだそうです。

松澤氏が「本当に尊敬するガイドの方」という中谷剛さん

アウシュヴィッツ博物館の展示

※松澤氏が紹介した映画『関心領域』(ジョナサン・グレイザー監督・2023年)は、アウシュヴィッツ収容所の傍らで暮らす所長のルドルフ・ヘスとその家族の穏やかな日常と、壁の向こうで立ち上る煙、ユダヤ人の虐殺を対比的に描く作品。

映画『関心領域』公式サイト

https://happinet-phantom.com/thezoneofinterest/

アウシュヴィッツ博物館サイトと日本語パンフレット

アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館公式サイト

https://www.auschwitz.org/en/japanese/

『アウシュビッツ=ビルケナウ — その歴史と今』 (日本語PDFダウンロード)

https://www.auschwitz.org/gfx/auschwitz/userfiles/auschwitz/historia_terazniejszosc/auschwitz_historia_i_terazniejszosc_wer_japonska_2010.pdf

世界はよくない方に向かっている

松澤氏が今回の旅で感じたのは「こんなひどい目にあったユダヤ人が、なぜパレスチナであんなひどいことができるのか」ということだったそうです。
アウシュヴィッツから戻り改めて学びを深める中で「ロシアのウクライナ侵攻、パレスチナの問題、今起こっている二つの戦争の背景には第二次世界大戦がまだある」「ロシアは第二次世界大戦で3000万人が亡くなり、イスラエルはホロコーストでユダヤ人の犠牲者が600万人と、本当に途方もない数の人たちが犠牲になっていることが背景にある」ということが見えてきたそうです。

イスラエルは今18歳から、男性は3年、女性は2年の兵役義務があります。イスラエルの若者は徴兵されると、紀元70年頃にローマ軍に追い詰められたユダヤ人が籠城したマサダ砦で力尽きて全員自決したこと、ここから2000年の民族離散が始まったと学び、マサダ砦で入隊式が行われているそうです。多くのイスラエルの若者がアウシュヴィッツ博物館も訪れますが「自らの権利を勝ち取るためには武装して戦わなくてはという考えになってしまうのではないか」と松澤氏は指摘します。その根底には長いヨーロッパでのユダヤ人差別があることも指摘されました。

松澤氏の資料が会場で展示された

会場では護憲ネット会員から提供された「撫順の朝顔」の種子が無料配布された

 

被災71周年ビキニ・デー全国集会

1954年3月1日、ビキニ環礁でのアメリカによる水爆実験によって、「第五福竜丸」をはじめとする日本の漁船が被爆しました。このことをきっかけに日本における原水爆禁止運動が大きく拡がりました。原水禁はこの被害の実相を継承し、核廃絶の決意を確認するため、毎年3月1日前後に静岡での集会を行ってきました。

静岡市で行われた平和を願う集会は、多くの人々の思いを集め、核兵器の恐ろしさや平和の大切さについて改めて考える場となりました。この集会には、長年にわたり核兵器廃絶や被爆者支援の活動を続けてきた人々や、若い世代の高校生たちも参加し、それぞれの思いを語り合いました。

さらに、若い世代の高校生たちも、自分たちの思いを伝える場面があり、未来の平和を担う責任について考えるきっかけとなったようです。彼らは、いのちの尊さや平和の大切さを胸に、声を合わせて平和への願いを伝え、次の世代へとその思いをつなぐ決意を示しました。

集会では、主催者と地元からのあいさつの後、原水禁共同議長である金子哲夫さんから「被爆80年・核兵器廃絶のために 原水禁運動に歴史に学ぶ」と題した講演を受けました。

金子さんは「原水禁運動は、広島・長崎の被爆から約10年のブランクを経て、ビキニ事件を契機に始まりました。10年間遅れたのは米軍のプレスコードによって広島・長崎の被害の実態が隠されていたことが大きな原因です。しかし第1回原水爆禁止世界大会で被爆者自身が被爆体験を語ったことで、被爆の実相が全国各地の市民に受け止められ、核兵器廃絶と被爆者救済が運動の柱となりました」と運動の原点についてお話しされました。その後の運動の中で重要な意味を持つ出来事のひとつが、核実験場となったマーシャル諸島の被災者との出会いだったとし、「日本だけが『被爆国』ではなかったことにくわえ、核実験やウラン採掘によって先住民族など弱い立場にいる人たちに核被害が集中している現実に直面した私たちは、その中から『核と人類は共存できない』という核絶対否定の理念を確立することができたのです」と運動の理念を確立することができた経過が説明されました。

さらに「いのちの尊厳をうばい核兵器使用に繋がる戦争を否定する『ヒロシマの心』に立脚して運動を強化することが私たちの課題であり、とりわけ自治体決議や署名運動などを通じて日本政府の核兵器禁止条約(TPNW)参加を迫っていくことが重要だ」と核廃絶に向けてあきらめず声を上げ続けること訴えました。

続いて第五福竜丸漁労長だった故・見崎吉男さんのご遺族、杉山厚子さんからの講話がありました。杉山さんは、父である見崎吉男さんが地域社会から冷遇され、マスコミからは事実に基づかない批判を受けた経験からたいへんな苦悩を抱え込み、長年その体験を語ることがなかったことをお話しされました。杉山さんは父の思いを引き継ぎ、証言活動を行ってきました。最後に見崎さんの墓碑に刻まれた見崎さん自作の詩を紹介されました。

「だれにだって 風の日も雨の日もあらしの日だってあるさ 大切なのは夢をしっかり抱きしめて いのちいっぱい生きたか 波のように何度でも立ち上がったかだ」

この詩に参加者から大きな拍手が起こりました。

集会の終わりには、静岡選出の高校生平和大使(第27代)の谷河優那さん、粂田陽菜さん、水野可麗さんから活動報告とアピールがありました。

翌日は、静岡県焼津市のマグロ漁船、第五福竜丸が米国による太平洋ビキニ環礁での水爆実験で被曝(ひばく)した「ビキニ事件」から71年となった1日、被曝して死亡した同船の無線長、久保山愛吉さんの墓がある焼津市の弘徳院へバスで向かい、墓前祭に参加しました。

 

 

       

「沖縄レポート 」岸本喬氏講演会~県護憲連合第70回定期総会~

県護憲連合総会で沖縄県の現状を報告

2025年2月11日に長野市内で開かれた長野県憲法擁護連合第70回定期総会で、記念講演として沖縄平和運動センター岸本喬事務局長に「沖縄レポート」というテーマでお話いただきました。若年世代が参加する青年女性連絡会のメンバーは「2・11反戦平和学習会」として松本市内の会場からオンラインで参加しました。会場・オンラインあわせて約70人が参加しました。

沖縄からオンラインで講演する岸本氏

女性差別撤廃条約「選択議定書」の意見書採択のとりくみ報告

県護憲連合総会では、戦後80年の節目を迎える中、憲法改正や防衛費増額に反対し、憲法理念の実現を目指す活動方針が確認されました。また松澤佳子代表委員から、国連の女性差別撤廃条約の実効性を強化する「選択議定書」の批准を国に求める意見書が、県と県内73市町村議会で採択されたことが報告されました。

あいさつする松澤代委員

戦後80年 基地の島・沖縄の内実

戦後80年を迎えますが、沖縄は今なお過重な米軍基地の負担に苦しんでいます。日本の国土面積の0.6%に在日米軍施設の約7割が集中する異常な構造は解消されていません。普天間基地の移設をめぐり、県民投票で示された辺野古新基地建設反対の意思(72%が埋立反対)を無視した政府の土砂投入と軟弱地盤工事は、沖縄県と国の法廷闘争に発展して修復不可能な対立を生んでいます。沖縄県は一貫して県民の意思を伝え対話による解決を求めていますが、日米両政府ともに「辺野古が唯一の解決策」との姿勢を変えず、県民の思いを顧みることなく工事が強行されています。

沖縄県民の思いを国・米軍に訴え続ける玉城デ二―沖縄県知事

「沖縄という一地方の問題ではない。
日本の国の制度の在り方が問われている」

岸本氏からは、南西諸島の軍事要塞化、米軍によるPFAS汚染や環境破壊、辺野古の新基地建設問題、新軍港の建設問題を中心に、日米地位協定に圧し潰される沖縄の差別的な状況が示されました。岸本氏は「沖縄という一地方の問題ではない。日本の国の制度の在り方が問われている」と訴えます。有事になれば沖縄は再び戦場になり、「捨て石」にされないかという不安が沖縄県民の間で拡がっています。自衛隊と在日米軍の一体化が進む状況のなか、更なる負担に直面する沖縄で何が起きているのか、現地からのレポートをお届けします。

3月には松本空港にも緊急着陸した米軍のオスプレイ

【以下、岸本氏の講演内容を載録した「信州護憲ネット会報69号」を掲載します】

 

311 子ども甲状腺がん裁判第13回口頭弁論を傍聴して

東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた男女6人が東京電力に損害賠償を求めている「311子ども甲状腺がん裁判」の第13回口頭弁論が3月5日、東京地裁で開かれた。

 

 

 

さようなら原発全国集会に3千人が参加

「3.11福島原発事故を忘れない」をメインテーマに、さようなら原発3.8全国集会が、3月8日東京の代々木公園で開かれました。数日前までの暖かい日から一転、真冬並みの天気の中で、3千人が集まりました。集会は、野外音楽堂でのメインステージのほか、ミニステージが開催されました。集会後は、渋谷コース(代々木公園~宮下公園前)と原宿コース(代々木公園~神宮外苑駅前)に分かれて、パレードが行われました。

メインステージでのアピールの概要は以下の通りです。

日本被団協の田中熙巳さんが長野市でノーベル平和賞受賞記念の講演

講演会には会場・Zoom合わせて約500人が参加

92歳の田中熙巳さんは立ったまま1時間の講演

ノーベル平和賞を受賞した日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)代表委員を務める田中煕巳さん(92歳、埼玉県新座市在住)を招き、記念講演会が1月19日、長野市内で開かれました。会場とオンラインを合わせて約500名の市民が熱心に耳を傾けました。

田中さんは、ウクライナやパレスチナの情勢が受賞にも影響したと述べ、核廃絶に向けた若い世代の参加を呼びかけました。「被爆者の証言はあと10年が限界だと思う」「被爆者がいない中で核兵器を廃絶しなければならない、核兵器は使ってはいけないという大きな世論が国民の中に無いといけない」「今ちょうど被爆者と次の世代、もっと若い人たちが接することのできる最後の機会だと思う。被爆80年、戦後80年という大事な時を被爆者の証言や被爆の現実を一緒になって明らかにして深めて広めていく作業をやっていただく年ではないかと思う」などと訴えました。