来年の参院選で市民と野党の共闘を再構築し政権交代へ

意見交換会には30人が参加

3野党県組織の代表が出席

信州市民連合は12月2日、選挙区市民連合や加盟団体の代表30人を集め(6人はZoom参加)、長野市内で全体会議を開きました。

全体会議では、まず共同代表の又坂常人氏が総選挙の結果の分析と総括、今後の展望について提案しました。又坂氏は、県内の選挙結果について「自民党は3議席にとどまった。全国的に数少ない実質的に野党共闘が成立した本県において、自民党に圧勝した結果は、来年参院選へ向け市民と野党の共闘を再建していく上で、全国的にも大きな意義をもつ」と指摘しました。ただし「長野県における立民候補の勝利は自民党の予想以上の苦戦によるものであり、必ずしも立憲・共産・社民3党の集票力の増加によるものではないことは、しっかりと認識しておく必要」があると強調しました。また又坂氏は、来年の参院選に向けてのポイントとして「選挙における政党選択においてもっとも重視されるのは生活問題。市民連合としてまずは若者と現役世代をターゲットにした生活保障政策を前面に打ち出すべき」と述べました。

全体会議では各選挙区市民連合から総選挙の取り組みと総括について以下のような報告がありました。

「勝利したが3野党と市民連合の共同の力で大きく盛り上げるまで至らなかった」(北信市民連合)、「5区を除いて市民と野党の共闘の信頼関係は残せたのではないか。2区は完勝だったが、日常から共闘を進めてきた成果だ」(中信市民連合)、「候補者と市民連合との協力・共同は、個人演説会の日程が知らされる程度だった。来年は羽田次郎議員が参議院選挙に臨むが3野党に働きかけを強めてほしい」(東信市民連合)、「前回よりわずかだが票を伸ばした点は評価したい。共産党が統一候補として出ている難しさもあった。本当の共闘とはどういうものなのか、課題が残った選挙だった」(4区市民連合連絡会)、「宮下氏が当選、福田氏は比例復活したが、一本化できれば勝てることができた選挙だった」(伊那谷市民連合)

「信州市民連合の候補一本化を求める努力に感謝」(杉尾秀哉氏)

全体会議の終了後に、3野党の県組織の代表が参加して意見交換会を行いました。政党からの参加者は、杉尾秀哉・立憲民主党県連代表(参議院議員)、鮎沢聡・日本共産党県委員会委員長、中川博司・社会民主党県連合代表(県議会議員)。

立憲民主党の杉尾秀哉・県連代表は「信州市民連合のギリギリの段階での調整努力に感謝申し上げる。4区で立憲内で立候補の動きがあり、信州市民連合との『共同のテーブル』での約束を守るため直前まで努力して、選挙区から比例へまわってもらった。参院選は過去4連勝しているが、来年は大変厳しい選挙となる。自民党は総力で長野をつぶしにかかってくるだろう。連携を図り候補の一本化を進めてほしい。衆議院とのダブル選も予想される。市民と野党の共闘をすすめる立場で対応したい」と述べました。日本共産党の鮎沢聡・県委員長は「衆院で与党が過半数割れした結果は市民と野党の勝利であり画期的。憲法改正勢力を3分の2以下に割り込ませ、希望や要求を実現できる状況になった。ただ、自民党政治に代わる新しい政治とは何か、まだ答えが出ていない。5区では野党統一に向けた努力を重ねてきたが、時間切れとなり反省の弁を述べたい。来年の参院選は衆院とのダブルの可能性もある。参院での自公の過半数割れを実現したい。決定的に重要なのは世論と運動。市民と野党の共闘で大いにアピールしていきたい」とあいさつ。社会民主党の中川博司・県連合代表は「県内で何とかみんなで戦おうとするみなさんの努力に敬意を表したい。7月末の要望に対し、3野党が集まって相談し、何とか一本化を図ろうとしてきたが、前回のようにはできなかった。社民党は1区から4区までは支援、5区は来年の参院選をにらみ自主投票とした。政策要望書の内容をどう実現していくのかが求められている。参院選でも候補一本化をめざし、政策合意を実現する運動の広がりをつくろう」と強調しました。

その後、参加者との意見交換も行いました。最後に、来年の参院選に向けて市民と野党の共闘を再構築し、与党の議席の過半数割れに追い込み、政権交代を実現しようと決意を固めました。