21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

柏崎刈羽原発の再稼働を許さない

毎月一回第4水曜日長野駅前で、脱原発共同学習会に参加しているメンバーがスタンディングを行っています。

先日の新聞に、岸田首相が柏崎刈羽原発の再稼働について閣僚会議を来週開くことを決めたとありました。地元の同意が欠かせない柏崎刈羽原発の再稼働を、地元が求めている避難路の整備や地域振興策の中身を詰めて、なんとか退陣前に再稼働への道筋をつけたいそうです。

「残された任期の間に、GX、グリーン・トランスフォーメーションを一歩でも前進するために尽力する。その一つが原発の再稼働の準備だ」と言及しました。

この方は、本当に・・・国民ではなく、いったい何に向かって動いているんだろう。

2011年に福島原発事故が起きたことによって、原発はいったん事故が起きたら、とてつもない大惨事となる。原発は人間に制御できないものであり、いつもそこには命の危険がついて回る、そういうエネルギーであるということ。そして、あまり考えたこともなかったけれど、東日本大震災の発生前、日本には54基の原発があり、日本で使う電力の30%前後を原子力で賄っていたこと。ここにも、そうここにも原発があることを知りました。これだけの危険がはらんでいるエネルギーが思いのほか、自分たちのすぐ近くにあったのか、そう思った人も少なくはないと思います。

そして、今年3月(16、17日)実施の毎日新聞世論調査で原発再稼働への賛否を聞いたところ、「反対」が45%で「賛成」の36%を上回りました。2022年5月と23年3月に同じ質問をした時には賛成の方が多かったが今回、賛否が逆転したとのことです。元日の能登半島地震で原発のリスクが再認識された可能性がある、と報じていました。この報道に、国民世論は、やはり原発は危険なものであり、できるのなら違うエネルギーで賄いたい、そう感じているように思いました。

にもかかわらず、岸田首相のやっていることは、まったく真逆のことのように思います。日本政府がドイツのように国を挙げて、再生可能エネルギーに舵を切れば、自ずと経済も企業も変化していくはずです。すでに原発は「斜陽」と位置付けて、再エネへ進みだしている企業や自治体もあります。

ここ長野市から100キロも離れていない新潟県の柏崎刈羽原発は、総出力が821万2千kWで1つの発電所としては世界最大級の原発です。また、新潟県は積雪量が多い地域。元日の能登半島地震で、避難計画は絵にかいた餅であることが露呈しました。このことから柏崎刈羽原発の再稼働は、私たち長野県民にとっても、決して他人ごとではないのです。

台風、河川の氾濫、地震、土砂災害などなど、災害が後を絶たない昨今、今一度、ご家族や身の回りの方たちとこれからの日本を担う、子どもや孫世代のために、エネルギーの未来について話してみるのはいかがでしょうか。

 

次回のスタンディングは、9月25日(水)17:30~長野駅前(東急レイホテル前)です。どなたでもご参加大歓迎です。一緒にスタンディングで再稼働反対を訴えましょう!

 

 

311 子ども甲状腺がん裁判第10回口頭弁論を傍聴して

東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、事故当時、福島県内に住んでいた男女7人が東京電力に損害賠償を求めている「311子ども甲状腺がん裁判」の第10回口頭弁論が6月12日、東京地裁で開かれた。 

弁護団長の井戸弁護士

この日は、大法廷の一般傍聴席が86席に対し、191人が傍聴券の抽選に並んだ。地裁前の裁判前集会には平日であるにも関わらず160人が集まった。この裁判の注目の高さがうかがえる。

今回も多くの支援者が東京地裁前に集まった。

裁判の行方について話す副弁護団長の杉浦ひとみ弁護士

京都訴訟で闘う若き原告

前回の期日前から、順次提出する予定だった原告一人ひとりの陳述書と精神科医による意見書。その提出が再び留保となった。理由は、原告本人が法廷でこの主張の内容を説明することを求めていたが、裁判所が認めなかったとのこと。

弁護団によると、原告側は、口頭弁論に先駆けて開かれた進行協議で、原告の弁論を認めない裁判所の対応は法律に反すると指摘。原告本人による陳述を認めない理由を、法廷の場で説明するよう裁判所に求めたところ、裁判所が態度を軟化させ、書面内容から逸脱しないことを前提条件に、次回期日以降、原告による陳述を認める可能性を示したという。このことから、弁護団は原告の個別の書面提出を次回に延期し、次回の期日で原告による意見陳述を行なっていきたい考え。

原告側は今回、UNSCEAR(国連科学委員会)を批判する書面4つを提出。一方、東電は反論の書面1つを提出した。裁判所の方針で、原告は次回の期日で、因果関係などに関する主張は全て出し切る予定だという。なお、原告の一人が提訴を取り下げ、原告は6人となった。

ずっと縁の下の力持ちでこの集会を支えてくれている笠原さん。原告とは同世代。

女優の斉藤とも子さんも応援にかけつけた。

環境広告サステナ代表のマエキタミヤコさん

 

次回の第11回口頭弁論期日は9月11日(水)に予定されている。今後も311子ども甲状腺がん裁判を引き続き注目し、応援していきたい。

最後に、長野県国労家族会さんからのカンパ金をお預かりし、お渡ししてきた。井戸弁護団長のお父様がなんと国労組合員だったとのことで、「私自身が国労家族会のメンバーみたいなもの。大阪の宮原電車区で、当時の国労の集会で講演をしたことがある。父親のこともあり懐かしく話をした。こうしてご縁がつながり、とても嬉しく思う。大切に使わせていただきます。」という御礼の言葉をいただいた。

不思議な巡り合わせに、また勇気をもらった。団結してガンバロウ!

国労家族会さんからのカンパ金を井戸弁護団長にお渡ししてきた。

 

 

 

 

信州市民連合と立憲・共産・社民の県内3野党が政策合意

自公過半数割れめざし総選挙で共同して戦う方針も確認

候補者調整・一本化に向けて努力する方向性も打ち出す

共同のテーブルには約40人の関係者が参加した

記者会見の最後に4人が固く握手

違憲の安保法制の廃止や岸田政権の軍拡政策に反対する活動を進めている信州市民連合は7月31日、長野市生涯学習センターで約40人の参加者を集めて、「信州市民連合と3野党との『共同のテーブル』」を開きました。

信州市民連合は昨年夏以降、立憲民主党、日本共産党、社会民主党の県内3野党と総選挙において市民と野党が共同で掲げる政策について意見交換を重ねてきました。政策内容について3野党と合意ができて「共同のテーブル」を開く運びとなりました。

「共同のテーブル」には、立憲民主党県連代表の杉尾秀哉氏(参議院議員)、日本共産党県委員会委員長の鮎沢聡氏、社会民主党県連合代表の中川博司氏(県議会議員)が参加しました。

まず、主催者を代表して又坂常人・信州市民連合共同代表(信州大学名誉教授)があいさつ。又坂氏は「岸田政権は、米軍と自衛隊の一体化、自衛隊の米軍の下請け化をいっそう進めている。この国会では、地方自治体への国の指示権を認める地方自治法の改悪を強行した。中央集権的な国家の介入を容認する改悪法だ。ダッチロール状態の岸田政権に一刻も早く終止符を打ち、本当に国民の意思を代表し 新しい未来をひらく政権をつくろう」と強調しました。そして又坂氏は「そのために総選挙で与党の議席を1つでも2つでも3つでも減らす必要がある。少なくとも与野党が拮抗する状態に持っていって、最終的には政権交代をするという戦略的な考えをぜひ野党には持ってもらいたい。そして、手始めとして小選挙区で候補者の一本化を図っていただきたい」と市民と野党の共闘で戦う方向性を求めました。さらに又坂氏は「候補者調整と同時に、政策の一致が求められる。今日の共同のテーブルで3野党に手渡す政策要望書を尊重して活動してもらいたい」と述べました。

その後、3野党にそれぞれ信州市民連合の「政策要望書」と「基本政策」が手渡されました。

杉尾秀哉・立憲民主党県連代表

あいさつに立った杉尾秀哉・立憲民主党県連代表は、「信州市民連合より受け取った政策要望書については、最大限私たちの要望も聞いていただき、納得できる内容にまとめてもらって感謝する。これからの解散総選挙、国政での活動ではこの政策要望書の内容を尊重して行動していく。長野県では、私も2016年に最初に市民と野党の共闘で一本化をしていただき国政に送り出していただいた。それから参議院では4回の選挙で連勝をした。『長野モデル』の勝利だった。残念ながら衆議院の2021年の総選挙では、長野モデルが県民に十分な理解を得られず勝利することはできなかった。その反省の上に立って、今回、 政策要望書で次の解散総選挙で立憲野党の候補者一本化と市民と野党の共同を進めて当選を目指すことを要望されている。候補の調整、一本化を心から期待したい」などと述べました。

鮎沢聡・日本共産党県委員会委員長

日本共産党県委員会の鮎沢聡委員長は「信州市民連合の皆さんが、市民と野党の共闘で政治を変えるために、 共闘の旗印となる政策要望書にまとめていただき敬意を表する。裏金問題はじめ政治腐敗、国民の暮らしの破壊と平和の破壊が一体で進められている自民党政治はもう完全に行き詰まっている。国民は自民党政治を見限り、政権に退場を突きつけている。今声を上げれば自民党政治を変えられる歴史的なチャンスだ。今回の政策要望書は、その希望の方向を示している。市民と野党の共闘を本気の共闘にしていこう」などとあいさつしました。

中川博司・社民党県連合代表

社会民主党県連合の中川博司代表は「今日の政策要望書を社民党も全力を挙げて実現に向けて努力をしていく決意だ。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻を目の前にして、私たちは 無力感を感じざるを得ない。今起きている戦争を私たちが止められない。本当に毎日幼い命が奪われていくことに心が痛む。しかし、私たちには力も金も名前もないが、手を繋ぎ声を出していくことはできるはずだ。今の自民党政治を一刻も早く変えるために全力を尽くしてまいりたい。信州市民連合が作ってくれたこの共同のテーブルを前に動かして、一刻も早く候補者の一本化、戦う体制を作っていこう」と強調しました。

共同のテーブルではこのあと参加者と意見交換を行いました。また、多くのマスコミ関係者が取材していましたので、共同のテーブル終了後には、信州市民連合と3野党が共同記者会見を開きました。

信州市民連合が3野党に提出した「政策要望書」「基本政策」/信濃毎日新聞記事(2024年8月1日)