松本市にある長野朝鮮初中級学校では6月15日、オープンスクール(公開授業)が行われました。地域の方々や保護者など多くの人が学校を訪れ、児童・生徒が学習する様子を参観しました。

日本で朝鮮・韓国人として生まれた子どもたちが、大人になっても在日コリアンとしてのアイデンティティーを保持していくために、自国の言葉、歴史、文化を学んでいく場として朝鮮学校は必要不可欠です。

長野朝鮮初中級学校には、初級部(小学校)、中級部(中学校)、そして幼稚園があり、約40人の児童、生徒、園児が学んでいます。日本社会の少子化の流れが在日朝鮮・韓国人社会にも押し寄せ、1学年の人数が2人から5人という少人数で運営されています。

子どもたちがまじめに明るく学んでいる姿が印象的でした。また、先生たちも情熱をもって、工夫されて授業をすすめている点もすばらしいと感じました。

授業参観が終わった後、体育館で子どもたちが歌や踊りを発表するミニ公演も行われました。

日本語の授業

日本語以外の授業はすべて朝鮮語で

幼稚園児の体操

朗読の発表も

黒板には大きくハングル文字

理科の授業

理科室で顕微鏡を使って

2人のクラスでは向かい合って児童が相談

幼稚園児の折り紙工作でスイカづくり

日本語授業で熱中症について調べたことをプレゼン

幼稚園児の歌の発表

初級部低学年の歌の発表

初級部高学年の児童

中級部舞踊部が民族衣装を着て発表

中級部の生徒は松代大本営象山地下壕で現地学習も

6月1日、長野朝鮮初中級学校中級部(中学校)の生徒が長野市の松代大本営象山地下壕を訪問して現地学習をしました。

生徒14人はまず、「もうひとつの歴史館・松代」の展示場で大本営工事が行われた理由や朝鮮人労働者の生活や労働実態について説明を受けました。

その後、松代大本営追悼碑を守る会のスタッフから、朝鮮人犠牲者追悼平和祈念碑の前での説明を聞きました。追悼碑を建設した目的は「侵略戦争、朝鮮植民地支配の侵略・加害の歴史を忘却することなく継承していくためのモニュメント」というスタッフの話に生徒たちはうなずいていました。

象山地下壕の内部では、工事に使用した削岩機のロット(先端部分)やランタンのススで書かれた落書き(写真)などを見学しました。

地下壕を出た後には追悼碑の前で、生徒たちが事前学習した内容を模造紙に書いて発表しました。

象山地下壕の中で説明を聞く生徒たち

事前学習の成果を発表する生徒たち