食とみどり、水を守る県民会議総会で安藤光義氏(東京大学教授)が講演

国会で成立した「食料・農業・農村基本法」の課題を指摘

食とみどり、水を守る長野県民会議は4月19日、第13回定期総会を長野市で開催しました。構成員や講演会参加者を合わせて約50人が参加しました。

主催者を代表して、中川博司会長(県議会議員)は「食とみどり、水は国際情勢と密接な関係がある。持続可能な社会をどう作るのかがキーワード。組合員と市民に感心を持ってもらうことが重要であり、運動を広げたい」と挨拶しました。

議事では、経過報告として、アジア・アフリカ支援米発送式(約2.8トンの支援米発送)、食とみどり、水を考える集い(南木曽支署管内)、全国活動者会議報告(東京都)及び活動方針が満場一途で承認され、総会を終了しました。

総会終了後は、特別講演として「食料・農業・農村基本法の批判的検討」と題し、安藤光義氏(東京大学大学院農業生命科学研究科教授)より講演を受けました。

講演では、今年4月18日に可決された改正農村基本法の理念と問題点について、これまでの基本法の歩みと日本農業の問題、そしてこれからについて説明がありました。ロシア・ウクライナ戦争が食料輸入に与える影響について、小麦の国際取引量の急増の背景は、ロシア・ウクライナの2国の小麦輸出量が世界の3分の1を占めているためと解説がありました。将来的な方向として、環境保全型農業による直接支払交付金の拡大拡充や、水田農業の維持に対する支援を求めるとし、国費負担による水利施設の更新と維持管理は利害に関わることであり予算的に可能だという認識が示されました。特別講演は公開講座として開催をし、県議会議員の方々を含む20名近くの聴講者があり、食と農業に対する関心の高さを感じることができました。