原水爆禁止長野県協議会は、今年も各単産・各地区へ呼びかけ、8月7日(月)・8日(火)・9日(水)に開催される「被爆78周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」に参加することになりました。

飛行機の機内から撮影

長崎空港からリムジンバスで会場へ。海が綺麗。

開会行事会場へ到着

長野県からは、自治労、国労、上伊那地区、松本地区、長野地区、長野県原水禁から8人が代表で参加しました。残念なことに、大会会場に到着するなり、台風6号の接近により3日目の行事の全てが中止となったと告げられました。それを受け、2日目で帰る決定をした団も多くありました。我が団もどうするべきか団長と事務局で相談しました。ちょうど少し前に、沖縄を直撃した台風の影響で観光客がしばらくホテルに缶詰めになったという報道もあり、帰れなくなったら大変と、さまざまなことを考えました。帰りの飛行機が欠航になることを想定し、航空券を頼んでいた旅行会社と連絡を密に取り、結果、欠航となっていないけれどキャンセル料が発生しない災害認定となったことで、大会の開会行事が開催中にも関わらず、長崎駅に走りました。JRのみどりの窓口は、まだそれ程混んでいる様子はなく、なんとか8人分の新幹線の切符が取れました。それにより、長野県代表団は2日目の行事はしっかりと参加し、3日目の朝8:44の新幹線で帰郷することに決まりました。新幹線での長時間の移動で大変だろうという心配もありましたが、帰れなくなることを考えれば、それも致し方ないことでした。

 

8月7日(1日目)

高校生平和大使の皆さん

真剣なまなざしの参加者たち

長崎市・ブリックホールにおいて「被爆78周年原水爆禁止世界大会・長崎大会」開会行事が行われ、約800人が参加しました。開会行事では、高校生たちがオンラインでとりくんだメッセージ動画「高校生平和アクション2020」が上映されました。全国から集まった第26代高校生平和大使・高校生1万人署名活動のメンバーのみなさんが登壇、活動報告を行いました。コロナ禍で中断していた海外派遣について、8月下旬に予定されていることも報告。あわせて合唱が披露されました。高校生平和大使の「微力だけど無力じゃない」が耳の残り、大人の私たちも見習わなければと思いました。

行事終了後、全員で路面電車でホテルへ移動し、夕食会場であらためて、それぞれの自己紹介をし、帰りの予定が変更になったことを共有しました。

路面電車から見た街の様子

 

8月8日(2日目)

2日目は、それぞれの希望する分科会へ参加し、午後は唯一の自由時間だったので、思い思いに過ごしました。夕食で参加者の感想や報告を聴いたところ、ほとんどが原爆資料館と平和公園を訪れていました。台風の影響で湿気を含んだ風が強かったのですが、夕方になって少し雨に降られたくらいで、かろうじて天候に恵まれました。

第1分科会の様子

第4分科会の様子

第5、第6分科会会場

第6分科会の様子

 

 
 

昼食に入ったお店で、同じ第4分科会に参加していた女性お二人と出くわしました。そのうちのお一人が長崎市在住の被ばく2世の方で、「現在、長崎原爆資料館の展示に関して歴史修正主義者たちから横やりが入り、資料館の加害の展示を変えようとする動きがみられます。長崎になぜ原爆が投下されるようになったのか、それまでの戦争の加害の部分を含めて展示していかないと、世界中から訪れる、特にアジアの人々に共感や相互理解を得るのは厳しいと思っています。加害展示を含めて資料館の展示をするように市民の会が発足したのでそちらの活動に今、力を入れています。」とのことでした。本当に、そう思います。当事者の方がそう、加害の責任についてきちんと語っているのに、国は一体何をやっているのかと個人的に強い憤りを覚えました。他にも、当事者としての貴重なお話を聴くことができ、たまたま巡り合わせただけなのに、気さくに接していただいてとてもありがたく感じました。

長崎原爆資料館前

松本水道労組の皆さんで折った折り鶴を鳥羽さんが持参しました

 

 

8月9日(3日目)

朝8:00前に集合し早々に長崎を離れたため、8月9日11:02の原爆が投下された時間は、新幹線の中で、それぞれがスマホで平和記念式典のLIVE中継を見て、黙とうしました。やはり行進ができなかったのは少し心残りとなりましたが、何よりも無事に8人全員で熱中症もケガもなく長野に帰り着くことができたことが一番でした。とてもいい仲間と長崎の学びの旅に参加できたことに感謝です。3日間あらためてありがとうございました。

~参加者の感想~

・原水爆禁止世界大会に参加させていただき、核の恐ろしさと、その廃絶の必要性を改めて深く感じました。この会で、多くの方々が平和と非核のための熱意を持って一堂に集まっている様子にはとても感動しました。被爆された方の証言や、核とその影響に関する講演では多くの新しい学びを得ることができ、今まで自分が考えていなかったような範囲にまでその影響が及んでいる事を知りました。そして、私が特に心を打たれたのが、高校生平和大使による発表です。大使の皆さんは「ビリョクだけどムリョクじゃない」をスローガンに全国で署名活動をされています。高校生が平和のために真剣に活動する姿はとても頼もしく勇気をもらいました。私はこの大会に参加し核の問題に対して無関心でいることの危険性を改めて感じました。しかし、一人一人がどれだけの力を持っているのかも再認識できました。全国から集まった参加者のみなさんと共有した核廃絶への思いを胸にたとえ微力だとしても平和のための活動に参加し周囲の方々にもこの問題の重要性を伝えていきたいと思います。

・大会を通じて、改めて戦争の悲惨さ、核兵器の恐ろしさを痛感しました。分科会で学んだ「被爆体験を、体感する」ことが、二度と核兵器を使用しないために大切なことだと思いました。大会を通じて沢山の人の思いに触れ、とても勉強になった2日間でした。

・団長はじめ、ご一緒した皆様大変お世話になり、ありがとうございました。熱量が一番高い今の気持ちを大切にアウトプットしていきたいと思います。

・いよいよ明日8/24汚染水海洋放出ですね。長崎大会に参加しなければ、ほとんど関心がなかったと思います。参加できてほんとうによかったと思います。この思いを少しでも多くの組合員等につなげていきたい、つなげる責任があると思います。

・初めて大会へ参加しましたが、改めて戦争や核の恐ろしさを痛感し、政府の原発推進へ向けた様々な施策にも改めて疑問を感じました。今大会で学んだこと感じたことは職場の仲間たちへ伝え、特に後輩たちへはこういった機会があれば積極的に参加してもらえるよう伝えていきたいと思います。私も今後、平和のための活動へは出来る限り参加していきたいと思います。

・「被爆体験者」ということばを初めて知り、行政の理不尽な対応に憤りを感じました。長野県で高校生平和大使活動がなぜ行われていないのか不思議に感じるとともに、残念に感じました。国は処理水(汚染水)の海洋放出を始め、事業遂行のためには都合よく法律を解釈、改正していることを学びました。そして、国民の声に耳を傾けない国の施策に対して、常に関心をもって対応していかなければいけないと感じました。

・長崎県のように子供の頃から核廃絶について学ぶ機会を作る必要性を感じました。長崎県から長野県まで鉄路で帰るという二度と経験できない機会をいただき感謝しています。