21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

朝鮮初中級学校の卒業式に参加しました

3月18日(土)、長野朝鮮初中級学校(松本市)の卒業式にオンライン配信スタッフとして参加してきました。昨年末に学校側から、県外の病院に入院している生徒さんが同級生たちと一緒に卒業式に参加できないかとご相談をいただいたことがきっかけでした。

県外にいる生徒さんと卒業式会場をリモートでつなぐ

卒業式当日は、朝から雪が降るなかで迎えましたが、初級部の6年生、中級部の3年生の子どもたちの門出を祝うために集った保護者や親族、卒業生、学校関係者の方々で会場は賑わいあたたかな雰囲気に包まれた式典になりました。

式典の前後には、リモートで参加する生徒さんの姿が映し出された舞台横のスクリーンの前に、同級生や親族、保護者の方々が代わる代わる訪れ、「久しぶり」、「元気?」と言葉を交わし久々の再会を喜び合っていました。

コロナ禍の3年間の学校生活

今回、卒業した子どもたちの学校生活は、ちょうどコロナ禍と重なり、本来なら経験できたこともできず、たくさんの我慢を強いられてきた3年間だったそうです。それでも勉強や学校行事などに一生懸命取り組んできたことが、卒業式後の音楽や劇の発表、上映された映像から伝わってきました。朝鮮語を理解することはできませんでしたが、ステージで歌やダンスを披露しながら涙する子どもたちの姿から、かけがえのない瞬間に立ち会えたのだと感じました。

コロナ禍のなかリモート会議などが増えて、人と人の繋がりが希薄になったのではないかと危惧されていますが、このような形で、はなればなれになっていた子どもたちの大切な日に関わることができよかったです。

誰よりも大きな「예!(はい)」

卒業証書授与の際には、リモートで参加した生徒さんも、校長先生から名前を呼ばれると、「예[ ye] (はい)」と大きな声で返事をして、スクリーン越しにしっかりと卒業証書を受け取る姿に、参列者からもひときわ大きな祝福が寄せられていました。

大切な子どもたちの未来

卒業する子どもたちの笑顔、画面越しに涙を流す先生と生徒さんの姿を見て、子どもたちはこの学校で大切に見守られてきたのだと思いました。そして対立や疎外ではなく、互いに知恵を出し合い、思いやりをもって、友好を深めていくことが大切だと感じました。

卒業生のみなさんおめでとう!

県外にいる生徒さんを囲んで卒業する同級生全員で記念撮影

ロシアのウクライナ侵略から1年-長野駅前スタンディング

2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻から1年となる2月24日(金)、長野駅前で、戦争をさせない1000人委員会、憲法9条を守る長野県連絡会など6団体と長野県社会保障協議会が合同で、武力攻撃の即時停止、停戦の実現を求める抗議行動を行いました。約60人が参加しました。

長野駅前でプラカードや横断幕を掲げてアピール 

ヨーロッパへ避難したウクライナ難民は816万人以上

ロシアによるウクライナ侵攻によって、ウクライナに住む人々の日常は一変しました。多くの女性や子どもが犠牲になり、国内・国外へ多くの難民が生じています。
この1年の間に、ウクライナからヨーロッパへ避難した難民は816万人以上(2023年4月時点UNHCR[国連難民高等弁務官事務所])に上ります。
また民間人の死者は8490人、負傷者は1万4244人確認されたと発表されています(2023年4月9日時点OHCHR[国連人権高等弁務官事務所])。
しかし、国際機関も戦闘地域に近づけないため、集計値は氷山の一角に過ぎず、実際の死者数・負傷者数はさらに多いとしています。

核兵器の恐ろしさを知る日本国民として

どんな理由があっても、主権国家への一方的な武力行使、軍事侵攻は、国際法違反・国連憲章違反であり認めることはできません。ロシアは国連安保理の常任理事国でもあり、責任ある行動が求められています。
また繰り返し核兵器使用をほのめかす発言や、核兵器搭載可能なミサイルを使用した軍事演習など、核による威嚇を繰り返していることも、核兵器の恐ろしさを知る日本国民として決して許すことはできません。
さらにロシア軍はヨーロッパ最大規模のザポリージャ(ザポロジエ)原発の占拠を続けており危機的な状況が続いています。原発事故の恐ろしさを知るロシア・ウクライナでこのような危機が起きている現状は恐ろしいことです。ロシアはただちに軍事侵攻を中止し、ウクライナや関係諸国と平和的な解決を図るべきです。そして平和国家として歩んできた日本にも大きな役割があるはずです。

武力より対話を

今回の抗議行動では、参加者一人ひとりが、「NO WAR」、「和平実現」などと書かれたプラカードを掲げ、「ロシアのウクライナへの軍事侵攻に抗議します」、「即時停戦」などと書かれた横断幕を広げてスタンディングを行いました。
主催者を代表して、長野県憲法会議の細尾俊彦さん、長野県護憲連合の松澤佳子さん、長野県社会保障協議会の原健さんが挨拶しました。また私鉄長野県連の若林茂さん、長野県教職員組合青年部の近藤拓也さん、憲法9条を守る長野県民会議の山口光昭さんがアピールを行い、それぞれの反戦・平和への思いを訴えました。

市民にアピールする若林私鉄県連委員長

街頭で掲げたプラカード

「平和が大事」という子どもの声

通りがかった高校生の男の子たちからは「平和が大事だよね」などという声も聞かれました。
どこの国であろうと未来ある世代が戦争に巻き込まれることは悲惨なことです。
大人たちの責任として今後も平和を守るための行動を行っていきます。