21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

5.8tのコメをアフリカのマリ共和国へ発送

食とみどり、水を守る県民会議がJAグループと合同発送式

マリへ発送するコメ袋を前に記念撮影

参加者みんなでトラックにコメ袋を積み込む

全農林や林野労組、全水道などの労働組合でつくる食とみどり、水を守る県民会議は1月18日、長野市・JAビルでJAグループとともに、アフリカの貧困に苦しむマリ共和国への支援米の合同発送式を行いました。

県民会議は2022年、県内6カ所でコメを作付け、一握りのカンパ米運動のコメと合わせて2538㎏、JAグループは7カ所でコメ作り、3230㎏を集めました。

マリ共和国は西アフリカに位置し、国土面積は日本の3.3倍あるものの4分の3はサハラ砂漠で天然資源も海産物もない内陸国。国連が定める「後発開発途上国」であり、世界最貧国のひとつです。食料不足は慢性的で、子どもたちを中心に人々が飢餓状態に陥る事態もたびたび発生しています。県民会議は、アジア・アフリカの飢餓に苦しむ人々に日本のコメを送ろうと1995年から「アジア・アフリカ支援米」作付けの取り組みを継続してきました。

合同発送式には県民会議役員やJA長野関係者など約60人が参加。収穫したコメ袋を並べた会場で行われました。主催者を代表して3人があいさつ。県民会議からは池田清会長(県議会議員)が「マリ共和国にコメを送付して、私たちのメッセージを届けたい」などとあいさつしました。

マリ共和国までの輸送を担うNGO「マザーランド・アカデミー・インターナショナル」の村上章子・代表からビデオメッセージが寄せられました。村上さんは「長年にわたってマリ共和国への支援米を継続している長野県民のみなさんの思いはしっかり現地の人々に届いている」などと話しました。

コメ作りに参加してくれた長野市の幼稚園児と小学生からのメッセージもビデオで放映されました。

その後、参加者が30㎏のコメ袋にマリの言語、バマラ語や日本語でメッセージを書き込みました。みんなでトラックにコメを積み込んだ後、東京港に向けて出発したトラック2台を拍手で見送りました。

あいさつする池田清・県民会議会長(県議会議員)

参加者でコメ袋にメッセージを記入した

コメ作りに参加した下條小学校の児童からのメッセージ

長野市の綿内小学校、保科小学校児童からのメッセージ

金穂実さん(一橋大学院生)が松代大本営の研究成果を講演

日朝県民会議定期総会で修士論文の内容を報告

朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議(日朝県民会議)は昨年12月17日、長野市内で会場参加とZoom参加合わせて約40人を集めて第45回定期総会を開きました。

総会では、金明宏・朝鮮総聯県本部委員長や河舜昊・長野朝鮮初中級学校校長から連帯のあいさつをいただきました。また、1年間の活動経過と方針を承認、「南北朝鮮の融和と統一への流れを確かなものとし、米朝関係の正常化による朝鮮半島での平和共存体制の実現、一日も早い日朝国交正常化を求め」「朝鮮学校への高校無償化、幼保無償化適用、在日朝鮮・韓国人へのヘイトスピーチの規制を求め」るなどとする総会決議を採択しました。

総会後の記念講演は、朝鮮大学校を卒業後、一橋大学院の修士課程に在籍している金穂実さん。金さんは、高校、大学校の学生だった時に、松代大本営をフィールドワークした経験から、大学院での修士論文のテーマに松代大本営工事を選択しました。論文の題名は「市民団体による松代大本営地下壕保存運動-説明板書き換えにおける観光地化の影響と『強制性』解釈に注目して-」です。研究の目的は、「加害を伝えてきた戦争遺跡である松代大本営地下壕に着目し、松代で展開された保存運動が、観光地化や歴史修正主義的潮流が広がる中でどのように展開されたのかについて検討する。『負の遺産』の観光地化に伴い起きる、『負』の側面の後景化を加速させるものとして、歴史修正主義的潮流があることを指摘することを目指す」と位置付けました。

金さんは、2014年に長野市が説明看板の説明文のなかで朝鮮人への「強制性」をあいまいな表現に書き換えた問題について、「朝鮮人への強制性を限定的に解釈し、市民団体との対話を拒否」してしまったと強調しました。

金さんは講演の最後に、在日朝鮮人の詩人、金時鐘氏の言葉「そうして全ては眺める位置で薄れていったのだ」を紹介。松代大本営が残ったものではなく「遺されたもの」であり、保存運動の蓄積への敬意と感謝を表したいと強調。そして、日本社会で加害の歴史に向き合う難しさ・苦しさも感じていると感想を述べました。

金穂実さん

講演を聞く参加者

金さんの講演は信濃毎日新聞で報道された

総会で採択した決議

地裁松本支部が判決 駒ケ根市社会福祉協議会のAさん解雇は無効

駒ケ根市社協は控訴を断念しAさんを職場に戻せ

社会福祉法人駒ケ根市社会福祉協議会の職員で、椎間板ヘルニアを発症したAさんが駒ヶ根市社協から解雇された問題で、1月11日長野地裁松本支部は、Aさんの訴えを全面的に認め、解雇無効と地位確認、解雇以降の未払い賃金及び一時金の支払いを命ずる判決を下しました。

Aさんは、2005年から社協に非常勤職員として採用されて介護職として働き始め、2014年に正規職員として採用されました。通所介護事業所「駒ヶ根市デイサービスセンター竜東やまびこ園」の介護員、生活指導員として勤務していたところ、2015年6月腰椎椎間板ヘルニアを発症し、伊那中央病院で椎間板ヘルニア摘出手術の上、翌月から総務課庶務係に復帰し事務職の仕事に就いていました。

その後、2017年異動先の介護度の低いB型就労施設でも腰痛を再発し、主治医から「腰に負担がかる力仕事は避けた方が良い」との診断を受け、再び地域福祉振興係で地域福祉コーディネーターなどの仕事に就いていました。

ところが、2020年2月、駒ヶ根市社協は「竜東やまびこ園」への異動を内示。この内示の撤回を求めたAさんの意向を無視し、内示を強行した駒ヶ根社協に対しAさんは長野一般労働組合に加入しました。団体交渉で駒ヶ根市社協は一旦は内示を撤回されたものの、同年6月8日に突如としてAさんに解雇を通告しました。

解雇の撤回と原職復帰を求めた団体交渉で駒ヶ根市社協側は、代理人弁護士のみが出席し、腰痛で介護職が出来ないのは契約の不履行などと主張して、解雇は撤回せずに解雇有効訴訟を行うとする頑な対応だったため、Aさんは長野地裁松本支部に労働審判を申し立てました。

2021年1月に下された労働審判では、Aさんの主張を全面的に認め、原職復帰と解雇以降の賃金を支払うよう命ずる審判が下されましたが、駒ヶ根市社協はこれを受け入れずに異議を申し立て、労働審判は訴訟に移行しました。

訴訟で松本地裁は駒ヶ根市社協に対し原職復帰と一定の和解金を支払うよう和解案を提示しましたが、駒ヶ根市社協はこれも拒否。裁判は継続され、2022年10月19日の証人尋問を経て、今年1月11日、松本地裁はAさんの解雇を無効とする判決を言い渡しました。

今回の判決は、介護福祉職場に働く労働者に大きな励ましとなるものです。

組合は、今後、いたずらに裁判を長期化させるのではなく、一日も早いAさんの職場復帰と争議の早期解決をはかるため、駒ヶ根市社協に対して団体交渉を申し入れるとともに、判決を受け入れるよう求める方針です。

判決後の勝利報告集会

主任代理人を務めた棗一郎弁護士が判決文を解説

クーデターから2年。ミャンマーを忘れない。

ミャンマー民主化を支援する信州の会が計画

1月26日 長野市で報告集会「ミャンマーに平和と自由を」

2月 1日 長野駅前・松本駅前でクーデター抗議スタンディング

▲上記4枚の写真は昨年2月1日、長野駅前でのスタンディングの様子

ミャンマーでの国軍によるクーデターから今年2月1日で2年。国軍は、民主派の拠点となる集落を丸ごと焼き払ったり、集中的な爆撃を加えたりするなど、民主化を求める市民に対して非人道的な弾圧を続けています。国軍によって殺害された市民は2600人を超え、逮捕者はトータルで1万7千人に近づき、現在もなお約1万3千人が拘束中です(12月23日現在/ビルマ政治犯支援協会調べ)。

ミャンマー民主化を支援する信州の会は、国軍のクーデターから2年という節目に、「ミャンマーを忘れない」という決意を込め、ミャンマー市民への連帯を表す報告集会を企画しました。この報告集会では、クーデターから2年経過したミャンマーの現状について、在日ミャンマー人当事者から、また、ミャンマー現地から報告を受け、民主化に向けた私たちの活動をどう継続していくのか意見交換します。会場参加とZoomによる配信を併用し、多くのみなさんにミャンマーの現状と課題を知ってもらい、地域での支援の輪を広げていきたいと考えています。

また、ミャンマー国軍のクーデターからちょうど2年の日となる2月1日に、ミャンマー民主化を市民にアピールするためのスタンディング行動を長野駅前と松本駅前で実施します。

誰でも参加できる集会と行動です。みなさまがご参加いただけるようにお願い申し上げます。

報告集会・ミャンマーに平和と自由を(会場参加・Zoom参加併用)

1.日 時  1月29日(日) 10時~12時

2.場 所  長野県労働会館5階 大会議室 長野市県町532-3 電話026-235-3216

3.内 容

報告Ⅰ ウィンチョー夫妻(在日ミャンマー人)

報告Ⅱ 市民グループ「Justice Myanmar」の在日ミャンマー人

報告Ⅲ ミャンマー現地から 新町智哉(映像プロデューサー)

4.参加費  無料

5.参 加  会場参加、Zoom参加どちらかで。事前に事務局まで申し込みを。

◆2・1クーデター2年 街頭宣伝・街頭募金活動

1.日 時  2月1日(水) 18時~19時

2.場 所

①長野駅善光寺口 東急REIホテル前

②松本駅お城口広場

※県内2カ所で同時刻に実施します。都合のいい方にご参加ください。

3.内 容

国軍クーデターから2年・ミャンマーに平和と自由を 街頭アピール行動

※プラカード、横断幕をもって市民にアピール/街頭募金活動/ハンドマイクでのアピール/チラシ配布

4.参 加  誰でも参加できます。

※各自でプラカードを作成して参加、大歓迎です。

※マスクを着用し暖かい服装でご参加ください。

2023年もよろしくお願いいたします

平和と民主主義、人権、労働者の生活と権利を守るために

2023年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

昨年1年間は、2年間にわたるコロナ禍により、非正規雇用労働者や女性、ひとり親家庭、在日外国人労働者など、社会的に弱い立場の人々の生活や仕事へのダメージが長く続き、生活に困窮する人たちがさらに増加しました。一方で、コロナ下でも大企業や富裕層は富を蓄え、社会的・経済的な格差はさらに広がったというのが実感です。

また、岸田文雄政権は、ハト派の宏池会に所属し、被爆地・広島の出身を前面に押し出し、「聞く力」を強調してきましたが、その反動的な本性が明らかになった1年でもありました。法的根拠のない安倍元首相の「国葬」の強行、戦後日本の専守防衛を基本とする防衛政策を大転換させる「敵基地攻撃能力」の保有や防衛費の倍増方針の策定、3・11以降、政府がエネルギー基本計画に掲げた「原発依存度の低減」を空文化する原発政策の大転換による原発再稼働の推進、老朽原発の運転延長、新増設と建て替えの推進などを決めてしまいました。このような重要政策の転換が、国会でも十分議論されす、主権者たる国民に問いかけもしない手法で強行されました。とても容認できるものではありません。岸田政権は、もはや「ハト派」の仮面をかぶった超タカ派政権と断定せざるをえません。

私たち県労組会議は、このような岸田政権と対峙し、この1年間、労働者・市民とともに運動を進めていく決意です。

県労働会館入居団体が一堂に会し新年会

県労組会議も入居する長野県労働会館に専従する役職員が一堂に会する恒例の新年会が1月4日、行われました。

多くの来賓の方にもご出席いただき、2023年年頭にお互いが元気に活動を進めていくことを誓い合いました。

出席いただいた来賓のみなさまは以下の通りです(敬称略/順不同)。

◇篠原孝(衆議院議員/立憲民主党)、◇杉尾秀哉(参議院議員/立憲民主党)、◇埋橋茂人(県議会議員/立憲民主党)、◇望月義寿(県議会議員/立憲民主党)、◇池田清(県議会議員/立憲民主党)、◇布目裕喜雄(長野市議会議員/社会民主党)、◇中山千弘(県労福協理事長)、◇小池政和(県労働金庫理事長)、◇村山智彦(こくみん共済coop長野推進本部本部長)、◇浅田道憲(県住宅生協専務理事)