1000人委員会、九条の会など6団体から50人が参加

県内在住のロシア人女性も飛び入りで抗議行動に参加

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻、武力行使によって、ウクライナの市民約2000人が死亡し、100万人を超える人々が国外退避しています。

いかなる理由があったとしても、主権国家への一方的な武力行使、軍事侵攻は断じて認めることはできません。ロシアは「自衛のための侵攻」と主張していますが、戦前の日本軍を持ち出すまでもなく、過去の戦争は必ずといっていいほど「自衛」を理由にした「侵略」が行われています。ロシアはただちに軍事侵攻を中止し、ウクライナや関係諸国と平和的な解決を図るべきです。

また、プーチン大統領は「ロシアは、ソ連が崩壊したあとも最強の核保有国の一つだ。ロシアへの直接攻撃は、敗北と壊滅的な結果をもたらす」などと、核兵器の使用をちらつかせて米欧を強く牽制しました。また、戦略的核抑止部隊に「特別警戒」を命令し、最高レベルの「警戒態勢」を取り、核兵器が使用される危険性が一気に高まっています。プーチン大統領の核兵器による威嚇や、核兵器の使用を可能とする態勢づくりは断じて認めることはできません。強く抗議します。

戦争をさせない1000人委員会や県護憲連合、県原水禁、九条の会、県憲法会議、県労連の6団体は3月4日の昼休み、ロシアに抗議の意思を示し、即時停戦を求める緊急スタンディング行動を長野駅前で実施しました。緊急行動にもかかわらず約50人が参加し抗議の意思を表しました。また、偶然通りかかったロシア人女性も飛び入りでスタンディングの列に参加してくれました。

参加者一人ひとりが、「STOP WAR」「ウクライナに平和を」などと書かれたプラカードや、「ロシアのウクライナへの軍事侵攻に抗議します」「即時停戦」などと書いた横断幕をもってスタンディングを行いました。ウクライナの民衆に連帯するため、ウクライナ国旗の水色と黄色で色を付けたプラカードや横断幕がほとんどでした。

マイクをもって6人がリレートーク。

県護憲連合代表委員の松澤佳子さんは、「『平和維持のためにウクライナに派兵する』とロシアのプーチン大統領は発言しているが、旧日本軍もアジア太平洋戦争の際に、同じような理由で中国へ派兵したことから戦争が拡大していった。先ほどお昼のニュースで、ウクライナの原発で火災が起きているという報道があった。原発の周辺で戦闘が起きているようだ。チェルノブイリ原発事故、福島原発事故のような大事故が起きないか心配だ。ロシア軍はただちに戦闘を停止して、ウクライナから撤退すべき」などとアピールしました。

「一般市民はだれも戦争を望んでいない。けれども戦争で犠牲になるのは常にそうした一般市民だ」-中村宏典さんのアピール

県労組会議青年女性連絡会の中村宏典さん(自治労)は、若い世代を代表して、下記のようにアピールしました。

「ウクライナとロシアは兄弟国といわれるほど関係が近い。もともとロシアの起源はウクライナの首都キエフからはじまっているようで、日本でいえば、ウクライナのキエフが京都、モスクワが東京といえるような近しい関係という。今回の戦争は、日本でいえば東京と京都で戦争しているようなもの。そう考えると今回のロシアのウクライナ侵攻の罪深さをいっそう感じるのではないか。報道では、ウクライナから逃げる人たちの中にも、ロシアで反戦を訴える人の中にも、自分のルーツがウクライナにもロシアにもある人がたくさんいて、異口同音に『兄弟のような国なのになんで…』と、今回の戦争を嘆き、一刻も早い停戦を望んでいる。一般市民はだれも戦争なんて望んでいない。けれども戦争で犠牲になるのは常にそうした一般市民だ。戦争を主導する権力者は自分は傷つくことのない安全な場所で命令を下している。この矛盾が戦争を許せない大きな理由の一つだ」と強調しました。

続いて中村宏典さんは「今回、もう一つ許せないのは核兵器をめぐる発言だ。プーチン大統領はことあるごとに核兵器の使用をちらつかせながらウクライナに仕掛けた戦争に他国が介入するのをけん制している。今年の1月に、ロシアを含む核保有国で『核戦争をしないこと』を盛り込んだ共同声明を発表したばかりだ。その共同声明を主導したとアピールしたのがロシアだったはずなのに、その舌の根も乾かないうちに核兵器使用を脅しにつかっている」とプーチン大統領の核兵器威嚇発言を批判しました。

さらに中村宏典さんは「これまで、若い仲間とともに反核平和の火リレーにとりくんできた。栄村の副村長は広島県出身で、核兵器の被害も記憶していて、反戦・反核に強い思いを込めたメッセージを託し、若い人の反戦・反核の行動に大きな期待を寄せてくれた。他にも、核兵器禁止条約が国連で成立し、国連で核兵器禁止条約の成立をのぞむスピーチを行った藤森俊希さんを招いて、被爆者がどんな思いと歴史をもって核廃絶への運動をしてきたかを学んできた。核兵器禁止条約の成立に向けては、広島・長崎の被爆者が『わたしたちの命があるうちに何としても核兵器廃絶を』という、まさに命がけの思いにも触れてきた。だからこそ、核兵器を脅しの道具に使いもてあそぶ行為に許せない気持ちでいっぱいだ、おなじように国内でも、”核シェアリング”と言い出す浅はかな政治家にも呆れを通り越して怒りを覚える。『自分の国は自分で守る』という理屈で核兵器の利用を求めることは、今回、自衛のためにといってウクライナ侵略を強行したプーチン大統領とおなじ考えで、危険極まりない」と、自らの運動の経験をもとに「核共有」政策の導入を求める日本の政治家を非難しました。

最後に中村宏典さんは「まさか、21世紀のこの時代に他国を軍事で攻め込むなどという侵略戦争が起こるとは夢にも思っていなかった。20世紀は戦争の世紀といわれて、その反省から戦争の違法化をもとめて国連が産まれたのに、ロシアでも日本でもそれに逆行するような事態に進んでいることに危機感をおぼえる。平和な未来を望む一人の者として、明らかに時代に逆行しているプーチンの他国への侵略も、核廃絶への歩みに水をさし、被爆者の思いを踏みにじる核シェアリングにも反対する。一刻もはやい停戦と、核による脅しも禁止する核兵器禁止条約こそ、日本も世界にも共通の本当の抑止力なんだということを広げていきたい」と強調してアピールを終わりました。

ロシアはウクライナへの軍事侵攻を直ちに中止を!

プーチン大統領は核兵器による威嚇をやめろ!

即時停戦、国際社会との対話による平和的な解決を!

ウクライナ国旗色の横断幕

ロシア人女性も飛び入りで参加してくれた。

アピールする松澤佳子さん(県護憲連合代表委員)。

若い世代の思いを話す中村宏典さん(自治労)。