県護憲連合が書面表決で総会を開く

1947年5月3日にに日本国憲法が施行されてから75年を迎えます。日本国憲法は、その前文にもあるように、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすること(平和主義)」、そして「主権が国民に存すること(国民主権)」を宣言し、「おかすことのできない永久の権利」として、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない(基本的人権の尊重)」ことを定めました。これが、日本国憲法の最も大切な三原則であり、私たちが、この間、一貫して共有してきた理念です。

しかし、2年間にわたる新型コロナウイルス感染症の拡大によって、まさに日本国憲法で保障された「基本的人権」「生存権」が脅かされる状況が続き、安倍・菅政治を継承する岸田政権のもとで、憲法改悪を狙う動きが本格化しています。

岸田首相は年頭所感で憲法改正について「本年の大きなテーマ」と強調、1月17日の通常国会での施政方針演説では、「改憲について、国民の機運醸成にむけ、積極的な議論が行われることを期待する」と表明、憲法上許されない「敵基地攻撃能力」を含め、あらゆる選択肢を排除せずに検討するとし、専守防衛を逸脱する防衛力の強化についても言及、安倍政権時代に作成された自民党改憲案4項目を踏まえた憲法改悪への意欲を露わにしています。

さらに、自民党はこれまでの「憲法改正推進本部」を「憲法改正実現本部」に改組し、全国各地で開く対話集会の実働部隊となる「タスクフォース」を始動させ、今夏の参院選後を見据えて国民的な改憲論議を推し進めようとしています。

昨年10月の総選挙で、衆議院で憲法改正発議に必要な3分の2勢力を保持・確保した岸田政権は、衆議院解散をしない限り、2025年夏まで国政選挙のない「黄金の3年」を手に入れられるとし、今夏の参院選で参院における改憲勢力3分の2確保を実現し、憲法改正発議にこぎつけるスケジュールを描こうとしています。

こうしたことから、夏の参院選が極めて重要であることは言うまでもありません。自民党・公明党に加え、日本維新の会、国民民主党が衆参両院の憲法審査会の定期開催に前のめりとなり、自民党改憲4項目による憲法改正原案づくりが進められようとしている局面に立ち、立憲野党と市民の共闘を継続・進化させ、「平和憲法を未来へ」を高く掲げ、参議院における改憲勢力の増大を食い止めることが当面の大きな政治課題であり運動課題となっています。

毎年2月11日(建国記念の日)に県護憲連合の定期総会を開き、改憲阻止の取り組みをはじめとする1年間の運動の取り組みを確認してきましたが、新型コロナ・オミクロン株の感染急拡大により、県下で「まん延防止等重点措置」が適用されることに鑑み、第67回定期総会は中止とし書面表決により議案を決定しました。

今夏にも国会から改憲案が発議され、国民投票が実施される可能性もあります。私たち、主権者が日本国憲法と真正面から向き合う事態となります。あなたの、私の、未来の子ども達の平穏で幸せな日々のために、「戦争をさせない」、そして「憲法を変えさせない」。そのためにみんなの力を結集しましょう。