長野朝鮮初中級学校の児童・生徒を支援するカンパ活動を実施中

松本市にある「長野朝鮮初中級学校」には、県内各地の在日朝鮮人の子弟、約60人が通学しています。日本で生まれ育った朝鮮人が、自分たちの民族文化を学び、朝鮮民族としての自覚を高め、日本国民との親善を図ろうと学校運営が行われています。

普通校ならば、国や県から多額の補助金が出ます。しかし、朝鮮学校には補助がほとんど出ないため、在日朝鮮人が自力で資金を捻出する努力が重ねられています。昨今の経済事情のなか、学校運営には大変な困難が伴っています。

日本は戦前、朝鮮半島を植民地化し、200万人を超える朝鮮人を日本に強制連行しました。

在日朝鮮人は民族文化の継承を図るため、1945年、東京に朝鮮語を教育する「国語教習所」を設立、その後全国各地にも「朝鮮学校」として開設しました。しかし、占領軍や日本政府は、朝鮮学校を認めず、逆に閉鎖命令を出すなど、民族教育の権利を徹底して弾圧しました。

1965年、文部省(当時)は、朝鮮学校を学校教育法第1条の普通校として認めないことと、各種学校としても認可しないという事務次官通達を出しました。この民族差別的な対応が今日まで、政府・文部省の基本的考え方として継承されています。

児童・生徒は、日本の小中学生と同じ義務教育年齢にあり、教育内容は、朝鮮語や歴史など、一部を除いて日本のカリキュラムとほとんど同じです。しかし、日本政府は、朝鮮学校を学校教育法1条校(普通校)として認めず、各種学校扱いにしているため、学校への助成金もないなど、人権侵害ともいえる差別的な取り扱いをしています。

高校無償化については、他の民族学校はすべて無償化対象としたものの、朝鮮高校に関して政府は、文部科学省令を改悪して、無償化適用から完全に排除しました。子どもたちの教育を受ける権利を蹂躙する許しがたい対応です。全国で5つの朝鮮高校の卒業生や保護者が、国に無償化指定や国家賠償などを求めて裁判を提訴しましたが、地裁・高裁段階で国の主張を全面的に追認し、最高裁も上告を不当にも棄却しました。

また、2019年10月から「幼児教育・保育無償化」が実施されました。しかし、各種学校認可を受けている幼稚園施設は無償化措置の適用から除外されています。

各種学校の幼稚園施設は、朝鮮学校40ヵ所、インターナショナルスクール、ブラジル人学校などが49ヵ所で全国に合計で89ヵ所あり、すべてが外国人学校幼稚園です。なかでも、朝鮮学校の場合、高校生が高校無償化からも除外されていることに加え、幼保無償化からも除外されることとなり、在日朝鮮人社会に対する政府の度重なる差別的措置に対し厳しい批判が起こっています。政府は、内閣府・文科省が主導して、幼保無償化から除外された外国人幼稚園などを対象に来年度から支援措置を始めますが、支援額は、幼保無償化のレベルと比べると大幅に減額されています。

日朝県民会議、県労組会議は、松本市にある長野朝鮮初中級学校の児童・生徒たちを支えるために現在、全県的なカンパ活動を行っています。国際化が叫ばれて久しくなりますが、私たちの身近な地域からの国際連帯が求められています。長野朝鮮初中級学校の運営を支えるため、皆さんのあたたかいご協力をお願いします。

◆長野朝鮮初中級学校の児童・生徒たちへのカンパにご協力をいただける方は事務局までご一報いただければ幸いです。