21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

コロナ禍を乗り越え、新たな団結と連帯で、地域労働運動・平和運動を未来につなごう

第41回全国地区労交流会を長野市で開く

長野県労組会議と12地区労組会議・単産でつくる実行委員会は、「コロナ禍を乗り越え、新たな団結と連帯で、地域労働運動・平和運動を未来につなごう」をスローガンに11月13日、長野市のホテル・メルパルク長野で第41回全国地区労交流会を開きました。コロナ禍のなかで開いた全国集会でしたが、全国・県内とも参加を制限し代表者のみが参加する集会としました、また、インターネット・Zoomでの配信も行いました。集会には、全国・県内から63人の参加者が集まり、Zoomでの参加者は約20人でした。各地の運動の経験交流や松代大本営地下壕の見学などを行い、成功裏に終わることができました。

記念講演は、阿智村にある満蒙開拓平和記念館館長の寺沢秀文氏。寺沢氏は、全国で一番多くの団員を送り出した長野県の歴史を述べ、「長野県民が被害を受けた事実と同時に、中国に対する加害の側面もあったことを忘れてはならない」と強調しました。

各地区労や団体からの報告者は以下の通りです。

1)沖縄の米軍基地問題  桃原 功(宜野湾市議会議員)、大城孝之(中部地区労事務局長)

2)福島原発事故・汚染水問題  福島県・小名浜地区労 松本耕三(議長代行)

3)関西地区生コン支部弾圧事件  全日本建設運輸連帯労働組合 小谷野 毅(書記長)

4)JAL争議団闘争報告 鈴木圭子(団員)

5)コロナ禍での労働相談 神戸地区労 宇野克巳(議長)

6)長崎バスユニオンの闘い 長崎地区労 加世田和志(書記長)

7)コロナ禍の地域公共交通の現状 私鉄長野県連 若林茂(書記長)

8)労働相談・組織化 松本地区労組会議 平谷哲治(事務局長)

21世紀の労働運動研究会「ハラスメントの防止に向けて」(小川 英郎弁護士講演)

ハラスメントの防止に向けて

県労組会議と各ブロックの地区労組会議が主催して開いている「21世紀の労働運動研究会」は12月4日、上田市・丸子文化会館セレスホールで今期4回目の講座を開きました。「ハラスメントの防止に向けて」というテーマで、ウェール法律事務所(東京)の小川英郎弁護士に講演いただきました。Zoom視聴と会場参加あわせて、約30人の方が参加されました。

講演する小川英郎弁護士

小川弁護士には、パワハラに関する法制度の動き、ハラスメント事案の救済の法的構造について、最近の裁判例をあげながら解説いただきました。またコロナ禍のなかで起きている感染者へのハラスメントや、感染防止についての業務指示におけるハラスメントについても触れていただきました。講演終了後には、小川弁護士も参加して分散交流会を実施しました。

相談しやすい雰囲気、信頼関係をつくることが大事

分散交流会では、参加者から、「振り返ればパワハラをされていたのかもしれない」、「熱血指導とパワハラは紙一重」、「セクハラ被害者のパート女性は加害者の顔も見たくないという状態だった」、「労働局も強制力がなく難しい」、「気を使うことでギスギスした雰囲気にもなっていると感じる」などの発言があった。

本人以外の第三者が通知できる制度が必要

最後に参加者の声を受けて小川弁護士から「相談しやすい雰囲気、信頼関係をつくることが大事。本人以外の第三者が通知できる制度が必要。相互監視になる。ちゃんと処分できる組織の体制をつくること」というアドバイスをいただきました。

2022年も〈第16期〉の労働運動研究会を企画していきます

「〈第15期〉21世紀の労働運動研究会」も、今期最終講座となり、最後に閉校式を行い全4回の講座すべてに参加した参加者4人に松澤佳子長野県労組会議議長から特典(図書カード)をお渡ししました。2022年も「〈第16期〉21世紀の労働運動研究会」を企画していきます。ぜひご参加ください。

閉校式

【講演概要】

小川英郎弁護士・講演レジュメ(PDF)

※以下の概要でご紹介した裁判例以外にもレジュメに裁判例の記載があります。ぜひお読みください。

第1 パワハラに関する法制度の動き

1 改正労働施策総合推進法成立

198回通常国会で、職場のパワーハラスメント(パワハラ)に対する事業主の措置義務を定めた改正労働施策総合推進法が成立。
① 優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
② 業務の適正な範囲を超えて行われること
③ 身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること
⇒詳細は指針に委ねられた(令和2年6月1日施行)
⇒セクハラ、妊娠・出産・育児に関するハラスメント対策も同時に改定

「業務による心理的負荷評価表」

2 定義について

⑴ 「職場」
「当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、『職場』に含まれる。」
「業務を遂行する場所」には、出張先、取引先、会社の懇親会等が含まれる。また勤務時間外であっても業務遂行との関連性が認められれば、「職場」に当たりうる。ハラスメント防止の観点からすれば、①明確化と②安全サイドに立った解釈が求められる。

⑵ 「優越的な関係を背景とした」
「行為者に対して、抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係を背景として行われるもの。」
職位、職種・雇用形態の違い、能力・資格・実績・成績などの個人的能力、容姿や性格、性別、性的指向・性自認など、あらゆる要因により事実上生じた人間関係を広く含む概念と解して対応することが求められる。「抵抗又は拒絶できない」ほどの関係ではない、と安易に解釈することは危険。

⑶ 「業務上必要かつ相当な範囲を超えて」について
「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動であるかの判断にあたって、「個別の事案における労働者の行動が問題となる場合は、その内容・程度とそれに対する指導の態様等の相対的な関係が重要な要素となる」
労働者の行動の問題性が高ければ、指導・叱責が直ちにパワハラに該当しなくなるということではない。多くの裁判例で労働者側の問題点を指摘しつつも、違法性が認められている点に注意。また「業務上必要かつ相当な範囲」の判断にあたっては、附帯決議が指摘するように、「労働者の主観」にも配慮する必要がある。

3 該当する例・該当しない例

⑴ 「該当する例」として以下のものも含まれる
① 身体的な攻撃 ※レッドカード
・書類を投げつける
・相手の身体の近くに物をなげつける
・叱責に当たり、足下にあるゴミ箱を蹴飛ばす
・机を叩く、椅子を蹴る
・殴るふりをする
・扇風機の風を当てる ※たばこの嫌いな上司が喫煙者の部下に「臭いから」と

② 精神的な攻撃
③ 人間関係からの切り離し
④ 過大な要求
⑤ 過小な要求
⑥ 個の侵害

心理的負荷強度「Ⅲ」は最も強いストレスで労災レベル

「森友学園問題で自殺した財務省職員の方は公務災害になるだろうと見ています」(小川弁護士)

配置転換のあとにパワハラといくつも重なるケースが多い

上司等からのパワハラ・同僚等からの暴行・いじめ・嫌がらせなどは「Ⅲ」レベル

⑵ 「該当しない例」 ※あまり鵜呑みにしないほうがいい
例示されているものの、労働者に帰責性がある場合にはハラスメントにならないわけではない。個別具体的に考える必要がある。
「これはハラスメントになりませんよね」と聞かれても、安易に指針を引いて「大丈夫」と言わないこと。あくまでケースバイケース。また、「人間関係からの切り離し」に該当しない例として、「懲戒規定に基づき処分を受けた労働者に対し、通常の業務に復帰させるために、その前に、一時的に別室で必要な研修を受けさせること」が挙げられているが、①研修の必要性、②研修の態様、③研修の内容等によって総合的に判断される。いうまでもなく、退職強要や嫌がらせ目的で追い出し部屋に入れたり、一人隔離させることは当然許されない。

 

第2 ハラスメント事案の救済の法的構造

1 権利の侵害とは

・パワハラにかかわる権利の類型
① 個人としての権利(人格権、身体の自由、良好な職場環境を享受する権利)
② 労働組合の活動を嫌悪する場合(団結権)

2 違法なセクハラ・パワハラに対する救済類型

① 対企業(損害賠償)
② 対加害者(損害賠償)
③ 対行政(労働者災害補償保険法の申請)
※企業ではなく上司に対してのみ訴える人が多いが、企業も被告にして問題をあぶり出していくべき。加害者の個人にはお金もない。

3 民事損害賠償請求訴訟の構造

① 違法性の根拠は?(民法715条、709条、415条)
ア 不法行為責任(民法709条)
「故意または過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
イ 使用者責任(民法715条本文)
「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」
ウ 債務不履行責任(民法415条本文)
「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。」
② 過失とは
注意義務に違反したこと(安全配慮義務違反)
予見可能性と結果回避可能性
③ 損害の内容
原則として交通事故損害賠償基準が援用されている
積極損害:治療関係費、付添看護費、雑費、通院交通費、葬儀費
消極損害:休業損害 後遺症逸失利益 死亡逸失利益 慰謝料
④ 休業損害
給与所得者の場合、受傷による現実の収入減
有給休暇使用、昇格・昇給遅延、賞与減額も含まれる
⑤ 後遺症逸失利益
⑥ 死亡逸失利益の算定

4 労災としての扱い

(1) 労災保険法の構造
心理的負荷評価表の改定
ひどいいじめ、嫌がらせがⅢに。

「業務による心理的負荷評価表」

(2) ハラスメントの認定の手順
客観的な証拠関係
職場の構成と人間関係
調査に対する企業側の対応
(3) 業務外決定に対する対応
審査請求⇒再審査請求⇒行政取消訴訟へ
最後は裁判所による司法判断に委ねられる
国の敗訴率がもっとも高い分野

 

第3 最近の裁判例の分析と傾向

1 最新裁判検討

【加野青果事件(名古屋高判平29.11.30労経速2336号3頁)】
【事実】
(当事者)
・被災者花子は、平成3年生まれの女性(父母は原告X1,原告X2)
平成21年3月高等学校卒業後、4月にY社に正社員として入社。総務部配置。
高校ではマンガ研究部所属。ゲームやアニメが趣味。
おとなしい性格。注意を受けると反論せず、黙り込む。
精神障害等の受診歴なし。
・Y社は、従業員60名の青果物の卸売業。
・Y2 大卒 平成8年4月にY社入社  営業事務担当
・Y3 大卒 平成13年4月にY社入社 経理事務担当
(被災者の就業状況)
平成21年4月 本社ビル3階で経理事務従事(果物の買掛金関係)
請求伝票の発行、支払、記帳、パソコン入力等
・入力ミスが多かったが、よりミスの多い他の同僚のおかげで目立たず。
・Y3は当初、丁寧に指導。
平成23年9月
・ミスの多い同僚が子会社に出向。
・Y3⇒花子に対して、「てめえ」「あんた、同じミスばかりして」と男っぽい口調で叱りつけるようになる。
・食欲がなくなり、外出を嫌がり、家で寝ていることが増える。ツイート数も減る。
平成23年10月~
・両親のX1、X2がY社に電話 花子がいじめに遭っていると申告。
・担当取締役Bが「ちゃんと見ている」と回答。
・B⇒Y3 「注意する際にはもう少し優しい口調で」と指導
・Y3⇒花子 「親に出てきてもらうくらいなら、社会人としての自覚を持て」
後述配置転換後も呼び出してY2とともに叱責
平成24年4月以降
・花子 2階で果物の営業事務に配置転換(派遣社員の後任)
⇒Y2が花子を直接指導するようになる。
・業務内容は、電子データの注文内容を入力するというもの
・前任の派遣社員は、入力作業が複雑で時間に追われるため、ストレスで辞めている。
・従前業務はY3が引き継ぐことになり、マニュアル作成を命じる。
「自分の言葉で書いたマニュアルを作成し直して」
・派遣社員から引継ぎを受けるも、完全にはできるようならず、派遣社員は、Y2に支援を要請。
・Y3から内線電話で怒鳴られて泣いてしまうことあり(ミスは冤罪)
・一部顧客についてのシステム変更により夕方の残業が増える。
⇒同年3月22日から4月20日の時間外労働は67時間で最長
⇒その後、49時間、58時間で推移。
・花子のミスが増加するも、Y2も多忙で席も3階に移動。
・ Y2の同僚から花子の業務量が多いので調整必要との指摘。
・ Y2 週1回程度、花子を呼び出し「何度言ったら分かるの?」と叱責
注意内容を付箋に貼ってパソコンに貼るよう指導。
・ 身なりに構わなくなる(髪も梳かさず、春に冬物のブーツを履く)
平成24年6月20日
・ 公休日にY2から携帯に電話。納品書の記載漏れを指摘される。
・ 翌21日早朝 10階から飛び降り自殺(遺書なし)
(ツイッター投稿)
H23.8 「転職してえ」
H23.11「忙しいなんてレベルじゃないぞこれ。死ぬ。死んでしまう。時間足りない。」
H24.2「現状が辛すぎてなんかもう消えたい」
H24.3「新しい仕事で目が回る。」
H24.5「マジで辞めんぞこの会社」
H24.6.10「今回は絶望的ですかね。もう会えないかもですね。」
H24.6.19「仕事大量に残ってるから朝早くでてこなかん」
【判断】
① Y3の不法行為
(厳しい口調の叱責について)
・8年先輩社員である
・経理事務の指導担当
⇒業務上の指導を行うべき立場にある。
・上司や同僚からの指摘あった
⇒パワハラ該当可能性についての認識があった
・「以上のとおり、被告Y3の花子に対する叱責の態様及び叱責の際のY3の心理状態に加え、花子が高等学校卒業直後の平成21年4月に被告会社に入社したこと及び平成24年4月以降、花子が引き継いで間もない新しい業務に従事していたことに鑑みると、平成23年秋頃以降、被告Y3が継続的かつ頻回に、叱責等を行ったことは、花子に対し、一方的に威圧感や恐怖心を与えるものであったといえるから、社会通念上許容される業務上の指導の範囲を超えて、花子に精神的苦痛を与えるものであると認められる。」
② Y2の不法行為
(深夜の架電と出社指示)
⇒社会的相当性を欠くとは言えない。
(配置転換後の指導)
・女子従業員の担当事務全般の把握能力と経験あり。
・役員から支援を指示されていた
・もともとミスが多かった花子に対して適宜支援するべき職責があった
⇒支援をすべき不法行為法上の注意義務
・付箋のメモをパソコンに貼るよう指示はしていたが
・Y3とともに叱責継続、頻繁な呼び出し、同じ叱責の繰り返し、長時間に及ぶ
・時間外労働が増加
・同僚からの指摘あり
⇒業務代行等の支援措置せず
⇒上司にも報告相談せず
⇒叱責行為は業務の適正範囲を超える。
③ 被告会社の責任
民法715条の使用者責任肯定
民法709条、415条の責任(安全配慮義務)について
電通事件最高裁判決判旨を引用
・取締役BはY3の口調について認識するも一度注意したのみ、その後確認せず
・負担の重い配置転換を決定
「被告会社は、花子に対し、花子が新しい業務を疲労や心理的負荷なく遂行できるよう花子の業務の事情を把握し、指導体制を整え、場合によっては、花子の業務内容や業務分配の見直しや増員を実施すべき義務を負う。」
⇒Y2を3階に配置するなど、義務を怠った。
・配置転換自体は企業の合理的な人事施策の範囲内
・時間外が増えているとはいえ、労働者の心身の健康の喪失につながるようなもの ではない。
・叱責行為についてこれを制止ないし改善するよう指導・注意する義務がある。
⇒これを放置。
・業務支援が必要な状況にあったのに放置、業務内容や業務分配の見直し等を怠った。会社自身の不法行為及び債務不履行
④  因果関係
遅くとも平成24年6月中旬ころには、うつ病を発症していたと認められる(原審は否定)。※Twitterの投稿内容から裁判所が判断
叱責行為⇒心理的負荷「中」、配置転換⇒「中」、総合して⇒「強」
⑤ 予見可能性
会社については「使用者は、平成24年当時、仕事の負担が急に増えたり、職場でサポートが得られないといった事由から、労働者がうつ病になったり、自殺に至る場合もあり得ることを認識できたのであるから、うつ病発症の原因となる事実ないし状況を認識し、あるいは容易に認識することができた場合には、労働者が業務上の原因で自殺することを予見することが可能であったというべきである。そして、被控訴人Y3及び被控訴人Y2による違法な注意・叱責とこれについて被控訴人会社が適切な対応を取らなかったこと及び花子の業務内容や業務分配の見直しをすべき義務があったのにこれをしなかったということを、被控訴人会社は認識し、あるいは容易に認識できるものであった」。
Y2,Y3については「それのみでうつ病を発症させる程度に過重であったとは評価できない。」
⑥ 損害
被告会社について
逸失利益 3550万円
月額賃金15万×12月+時間外+賞与=年間283万
67歳までの46年、生活費控除30%
慰謝料  2000万円
葬祭料   150万円
合計    5700万(各2850円)
損害の填補 労災保険からの支給(X1が受領)
固有の慰謝料 100万円
弁護士費用
合計X1 3190円 X2 2384円
Y2 慰謝料50万
Y3 慰謝料100万

 

第4 コロナ禍とハラスメント

(1) 感染者を不利益に扱うことが許されるか
感染自体は、非違行為にあたらない。
家族の感染を理由とする不利益取扱い(検査の強要)
家族の職業を理由とする不利益取扱い(医療従事者・高齢者施設)
職場感染防止のための措置は認められるが、ハラスメントは許されない。
(例)感染を理由とする解雇、雇止め
感染を理由とする配置転換、治癒後も継続する自宅待機
感染を理由とする処分
⇒ただし、会社の指示に反して、危険な行動を取ったことに対する処分をどう考えるか。

(2) 感染防止についての業務指示とハラスメント
使用者が感染防止措置を取ることは義務でもある。
安全配慮義務
一方で、私生活上の行動にどこまで使用者が介入できるかは別問題。
ケースバイケースの判断となる
在宅勤務指示をめぐるトラブル(費用負担、プライバシー)

ミャンマー民主化支援のカンパに取り組んでいます

ミャンマーで2月1日に起きた軍事クーデターを受けて7月に結成された

「ミャンマー民主化を支援する信州の会」(若麻績敏隆代表)は、

ミャンマー支援のカンパに取り組んでいます。

支援の輪を広げるために郵便払込用紙付きのカンパチラシを作製して協力を呼びかけています。

カンパチラシ配布・ご寄付にご協力いただける方は、事務局までご連絡ください。

長野駅前での街頭カンパ(10月23日)

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ミャンマー国軍によるクーデターに反対し 民主化を求めるミャンマー市民に支援を!

60年以上つづいてきた軍政から民主化が進み、世界中から投資が集まり経済成長していたミャンマーで、2021年2月1日に国軍による軍事クーデターが突如発生しました。

アウンサンスーチー国家最高顧問をはじめ民主派の政治家が拘束され、国軍に抗議する民間人への弾圧がつづいています。

市民は非暴力による不服従運動で抵抗していますが、10月までに1100人を超える命が奪われています。

社会が混乱するなかで、ミャンマーの人々の生活はきわめて困難な状況に陥っています。

長野県に在住するミャンマー人の方々からも支援を求める声が届いています。

どうかミャンマー市民へのご支援をお願いいたします。

【支援対象の人々】

  • 軍事政権に反対して職を奪われ、収入の途を閉ざされた市民
  • 軍事政権の空爆などの攻撃によって住む場所を奪われ、森林地帯に逃げ込んだ人々
  • 国境を越えてインドやタイ国内に逃れた人々
  • 日本国内や諸外国で軍事政権に反対の声を上げて、帰国できなくなった人々
  • 混乱する国内情勢から、経済支援が閉ざされた留学生

◆カンパ・寄付金は使途を明らかにし活動に取り組みます。

◆非暴力、平和的手段で不服従運動を展開する国内外のミャンマー人・団体に寄付します。

【呼びかけ団体】

ミャンマー民主化を支援する信州の会

英語表記:Shinshu Supporting Group for Democratization in Myanmar

ミャンマー語表記:မြန်မာနိုင်ငံဒီမိုကရေစီထွန်းကားရေးအထောက်အကူပြုရှင်းရှူးအသင်း

〒380-0838 長野市県町532-3 県労働会館3階

電 話:026-234-2116(事務局)

メール:kenrousokaigi@r-nagano.com

【カンパ協力方法】

■郵便振替(ゆうちょ銀行・郵便局)

口座番号 00130-9-674396

口座名義 ミャンマー民主化を支援する信州の会

■他行からの振込

店  名 〇一九(ゼロイチキユウ)

店  番 019

預金種目 当座

口座番号 0674396

オホーツク海でとれた冷凍ホタテ貝柱を販売中

国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会(旧国労闘争団)が斡旋

1㎏4200円 5袋以上ならご家庭・職場など、どこへでも発送できます

国鉄(日本国有鉄道)が1987年4月、分割・民営化されJRが発足して35年を迎えようとしています。国鉄からJRに移行するにあたって、国鉄職員がJRに「採用」されましたが、国労(国鉄労働組合)に所属している多くの組合員が「不採用」となりました。国労は、当時のナショナルセンター・総評(日本労働組合総評議会)の運動をけん引する労働組合であり、国民の財産である国鉄を分割・民営化する政府の方針に反対していました。政府と国鉄当局が一体となり、この国労組織をつぶすためにJRから多くの国労組合員が排除されました。

JRに採用されず「国鉄清算事業団」に籍を置いた国労組合員は、1990年3月末で1047人が事業団からも解雇されました。解雇された国労組合員は北海道・九州を中心に「闘争団」を組織して、国鉄当局・JR、政府の組合つぶしに抗議し、不当労働行為の責任を追及、不当解雇の撤回とJR採用を求めて闘い続けました。争議は25年間もの長い間続き、最終的に解決金が支払われて終結しました。1千名を超える労働者が四半世紀にわたって闘い抜いた国鉄闘争は、日本の労働運動の歴史に刻み込まれました。

長野県労組会議は、北海道の紋別・美幌闘争団の国労組合員を支援してきましたが、争議の解決後も、県労組会議は、国鉄闘争の意義を継承するため、紋別・美幌闘争団の元団員でつくる「国鉄闘争を語り継ぐ紋別・美幌の会」と交流を続けています。

「紋別・美幌の会」は毎年、オホーツク海でとれた冷凍ホタテ貝柱を斡旋しています。「紋別・美幌の会」の元団員は元気に生活を送っていますが、北海道のオホーツク地方は、安定した職もなく、生活のための収入確保は困難が伴います。ホタテの収益の一部は、「紋別・美幌の会」の活動と生活応援のために活用しています。

冷凍ホタテ貝柱の販売価格は、1㎏で4200円、5袋以上まとまると送料無料で職場や家庭にお届けします。購入を希望される方は、県労組会議事務局までお問い合わせください。

「女性労働者は、女性として、労働者として、二重の 鉄鎖に縛られている」

21世紀の労働運動研究会 - 女性労働者の権利について学ぶ

県労組会議と各ブロックの地区労組会議が主催して開いている「21世紀の労働運動研究会」は11月6日、松本市・Mウィングで今期3回目の講座を開きました。

講演のテーマは、女性労働者の権利と非正規公務員問題について。県労組会議議長の松澤佳子さんが30年にもなる自らの労働運動の経験を交えながら講演しました。

松澤さんはまず、女性労働の現状について報告。一般労働者の間で、女性労働者の賃金は、男性労働者と比べて75%程度にとどまること、非正規労働者の割合も女性が圧倒的に高いことなどについて説明しました。戦後、資本側と労働側との間で、女性労働者の「保護か平等か」の点について論争があり、資本・経営者側は、平等を主張するなら労働基準法の女子保護規定(深夜業、残業規制など)をはずせと主張し、労働側は、女子保護規定の撤廃に反対し、努力義務ではない男女平等法を求めてきたと紹介しました。

■女性解放運動家・山川菊栄に学ぶ

また、松澤さんは、戦前から戦後にかけて女性解放運動に身を投じた山川菊栄を紹介。1918年の「母性保護論争」で、歌人の与謝野晶子は「女性の経済的自立」を求め、思想家の平塚らいてうは「母性保護」が重要だと主張したこと、山川菊栄は「どちらも必要」とし、「両方が解決しても、根本的な解決にならない。『資本対労働』の問題の解決こそ必要」だと訴えたことを紹介しました。また、松澤さんは、1925年に山川菊栄が起草した日本労働組合評議会「婦人部テーゼ」で、「女性は、社会的・経済的に弱者であり、資本家の攻撃は、まず女性にむけられる。女性の奴隷的美徳ー従順と無知を利用して、賃金を引き下げ、男性の賃金を引き下げ、全体の生活水準を引き下げている。女性労働者は、女性として、労働者として、二重の鉄鎖に縛られている。女性労働者を組織しなければ、資本の側にとりこまれて、労働組合を弱体化させる」と、山川菊栄が労働組合「婦人部」の組織化を強調した歴史を解説しました。

■「団結なくして権利なし」-宮里邦雄・弁護士の言葉を実践しよう

講演の最後に松澤さんは、55年間にわたり労働弁護士一筋で活躍されている宮里邦雄・弁護士(元日本労働弁護団会長)の言葉を引用。「労働者の権利は孤立したものではなく、仲間によって守る社会的権利。団結がなければ権利は守れない」と強調しました。