次世代の労働運動の担い手育成にむけ、県労組会議が開く「21世紀の労働運動研究会」は今年で第14期を数え、第1回講座(全4回)が7月18日、松本市で開かれました。講師は日本労働弁護団・闘争本部長の棗(なつめ)一郎弁護士。新型コロナショック下での雇用・労働条件の問題として、①休業補償、②労災(公務災害)認定、③解雇について、それぞれ労働者保護の法的根拠や制度の内容が説明された他、正規と非正規の格差を是正する同一労働同一賃金の法制化の課題について解説を受けました。
民団県本部から松代大本営追悼碑を守る会にマスクや剪定ばさみをいただきました
民団県本部から松代大本営追悼碑を守る会に対し7月16日、象山地下壕を案内する際に、見学者の感染防止対策のために消毒液とマスクを寄贈していただきました。
また、昨年10月、追悼碑の周りに植えられた樹木の剪定用に刈込剪定ばさみを2つ、寄贈していただきました。7月16日に開いた守る会幹事会の後には、この剪定ばさみを利用して碑周辺の樹木を刈り込みました。
あたたかい心遣いに感謝申し上げます。
「日朝平壌宣言の原点に戻って交渉を」 金丸信吾氏を招いて日朝関係の歴史と現状を学ぶ
日朝県民会議(朝鮮の自主的平和統一を支持する長野県民会議)は7月11日、松本市の長野朝鮮初中級学校の体育館で、故金丸信・元副首相のご子息の金丸信吾氏を招いて日朝問題学習会を開きました。学習会は、新型コロナウイルスの感染防止対策に細心の注意を払いながら開き、日朝県民会議会員や学校保護者など約100人が参加しました。
故金丸信・元副首相は1990年9月、自由民主党と日本社会党の合同訪朝団の自民党代表として初訪朝し、朝鮮労働党との間で「3党共同宣言」を発表しました。金丸信吾氏は金丸元副首相の秘書としてこの代表団に同行しました。金丸信吾氏は、この訪朝以降、今日まで22回にわたり訪朝し、民間交流を積極的に進めてきました。
金丸信吾氏は講演で、「国交正常化こそが日朝の懸案事項を解決する一番の近道であると信じ、活動してきた」とし、「日本政府は、圧力一辺倒の政策を撤回し、日朝平壌宣言の原点に戻って交渉をやりなおすべきだ。外交の基本は信頼である」と強調しました。
炎暑の花
幼保無償化からの外国人幼稚園除外問題 日朝県民会議、長野朝鮮初中級学校・保護者などが文科省に要請
昨年10月から幼児教育・保育の無償化が始まりました。しかし「各種学校」の認可を受けている幼稚園施設は、「多種多様な教育」「認可外保育施設にも該当しない」ことを理由に、無償化措置の適用から除外されています。
朝鮮幼稚園などの各種学校資格を持つ全国の外国人幼稚園89園は、適用外となりました。なかでも、朝鮮幼稚園の場合、朝鮮高校生が高校無償化からも除外されていることに加え、幼保無償化も除外されることとなり、在日朝鮮人社会に対する政府の度重なる差別的措置に対し厳しい批判が起こっています。
7月7日、長野朝鮮初中級学校の河舜昊校長、保護者会の申賢麗さん、朝鮮総聯県本部の李光相委員長、日朝県民会議の小松清志会長など7人は、上京して文部科学省を訪問、朝鮮幼稚園など外国人幼稚園を幼保無償化の対象に加えることなどを文科省に申し入れました。長野県内でこの趣旨に賛同する政府あての署名14,273筆も合わせて提出しました。
応対した文科省の企画専門官は、「みなさんのご意見は省に伝える」と回答しましたが、幼保無償化対象に加えるかどうかや、来年度の幼児教育類似施設に対する支援事業の内容の説明などは明言を避けました。
新型コロナの影響で急激に利用が拡大 フードバンク信州に運営資金を寄付しました
経済大国で「豊かな国」日本。しかし、先進国中でも貧困率が高く、国民の約16%(約300万人)が衣食住に困っている現状にあります。一方で日本では、年間約632万トンもの食料が廃棄されています。明日の食べ物がない人がいるなか、1年で一人が60食分を捨てている計算になります。
NPO法人・フードバンク信州(理事長=佐藤豊・弁護士)は、資源を大切にしながら、生活に困窮し支援を必要としている人に食料を届けようと2016年2月に結成され活動を継続しています。
フードバンク信州は、県民や企業・団体から缶詰やレトルト食品などを集めて、食べるものがない生活困窮者に直接届けたり、各地に開設されている「マイサポ」(長野県生活就労支援センター)で相談に来た人に手渡したりする活動を展開しています。
県労組会議は6月18日、フードバンク信州の運営経費として、10万円を寄付しました。3年前から毎年寄付を続けています。当日は、松澤佳子・県労組会議議長などが事務所を訪問し、美谷島越子副理事長に寄付金を手渡しました。美谷島副理事長は「寄付ありがとうございます。新型コロナの影響で今年4月の利用者は昨年の2倍、特に学校が休みになり、子どもが昼食を取るので家計が厳しい家庭が増えています。寄付金は、運営費として有効に活用させていただきます」などと話されました。
「信州護憲ネット」が2020年度個人会員を募集中
安倍晋三首相は、4月の国会の質疑において、「緊急時に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えるか。憲法にどう位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と述べ、「国会の憲法審査会の場で与野党の枠を超えた活発な議論を期待したい」と強調しました。また、5月3日には、改憲派の団体の会合に同様のメッセージを送りました。
自民党は2018年3月にまとめた4項目の改憲案で、緊急事態条項の新設を掲げています。緊急事態が宣言されると、内閣(行政府)が国会を通さず「政令」だけで、基本的人権を制限・抑圧する強権を発動できるようになってしまいます。新型コロナウイルス感染症が拡大し、人々が不安と困難を抱えている状況の中で、憲法改定を持ち出す安倍首相の見識にはあきれるしかありません。
私たちは、感染症の拡大状況を逆手に取った安倍首相の憲法改定発言に強く抗議します。
2000年5月3日、平和憲法を守りたいと思う方なら、誰でもが参加できるネットワーク「守ろう平和憲法 信州ネットワーク」(略称:信州護憲ネット)を結成しました。現在、2020年度個人会員を募集中です。平和や人権、未来への思いをつなぎ合うため、ぜひ多くの皆さんがご参加いただけるようにお誘い申し上げます。
申し込みは下記の入会申し込み用チラシに必要事項をご記入のうえ、郵便局で会費をお支払いください。
小林節さんを松本市に招いて市民と野党が野党共闘のあり方について討論会
県内の約40の市民団体でつくる「信州市民アクション」と中信地域の市民団体で構成する「本気でとめる戦争!中信市民連合」は6月7日、松本市内で慶應義塾大学名誉教授で憲法学者の小林節さんを招いて、「小林節さんと市民、野党の討論会」を開きました。新型コロナの感染拡大を防止するため、参加者を70人に絞り込んで開きました。この討論会には、県内の4野党(立憲、国民、共産、社民)からも県議会議員が出席して、野党共闘のあり方や共通の政策について討論しました。
小林節さんは問題提起で、「自民党と公明党より、野党政権の方がまし。自民党がやってきたのは憲法を破壊することだけ。憲法は押しつけだが、いいものを押し付けられてよかったと評価すべき。自民党は三権分立をぶっ壊した。10兆円の予備費は財政民主主義の破綻。法の支配による立憲主義、民主主義がデタラメにされている。政権交代して立憲主義を回復する、反安倍だけでも十分な共通政策となる。弱肉強食の新自由主義を変えなければならない。非武装中立は理想としては有りだが、現実的には、専守防衛をきちんと行えば他国の日本への侵略から守ることができるとの平和主義に立つことが必要」「安倍政権を終わらせないと日本が終わってしまうとの共通認識を野党が確立し、国民に明確なメッセージを送ることが不可欠だ」などと強調しました。
不当逮捕された関西生コン支部の武委員長が641日ぶりに保釈
憲法で保障された正当な労働組合活動に対する経営者や警察の不当弾圧事件が関西地域で起きています。弾圧を受けているのは、建設や生コン関係の労働者でつくる全日本建設運輸連帯労働組合・関西地区生コン支部です。
関西地区生コン支部のストライキや建設現場の法令違反改善を申し入れた活動は、正当な組合活動であるにもかかわらず、大阪府警や滋賀県警はこれを「威力業務妨害」「強要未遂」「恐喝未遂」事件に仕立て上げ、89人(事業者含む)もの大量逮捕を強行しました。
本来、憲法28条が労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権の労働三権を保障し、労働組合の正当な組合活動を刑事罰の対象とはしない「刑事免責」が労働組合法1条2項で定められています。憲法で保障された労働組合の権利を否定する事件です。
2018年8月28日に不当逮捕された関生支部の武建一委員長が5月29日、641日ぶりに保釈されました。しかし、保釈されたとはいえ、裁判所は、武委員長をはじめ多くの組合員に対し、組合事務所への立ち入りや組合員同士の接触、面会、電話、メールの一切を禁止するとの保釈許可条件をつけています。事実上の組合活動禁止にほかなりません。これら憲法違反、ILO条約違反、国際人権規約違反の保釈条件を取り消させることが焦眉の課題です。
原子力規制委員会に六ヶ所再処理工場のパブコメを提出
長野県原水禁は5月28日、原子力規制委員会が青森県六ケ所村にある日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所再処理工場)を「新規制基準」に適合していると認める「審査書案」を了承したことを受け、以下のパブリックコメントを提出しました。
「六ヶ所再処理工場は当初1997年であった完工予定が相次ぐトラブルや設計見直しなどにより24回も延期されています。技術的にもきわめて大きな問題を抱え、運転を強行すると放射能漏れなどの大事故の危険性が高いと思います。日本の核燃料サイクル政策自体がもはや破綻している現状で、原子力規制委員会が「技術的な視点」だけで、合格判断をすることは極めて問題があります。審査書案の白紙撤回を求めます」