21世紀のキーワード―平和・人権・環境

長野県平和・人権・環境労働組合会議

昭和電工ユニオン大町支部・県労組会議交流会

12月23日、サンアルプス大町(大町市)で、昭和電工ユニオン大町支部・県労組会議交流会を開催しました。コロナ感染症の影響を受けて、予定していた工場見学は行わず、縣委員長から昭和電工ユニオン大町支部の活動報告と、山本書記長から昭和電工大町工場の事業の概要ついてご紹介頂きました。

昭和電工ユニオンとは

昭和電工ユニオン基本理念「連帯と信頼」

大町支部の組合員約220名の平均年齢34.7歳と若い世代が多く、山本書記長のお話から、若年層にも個々の生活あっての労働という意識が浸透していることがわかりました。

大町支部の組合員の平均年齢34.7歳

質疑応答では、配員係数・配員協定や職場の問題解決を行うための課長交渉など大町支部の活動に対して質問が多数あり、また工場でのアスベスト対策についても質問がありました。いい製品を作るためにも労働者が安全に働く環境が大事であると再確認でき、各労組の今後の活動に向けて励みとなり、よい学習の機会となりました。

大町事業所の主力製品「黒鉛電極」

鉄のリサイクル

~昭和電工大町事業所紹介(昭和電工ホームページから転載)~
大町事業所は1933年昭和アルミニウム工業所として設立され、1934年に国産アルミニウムの工業的生産に成功しました。その後、1938年から黒鉛電極の製造を開始し、以来、黒鉛電極をはじめとしたカーボン製品を生産しています。黒鉛電極では世界最大の32インチ品の生産技術を確立しています。
大町事業所では、3カ所の水力発電所(青木湖、常盤、広津)を有しています。その発電のために全長36kmに及ぶ水路を運用していますが、この水は発電のみならず地域の農業用水、生活用水としても利用されています。

👉 大町事業所紹介パンフレット

「この真実を多くの人に知ってほしい」                 ~中村敦夫朗読劇「線量計が鳴る」長野市公演に162人~

かねてよりこのホームページでもお知らせしておりました中村敦夫朗読劇「線量計が鳴る」長野市公演が、2020年11月28日、長野市芸術館アクトスペースで開かれました。
公演日の2週間前ごろから、長野市の感染者が急激に拡大し、開催が懸念されましたが、当日は、徹底した新型コロナ感染症の対策を取りました。162人という多くの方々が参加してくださいました。

【参加者のアンケート回答から】

・福島原発の問題点の解明(説明)を聞けて大変よかった。コロナ禍でも開催して良かった。
・この真実を多くの人に知ってほしい。中村様はすごいです。ありがとうございます。
・広く深い内容、伝えてもらいました。この朗読劇、国会でやってもらいたいと思いました。
・中村さんの語り、演技に鳥肌が立った。直接見られて良かった。臨場感がすごい。
・朗読劇は初めてでしたが、楽しくかつ真剣に考えさせられて聞くことが出来ました。
・お誘いいただき初めて鑑賞しました。迫力のある語り口に引き込まれてあっという間に時間が経ってしまいました。
・原発は、すみやかに廃炉にしていくべきと思います。トイレのないマンションは必要でないです。
・実行委員会の皆様お疲れさまでした。コロナ禍の中大変でしたね。感染対策きちんとしていたと思います。

公演終了後、中村敦夫さんと記念写真。

当日、スタッフ打合せ

開場前。受付の様子。

 

 

オスプレイを投入する日米共同訓練の中止と 訓練全容の情報開示を求める申し入れ

2020年11月25日、県護憲連合と県憲法会議は、長野県知事宛に、新潟県関山演習場と群馬県相馬原演習場を中心に欠陥機であるオスプレイを投入して行われる日米共同訓練(12月7日~18日の日程)に対し、訓練中止とオスプレイの飛行日程・飛行ルート等の事前情報開示を国及び米軍に対し求めるように申し入れました。県民の皆さんの不安を払しょくするために、早急な対応と県民への情報開示・説明責任を強く求めました。(長野県は11月30日に北関東防衛局を訪問し防衛大臣宛ての要請書を提出しました。)

県知事あての申入書

👉 オスプレイ投入の日米共同訓練の中止等を求める申し入れ

➡申し入れ事項は次の3点です。

1.MV22オスプレイが投入される日米共同実動訓練について、オスプレイの機体の安全性が確立されていないとの認識に立ち、県民の生命・財産を守り抜く観点から、訓練の中止を国及び米軍に求めること。

2.県及び県市長会、県町村会3団体による防衛省・環境庁に対する取り組みを踏まえ、国に対し、訓練の日程・規模等の内容及び投入されるオスプレイの訓練飛行日程・飛行ルート等の事前情報開示を強く働きかけるとともに、県民に対する説明責任を果たすこと。

3.日米共同実動訓練に際し、万が一の墜落事故等に備え、市町村と連携し危機管理体制を早急に構築すること。

12月5日には、上越市で新潟県平和運動センター主催の日米共同訓練反対集会が開かれました。オスプレイ6機を投入しての日米共同訓練が強行されることに対しての反対集会には新潟県下から約400人の仲間が結集しました。長野県からは6名が参加しました。

400人の仲間が結集

 

長野県護憲連合

 

JR長野駅前での街宣

12月7日には、JR長野駅前で訓練中止を求める街頭宣伝活動を行いました。欠陥機オスプレイは飛ぶな!日本の空を戦場にするな!欠陥機オスプレイを飛ばすな!という声を市民の方々に呼びかけしました。

市民の方々への呼びかけ

建築業でアスベスト被害が多発-県アスベスト対策センターが相談会

長野県アスベスト対策センターは11月23日、長野市・県労働会館を会場にアスベスト被害に関する面談と電話相談会を開きました。

毎年、長野市と松本市で交互に年2回開き、神奈川県のNPO法人「じん肺・アスベスト被災者救済基金」に専門スタッフの派遣をしてもらっている相談会。2020年春の相談会はコロナによって中止となっていました。

相談会当日には、3人が面談の相談で来所。新聞報道を見て後日の相談が1人、計4人からアスベスト被害に関する相談を受けました。相談内容は、「内装業に携わって、建築物の解体作業も行った。JR長野駅の旧駅舎の解体も。アスベストが含まれていそうなスレート屋根も手ばらししていた。小学校の耐震工事では、石膏ボードやPタイルも壊していた。呼吸器科に通院して、自分で健康管理手帳も取得した」(長野市/72歳)、「工務店を経営している。木造建築のほか、鉄筋ビルの工事も行った。吹付作業もやったことがある。医者からはアスベストの影響があると指摘され、間質性肺炎と診断された」(長野市/74歳)、「物流業に昔従事して、ニチアス製品の輸送に携わった。肺が3分の1つぶれていると診断された」(上水内郡/52歳)など、とくに建築業の方からの相談が多かった。

県アスベスト対策センターでは、集中相談日以外にも電話や面談でアスベストに関する心配事、健康被害についての相談を受け付けている。

電話 026-234-2116

 

☞ アスベスト相談会の記者会見の様子を報じる中日新聞記事(2020年11月13日)

☞ アスベスト相談会を報じる信濃毎日新聞記事(2020年11月24日)

 

小川英郎弁護士がパワハラやセクハラをテーマに講演――労働運動研究会

県労組会議は11月21日、伊那市で「21世紀の労働運動研究会」第4回講座を開き、約50人の組合員が参加しました。

講師は、小川英郎・弁護士(ウェール法律事務所)で、過労死、パワハラ、セクハラなどの問題について講演していただきました。今年6月からパワーハラスメント防止法が施行され、パワハラの法律的な位置づけが明確となり、職場で防止対策を徹底することが求められています。小川弁護士は、具体的な事件や判例を取り上げて説明しました。

小川弁護士は、パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)や厚生労働省の「指針」では、パワハラとは、①優越的な関係に基づいて、②業務の適正な範囲を超えて、③身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害することと定義されていると指摘。どのような行為がパワハラになるかという点では、①身体的攻撃(暴行・傷害)、②精神的な攻撃(脅迫・暴言)、③人間関係の切り離し(隔離・仲間外し・無視)、④過大な要求(業務上明らかに不要なことは遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)、⑤過少な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)、⑥個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)などが挙げられていると説明しました。

講演後には、3班に分かれて、分散交流会を行いました。参加者からは、パワハラやセクハラ、マタハラなど職場での様々ないじめがあることが報告され、労働組合の防止対策の取り組みが重要だと再確認されました。

 

小川英郎弁護士

 

労働運動研究会で宮里邦雄弁護士が 労働者の権利と労働組合の役割について講演

県労組会議は10月24日、14期目となる「21世紀の労働運動研究会」第3回講座を長野市で開き、約50人の組合員が参加しました。講師は、日本労働弁護団元会長で、労働弁護士の権威である宮里邦雄先生。セブンイレブンの店長などでつくる長野一般シーブイエストヨクラ分会の「名ばかり管理職」裁判で弁護団の主任弁護士を務めていただきました。

講演のテーマは、「労働者の権利と労働組合の役割」。講演では、コロナ禍で非正規労働者の権利が侵害されている現状のなか、改めて労働者の権利意識を高めていく必要性が強調されました。宮里先生は、労働者の権利を実現するために、①権利について知ること、②権利意識を持つこと、権利を行使すること、④権利侵害を救済する手段・方法を知り、活用すること、⑤仲間と連帯し、団結の力によって権利を実現することなどが重要だと述べました。

講演後には、Q&A方式でワークルール検定を行いました。参加者全員が番号札をもって、正解だと思う回答を選択する方式で、楽しみながら労働法令について学びました。

宮里邦雄弁護士

 

県労組会議定期総会―コロナ下で新たな団結と連帯をつくる決意を確認 菅自公政権に対峙し、市民と野党の力で総選挙を勝ち抜く決議も採択

長野県平和・人権・環境労働組合会議(県労組会議)は10月23日、長野市内で43人の代議員、役員が参加し、第25回定期総会を開きました。総会では、コロナ禍で厳しさが増している労働者の生活や労働の実態をみんなで共有し、新たな団結と連帯をつくりあげようと確認しました。

総会は、コロナ感染防止対策のため、来賓は呼ばず、傍聴者の参加もなく最少人数で実施。消毒や換気、「3密」を避ける対策を徹底しました。

安倍政権の突然の退陣、菅政権の発足という政治状況で開かれた総会で、総会の冒頭、松澤佳子議長は、アベ政治を継承する菅政権では、コロナの感染防止対策も不十分で、「自助」という名の「自己責任」が強調され、労働者の生活改善や平和・民主主義の堅持が危うくなると述べました。

代議員からの発言は3人。「コロナ禍でJR東日本でも国労が会社に対し感染防止の職場要求を出している。国労の人員が減ってきているが、少数でも運動を継続するために頑張りたい」(宇佐美代議員・国労長野)、「コロナ禍で反核平和の火のリレーはランナーが走らないで、自治体への要請だけ実施した。最低限の運動をやれてよかった」(中村代議員・自治労)、「コロナで『交通崩壊』の危機が迫っている。賃金・一時金も大幅にカットされている。公共交通維持のためにみなさんの支援をお願いしたい」(深井代議員・私鉄県連)などの発言がありました。

総会は最後に、菅自公政権に対峙し、市民と野党の力で総選挙を勝ち抜く決議と「コロナ後には、競争と自己責任、差別と分断を生む新自由主義的政策の流れを断ち切り、公助や共生、格差是正のための再分配、助け合い社会へ転換」しようとする「総会決議」を採択しました。

なお、総会では役員が改選され、松澤佳子議長が再選されました。

     

☞ 総会で採択された特別決議

☞ 総会で採択された総会宣言

福島原発被ばく労働の実態は!? ――現地からの報告 ――

2020年10月10日 若里市民文化ホールにて

福島県いわき市議会議員の狩野光昭さんをお呼びして、

「東京電力福島第一原発事故から10年目を迎えた中での福島県民の課題」と題し、

 1.原発周辺の町村 帰還が進まない厳しい現実

 2.県民健康調査甲状腺検査について

 3.原発廃炉に伴う諸課題

原発労働の実情・汚染水についてなど、今の福島の様子を報告していただきました。

フクシマ原発労働センター代表として日々、労働相談にのっていらっしゃるその現場の実態を聞いて、驚くとともに、私たちに何かできることはないのかと考えさせられました。

講演後は、柏崎刈羽原発差止請求訴訟原告、涌井純生さん、いいづなミツバチの会の瀬尾代表、チェルノブイリ連帯基金・神谷さだ子さんからそれぞれ活動報告をいただきました。

 

👉 脱原発2020㏌信州チラシ

👉 狩野光昭講演資料・東電からのコロナ対策回答書

 

 

 

 

 

 

 

「伝えるべきことを伝える」——中村敦夫「線量計が鳴る」実行委員会代表の草野麻理子さんが信濃毎日新聞で紹介される

10月1日の信濃毎日新聞「北信版」(他の地域はブロック版)に中村敦夫さんの朗読劇「線量計が鳴る」実行委員会の活動が紹介されました。記事は、2011年7月、福島原発事故の放射能被害を心配して、福島県いわき市から自主避難した草野麻理子さん(県労組会議書記)の思いが掲載されています。草野さんは、2年前に原発被災地を訪れて、その被害に衝撃を受け、「伝えるべきことを伝えなければ」と決意、脱原発運動を始めました。

■「線量計が鳴る」長野市公演(チケットは予定枚数終了しました。)
日  時  11月28日(土) 13時30分
場  所  長野市芸術館 3階 アクトスペース
長野市大字鶴賀緑町1613 電話026-219-3100
主  催  中村敦夫朗読劇「線量計が鳴る」長野市上演実行委員会(代表=草野麻理子)
チケット  前売り2000円/当日2500円/大学・高校生1000円(中学以下無料)
・実行委員会事務局へ問い合わせてお申し込みください。
・長野市芸術館チケットセンター、こくちーず(インターネット)でも申し込みできます。
問い合せ  実行委員会事務局(担当:草野/喜多)
電話 026-234-2116 FAX 026-234-0641
Email snagano.exec@gmail.com

☞ 信濃毎日新聞の記事はここをクリック

信州安保法制違憲訴訟 第13回口頭弁論を傍聴して

原告団長である又坂常人信州大学名誉教授、戦争体験者・新海 寛さん、新潟大学学生・大橋直紀さん、母としての立場から金井奈津子さん、元国鉄・JR職員の後藤正次さん、教員としての立場から竹内忍さんの6名の方が証人として立ち、証人尋問が行われた。

裁判の傍聴なんてほぼ未経験に近い私にとって、見るもの一つ一つがテレビの世界。こんな風に裁判て行われているんだ・・・と、まずはそこからだった。

この貴重な機会をいただくことになったのは、女性裁判官の評判を聞いたことからだった。多くの裁判官が国よりの判決を下す中、珍しく原告側に配慮した裁判をすすめているとのこと。そんな裁判官に率直に興味を抱いたし、裁判なんて遠い世界のものと感じていた私が、身近に思えた瞬間だった。「私も見たいです。もし傍聴できるならさせてください。」と願い出た。

それぞれの証言は、当事者性が強く、ひとりひとりの言葉が胸に響いた。中でも、新海さんの戦争体験の生の声は、衝撃的だった。戦争体験者の話を直接聴いたのは初めてだったが、今後あらためて当時の話をきちんと聴いておかなければと思った。そして、大学生の大橋さんのお話。「生きづらい人の助けになる」という夢を叶えるために法学部に入り、勉強していた彼が、憲法がこんな簡単に解釈によって捻じ曲げられてしまうことにショックを受け、勉強に身が入らなくなってしまったという。これからの若者が未来に希望を持てない国なんて、この国は終わってしまう・・・。この判決一つで、希望を抱いて歩いていけるか、絶望で前に進めなくなるかがかかっているのだ。最後の竹内さんの証言では、大人である私達ができることはなんだろうと考えさせられた。立場とか職業とかそんなもの一切超えて、一人の人間として、向き合わなければいけない時期に入ってきている、本当にそう思う。

新型コロナに翻弄される今、全世界の誰もが他人事ではなくなってきている。それぞれが自分事として真剣に立ち向かう時期に来ているということなのだろうか。