台風19号被災地・長野市営長沼体育館で9月3日(土)に開催

「特定NPO法人東京労働安全衛生センター」と長野県アスベスト対策センターの呼びかけで、令和元年台風19号災害におけるアスベスト対策の教訓に学び、全国で頻発する災害時のアスベスト対策に活かすため、現地調査及びシンポジウムを開催することになりました。

県アスベスト対策センターでは、甚大な被害をもたらした台風19号災害の復旧にあたり、被災家屋等に使用されているアスベスト含有建材の破損・解体等により発生するアスベストの飛散・ばく露を防止し、よって重大な健康被害を防ぐため、災害ボランティアの皆さんへの注意喚起や防じんマスクの提供等の対策をはじめ、公費解体・自費解体におけるアスベスト含有建材等の分別、飛散防止策の徹底等を市に要望するとともに、公費解体現場の調査にも取り組んできたところです。

今日、大雨による甚大な災害が相次ぎ、被災からの復旧過程におけるアスベスト対策が喫緊に求められています。また、老朽化した建築物の解体・更新がピークを迎えようとする中、吹付や建材に含有するアスベストの飛散・ばく露による健康被害の発生が危惧されます。

アスベストは吸い込むと30年から40年後に肺がんや中皮腫などを引き起こすことから「静かな時限爆弾」といわれています。災害時、被災した家屋の片付け、撤去、解体等にあたり、建材等に含まれているアスベストが飛散し、災害ボランティアや解体作業に従事する労働者の深刻な健康被害の発生につながらないよう、自治体において万全の対策を講じていくことが重要です。

今回の企画にあたり、私たち自身がアスベストの危険性を再認識し、災害時におけるアスベスト対策の徹底に取り組んでいく絶好の機会にしていきたいと考えます。

なお、前日の9月2日(金)には、台風19号で被害を受けた現地を視察し、災害ゴミに含まれるアスベスト問題、ボランティアのアスベストばく露防止対策などについて長野市関係者、現地住民からの聞き取りを行います。

シンポジウムはどなたでも自由に参加できます。ぜひ多くの方がご参加いただけるようにご案内申し上げます。

 

 

 

被災直後の長野市長沼の千曲川決壊場所に近い消防団詰め所

災害ゴミ置き場にはアスベストを含む建材がまとめて管理されていた。